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スピカの部屋に着き、今度はスピカがアルビレオの為に紅茶を淹れた。

「ン、サーンキュ♪スピカちゅわん!・・・・で、スピカちゃんが帰りたいって思ったのは、プレアが来たからでしょう?」

アルビレオはスピカから紅茶を受け取るとすぐに飲みながらそう尋ねた。

「!・・・は、はい・・・・」
「そりゃそうよね〜。あいつ、かな〜りレグルスゾッコンだから、話しにくいわよね。」
「はい・・・その、アルビレオさん・・本当にお気遣いいただきまして、すみません・・・・」
「だから、そんなコトは気にしないの!それより・・まぁ、レグルスと何があったのかは後回しにして、レグルスの部屋の場所ね。」
「あっ、はい!」
「2階なんだけど〜、3階から普通に降りてってそのまままっすぐ行くとちょっとおっきめのドアあるから。そこがレグルスの部屋だからね〜。」
「あっ、はい!分かりました!えっと・・降りて、そのまま2階をまっすぐ行った、大きいドア・・ですね?」
「うん、そう!基本的に2階は複雑な作りになってないから、迷うコトないと思うよ♪た〜だ・・あいつ最近ホントに夜遊び激しいんだわ。しかもスピカちゃんとの話を全くしてこないあたり何かおっかしいな〜とは思ってたんだけど・・・・レグルスとケンカした?」

アルビレオにそう聞かれ、スピカは心が痛くなったが・・・頼りになるアルビレオには話しておかなければならない気がした。だからあの日のことを、スピカはまとめて簡潔にアルビレオに話して聞かせた。そして昨日ラグリアから教えられたことと、自分が今思っていることも・・・・
全てを聞き終え、アルビレオは「ふ〜む・・・」と言ったきり、何か考え込んでしまっていた。スピカも話すだけ話して大分心の重荷が取れたものの、その気持ちは複雑だった。
しばらく沈黙が続いたが、アルビレオが口を開いた。

「あのね、あたしは別に・・スピカちゃんだけが悪いんじゃないと思うんだ〜。あいつとしてはプライド傷つけられた感じになったんだろうけど・・・・何ってゆーか・・成長してないな〜って思うわ、あたし。」
「!そ、そんな・・アルビレオさん!」
「いやね。あいつ・・・昔ちょっとした大恋愛をしてさ・・・・」
「・・昔、ですか?」
「ン、そう。あれは確か、4年位前の話ね〜・・・・・レグルスとラグリア様が本当の兄弟だってゆーのは・・もう知ってるわよね?スピカちゅわん。」
「あ・・はい。」
「ってコトは、どーしてあいつが大臣職に就いてるのかも分かってるのよね、スピカちゃん・・・・ン。そこなんだよね〜。」
「えっ?」

スピカは驚いてしまった。アルビレオは話を続ける。

「4年前にね、あいつ、本気で恋してた子がいたんだわ。それが・・あいつに「ラグリア様の臣下にならないと運気が下がる」ってゆー占いを見出した占い師の子だったのよ。」
「!!!・・・・」
「よく考えてみると、あの占い師の女の子とスピカちゃんってば、顔付きも似てる気がするわね〜。多分にあいつ、スピカちゃんみたいな子やっぱタイプなんだな〜って思うのと同時に、あの時から全く成長してないんだわ〜・・って思うわね。この4年間あいつってば何を学んで、どこが成長したのやら・・・・」

アルビレオから意外な事実を聞き、スピカは驚いてしまっていた。ラグリアも以前レグルスのことについて、「過去の経験がそうさせている」と話していたのを思い出した。恐らくこのことなのだろう。

「あ・・あの、アルビレオさん。その、占い師さんは・・今、どうなさってるんですか?」
「あぁ〜・・・・・自殺しちゃった。」
「えぇっ!?」

とんでもないことを聞き、更にスピカは驚いてしまった。

「レグルスとその子ってば一応両思いだった訳だけど、まぁ・・この国で「占い師」って言うと、神様に近い存在なワケで〜・・・まぁ、つまり結ばれちゃいけない存在ってワケね。で〜も、あいつってばあの通り、本気になった子には妥協しないからさ・・・その子と一晩過ごしちゃって・・・・」
「は・・はい・・・・」
「その子も嬉しかったみたいよ?で〜もさ・・その子とレグルスってばやっぱ禁断の関係なワケで、一旦レグルスのコト否定したのよね〜・・・・そしたら途端に他の女の子と頻繁に夜遊びしたってワケ。それまでレグルスは浮いた噂なんて全くない人だったから話が広がっちゃって・・・で、その子も噂が真実だって知った時ショック受けちゃってさ。だってそうでしょ〜?仮にも好きな人がちょっと否定したからと言って、イキナリ他の女の所に行ったのよ〜?だから・・・あの子が1人で逝っちゃったのよ。」
「!・・・・・は、はい・・・・」
「あいつ・・さてはまた同じコト繰り返そうとしてるワケじゃないでしょーね〜・・・・?ホント、マジでアホじゃないの?自分の一番好きな子を傷つけてどうすんだって・・・自分もその子も傷つくだけだってのにね〜・・・・スピカちゃんも。一応あいつのコトは好きでいるワケでしょ?」
「あっ・・それは・・・・は、はい・・・レグルスさんは、とても大事な存在の方です・・・・私をここに連れてきて、私を買って下さった・・とても優しい方、ですから・・・・」

スピカは1つ1つ言葉を選んでそう言った。

「・・・・あぁ〜。本気であいつのコト蹴り飛ばしたくなってきたんだけど・・・・ちょっとあいつん所に出向いて一発蹴ってきてイイかしら?」
「えぇっ!?そ、そんな、アルビレオさん!!あの!やめて下さい!」


  

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