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「スピカちゃん・・・・」
「その・・・・その、4年前の占い師さんの方との恋は、レグルスさんにとって、本当に・・今でも根強く残ってることだと思うんです。それに・・私とレグルスさんはそんな、禁断の関係とかではないですし・・・・私がもっと努力すればいいんです。もっと・・もっと私が、自分の気持ちに素直にならなければいけないんです・・・・」
「・・スピカちゃん・・・・ンフフッ。スピカちゃんは本当に、健気で真面目よね。はっきり言って・・あたしからしてみれば、レグルスにスピカちゃんのよーな子はもったいなさすぎるのよ。」
「えぇっ!?そんな、アルビレオさん!」
「んでもレグルスから聞いてたんだけど・・・スピカちゃんってばアトラス様のコト好きだったんだって〜?」
「!!・・・・は、はい・・・・」

まさかそこまでアルビレオに知られているとは思わず、スピカは急に恥ずかしくなってしまいながらも返事をした。

「ン〜・・・・レグルスから「アトラス様が直々に一から育て上げた子だ」って聞いてたからホントに驚いたのよね〜・・・・でも、あの鬼畜変態野郎がそうまでしてスピカちゃんを娼婦にして育てたいと思った気持ち・・何となくあたし理解した気分だわ。」

アトラスがその場にいたら殴る・蹴るの暴行では済まされないであろうすごいことをアルビレオは平気で口にした。スピカは驚いてしまっていたが・・・・どうやらこのアルビレオの口ぶりからするに、アトラスのことを知っているのだろうか?スピカはそちらのコトの方が気になってしまった。

「あ、あの、そんな・・・・えっと、それより。アルビレオさんは、アトラス様のお知り合いさん・・ですか?」
「えっ?知り合いも何も・・・・あいつが手がけた奴隷娼婦の一番最初ってあたしよ?」
「ええぇぇっっ!?そそ、そうだったんですか!?そ、それじゃあ・・アルビレオさんは・・・・」
「あれっ?スピカちゃんにまだ話してなかったっけ?あたし元娼婦よ?スピカちゃんと同じ、鬼畜変態アトラス様経由のね♪」
「ええぇぇーーーーーっっ!?そ、そうだったんですか!?そ、それじゃあ・・私にとって、本当に大先輩さんなんですね・・・・?」

通りでアルビレオがナイスバディである訳だ。ようやく合点がいき、スピカは本当に驚いてしまったと同時に納得がいった。

「アハハハッ!まぁそーゆーコトになっちゃうわね〜!!あ、でもあたし男大っっ嫌いだから。しかも原因はそのアトラス様なんだけど・・って、今はこーゆーお話どーでもイイわね。」
「あ・・は、はい・・・・」
「ンフフッ。あたしね、このお城で働くようになってから少し娼婦してたんだけど・・・何かダメでさ。んでもまぁ、レグルスはあたしの男嫌いを理解してくれたようで・・・・おかげであたしは娼婦洗いざらいやめて、アイツの部下としてここに残ったワケ。」
「そ、そうだったんですか・・・・・」
「ねぇねぇ。アトラス様ってさ〜、あれからハゲたりしてない?」
「ええぇぇっ!?」

突然思ってもみなかったコトを言われ、スピカは大いに驚いてしまった。

「いや〜。あたしがアトラス様と別れたのって5年前の話だからさ〜。あの人も前より大人になって、ハゲたのかと思ってさ〜!!アハハハハッ!!」
「あ、え、え〜っと・・ハゲてはいらっしゃらないと思います・・ハイ・・・・」
「な〜んだ〜、つまんないの〜。んでもあの人ハゲてた方が絶対イイ男だと思うんだけど。何だろう?昔からあの人って変にワイルドだったのよね〜。だから思い切ってスキンヘッドとかにしてるのかな〜?とか思ったワケよ!!アハハハハッ!!」
「あ・・は、はぁ・・・・ウフフフフッ・・・・」

アトラスのスキンヘッド姿を想像してしまうとスピカも笑いが止まらなかった。アトラスの悪口みたいなことは、それこそ本人に言えたものでもないから・・・こうしてアトラスのことを知っている人がいるととても面白いものである。

「アハハハハッ!!・・っとと、まぁアトラス様の話はどーでもイイとして。レグルスとのコトはこれ以上あたしが何かしてあげれるワケでもないし・・「頑張ってね!」ってしか言えないのがもどかしいけど・・・・取り敢えず様子見させてもらうわ。スピカちゃん、絶対大丈夫だから!4年前のよーな悲劇にはさせないわよ!!一応・・あたしもあいつの部下だから〜?主には幸せになってもらわないとね!!」
「あ・・はい!本当に・・ありがとうございます!アルビレオさん!」
「ン、大丈夫!!お礼なんて言わなくてイイよ〜、スピカちゅわ〜ん!あたしは当然のコトをしてるだけなんだからさ!」
「・・ですけど、私・・アルビレオさんが・・こんな私のお話を聞いて下さったことが・・本当に嬉しいんです・・・」
「スピカちゃん・・・・でも、それはラグリア様も然りでしょ?」
「!あ・・はい・・・・」
「ラグリア様はね〜、レグルスと違って物事分かってる人だから。あたしの前にこーゆーお話して正解だと思うよ♪それに・・・・あいつも本当は自分でこの状況をどーにかしたいとは思ってる筈だから・・要はきっかけを持つコトが大事よね!本当ならあいつが謝るべきだと思うけど・・・スピカちゃん、頑張ってね♪」
「アルビレオさん・・・・!はい・・私、頑張ります・・・・!」
「ン、OK!!・・あぁ〜っ!!すっかりスピカちゃんと話し込んじゃったわ〜。うわっ、早く戻んないとマクリス様とプレアに文句言われそうだわ〜。んじゃ、あたしはもう行くね!!またね〜、スピカちゅわん!」
「あっ、はい!本当に、すみません・・ありがとうございました!」

そうしてアルビレオとスピカは共に手を振り、別れた。昨日のラグリアと、そして今のアルビレオに感謝しつつ、スピカは今日の夜、ダメモトでレグルスの部屋に行く決意をしたのだった・・・・・・・・・・


  

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