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・・私は、雲のずーっとずーっと上にあるお空の上に住んでいました。私は正天使ではなくて・・・人間とのハーフだったんですけれど、お母様が天使様だったので、お空の上に住んでいましたし・・・お母様の血の方を濃く受け継いだので、羽もありましたし、法術の力も持っていました。
ですけど私、そのように正天使ではなかったので、昔から虐げられていたんです・・・・あっ、もちろん大神様を始めとして優しくして下さる方も多かったんですけど!なので私・・・ちょっとだけやさぐれてしまったんです。なのでお仲間の方と、時々悪いこともしてしまったりして・・・・それでも大神様はお優しい方で、大した罰を私達にすることもなく、私はずっと生きてきました。そんな時、だったんです・・・レグルスさんとお会いしたのは。ウフフッ・・・レグルスさんはあの時、お空に住んでいる方々の聖なる血を求めていらっしゃったんですよね。

「あぁ、そうだね・・・・」
「レグルスさんってやっぱりムッツリス・・・・」
「こら、プレセペ。私に何か言う前に人の話を聞いてごらん?スピカが誰の為に話してくれてると思っているんだい?」
「・・はぁ〜い。」

ウフフッ。レグルスさんは地獄のお仲間さんと共に、突然天界に襲いかかってきたのです。他の天使の皆様がパニックに陥っていたその時、大神様がその力を振るわれました。
そのことでレグルスさんが大怪我をしてしまって・・・・たまたまその時、私は地獄の方々が天界に来たことを知らずにいたので・・・・怪我している方を放っておけなくて、それで大神様も知らないであろう仲間との秘密の場所にレグルスさんを運び込んで、介抱して差し上げたんです・・・・・

「ふ〜ん。やっぱりスピカさんは優しい人なんだね!レグルスさんにはほぉ〜んともったいない!!」
「プレセペ・・・・さっきから失礼なことばかり言ってくれるね〜、おまえは・・・・」
「エヘヘヘヘ〜ッ。スピカさんがいる時は、レグルスさんが怒りにくいコトを分かってるからだも〜ん!」

ウフフッ。それで、レグルスさんを介抱して差し上げて・・・・レグルスさんは何とか一命を取りとめて下さいました・・・・その、考えてみると・・・・私、あの時既に、レグルスさんのこと・・好きになっちゃったんだと思います。とっても素敵で、魅力的で・・・・
レグルスさんはあの時、やっぱり私の血が欲しかったのですよね?

「うん?そうだね・・・・フフッ。でも・・私は、おまえに恋をしてしまったから・・・・そういう欲望はあったけど、抑えたんだよ。」
「信じられないよね〜。レグルスさんが欲望抑えるなんてこと滅多にないんだよ〜?ってゆーか、スピカさん限定!!」
「!こら、プレセペ・・・・また余計なことを・・・・!」

あっ、そうなんですか?・・ありがとうございます。
えっと、それで・・・・レグルスさんの傷が全快するまでにはまだ少しお時間がかかりそうだったので、何日間もそこでレグルスさんと過ごして・・・・それで、えっと・・・レグルスさんと結ばれた・・んですよね?・・・な、何かこうしてお話するととっても恥ずかしいですけれど・・・・

「フフッ。顔を赤く染めてしまって、可愛いね・・・・」
「・・レグルスさんって、そうやって女の子口説いてるんだ?」
「おや?プレセペ。私はスピカを口説いている気はないよ?全て本心なんだからね。」
「・・・やっぱりスピカさんのこととなると全然態度がちがくなるね、レグルスさん・・・・本当にスピカさんのことが好きなんだね!」
「当然だろう?さ、可愛いスピカ。続きを話してごらん?」

は、はい。レグルスさんとの生活は、毎日楽しく過ぎていったのですけれど・・・・ある日、レグルスさんと薔薇園に出かけたんです。天界の薔薇園は本当に奇麗なんですよ。一生枯れることなく咲き続けて、私達を楽しませてくれるんです。
それで、その・・・・薔薇園の中にある赤い薔薇を摘み取って、お互いに交換し合ったのですけど・・・・それは、天界でしてはいけないことだったんです。薔薇園ですから、観賞用だということは、分かっていたつもりだったんですけど・・・・私も、レグルスさんと形になる何かを残したいと思っていましたし、レグルスさんが地獄の方なんだと分かった時は、してはいけない恋をしていると自覚はしていたんです。それでも、やっぱり・・・・私もやさぐれていた所がありましたし、それまで天界でしてはいけないことをしても大した罰を与えられなかったので、私も無責任すぎた所がありました・・・・・
それからすぐに大神様に呼ばれました。大神様は、私とレグルスさんが一緒にいたことは許して下さったのですけど・・・・薔薇園の薔薇を摘み取ってしまったことを重罪だとして、それまでの私の記憶をなくして人間界に落としたのです・・・・そしてレグルスさんには・・・・えっと・・・・

「フフッ、言いにくいかい?・・・そう。おまえにキスすることを禁じたんだよ・・・・まぁ、でも・・会うことの自由はくれたからね。それでも、結局欲望は抑えられなかったよ・・・・」
「・・・レグルスさん・・・・大変だったんだよね?」
「・・そうだね。でもそれが、私に架せられた定めだったし・・・・天の掟には逆らえないからね。その掟を破った時・・それは私の破滅を意味するんだろうけど・・・・一体、私はどうやって死を迎えるんだろうね・・・・」


  

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