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案の定、私が動こうとする前に叔母様がこちらに来られて・・・・わ、私の方に・・視線を投げかけられました・・・・!!

「あら、スピカちゃん!?まぁまぁまぁ!!!覚えてる?叔母さんのこと。」
「あっ・・は、はい・・・・・あの・・お久しぶりです・・・・」

と、私が間が悪そうに返事をしていたら・・・・お兄様が驚いた顔をなさって、私と叔母様の方を見ていました・・・・・こ、これは・・最高にまずいかもしれません・・・・

「そうねぇ〜。ウフフッ・・お兄ちゃんから聞いてはいたけど、病気の方は本当に大丈夫なの?」
「あっ、は、はい!!おかげ様で・・・・再発する可能性は、とても低いみたいで・・・・」
「そう・・本当に良かったわ!!それより・・スピカちゃん、ずっとここにいたの?そしたら、叔母さんとお兄ちゃんの話・・聞いてた?」

ギクギクギクッ!!そ、それは・・・・・

「あ・・その・・・・立ち聞きは、悪いと思ってしまっていたんですけれど・・・・!」
「・・どこから聞いていたのかな?スピカ・・・・・」

と、お兄様がこちらに来られてそうお尋ねになりました!!うぅっ。お兄様・・間違いなく怒ってらっしゃいますね・・・・お顔が怖いです・・・・・

「え、えっと・・・・・」
「まぁまぁ、お兄ちゃん!そんな怖い顔しても、スピカちゃんだって答えにくいじゃない・・・・むしろ、お兄ちゃんとしてはスピカちゃんに話す手間が省けて良かったんじゃないの?」

あ・・そ、それは・・そうかもしれませんけど・・・・ですけど、私は・・・・

「・・・・・スピカ。私を、最悪な男だと思っただろう?」

え・・っ・・・!?

「えっ?あの・・・・」
「ずっとおまえの「お兄様」のフリをしていたんだよ?私は・・おまえに真実を話すこともなく、ずっと今まで過ごしてきて・・・・おまえが病気の治療を終えて帰ってきたすぐその日にこの手で抱いて・・・・・それでも尚、私はおまえの前で「お兄様」を演じていたんだよ?」
「・・は、はい・・・・・」
「・・・参ったね・・・おまえの前では、完璧な「お兄様」でいたいと思ったんだけどね・・・・・本当に、恥ずかしいよ。こんな私をおまえに知られてしまって・・・・見損なっただろう?」

そ、そんな・・・!お兄様、私は・・・・!

「お兄様・・・・!私、そんなことないです!私に本当のことをお話なさらなかったのは・・お兄様が仰ってた通り、きっかけが掴めないのもあったでしょうし、叔母様とのお話を聞いている感じでは、お兄様はそのことで悩まれてる感じがしました・・・・それに私、お兄様のこと、本当に大好きです・・・・!お兄様としても大好きですけど・・・叔母様が仰ってた通り・・お兄様のこと、「一人の男性」として大好きなんです!」

私はそう言って、お兄様に抱きつきました・・・・私は、お兄様が「お兄様」でなくても、大好きですもの・・・・・

「・・スピカ・・・・・こんな・・こんな私でも・・・おまえはまだ、私を必要としてくれているのかい?」
「はい!お兄様が・・大好きです・・・・!ずっと、お傍にいたいんです・・・・!ダメ・・ですか?」
「・・・駄目なんかじゃないよ、スピカ・・・・フフッ。ずっと、離さないからね・・・・」
「はい・・お兄様・・・・!」
「スピカ・・・本当に、おまえを好きになって良かったよ・・・・!おまえは本当に優しくて、いい子だね・・・・こんな私でも「傍にいたい」と言ってくれるなんて、ね・・・・」

そうして・・私とお兄様は、キスをしました・・・・もう、誰が見ていようが関係ありません!お兄様とこうしている時間が・・・何より一番幸せなんです・・・・!
私とお兄様は、角度を変えて、何度もキスしました・・・・その度に、お兄様への想いがあふれ出てしまって・・・・!もっと、お兄様とこうしていれたらって・・思ってしまうんです・・・・
私とお兄様は、見つめあいました・・・・お兄様にこんな風に見つめられると、ちょっと恥ずかしいんですけど・・・・お兄様のお顔をこうして見れて・・私、幸せです・・・・!
お兄様は私から目線を周囲に移しました。私も同じようにしてみたら・・・ウッ・・そういえばこの周辺にいらっしゃる皆様・・目を丸くしてらっしゃいますね・・・キャ〜ッ。
私は恥ずかしくて気ばかりあせってしまっていたのですけど・・・お兄様は、余裕の微笑みを浮かべてこう仰られました。

「私とスピカは最高の兄妹で、恋人同士だよ・・・・スピカに手を出す男は、私が許さないからね!」

ヒャ・・ヒャ〜ッ!お、お兄様!そんな、大きなお声で・・・・!あ、ですけどえ〜っと・・先ほどのキスとか、全部皆様に見られてた訳で・・・キャ〜ッ!改めて考えますと、とっても恥ずかしいです・・・・・
ですけど皆様は・・そんな私とお兄様を見て、笑顔で拍手して下さいました!!これには私はもちろん、お兄様も驚いてらっしゃったみたいです。

「おめでとう〜!!ヒューヒュー!!」
「お幸せにね〜!」

皆様、そんな暖かい言葉を投げかけて下さって・・・・私はまだ驚いてしまっていたのですけど、お兄様はいつも通りの、余裕の微笑みを浮かべておられました。

「なるほど、ね・・・・犯人は、叔母様かな?」
「えっ?」
「フフッ。さすが、叔母様は上手だね・・・・叔母様に助けられてしまったよ。」
「あの・・お兄様?」
「ん?どうしたのかな?スピカ。」
「そ、その・・叔母様が何かなさったのですか?」
「あぁ・・どうやらそうみたいだよ。フフッ・・・迷っていた私の心を解きほぐして、こうして他の人にも呼びかけてくれたみたいだよ・・・・」
「あっ!そういえば、叔母様は?」
「フフッ。随分前からここにはいなかったけどね〜。」

う、うわ〜っ、いつの間に・・・・・私も叔母様に助けられた時が一杯ありましたけど・・・・叔母様に、お礼言わなきゃ、なんですよね・・・・

「そ、そうだったんですか・・・・」
「・・スピカ・・・・愛しているよ・・・・」

お兄様・・・・・

「はい・・私も、お兄様のこと・・愛しています・・・・」

そうして・・皆様の視線を感じてしまって、恥ずかしかったんですけど・・・・お兄様と、再度キスをしました・・・・
何か周りの方の「ピューピュー!」という口笛や「キャーッ!」という黄色い悲鳴が多くて、本当に恥ずかしかったんですけど・・・・これで少しは、皆様に私達の仲を認めてもらえた、ってことなんですよね・・・・?お兄様と、公にこうしてキスしていても、何も言われないんですよね!・・・・そう考えると、本当に嬉しいです・・・・嘘をつくのって、やっぱりいけないことだと思いますから。


  

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