夜8時過ぎ。ようやく会議も終わり、レグルスがフゥ〜ッと一息ついたその時だった。

「こぉうらーーーー!!そこ〜、ため息つかなーーい!!」

ドゲシッ!!

「ぐわっ!!ね、姉さん!?」
「ったくも〜。そーゆーアホヅラ、1度スピカちゃんに見せてあげたいわホント〜。」
「うわっ、ちょっと待った姉さん!!それはなしだよ!それだけは頼むよ!!どうかこの通り!!」

そう、そこにいたのは金髪の女性で、社長の秘書をしているアルビレオであった。
そしてこのアルビレオはレグルスの実の姉なのだ。非常にハイパーなアルビレオには、常に余裕ある感じのするレグルスが負けていたりした。

「ん〜まぁイイけど〜?しっかし・・いずれあんたのそのアホさ加減スピカちゃんにもバレるんだからさ〜、バラすんなら今の内の方がイイんじゃないの〜?」
「!・・・スピカにだけは、ボロを出したりしないよ・・・・私がやっと見つけた・・運命の女性なんだからね・・・・」
「ふ〜〜ん・・・・アンタ相当スピカちゃんには気合入ってんのね〜・・・って、スピカちゃんが入社して初めて出会った日から、あんたスピカちゃんにゾッコンだったわよね。」
「それはもちろんだよ。あんな可愛い女性を見捨てておく男は関心しないね。まぁ・・・それはそれで私には好都合だけどね。」

そう、レグルスの心の中には本当にスピカのことしかなかった(笑)
どうすればスピカが喜んでくれるか、どうすればスピカと一緒にいられるか・・・・仕事中でも常にそんなことを試行錯誤していたりする(笑)レグルスはスピカに一目惚れであった。
だが一目惚れした後でも、レグルスはそのことを後悔しなかった。スピカの面倒を見ていく内に、その想いが間違いではなかったと確信したからである。
スピカは可愛いだけではなかった。出来ないことでも頑張って取り組むその姿勢にレグルスは打ちひしがれ、更にはスピカの天然ボケぶりと鈍感っぽい所がレグルスの心をくすぐったのである。それからスピカの為に、自分に出来ることなら何でもしてあげたいと思った。

「・・まぁ?ご都合のイイことにスピカちゃんもあんたに脈あるっぽいから〜?イイんじゃないの〜?一応相思相愛ってコトでさ!」
「フフッ、それはもちろんだよ・・・・スピカだけは、誰にも渡したくないからね・・・・・」
「あぁ〜、そういえばもうすぐバレンタインじゃないのさ〜。スピカちゃんがあんたに本命渡すか渡さないかで、運命決まるわね。」
「そうだね〜、フフッ。まぁ、でもそのことならあまり心配はしていないよ・・・確実に、スピカの本命チョコは私のものだよ・・・・」

レグルスは拳をグッと握って不気味に微笑んでみせた。アルビレオは冷めた目でレグルスを見ている。

「んまぁそーかもしれないけどさ〜、あんま強がってばっかいられないんじゃな〜い?あの超優しいスピカちゃんのコトだから、きっとこの社内の男全員にチョコ渡して歩くと思うわよ〜?そしてあの天然ボケぶりのスピカちゃんのコトだから・・・本命チョコ他の男にあっさり渡してそーだわ。」
「!!姉さん!?私の可愛いスピカにそんな暴言を・・・・!!」
「いつからスピカちゃんはあんたのものになったのよ?ってゆーか、あたしの言ったコトまんざらでもなさそーな気がすんだわ・・・・いや、あたしも認めたくないんだけどさ〜、ン〜。」
「・・そ、それは・・・・・」

確かにスピカの天然ボケぶりと鈍感さといったら極めつけである。普段からしょっちゅう、ということではないのだが、そのたまに見せる一発が怖いのである。サーカスと手品を取り違えていたことを聞いたり、布団と毛布の違いを聞かれたりして・・・・・・

「んまぁ、これ以上は別にあたしが突っ込む所じゃないからイイけどさ・・・・・あ、ラグリアお疲れ〜!」
「・・・あぁ・・・・」
「あぁ・・義兄さん・・ご苦労様です。」

アルビレオとレグルスの話している所にやってきたこの男性こそ、ラグリア商事の若き社長・ラグリアその人であった。
そしてこのラグリア、実はアルビレオとレグルスの異母兄だったりする。冷たくクールな眼差しでありながら、レグルスによく似た美形さと、本当はとても優しい人柄であるからレグルスと同等に社内の女性達の間で人気があったりする。
しかし彼は既に愛妻を亡くしてしまっており、現在は飼い猫のミャウと、亡くしてからも愛妻にゾッコンだったりする。

「・・何やら、バレンタインの話で盛り上がっていたみたいだったな・・・・」
「ンフフ〜、そーなのよ〜。ほら〜、一応レグルスってばさ〜、スピカちゃんと仲イイじゃな〜い?だから、スピカちゃんどーだろーね〜!って話してたワケよ〜!!」
「・・スピカ・・・・・?あぁ、そなたに面倒役をさせておいた者だったか・・・・?」
「そうです、義兄さん。」
「・・ふむ・・・それならば、本命なのではないか・・・・?」

何だか知らないが、社長の一言はとっても重みがある(笑)

「あぁ・・ありがとうございます、義兄さん!」
「ちょっとちょっと、ラグリア社長様〜?あんた見境もなくいきなりポツンとそんなコト・・・・」
「・・私はよく分からぬが・・そなたが言っていたのではないか?レグルスとスピカの仲の良さは、社内でも公認だと・・・・」
「そりゃ確かに言いましたけどね〜、スピカちゃんってば天然ボケな所がちょっとあってね〜。だからさ〜、ちょっと怖いねって話をこいつとしてたワケよ。」
「・・ふむ・・・・成せば成るだろう・・・・・」

やっぱり社長の一言ってば重みが強いです(笑)レグルスさんとアルビレオさんは思わず言葉を失ってしまいました(笑)

「た、確かに・・その通りですね・・・・」
「・・毎度のコトだけど、あんたと話してると調子狂ってくるわね・・・・まぁいいわ。そんじゃ帰りましょ!」
「そうだね、姉さん。」
「そうすることにしよう・・・・あぁ、ミャウをここに。」
「あいよ〜。」

そうして、今日も終わってゆくのでした・・・・・・・・♪


  

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