時は移り変わり、既に3月の半ばに差し掛かった。ラグリア商事での仕事は相変わらず忙しい。 「ここにスピカがいたら、最高なんだけど・・・・・・」 相変わらずスピカとは仲が良さそうである(笑)そうしてレグルスが休憩してリラックスムードになっていた時だった。 コンコン 「レグルス、私だ。入っても良いだろうか?」 そうして入ってきたのは、そう、義兄のラグリアとラグリアが面倒を見ている飼い猫・ミャウであった。 「義兄さん。一体、どうなさったのですか?」 握っていたペンを自然に落とすかのような勢いで、レグルスは開いた口が塞がらなくなってしまっていた。 「・・まさかとは思うが・・・・レグルス。その反応は・・・・・」 そういえば3月の始めにスピカに「ホワイトデーのお返し何がいいかい?」と聞いて、スピカから「チョコレートケーキがいいです〜。」なんていうリクエストまでもらっていたのに・・・・・確かスポンジケーキは冷蔵庫のどこかにあった気もするが・・・・肝心のチョコレートをきらしている気がした。 「・・・コンビニなら、開いているのではないか・・・・?」 そうしてレグルスは財布をパッと手に持ち、ピューーーッ!!という勢いで走って部屋を、家を出て行ってしまった。 「ミャ〜?」 ミャウは甘い声で元気良く鳴いた。それを聞いてラグリアは 「そうか、間違いではなかったのか・・・・・では、このことはレグルスに内密にしておくこととしよう・・・・余った菓子は、いずれ家で食べれば良い・・・そうしよう・・・・」 と何か確信したように呟き(笑)ミャウの頭をなでたのでした☆ さて、スゴイ勢いでレグルスはコンビニのビニール袋を手に家に帰ってきた(笑) 「ほぅ・・さすがだなレグルス。とてもコンビニだけの物で作ったとは思えぬ出来だ。」 とレグルスが感動して言った所で、ミャウがチョコレートケーキに近付いていた。それを発見したラグリアが直ちにミャウを制した。 「ミャウ。それを食べてはいかんぞ?」 ミャウは一瞬首をかしげたような仕種をしたが、すぐにそのチョコレートケーキにかぶりついてしまった!!(笑) 『!!!』 これにはラグリアとレグルスが共に驚いた。しかもミャウはおいしそうにレグルスの作りたてのチョコレートケーキを食べていく。 「!ミャウ!いかん!人間の食べるものを・・・・!!」 と言って、ラグリアは慌ててミャウを抱きかかえてケーキから離したものの・・・・ケーキの5分の1がまるまるなくなっていた。ミャウは満足そうに「ミャ〜ッ」と鳴いている。どうやらおいしかったらしい(笑) 「あぁ〜・・・・・わ、私の・・私のチョコレートケーキが・・・・・!!!」 レグルスは今にも泣きそうな勢いで、チョコレートケーキのこの食べかけのものを見ては悲しみに暮れてしまった(笑) 「・・・すまぬな、レグルス・・・・まさかこのようなことになるとは・・私も予想外で・・・・・だが、ミャウに免じて許してはくれぬだろうか?」 レグルスは半分精神崩壊しかけていた(笑)それと同時にスピカへの謝罪の気持ちが心の中に湧き出た。 「・・・・レグルス。コンビニはまだ開いている・・・どうだろうか?明日は出社時間を特別にそなただけ1時間遅らせて構わぬ・・・今からもう1度作ってみてはどうだ?」 レグルスは感動の涙をドバドバ流していた(笑)そして気持ちを入れ換え、再びコンビニにダッシュし(笑)それこそ徹夜でチョコレートケーキを見事作り上げたのでした!!! |