時は移り変わり、既に3月の半ばに差し掛かった。ラグリア商事での仕事は相変わらず忙しい。
特に課長クラスのレグルスともなると、様々な雑務を始めとした主要な仕事が沢山舞い込んでくる。その分充実した毎日ではあるのだが、さすがに疲れる。
3月13日。仕事を終えたレグルスは部屋で1人忙しい自分の身体・精神をリラックスさせるためにヒーリング音楽を聴いていた。

「ここにスピカがいたら、最高なんだけど・・・・・・」

相変わらずスピカとは仲が良さそうである(笑)そうしてレグルスが休憩してリラックスムードになっていた時だった。

コンコン

「レグルス、私だ。入っても良いだろうか?」
「!義兄さん!?あぁ、どうぞ。お入りになって下さい。」
「それでは失礼する。」

そうして入ってきたのは、そう、義兄のラグリアとラグリアが面倒を見ている飼い猫・ミャウであった。

「義兄さん。一体、どうなさったのですか?」
「あぁ・・・・いや、レグルス。明日はホワイトデーだな・・・・それで、そなたはどのようなものを用意しているのかと思って・・・・」
「えっ!?」

握っていたペンを自然に落とすかのような勢いで、レグルスは開いた口が塞がらなくなってしまっていた。
そうだった・・・・・今日は3月13日。明日は女性達が楽しみにしているホワイトデーではないか!!!

「・・まさかとは思うが・・・・レグルス。その反応は・・・・・」
「すっかり忘れていたよ〜、義兄さ〜ん。あぁ〜、どうしよ〜!!!・・・・・もう、23時だよね〜・・・どこかのケーキ屋さんが開いているワケでもあるまいし・・・・・」

そういえば3月の始めにスピカに「ホワイトデーのお返し何がいいかい?」と聞いて、スピカから「チョコレートケーキがいいです〜。」なんていうリクエストまでもらっていたのに・・・・・確かスポンジケーキは冷蔵庫のどこかにあった気もするが・・・・肝心のチョコレートをきらしている気がした。

「・・・コンビニなら、開いているのではないか・・・・?」
「・・あっ、そうか!そうだよね・・何たって今は24時間営業だものね〜・・・・よし、分かったよ義兄さん!!私は徹夜覚悟で作ってみせるよ!!スピカの為、そしていつも私を支えてくれている全ての女性達の為に・・・・・!!いざ!!!」

そうしてレグルスは財布をパッと手に持ち、ピューーーッ!!という勢いで走って部屋を、家を出て行ってしまった。

「ミャ〜?」
「うむ・・いかんな・・・・私はただ、ホワイトデーのプレゼントを多く買ってきてしまった故、レグルスに譲ろうと思いこうしてきたのだが・・・・・どうだろうか、ミャウ。これで良かったのだろうか・・・・?」
「ミャ〜ッ!!」

ミャウは甘い声で元気良く鳴いた。それを聞いてラグリアは

「そうか、間違いではなかったのか・・・・・では、このことはレグルスに内密にしておくこととしよう・・・・余った菓子は、いずれ家で食べれば良い・・・そうしよう・・・・」

と何か確信したように呟き(笑)ミャウの頭をなでたのでした☆

 

 

さて、スゴイ勢いでレグルスはコンビニのビニール袋を手に家に帰ってきた(笑)
そして台所の中に入り、せっせとバレンタインのお返しの為にチョコレートケーキを作り始めた。
因みにチョコレートの材料は、普通に市販されているただの某ガー○ミ○クの板チョコだったりする(笑)だがレグルスの手にかかればあら不思議!!まるで魔法のように素敵なチョコレートケーキに一変わり!!!そう、実はレグルス、密かに料理に関しても凄腕だったりする。
その様子を見に来たラグリアとミャウは、あっという間に出来上がったチョコレートケーキを見て驚きと賛辞をレグルスに贈った。

「ほぅ・・さすがだなレグルス。とてもコンビニだけの物で作ったとは思えぬ出来だ。」
「フフッ、まぁ・・・私が本気を出せばこんなものですよ、義兄さん・・・・・というか、むしろ思い出させてくれてありがとうございます、義兄さん・・・・これで私は、今年を乗り越えていけそうですよ・・・・」

とレグルスが感動して言った所で、ミャウがチョコレートケーキに近付いていた。それを発見したラグリアが直ちにミャウを制した。

「ミャウ。それを食べてはいかんぞ?」
「ミャ〜?ミャ〜ッ!!」

ミャウは一瞬首をかしげたような仕種をしたが、すぐにそのチョコレートケーキにかぶりついてしまった!!(笑)

『!!!』

これにはラグリアとレグルスが共に驚いた。しかもミャウはおいしそうにレグルスの作りたてのチョコレートケーキを食べていく。

「!ミャウ!いかん!人間の食べるものを・・・・!!」

と言って、ラグリアは慌ててミャウを抱きかかえてケーキから離したものの・・・・ケーキの5分の1がまるまるなくなっていた。ミャウは満足そうに「ミャ〜ッ」と鳴いている。どうやらおいしかったらしい(笑)

「あぁ〜・・・・・わ、私の・・私のチョコレートケーキが・・・・・!!!」

レグルスは今にも泣きそうな勢いで、チョコレートケーキのこの食べかけのものを見ては悲しみに暮れてしまった(笑)

「・・・すまぬな、レグルス・・・・まさかこのようなことになるとは・・私も予想外で・・・・・だが、ミャウに免じて許してはくれぬだろうか?」
「いや、いいんですよ義兄さん・・・・それはいいんですけどね・・・・ハハハハ・・・私のケーキ・・どうしようかな〜・・・・・ハハハハハ・・・・」

レグルスは半分精神崩壊しかけていた(笑)それと同時にスピカへの謝罪の気持ちが心の中に湧き出た。

「・・・・レグルス。コンビニはまだ開いている・・・どうだろうか?明日は出社時間を特別にそなただけ1時間遅らせて構わぬ・・・今からもう1度作ってみてはどうだ?」
「・・・義兄さん・・・いいんですか?」
「・・構わぬ。これは、ミャウにきっちり躾をしておかなかった私の責もある・・・・頑張るが良い、レグルス。私は・・義理とはいえ兄だ。弟の力になろう。」
「・・・義兄さん・・・ありがとうございます・・・・・!!!」

レグルスは感動の涙をドバドバ流していた(笑)そして気持ちを入れ換え、再びコンビニにダッシュし(笑)それこそ徹夜でチョコレートケーキを見事作り上げたのでした!!!


  

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