3月14日当日。ラグリア商事社内はいつもより少しだけ盛り上がっていた。それはホワイトデーという特殊なイベントのせいでもあるのだろう。 「あっ、み〜っけ!!おっはよ〜、スピカちゅわ〜ん!」 そう、スピカに声をかけてきたのは社長秘書のアルビレオであった。 「あっ、そうそう、今日ってばさ〜、ホワイトデーじゃな〜い?スピカちゅわ〜ん。それでさ〜、あたしからも実はホワイトデープレゼントあるんだよね〜!!ってワケで、コレ・・受け取っちゃってよ☆」 と言ってアルビレオが差し出したのは、奇麗に赤いリボンと緑色の包装紙でラッピングされたものであった。 「わぁ〜っ!ありがとうございます〜、アルビレオさ〜ん。私、何も持ってきてなくて・・・・」 そうしてアルビレオは手を振りながら社長室に入って行ってしまった。 お昼休みに突入しました(笑)スピカは早めに昼食を終え、社内にあるビデオデッキにアルビレオからプレゼントされたビデオテープを入れて、「再生」ボタンをポチッと押した。 「義兄さん。一体、どうなさったのですか?」 「うわ〜、何か大変だったんですね〜。23時って・・・うわ〜、もうよいこの皆さん寝てる時間じゃないですか〜。」 とスピカは独り言にしてはデカい独り言を言いながらテレビにかじりついていた(笑) 「ほぅ・・さすがだなレグルス。とてもコンビニだけの物で作ったとは思えぬ出来だ。」 とレグルスが言った所で、ミャウがレグルスの出来たばかりのチョコレートケーキに近付いていった。 「ミャウ。それを食べてはいかんぞ?」 すると、ミャウがパクッとチョコレートケーキをおいしそうに食べているじゃないか!!スピカは驚いてしまうと同時に感動してしまっていた。 「わ〜。ミャウさんが食べてしまうほどおいしいんですね〜。レグルス課長は・・やっぱりスゴーイです〜・・・・」 さて、そんな所に当のレグルス本人がやってきたのだからたまったものではない(笑) 「!?スピカ!?そ、それは・・何を見ているんだい!?」 レグルスは完全に声が裏返ってしまっていた(笑)あまりに驚いてしまっていて、今あるこの光景が信じられなかった。 「あっ、レグルス課長〜。これ、アルビレオさんがホワイトデープレゼントだと仰って私に下さったんですよ〜。」 そうしてレグルスはすぐにリモコンを持ち、「停止」ボタンをポチッと押し、更に「巻き戻し」ボタンも押した。 「あぁ〜、レグルス課長〜。もったいないです〜、せっかく課長の貴重なお姿が・・・・・」 と、スピカの指差した方を見てみれば、確かに女性社員に何だかプレゼントを贈っているアルビレオの姿が見受けられたので、レグルスはスピカの為にと持ってきたホワイトデープレゼントをその場に置くだけ置いてアルビレオの元に駆けていった。 「姉さん!!!これは、一体どういうことなんだい!?」 と、アルビレオは「ヨッ」と手を上げてレグルスに挨拶する。あまりにもいつも通りすぎるアルビレオの対応にレグルスはイライラしてしまった。 「それよりも!!!何なんだい姉さんこれは!!私の映ったビデオテープを女性社員にあげるなんて・・・」 と言ってアルビレオは腕でレグルスにウリウリとしてくる。アルビレオに今ビデオをもらったばかりの女性社員は顔を赤くして嬉しそうにレグルスを見ている。 「・・・ねぇ、姉さん・・・とりあえず、そのビデオ配りやめてもらえないかな〜?」 と、そこにいた女性社員は半ば興奮してレグルスにそう言ってきたものだから、レグルスとしてはたまったものではない(笑) 「・・・分かったよ、姉さん・・・姉さんの欲しいもの何でもあげるから!!だから頼むよ!!そのビデオ配りやめてくれないかい?」 とんでもない要望だった(笑)そんな多額をレグルスが出せるはずもないし、ましてダイヤモンドなんて恋人達の結婚指輪みたいじゃないか。 さて、1人取り残されたスピカはと言うと・・・・・? 「あっ、そういえばレグルス課長がこれ置いてっちゃいましたよね〜?もしかしなくても〜、これって今日のプレゼントですよね〜?・・・・うわ〜、開けちゃっていいのかどうか分かりませんけど・・ちょっと気になっちゃいますから・・・そっと・・そっと覗けば、きっと課長気付かないですよね!!」 ということで(笑)スピカは紙袋の中をそっと覗き込んだ。一番上には封筒らしきものが入っている。しかもそこに書かれている文字を見てみると・・・・「スピカへ」と書かれている。 「へっ?こ、これ・・・私宛て?」 スピカは驚いてしまってその封筒を慌てて取り出した。その中に手紙が入っている。スピカは急いでその手紙を見てみることにした。 「スピカへ。 愛を込めて。レグルス」 「・・・レグルス、課長・・・・!!私の、為に・・・・?」 スピカは嬉しくて思わず涙が出そうになったが、社内で泣くなんてことも出来ず、すぐにブンブンと首を強く横に振って、何とか涙を流さないように努力した。 「・・・とっても、おいしいです・・・・レグルス課長・・・ありがとうございます・・・!!私、本当に嬉しいです・・・・!課長が、私の為に、わざわざ・・・・!私も・・愛しています・・・!レグルス課長・・・!」 スピカはそう言って、半分涙ぐみながらレグルスの手紙にチュッと口付けた。 ・・・・ヲチなし?(笑)とにかくとってもラブラブなレグルス&スピカだったのでした!! END. |