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それから、あっという間に2週間が過ぎていきました。何とかお金も溜まってきましたし、明日からは3連休です!最初はプレアデス先輩にお声がけしようと思ったんですけど、今日は私1人で行くことにしました。その・・レグルスさんやミザールさん以外のホストさんに、もっとお会いしてみたいと思ったからです。 「おい、そこの女。」 えぇっ!?なっ、何ですか!?私のすぐ近くですか!? 「はっ、はい!!」 反射的に私が返事をすると、そこに立っていらしたのは・・・・わぁ〜っ!サングラスがとってもよく似合っていて、背が高くてスラッとした男性さんです〜。レグルスさんとはまた違った男性さんならではの色っぽさがあって・・・とてもワイルドな感じの方です。 「フッ・・危なかったな。俺が声をかけようとする前に電柱の存在に気付いたみたいだが・・大丈夫だったか?」 キャ、キャ〜ッ!み、見られてたんですね〜・・・・どうしましょう!とても恥ずかしいです〜! 「あ・・はい。大丈夫です・・・・」 ええぇぇっ!?いっ、いえ〜。私はその〜、レグルスさんに会いに来たんですけど〜・・って、心の中で言っても意味ないですけど!この男性さんが怖くて、言いたいことがなかなか上手く出てこないです〜。 「いっ、いえ!あの、ちょっと・・・・」 キャ〜ッ!ど、どうして答えをせかされるんでしょうか〜! 「え、えぇ〜っと。ここの近くのお店に、用があって・・・・」 私がそう言うと、このサングラスをかけた男性さんは少し複雑な表情をなさって、驚いてらっしゃいました。 「・・・意外だな。遊んでるような女には見えなかったが・・・・やることやってるってか?」 えぇっ!?・・とってもまずい予感がします〜。変な風に誤解されたような気がします〜! 「え、えぇ〜っと・・あの!本当にすみませんが、急いでいるので・・・・」 ええぇぇっ!?しっ、しかも近付かれちゃってます〜!!ど、どど、どうしましょう!?街灯に照らされているこの男性さんのお顔が、とてもワイルドで、格好良くて・・・・何も考えられなくなってしまいます〜。 「えっ!?え、えぇ〜っと、ですけど・・・・」 えぇっ!?どっ、どうして急に声音がお優しくなってるんですか〜!?そんな風に仰られてしまったら、私・・断りにくいです〜! 「あっ。は、はい・・・・」 そうしてこの男性さんは歩き出しました・・・・これって、着いて行くしかないです・・よね? 「・・・おい。」 えぇっ!?そっ、そんな! 「あっ、あの!ですけど、えぇ〜っと。初めてお会いしますし・・・・」 キャ〜ッ。や、やっぱり笑われてます〜!もう本当に、穴があったら入りたいですけど・・・・実際電柱にぶつかりそうになったのは事実ですし、その理由がレグルスさんのことを考えてウットリしてたからだなんて思うと、とても反論出来ません〜・・・・恥ずかしくて俯くしかないです〜・・・・ 「・・あぁ、悪い。フッ・・馬鹿なヤツを罵るのが一番の馬鹿だってこと、覚えとけよ。」 あっ・・この男性さん、私に気を遣って下さってますか・・・・?見かけはちょっと怖そうな方ですけど・・実はとてもお優しい方だったりするのでしょうか?・・・そうですよね!人は見かけじゃありませんから・・・・私は、この男性さんの優しさに触れたことで、とても温かい気持ちになれました。 「いっ、いえ。そんな・・・・あの、すみません。ありがとうございます・・・・」 えっ!?あっ・・そういえば俯いていて気付かなかったんですけど・・・・ここは「Shooting Star」があるビルじゃないですか〜!この男性さんと一緒にビルの中に入って行って、更に地下の階段を下りて行きました・・・・と、いうことは、まさか・・・・! 「あっ、あの!失礼ですが、「Shooting Star」のホストさんでいらっしゃいますか?」 わぁ〜っ、すごい偶然です〜!良かったですよ〜、レグルスさ〜ん!何とかお会い出来そうです〜。 「そうだったのか!それなら余計に都合がいいな。フッ・・俺に着いて来て良かっただろう?」 私は一気に嬉しくなってしまって、笑顔で返事をしながら「Shooting Star」のお店に入りました。前回と同じ煌びやかな流れ星の電気装飾が私を迎えて下さって、カウンターには・・・・ 「ミャ〜ッ。」 そうです!そこには前と同じように、看板猫のミャウさんがいらっしゃったんです!私とこの男性さんとでミャウさんを撫でてから、私は前回と同じ500ゴールドをボックスの中に入れて、改めてカウンターの方に案内されました。そこには若そうなホストさんが1人いらっしゃったのですけど、このサングラスをかけた男性さんもカウンターの方に回られました。 「ようこそ、いらっしゃいませ!お客様、カードはお持ちでいらっしゃいますでしょうか?」 そうでした!会員カード、と・・・・私はお財布の中からカードを取り出して、若いホストさんの方に渡しました。サングラスをかけた男性さんも私のカードを見て下さっています。 「スピカ様ですね!ようこそ。今の所ホストの指名はないようですが、よろしいですか?」 取り敢えず、レグルスさんに少しでもお会い出来るなら良しとした方がいいのかもしれません。レグルスさんは人気No.1ですからね〜。 「スピカか・・・・フッ。噂の客を、俺はナンパしたという訳か。」 えっ!?噂って・・ど、どういうことでしょうか? 「!?」 |