13


「おや?まだスピカに言ってなかったのかい?アトラス。」
「んなこと言ってどうすんだよ、レグルス。自慢話にもならないぜ?」
「そうかな?フフッ、スピカ。アトラスはね、元ホストクラブの経営者だったんだよ。この店と競っていた感じの、なかなか栄えていた店だったんだけどね・・・・どうしてやめてしまったのかは、誰にも教えてくれないんだよ・・・・いや、オーナーとマネージャーは知っているのかな?」

そうだったんですか〜。今もそのお店ってあるんでしょうか?・・・実はとてつもなくすごい方だったんですね〜、アトラスさん・・・・

「・・くだらん話はいい、レグルス。それより、そろそろ時間じゃないのか?レグルス。次のテーブルに行ってやれ。」
「あぁ、そういえばそうだったね・・・・」

レグルスさんはそう仰ると、ウーロン茶を一気に飲みました・・・・行ってしまうんですね、レグルスさん。寂しいですけど、また会えますよね!
・・・あっ、そうでした!チップをお渡ししないと・・・・

「あ、あの、レグルスさん。今日は、ありがとうございました!これは・・今日のチップです。」

私はそう言って、慌てて小さな袋にチップを入れてレグルスさんに差し出しました。レグルスさんは驚きながらもそれを受け取って下さいました。

「あぁ・・ありがとう、スピカ。何もしていないのに、悪いね・・・・」
「いえ、そんな!お話出来ただけで、とても嬉しかったです。」
「・・本当にありがとう、スピカ。今度会う時は、埋め合わせさせてね?それじゃ、ご馳走様・・・・あ、アトラス。くれぐれもスピカを襲わないようにね?」

レグルスさんは私にそう仰ってから一旦背を向けられたのですけど、最後にこちらを振り向いてアトラスさんにそう仰いました!
アハハハハハ。大丈夫ですよ〜、レグルスさ〜ん。私は男性さんに襲われるようなタイプではないですし・・・・と、また心の中で言ってみました。

「フッ。分かってるさ、レグルス。おまえの大事な客だからな。」

アトラスさんのそのお返事を聞いて、レグルスさんは少し複雑な顔をされたんですけど、すぐに笑顔になられて私に手を振って下さいました。それからすぐに移動されてしまって・・・・本当に、お忙しそうです。レグルスさん・・・・

「・・・おい、スピカ。」
「は、はい!!」

・・アトラスさんに呼ばれると、とてもドキンと緊張してしまうのはどうしてでしょうか?・・まだ少し、アトラスさんに怖さを持ってしまっているようです、私。

「・・おまえ、レグルスのこと見てどう思った?ありゃマジだぞ。」
「?えぇっと・・何がでしょうか?」

私はよく分からなくて、アトラスさんの瞳を覗き込んでそう尋ねました。サングラスをかけていらしても、アトラスさんの瞳がよく見えるサングラスなので・・・アトラスさんが複雑な表情をなさっているのがよく分かります。

「・・・・おまえ、鈍感か?」

ウッ!!自分で認めたくはないんですけど・・・・とろくさい部分があるのは確かですし、実際色んな方からそう言われてますので、そうなんでしょうね〜・・・・

「はい・・そう、みたいです・・・・」
「・・自覚してるなら、まだいいか。フッ・・おまえは本当に面白いヤツだな、スピカ。この手の店には珍しい客だ。だからこそ、ナンバーホストやオーナーがおまえに心引かれるんだろうな・・・・そういや〜、おまえプレアデスと知り合いなのか?どうしてこの店に来た?」
「えぇ〜っと、あの・・・今働いている所が、プレアデス先輩と同じ所なんです。それで面倒を見てもらって、とてもお世話になっています・・・・それから、えっと。このお店に来た理由なんですが・・・・」

私は一旦お話を打ち切って、チラッとアトラスさんを見ました。アトラスさんは長い足を組んで、椅子に腕を寄りかからせて私の方を見てくれてます。
・・・本当にここのホストの皆様って、どうしてこんなに格好良いのでしょうか?取り分けアトラスさんは、レグルスさんにはない男性独特のワイルドさや野生さがあふれ出ていて、本当に男性らしい男性さんって感じです。

「ん?どうした、スピカ。俺の顔を見てる暇があるなら、早く続きを話せ。」

さ、催促されてしまいました〜!そそ、そうですよね・・・・ですけどちょっと、話しづらいんですよ〜・・・・と、私は心の中で少し文句を垂れてから言いました。

「あ、はい!えっと・・・・実は、私。色んな男性さんと、お話してみたいと思ってて・・・・そのことをプレアデス先輩に相談したら、こちらに行こうということになったんです。」
「・・・おまえ、それ相談する相手の人選ミスじゃないか?」

アトラスさんは私の話を聞くと、呆れた表情をなさってそう仰いました。

「えぇっ!?そ、そうですか!?」
「・・まぁ、確かにここには色んな男がいるが・・・・あいつももっと考えなかったのか?せめて知り合いの男呼んで合コンするとか・・・・ま、元ホステスに言った所でどうしようもないか。結果的におまえを気に入った男は多いし、おまえにとっても良い経験になっただろうから、俺は止めないが、な・・・・スピカ。おまえの言っていることはつまり、恋人募集中ということか?」

す、鋭いですね〜、アトラスさん・・・・ホストさんには、分かってしまうものなんですね〜。

「は、はい。最終的には、そういうことになると思います・・・・」
「そうか・・・・フッ。それなら、俺がおまえを口説き落としてやろうか?」
「えぇっ!?じょ、冗談ですよね?」

お願いですから、冗談だと仰って下さい〜!!わ、私は一応、レグルスさんのことが気になっていますし・・・・

「ハハッ。確かに冗談も入っているが、半分は本気だぜ?ナンバーホストのみならず、オーナーまで関心のある女となれば俺も興味がある。しばらく楽しませてもらうから、覚悟しておくんだな。」

ええぇぇっ!?そっ、そんな・・信じられません〜!!え、えぇ〜っと。こういう場合はどう言えば良いのでしょうか?
・・わ、私は一応、遊びで恋人さんが欲しい、とかは思っていませんけど・・・どうやらアトラスさんにとって、私は完全に「遊んでいる女」というイメージがあるみたいですから・・・・こっ、ここは、誤解を解かなければです!

「あ・・あの、アトラスさん?私は、これでも真剣に考えてまして・・・・」
「フッ、だろうな。だが、それがどうした?俺に100%本気になって欲しいなら、それだけの器量を兼ね備えてから言え。」

アトラスさんはそう仰って、前髪をかき上げられながらウーロン茶を飲まれました。
・・・一気にバッサリ切られてしまいましたね〜・・・・ですけど、無理もないです。私は女としての魅力にあふれている訳ではありませんから・・・・
アトラスさんに振り向いて欲しい訳じゃないですけど、このままでいるのは悔しいですよね〜・・・・密かに頑張りますよ〜?

「・・はい・・・・あの、アトラスさん。私、頑張ります!アトラスさんに、いつか認めてもらえるように・・・・」
「ハハハハハッ!!おいおい、スピカ。おまえは今レグルスに心傾いてるんだろう?俺の言ったことに左右されてどうする。それとも何か?俺に目標切り替えたか?」

べ、別に!そういう訳ではないと思いたいです、ハイ・・・・ですけど、どうして100%否定出来ないんでしょうか、私・・・・アトラスさんも、レグルスさんに負けず劣らず、とても魅力的な方だからでしょうか?

「えぇ〜っと。多分、そうじゃないと思いたいです・・・・」
「・・あのな〜、スピカ。いかにも「悪いことしてすいません。」って感じの表情でそんなこと言うな。いいか?スピカ。おまえはもう大人だな?」
「あ、はい・・・20歳になりました。」

私がそう言うと、アトラスさんは軽く頷いてこう仰いました。

「それなら、本気と冗談の区別を知っておけ。さっき俺が言ったようなことは、鼻で笑い飛ばせばそれでいい。おまえみたいな真面目な人間だけがこの世にいるんじゃないってこと、よぉ〜っく分かっておくんだな。」

・・・アトラスさん・・・・そう、ですね・・・仰っていることが、とても的を射てると思います・・・・

「・・はい、アトラスさん・・・・分かりました。あの・・ありがとうございます!」
「礼を言う必要はないぜ?スピカ・・・・あぁ、ウーロン入れるか?」
「あ・・ありがとうございます!」

私がウーロン茶を飲み終えようとしていた時に、アトラスさんがそう仰ってウーロン茶を入れて下さいました。
何と言うか・・・・アトラスさんは、本当に大人の男性さんなんだな〜って思います。レグルスさんにも感じましたけれど、とても女の方の扱いに慣れていらっしゃいますよね〜・・・・


  

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル