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こうして今日はアトラスさんと楽しく過ごさせていただいたんですけど・・・・気付いたら、もう夜中の2時になろうとしてます〜!そ、そろそろ帰った方が良いですよね。

「あっ、あの、アトラスさん。今日は、ありがとうございました!私、そろそろ・・・・」
「ん?おい、まだ2時前だぜ?もう帰るってのか?」

そ、そのように言われてしまいますと決意が揺らいでしまいます〜!ですけど、ここは踏みとどまらなければです!

「あ・・はい。1人ですし・・・・」
「フッ、そうか。じゃ、カウンター行ってろ。オーナーとマネージャーを呼んできてやる。」

そうしてアトラスさんは先に立ち上がって行ってしまいました。あっ、またラグリアさんとアルビレオさんにお会い出来るんですね!ありがとうございます、アトラスさん。
私もすぐに立ち上がって歩いて行きました。本当に、ここのお店はお客さんが沢山です。どこのテーブルも盛り上がっていて、楽しそうです。
そうしている内に私がカウンターに付くと、同時にラグリアさんとアルビレオさん、そしてアトラスさんが奥から出て来られました!
キャ〜ッ。ラグリアさんを見ると、余計に緊張してしまうのはどうしてでしょうか〜。放っているオーラが独特だからでしょうか?いかにもこう、「偉そうな方」というイメージがあるものですから・・・・

「スピカちゃ〜ん!遊びに来てくれてありがと!お姉さん超嬉しいわ〜!」

突然、アルビレオさんが私に抱き着いてこられました!わ、私もアルビレオさんにお会い出来て嬉しいですけど、とてもビックリしました〜。

「あ・・は、はい、アルビレオさん。遊びに来ました!」
「・・アルビレオ、突然そのようなことをしてどうする。スピカが驚いているではないか。」
「ンフフフフ〜、羨ましいんでしょ〜?ラグリア〜。あのね、スピカちゃん。オーナーってば〜、スピカちゃんのこと気に入っちゃったみたいでさ〜!次回はオーナー自身がスピカちゃんのお相手しそうよ〜?」

えっ?えぇっ!?ラ、ラグリアさんが、ですか〜!?

「・・おまえ、そこまでスピカに惚れ込んでたのか?意外だな・・・・おまえはもっと、女を見る目があると思ってたぜ?」
「・・・スピカのことを高く評価出来ぬのなら、そなたの方が女性を見る目はなかろう。」
「フッ・・相変わらず言ってくれるな〜、オーナーさんよ。誰もスピカが魅力に欠ける女だとは言ってないだろうが。」

え、えぇ〜っと。褒められているんでしょうか?私・・・・
それよりも・・アトラスさんとラグリアさんは、とても仲が良さそうな感じです。あっ、そういえばアトラスさんは、元別のホストクラブの経営者さんだったんですよね。そう考えると、随分前から親交があったのでしょうか?レグルスさんやミザールさんはラグリアさんを敬っている感じでしたけど・・・アトラスさんは同列に立っていらっしゃる感じがします。

「・・それにしても、今日あんたがスピカちゃんの相手してたなんて信じられないわ〜、アトラス〜。よくスピカちゃんに手ぇ付けなかったわね・・・・」

アハハハハハ。アトラスさんって本当に、そんなに手が早い方でしょうか?私、全然そんな被害に遭いませんでしたけど・・・・レグルスさんだけではなくアルビレオさんまで仰るということは、やはりそうなんでしょうか?

「おい、アルビレオ。おまえは一体どーゆー目で俺を見てるんだ?」
「えぇ〜?そりゃも〜う最低最悪なホストよ〜。女の子に気がありそうに見せかけて、実際は体だけが目的なんでしょ?泣かせた女の子は星の数ほど〜って、この世界では有名な話じゃない。新たなホストの伝説作ったわよね、あんた。」

そ、そんなお話があったんですね・・・・ですけど、そんな。「体だけが目的」だなんて・・・・レグルスさんは「お仕事だからする。」みたいなことは仰ってましたけど・・・・うぅ〜ん。私は実際そんな被害に遭っていないので複雑です・・・・

「・・・・そりゃまぁ、確かにそうなんだが・・・・最近の俺は、改心したんだぜ?」
「ホントかしら?あんたそれ改心したってゆーより、ウチでクビにならないように欲望抑えてるだけなんじゃないの〜?」

・・アルビレオさん。とてもきついお言葉ですね〜・・・・

「・・やはり、そなたもそう思うか?アルビレオ。」
「あったりまえでしょ〜。だってこんなヤツがよ?そんな簡単に改心するように思える〜?」

アハ、アハハハハ。私はアトラスさんの昔のことは分かりませんけれど、確かに些細なことで改心するような方には見えないですね〜。何というか・・アトラスさんのような方は、どこまでも自分の信念を貫く感じがします。

「おまえらな〜、よってたかって人をミソクソに言うな!全く・・・・それよりアルビレオ、スピカに金払わせてやれ。早めに帰りたがってるようだからな。」
「えっ?あ、そうだったの〜!?ゴメンね、スピカちゅわ〜ん!それじゃあ、カード出してもらえるかな〜?」
「あっ、はい!」

アルビレオさんはアトラスさんからそう言われると、すぐに私から離れてレジに回って下さいました。
ここでこうして皆さんのお話を聞いていることは、とても楽しくて嬉しいんですけれど・・・・やはり早めに帰りたいですよね。
アルビレオさんは私からカードを受け取ると、何やら色々入力なされていました。

「そういえばスピカちゃんは、今日はアトラス以外と誰か一緒に過ごしたの〜?」
「あっ、その。少しだけレグルスさんと・・・・」
「あぁ〜、ホント〜?んじゃあ、これからレグルスのコトはご指名ホストに入れておこっか〜?」
「あっ、はい。お願いします!」
「ン〜、OK〜♪」

そうしてアルビレオさんはカチャカチャと何か入力なされているようです。これで今度からレグルスさんのことをご指名出来ることになるんですね。とても嬉しいです!

「それじゃあ、もう1人はどうしよっか〜?さすがに今日アトラスとだけじゃ、まだよく分からないでしょ〜?」
「あっ・・はい。保留可能、ですか?」
「ウン、もちろ〜ん♪次回来てくれた時は、多分オーナーがスピカちゃんの相手するだろうから・・・・まぁ、そうね〜。スピカちゃんさえ良ければ、オーナーのコトだってご指名してくれて構わないわよ♪」
「えぇっ!?あっ、あの・・いいんですか?」
「あぁ、構わぬ。私はこの店の経営をしているが、現役なのでな。」

そうだったんですか〜!し、知らなかったです〜。ですけど、確かにラグリアさんはとても素敵な方ですから現役で活躍していらっしゃるのでしょうね〜。

「アハハハハッ!オーナーってばとことんヤル気満々よ〜?スピカちゃ〜ん!あぁ〜、どうせならオーナーから次回予告でもしとけば、スピカちゃんも驚かずに済むんじゃな〜い?」
「そうだな・・・・スピカ、次回は私がそなたの相手をしようと思う。だがもちろん、2人きりという訳ではない。そなたがレグルスを指名することになった故、レグルスがいるのは確定していることだ。それから新人ホストの面倒も見て欲しい・・・・そのような訳で次回は人数を多くしてそなたの相手をすると思うが、楽しんでもらえるよう誠意を尽くすつもりだ。よろしく頼む、スピカ。」

・・ラグリアさんは、微笑むととても暖かくて優しい雰囲気が一気にあふれ出る方なんですね〜。今までどうしても「偉い方」というイメージがあったので、まともにお顔を見ることが出来なかったんですけれど・・・・ラグリアさんはとても目鼻立ちが整っていて、やはり経営者さんらしいキリッとしたクールさとカリスマさを持っていると思います。経営者さんがこんな素敵な方だからこそ、ここにいらっしゃるホストさん達も魅力あふれる素敵な方が多いんでしょうね〜。

「あ・・はい!あの、こちらこそ。こんな私でよろしければ、どうぞよろしくお願い致します!ラグリアさん!」

私は自然と笑顔を浮かべて、お辞儀しながらそう言いました。
・・・ラグリアさんは、初めて見た時から素敵な方だなって思ってましたけど、前は本当に「偉い方だ」と思って近付けるような雰囲気ではなかったので・・・・少しだけ距離が縮まったような気がして嬉しいです。
ラグリアさんは、そのまま微笑んで頷いて下さいました。ラグリアさんの微笑がとても眩しくて、ついウットリしてしまいます〜・・・・半分、夢見心地でしょうか?私。それでもラグリアさんはそのような・・キラキラしたオーラがあっても、おかしくない感じです。

「アハハハッ。スピカちゃんってばかっわい〜!!ラグリア見て照れちゃってる〜!」
「・・心が多い女だな〜、スピカ。1つにまとめておかないと、誤解されかねないぜ?」

・・た、確かにアトラスさんの仰る通りです・・・・ですけど、どの方も魅力的すぎてドキドキしてしまうんです〜・・・・

「うわぁ〜っ、めっずらし〜。あんたが女の子にそんなコト言うの初めて聞いたわ。もしかして、あんたもスピカちゃん狙ってる〜?」
「あぁ。半分狙ってるぜ?」
「・・何よ、その半分って・・・」

アハハハハ。私にも「半分冗談、半分本気」って仰ってましたよね。

「あぁ?半分は半分だ、アルビレオ。本気になるほど大した女ではないが、ここで遊ばないのはつまらんだろう?」
「あ、そーゆー意味・・・・」
「そうだ。」

アハハハハ。アルビレオさん、げんなりしてらっしゃいますね〜。
と、私が苦笑してアルビレオさんとアトラスさんのやり取りを見ていたら・・・・あら?急に暖かさを私は感じてしまいました・・・・わ、私の背中に手が回されていて・・・・ええぇぇっ!?わ、私、どうしてラグリアさんの腕の中にいるんですか〜!?

「アトラス。そなたにだけは、スピカを渡す訳にはゆかぬな。」
「フッ・・いいのか?オーナーさん。お客に許可なく背中に手を回すのは、感心しないな。」

キャ、キャ〜ッ。ラグリアさんとアトラスさんが険悪な雰囲気になられてます〜!ラグリアさんは鋭い眼光でアトラスさんを見てらっしゃるのですけど、アトラスさんはそれに屈することなく、余裕の表情でラグリアさんを見られてます・・・・えぇ〜っと、どうなっちゃうんでしょうか?
・・ラグリアさんの私を抱き締めて下さっている手に、力が入った気がします・・・・とても暖かくて、優しくて・・・・私、あの。どうすれば良いんでしょうか?

「・・分かっている・・・・だが、今のそなたの言葉を聞いて、守らずにはいられなくなった。」
「ほう、正義のヒーロー気取りか。いいぜ?俺はいくらでも、悪人になってやるさ。」
「コラコラ〜、ここでスピカちゃんの取り合いするの禁止〜。全く、スピカちゃんが困りきっちゃってるでしょが〜。ごめんね、スピカちゃ〜ん。皆スピカちゃんが大好きなのよ♪」

えぇっ!?そ、そうなんでしょうか?と、とてもありがたいです!私は嬉しすぎて心が躍ってしまいました。

「えぇっ!?そ、そんな・・・・あの、ありがとうございます。」

私がお辞儀をしてそう言うと、ラグリアさんは優しい微笑を浮かべて下さいました。アルビレオさんはウインクなさって親指を立てて下さいました。アトラスさんは余裕の微笑で、前髪をかき上げられてます。
・・・こうして見てみると、皆様本当に魅力的で素敵な方ばかりですよね〜。今ここにはいらっしゃらないレグルスさんやミザールさんも、とても素敵な方々ですし・・・・

「スピカ、突然このようなことをしてすまなかった。だが、このまま離すのは惜しいな・・・・」
「えぇっ!?ラ、ラグリアさん!?」

ウ、ウソですよね!?ラグリアさんに限って、そんなこと・・・・!


  

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