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「・・・スピカ。ソフトクリーム好きか?」 アハハハハ。「かもしれない」なんですね。 「そうですか。あの、それじゃあ、どうしましょうか?」 私がそう言ったと同時に小さなソフトクリーム屋さんに着きました。ここまでミザールさんと一緒に歩いてきたんですね!少し長い距離をミザールさんとご一緒したことで、その分・・前より打ち解けられたかなって思うと、とても嬉しく思います。 「・・ストロベリーソフトクリーム、2つもらえるか?」 そうしてお店の方がストロベリーソフトクリームを2つ作って下さってるんですけど・・・・まっ、まさかミザールさんも同じものを頼まれるとは思いませんでした!何だかちょっと嬉しいです。 「スピカ。ソフトクリーム受け取ってもらえるか?」 私は反射的にそう返事をしてしまって、2つのソフトクリームを手に持ったんですけど・・・結局私、ミザールさんにお金払わせてます〜!!しっかり、私の分まで・・・・!! 「スピカ。そこのベンチで良いか?」 ミザールさんがそう仰って左手を差し出されたので、私は自然と右手をミザールさんの方に持って行きました。そうしてミザールさんが、ゆっくりベンチの方に歩いて行かれたので、私も後を着いて行ってミザールさんの隣にお邪魔しました。 「あっ、はい!あの、それよりミザールさん!お金・・・・」 えぇっ!?あの、ミザールさんが、じゃなくて〜、私がです〜!!と、私は心の中で思わずミザールさんに突っ込みを入れてしまいました。 「あの!そうではなくて、私が今、ミザールさんにソフトクリーム代を支払わせてしまって・・・!」 ミ、ミザールさん。今いかにも「クスッ」って感じで笑われましたよね!?今まではあまり感じなかったんですけど、ミザールさんもホストさんなんだな〜って思います。ある意味レグルスさんやアトラスさん以上に余裕がある方なのかもしれません・・・・ 「ミ、ミザールさぁ〜ん。私のこと、からかいました?」 ミザールさんはそう仰って、私に微笑んで下さいました!このミザールさんの素敵な微笑を、こんな近くで見ることが出来て・・・嬉しい反面、胸のドキドキがとまりません・・・・! 「で、ですけど、そんな!奢っていただくなんて出来ません!」 私がそう言って再度バッグの中からお財布を取り出そうとした時、ミザールさんの手が私の手に触れて行動をやめさせました!私は一気に驚いてしまって、ついミザールさんを見つめてしまいました。 「金はいらない。友達になった記念だ。」 私がそう言うと、ミザールさんは手を離して下さって微笑んで下さいました。 「・・・あんた、本当に優しいんだな。願っていいのなら、またこうして、あんたと散歩したいかもしれない・・・・でも、無理そうだ。」 ・・ミザールさん・・・明らかに他のホストさんや、私のことを気遣って下さってらっしゃいますか? 「・・すみません、ミザールさん。お気を遣わせてしまって・・・・」 ・・どんな世界でも厳しいものなんですね〜。そしてナンバー1の方は、どこまでも輝き続けるものなんですね・・・・ 「あの。ですけどミザールさんは、とても人気がありそうです。」 えぇっ!?ど、どうしてそこできょとんとしたお顔なさるんですか〜!?ミザールさ〜ん!絶対変な所でボケてらっしゃいますよ〜!!・・って、私も抜けてるので人のことあまり言えませんけど・・・・ 「それなら、人気があるんですよ!ミザールさん。売り上げを下げないのは、とても難しいことだと思います。」 ミザールさんはそう仰ると、ソフトクリームを食べ終えられました・・・私は舐めながら食べているので、ようやくコーンに突入です・・・男の方って、食べるの早いですよね〜・・って、お喋りしながら食べてるのも原因してるのでしょうか? 「・・はい。あの、分かりました!ありがとうございます、ミザールさん・・・・」 わぁ〜っ、ダイレクトにそのようなお話って伝わってしまうんでしょうか〜。 「・・オーナーが張り切ってる。次は自分が出番だから、って・・・・あの人がそういうことで盛り上がってるの見たの、久しぶりだ・・・・」 ・・・ラグリアさんって、ミザールさんのお兄様・・ですよね?まるで他人事のように話されたミザールさんに、私は少し驚いてしまいました。 「は、はい・・・・あの。アルビレオさんからお聞きしたんですけれど、ミザールさんとラグリアさんは、ご兄弟なんですよね?」 ええぇぇっ!?ち、ちょっと待って下さい!ミザールさん。いくら何でも、ご兄弟であることを忘れるなんて・・・ボケている以前の問題だと思うんですけど・・・・ 「え、えっと、あの・・ミザールさん?」 アハハハハ。そ、それは確かにそうなんでしょうけれど・・・・それでも普通、ご兄弟であることって忘れないと思うんですけど・・・・ミザールさんならではの天然ボケと言えそうです。 「そ、そうですか。あの・・やっぱり、お仕事は大変ですか?」 ミザールさんがそう仰って、微かに笑って下さいました。そ、そんな風に言っていただけると、私も嬉しいです・・・・ 「は、はい!私も、ミザールさんとお友達になれて良かったです。」 私は苦笑するしかありませんでした。これが冗談ではなく本音なのが痛いんですよね〜・・・・ 「そうなのか?あんたなら、もっと色々出来そうな気がする。」 えぇっ!?ま、まま、待って下さい!!それは一体どういう意味ですか〜!? 「そそっ、そんな!ミザールさん!問答無用って・・・・」 ミザールさんは微かに笑ってそう仰ると、流れ行く車を見ていらっしゃいました。ですけど、それからすぐに俯かれて目を閉じられてしまったんです!えぇっ!?どうしたんですか!?ミザールさん、大丈夫ですか〜!? 「あっ、あの、ミザールさん!?大丈夫ですか〜!?」 ・・ミザールさん、こちらにお昼寝しにいらしたって仰ってましたよね?今、少しだけ目を閉じられてたのも、それが原因ですよね?悪いことしてしまいました・・・・ 「謝るな。あんたのせいじゃない・・・・ところで、これからどうするんだ?」 そういえば。もう並木道までお散歩しちゃいましたし、ミザールさんとソフトクリーム食べて随分和んでしまいましたし・・・・どうしましょうか。 「そうですね・・・・どうしましょうか。すみません、ミザールさん。私からお誘いしたのに、何も決めていなくて・・・・」 そうしてミザールさんは、そのまま少し下に俯いてその目を閉じられてしまいました。瞑想なさっているようにも見えますけど・・・・今日は本当にポカポカ陽気ですし、ミザールさんが最初に仰っていましたけど、絶好のお昼寝日和なんですよね〜。 |