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「えっ!?あ、あの、えぇ〜っと・・・・・レグルスさん、だと思います・・・・」 つい小声になってしまいました・・・その、恥ずかしいです〜。 「よく聞こえなかったよ?スピカ。もう1回、言ってくれるかい?」 えぇっ!?そそっ、そんな!恥ずかしくて出来ないです〜! 「む、無理です〜、レグルスさ〜ん。」 レ、レグルスさん・・・ひょっとして、私のことをからかってますか〜?とても楽しそうな笑顔を浮かべてらっしゃいますね〜。ウゥッ・・・ 「・・レグルスさぁ〜ん。いじめないで下さい〜・・・・」 ウゥッ。レグルスさんには絶対勝てないです、私・・・・ 「・・おまえはどんな表情をしても可愛いね、スピカ。」 レグルスさん・・・・どうして、そんな赤面させるようなセリフを平気で言ってのけてしまうんでしょうか。しかも全く嫌味を感じさせないどころか、それがレグルスさんにとてもよくお似合いなのが不思議です。レグルスさんは本当に魅力的で、目が離せません・・・・ 「レ、レグルスさん・・・・」 そうして私とレグルスさんは見つめ合いました。 「レグルス〜?そろそろあたしのコトもかまってよ〜!ってゆーか、場所交換しな〜い?スピカ。ラグリアやミザールともお話したいでしょ?」 反射的に私が返事をしてしまったことで先輩がレグルスさんから離れて立ち上がられました。そのことで私も自然と立ち上がって先輩と場所の交換をして、お飲み物も入れ換えたんですけど・・・・ウゥッ。ちょっとだけ、レグルスさんとのことが心残りです・・・・ 「すみません、お邪魔します。」 私は返事をして改めてお2人を見たんですけど・・・・やっぱりご兄弟だなぁって思ってしまいます。何もかもよく似てらっしゃって・・・・レグルスさんやアトラスさんと違って、お2人はスーツにネクタイをしっかり締めておられるんです。更にお2人はクールなお顔立ちをなさっていらっしゃるので、とてもキッチリしてて見栄えが良いと思います。 「・・アトラスとリウス、仲良いな・・・・」 ミザールさんはボソッとそう仰いながら、私にウーロン茶を注いで下さいました。確かに・・それは私も思いました。 「そうだな。あの者は元々違うホストクラブの経営者だった故、人を見る目や育てることに長けている。」 アハハハハハ。何かとてつもないことを聞いてしまった気がするのは、私の気のせいでしょうか?ラグリアさんはその後すぐに失笑なさいました。 「フッ・・職務怠慢も良い所だな。」 キャ〜ッ!ラグリアさんとミザールさんが、揃って私を見てらっしゃいます〜! 「あっ、はい!私は、お2人のお話を聞いているだけで、とても楽しいです。」 ミザールさんが微かに笑って下さいました!ミザールさんの微笑みって、本当に素敵なんですよね〜。ドキッとしてしまいます・・・・ 「・・そなたは優しいのだな。スピカ・・・プレアデスは先ほど怒っていた。」 私は驚いてしまいました!あまり先輩が怒ってらっしゃる所は見たことがないので・・・・ 「あぁ。プレアの場合、仲間外れが嫌なんだと思う。だから話に割って入ってくるんだ・・・でも、知らない内に俺とオーナーだけで話進めてたから、切れて・・・・あんたに場所を移動させたのも、それが原因で・・・悪い、スピカ。」 そんな背景があったとは、全く知らなかったです〜・・・・ 「いえ!私は別に・・・・あの。お2人だけでお話を進めてしまうのは、やっぱりご兄弟だからですか?」 ・・なるほど。それでしたら、ご兄弟で普通にお話することがあまりないんでしょうね〜。 「そうなんですか〜。あの、ですけど・・ご兄弟って羨ましいです。私には兄弟がいないものですから・・・・」 ラグリアさんがそう仰ると、ミザールさんは驚いた顔をなさいました。ラグリアさんは優しい微笑みを見せて下さっています。 「・・こそばゆい感じがする、それ・・・・」 ミザールさんとラグリアさんが微かに笑ってらっしゃるのを見て、私もつられて笑ってしまいました。お2人とも、照れてらっしゃるんですね。とても素敵な兄弟愛を見ることが出来て感動です。 |