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「えっ!?あ、あの、えぇ〜っと・・・・・レグルスさん、だと思います・・・・」

つい小声になってしまいました・・・その、恥ずかしいです〜。
それでも私が何とかレグルスさんのお顔を見ると、レグルスさんは余裕ある微笑を崩すことはありませんでした。

「よく聞こえなかったよ?スピカ。もう1回、言ってくれるかい?」
「えぇっ!?あの、その・・・・レグルスさん、の方が・・・・」
「まだ音量が足りないよ?お腹から声を出して言ってごらん?」

えぇっ!?そそっ、そんな!恥ずかしくて出来ないです〜!

「む、無理です〜、レグルスさ〜ん。」
「おや?どうしてかな?」

レ、レグルスさん・・・ひょっとして、私のことをからかってますか〜?とても楽しそうな笑顔を浮かべてらっしゃいますね〜。ウゥッ・・・

「・・レグルスさぁ〜ん。いじめないで下さい〜・・・・」
「フフッ・・そう言われると、もっといじめたくなってしまうね。」

ウゥッ。レグルスさんには絶対勝てないです、私・・・・
それでも何とか対抗したくて、少し恨みがましい目でレグルスさんを見たら、さすがにレグルスさんは楽しそうな笑顔を引っ込めて下さったんですけど・・・・

「・・おまえはどんな表情をしても可愛いね、スピカ。」
「えぇっ!?そそっ、そんなことないです〜。」
「フフッ・・そうして顔を薔薇色に染めて、私を見つめる眼差しが最高に可愛いよ。出来ることなら、誰の目にも触れさせたくないね・・・・」

レグルスさん・・・・どうして、そんな赤面させるようなセリフを平気で言ってのけてしまうんでしょうか。しかも全く嫌味を感じさせないどころか、それがレグルスさんにとてもよくお似合いなのが不思議です。レグルスさんは本当に魅力的で、目が離せません・・・・

「レ、レグルスさん・・・・」
「スピカ・・・・」

そうして私とレグルスさんは見つめ合いました。
キャ〜ッ。レグルスさんが素敵すぎて、もう何も考えることが出来ません〜。幸せです〜・・・・と、完全にレグルスさんのカッコ良さに嵌って抜け出せないと思った次の瞬間のことでした。プレアデス先輩がレグルスさんの腕に抱き着かれたんです!
一気に私は夢から覚めたような感覚になったのと同時に、心が痛くなりました。ウゥッ・・先輩が羨ましいです・・・・

「レグルス〜?そろそろあたしのコトもかまってよ〜!ってゆーか、場所交換しな〜い?スピカ。ラグリアやミザールともお話したいでしょ?」
「あ・・はっ、はい。」

反射的に私が返事をしてしまったことで先輩がレグルスさんから離れて立ち上がられました。そのことで私も自然と立ち上がって先輩と場所の交換をして、お飲み物も入れ換えたんですけど・・・・ウゥッ。ちょっとだけ、レグルスさんとのことが心残りです・・・・
ですけど、ミザールさんやラグリアさんとお話出来ることはとても嬉しいことなので、私はお辞儀しながらお2人に挨拶しました。

「すみません、お邪魔します。」
「あぁ。寛ぐが良い、スピカ。」
「はい。」

私は返事をして改めてお2人を見たんですけど・・・・やっぱりご兄弟だなぁって思ってしまいます。何もかもよく似てらっしゃって・・・・レグルスさんやアトラスさんと違って、お2人はスーツにネクタイをしっかり締めておられるんです。更にお2人はクールなお顔立ちをなさっていらっしゃるので、とてもキッチリしてて見栄えが良いと思います。

「・・アトラスとリウス、仲良いな・・・・」

ミザールさんはボソッとそう仰いながら、私にウーロン茶を注いで下さいました。確かに・・それは私も思いました。

「そうだな。あの者は元々違うホストクラブの経営者だった故、人を見る目や育てることに長けている。」
「・・オーナーの座、乗っ取られるかもな。」
「フッ、そうかもしれぬ・・・・だが、あの者なら安心して任せられよう。どうだろうか?ミザール。」
「さぁ。でもあんたがそう思うなら、俺は反対しない。」

アハハハハハ。何かとてつもないことを聞いてしまった気がするのは、私の気のせいでしょうか?ラグリアさんはその後すぐに失笑なさいました。

「フッ・・職務怠慢も良い所だな。」
「そうか?あんたがそうなら、俺は輪をかけて職務怠慢してると思う。」
「・・そうかもしれぬ。この間も客引き中に寝ていたのだろう?」
「あぁ・・・仕事中に悪かった、オーナー。」
「過ぎたことは良い。それよりスピカ・・・何も喋ってないが、良いのか?」

キャ〜ッ!ラグリアさんとミザールさんが、揃って私を見てらっしゃいます〜!

「あっ、はい!私は、お2人のお話を聞いているだけで、とても楽しいです。」
「そうか?・・良かった、スピカ。」

ミザールさんが微かに笑って下さいました!ミザールさんの微笑みって、本当に素敵なんですよね〜。ドキッとしてしまいます・・・・

「・・そなたは優しいのだな。スピカ・・・プレアデスは先ほど怒っていた。」
「えぇっ!?先輩が、ですか!?」

私は驚いてしまいました!あまり先輩が怒ってらっしゃる所は見たことがないので・・・・

「あぁ。プレアの場合、仲間外れが嫌なんだと思う。だから話に割って入ってくるんだ・・・でも、知らない内に俺とオーナーだけで話進めてたから、切れて・・・・あんたに場所を移動させたのも、それが原因で・・・悪い、スピカ。」

そんな背景があったとは、全く知らなかったです〜・・・・
うぅ〜ん。そういえば、私も今思い出したんですけど・・・お酒飲まれると、先輩は少しだけテンションが上がられるんですよね〜。そうしてテンションが上がられている時に自分の思い通りにいかないと、むしゃくしゃしてしまうのかもしれません・・・・なんて、勝手に私はそう解釈しましたけれど、実際はどうなんでしょうか。

「いえ!私は別に・・・・あの。お2人だけでお話を進めてしまうのは、やっぱりご兄弟だからですか?」
「そうだな・・・実際、仕事が終わってから家で話す機会もない故、そうなるのだろう。」
「・・オーナーは家に帰ってもミャウの相手してることの方が多いし、俺は寝てるから・・・・」

・・なるほど。それでしたら、ご兄弟で普通にお話することがあまりないんでしょうね〜。

「そうなんですか〜。あの、ですけど・・ご兄弟って羨ましいです。私には兄弟がいないものですから・・・・」
「そうか。一人なのだな?スピカ。」
「はい。なので、ご兄弟って羨ましいなぁ、と思います。」
「そうだな・・・オーナーのおかげで俺もこの仕事してるし・・・・感謝してる。」
「たまには昔のように、普通に呼ばぬか?ミザール。確かに私はここの経営者だが、その前に兄なのだからな・・・・」

ラグリアさんがそう仰ると、ミザールさんは驚いた顔をなさいました。ラグリアさんは優しい微笑みを見せて下さっています。
確かにラグリアさんみたいな方がお兄さんだと、とても格好良いですし、優しいですから自慢しちゃいますよね〜。しかもオーナーさんですから余計に私だったら自慢してしまいそうです。

「・・こそばゆい感じがする、それ・・・・」
「確かに。私も、そう思った所だ。」

ミザールさんとラグリアさんが微かに笑ってらっしゃるのを見て、私もつられて笑ってしまいました。お2人とも、照れてらっしゃるんですね。とても素敵な兄弟愛を見ることが出来て感動です。


  

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