25 私がそう言うと、皆様の反応は色々でした。特にご表情を変えなかった方もいらっしゃれば、とても驚いた方もいらっしゃって・・・・ 「これは驚いたぜ、スピカ・・・1つだけ聞くが、後悔しないだろうな?」 私が返事をすると、アトラスさんから突然微笑みが消えていました!えぇっ!?な、何かアトラスさんが怖いです〜!! 「・・それでも、俺を指名するのか?」 アトラスさんのご表情は、真剣そのものでした。ですから私も気持ちをグッと強く持って、真剣にアトラスさんに答えました。 「後悔しません。自分で決めたことを後悔したくないですし、私・・・アトラスさんのことを、信じています。」 私がそう言うと、アトラスさんは最後まで真剣に私の言うことを聞いて下さってから一転して笑顔を見せて下さいました。 「ハハハハハハッ!!やっぱりおまえは面白い女だな、スピカ。そこまで信頼されてるとは思わなかったぜ!!だが、悪い気分ではないな・・・・これからよろしく頼むぜ?スピカ。俺を指名したからには、損させないと約束しよう。」 よ、良かったです!アトラスさんが承諾して下さいました〜!!思わず嬉しくなってお辞儀をしてそう言うと、レグルスさんも笑顔で私とアトラスさんを歓迎して下さいました。 「フフッ・・これからは、おまえと2人でスピカのお相手、か。お手柔らかに頼んだよ、アトラス。」 私はお2人にお辞儀してそう言いました。そうして顔をあげたら、目の前にはレグルスさんとアトラスさんの素敵な笑顔があって・・・・わ、私、幸せです〜・・・・! 「おまえは本当に礼儀正しいね、スピカ。こちらこそ、よろしく。」 く、砕けろ、ですか?それはとても難しいような・・・・ 「おいおい、それが砕けたヤツの返事かよ〜。」 アトラスさんがそう仰ったのをきっかけに、私も含めた皆さんで楽しく笑い合いました。それから拍手して下さったのはアルビレオさんでした。 「はぁ〜い、スピカちゃ〜ん!おんめでと〜!!これでスピカちゃんのご指名ホスト登録完了〜♪ってワケで〜、2人からケータイ番号とメルアド聞いといてね〜?」 私は慌ててバッグの中を漁りました。いつも小さい手帳とペンを入れているのですけど、こんな肝心な時に限って見つからないなんて・・・ウゥ〜ッ。あせってしまっているからでしょうか?冷静に、冷静に・・・・ 「スピカさん、大丈夫ですか!?あの、俺でよければお手伝いしますよ?」 そうしてリウスさんは「失礼しま〜す。」と仰ってから私の鞄の中をご一緒に探して下さったのですけど・・・そこでプレアデス先輩に言われてしまいました。 「んも〜う、あなたまだケータイ買ってないの〜?このご時世にあなたみたいな子がケータイ持ってないなんてあり得ない話よ〜!?これを機に、ケータイ買ったらどう?」 私がそう言うと、リウスさんはすぐにブンブンと首を横に振って下さいました。 「そんなことないですよ〜!!でも、本当にそれらしい物がないですね。俺、物探すの得意なのに・・・・」 ラグリアさんがそう仰って下さいました。ウゥッ、早くも皆様にご迷惑おかけしてしまった私って一体・・・・ 「は、はい・・・すみません、ラグリアさん。」 そうして私は、奥からわざわざ紙とペンを持ってきて下さったミザールさんにお礼を言いました。た、助かりました〜・・・・ということで、私はレグルスさんとアトラスさんのお傍に行って、携帯番号とメールアドレスをメモさせていただきました。お2人とも携帯電話持っているお姿まで様になっていて、とっても素敵です〜。 「それにしても、おまえが携帯持ってないなんて意外だね。おまえに毎日ラブコール出来ないのが痛いかな?」 ど、どうして楽しそうな笑顔でそんなことをサラッと仰るのでしょうか〜!?レグルスさんを見ていると、本当にドキドキしてしまうばかりです・・・・ 「ハハハハッ!レグルス。おまえ、いつもそうやって客落としてんのか?タチ悪いな〜。」 アトラスさんにそう言われて、私は思わずドキンとしてしまいました。じ、実は私、自宅の電話って滅多に使わずに放置したままなんですよね〜・・・・電話が嫌いな訳ではないのですけど、かなり疎遠気味になってしまっていて・・・ちゃんと反応出来るか心配ですけど・・・・それは、私の心がけの問題ですよね! 「は、はい。構いません・・・えぇ〜っと、私の家の番号は・・・・」 あっ・・・・!!アトラスさんに言われて、私はすぐに思い出しました。 「はい!書きました。」 えぇっ!?む、無料ですか!?い、いいんでしょうか?私が驚いてレグルスさんを見ると、レグルスさんは苦笑していました。 「うぅ〜ん、無料はさすがに厳しいかな?そうだね、よっぽとお金がないようなら1000ゴールドで手を打ってあげないでもないけど・・・無料だけはやめてね?スピカ。もちろん、おまえはそんな変な甘え方はしてこないと信じてるけど・・・・」 し、質問ですか〜!?う、うぅ〜ん。突然そんな風に言われても困ってしまうんですけど・・・・私は思わずラグリアさんやミザールさん、リウスさんの方を見てからお2人に尋ねました。 「あの・・もう、ラグリアさんやミザールさん、リウスさんとお話することも出来ないんですか?私、それは悲しくて・・・・」 リウスさんが笑顔でそう言って下さると、ミザールさんも優しく微笑んで下さいました。 「・・プレアと一緒の時はよろしく、スピカ。あんたの面倒そんなに見れないと思うけど、一緒にいることに変わりないから・・・」 私がそう返事をすると、ラグリアさんがコクンと頷いて下さいました。 「私は裏にいることが多い故、あまりこちらに来れぬが・・・何かあったら、いつでも私とアルビレオを呼んでくれて構わぬ。そなたの力になろう。」 私がお辞儀してそう言うと、プレアデス先輩が私の肩にポンポンと手を置いて下さいました。 「ウフフフッ、スピカ!!あなたがアトラス指名してくれて嬉しいわ〜!!あたし、昔アトラスに片思いしてたのよ〜?もう1回アプローチしちゃおうかしら!」 えぇっ!?ミャウさんにですか!?こ、言葉が通じるんでしょうか?ですけどノリノリのプレアデス先輩を信じないのも複雑ですし・・・ 「ミャウちゃ〜ん!!はぁ〜い、イイ子ね〜!!」 プレアデス先輩がミャウさんを抱き上げると、私の方にミャウさんを下さいました! 「ほら、スピカ。ミャウちゃん抱いてみなさい!」 私は一応断ってから先輩からミャウさんを受け取るような形で抱きました。キャ〜、毛がフカフカしてて暖かいです〜。ホワホワしていて、何だか離したくなくなってしまいます・・・ 「ほら、スピカ。ミャウちゃんに誰をご指名することになったのか言ってみなさいよ!」 ミャウさんは、まるでお返事をされたかのように甘く鳴いて下さいました。な、何だかよく分かりませんけど、警戒とかされている感じではなさそうなので良かったです。 「ン、OK!ミャウちゃん嬉しそうよ?でもこれでミザールかラグリアを指名することになったら、もっと嬉しがってたかもしれないわね!」 プレアデス先輩がそう仰ったら、ミャウさんは嬉しそうに鳴いて下さいました。ミャウさんにも歓迎されているようで、私は幸せです。 「ウフフッ!それじゃ、行きましょうか!スピカ。」 そうして私と先輩は「Shooting Star」を出て、お互いにタクシーを拾って家路に着きました。さすがに今日すぐにお2人から電話がくることはないと思うんですけれど、それまで疎遠気味だった自宅の電話をつい眺めてしまいます。 「・・レグルスさん、アトラスさん・・・私、待ってます。お2人からのお電話を・・・・私も何かあった時は、お2人に連絡しますから・・・よろしくお願いしますね・・・・」 私はそう呟いてから、パジャマに着替えてベッドの中に入りました。微妙に電話ばかり見てしまってなかなか寝付けないんですけれど・・・私、本当に嬉しいんです。これからは、レグルスさんとアトラスさんと一緒にいれるんですよね・・・・!お2人と、素敵な思い出が沢山紡げますように・・・・私はそう思いながら電話を見つつ、自然と目を閉じて眠りました。 |