「スピカか・・・よろしく。俺はミザール、25歳。趣味は星を見ること、軽いストレッチをすること、寝ること、色々ある・・・・後、何か知りたいことあるか?」
「えっ!?えっと、特には・・・・」

き、急にそんなこと言われても分からないです〜!!ってそういえば、レグルスさんっておいくつなんでしょうか・・・・?ミザールさんが25歳、ということは・・・・

「そうか・・・・俺こっちにいるから、あんたのこと、そんなに面倒見れないけど・・・・レグルスに何かされたら言えよ?」
「あっ。は、はい・・・・・」
「おや?スピカ。ミザールの言うことに返事をすることはないんだよ?それより、そろそろ一杯もらっていいかな?」
「そうね!あ、スピカ。あなたは何が飲みたいの?」

な、何って言われましても・・・・メニュー表にあるお飲み物って、これだけですか〜!?わ、私、アルコールはダメで・・・・

「えっと、すみません。私、お水でいいです。」
「えっ?水でいいのかい?」

レグルスさんが驚いて、私の方を見ました・・・・キャ、キャ〜。そんな見ないで下さい〜!・・何か自分でも、顔が熱くなっているのが分かります・・・・恥ずかしいです〜。

「・・健康的だな、スピカ・・・・」
「あっ、そうではなくて!すみません!私、お酒が飲めないんです・・・・」
「えっ?そうなの!?ゴメン、スピカ!知らなかったわ、あたし・・・・」
「いえ、私こそすみません!先輩。あの、ソフトドリンクみたいなものがあると思っていて・・・・」
「フフッ・・それなら特別に、ウーロン茶を頼んでいいよ。」
「ほ、本当ですか?レグルスさん。」

私は救われたような感じでレグルスさんを見てしまいました。レグルスさんは私と目が合うと、ウインクをして下さったんですけど・・・・カ、カッコ良いです〜!!普通ウインクされると気持ち悪い感じがするんですけど、レグルスさんは違和感なく似合っていて、とっても素敵です〜・・・・

「あぁ。2本で1000ゴールドかな?」
「あ・・はい。分かりました・・・・」

わぁ〜っ、ウーロン茶2本で1000ゴールドですか〜。さすがホストクラブさん、高いですね〜・・・・ですけどきっと、このような世界では、お飲み物として一番安いんだと思われます。

「ヘルプ呼ぶか・・・・」

そうしてミザールさんはこのテーブルにある電話に手を取られて、お飲み物を持ってくるお手伝いさんを呼んでいらっしゃるようです。それにしましても・・・先ほどからプレアデス先輩、ミザールさんから離れようとなさらずに、ずっとミザールさんの腕に手を回してらっしゃいます。実はこのお2人って、もしかしたらもしかして・・・なんでしょうか?
それからすぐに、ヘルプで呼ばれたホストさんたちがいらっしゃいました。何かいかにも若そうな方ばかりで、新人さん!って感じです。ボトルを沢山置いていって、それから「失礼しました。」と、とても丁寧に挨拶をされて、すぐにまた行ってしまいました。どこの世界でも新人さんって大変なんですね〜。
私とレグルスさんはウーロン茶を、プレアデス先輩とミザールさんはブランデーのマーテルを頼んだようです。レグルスさんがすぐにウーロン茶を私に注いで下さいました。

「あっ、ありがとうございます!レグルスさん。」
「フフッ、どう致しまして。そっちも準備OKかい?」
「えぇ、バッチリOKよ!」
「じゃあ、乾杯。」
「かんぱーーい!!」
「私も、いただくよ、スピカ。」
「あ、はい、レグルスさん!こちらこそ、いただきます。」

そうして皆さんで乾杯をして飲みました。ウゥ〜ッ・・・レグルスさん、私に合わせてウーロン茶飲んで下さってるんですよね?とっても申し訳ない気分です・・・・えっと、こういう所ってチップOKなんですよね?・・後でレグルスさんにチップ渡しましょう・・・・
私はそんなことを考えながらウーロン茶を飲ませていただいてたんですけど・・・・気のせいじゃないですよね?レグルスさん・・私の方を見てませんか〜!?

「スピカ・・・まだ少し、緊張しているようだね。私がオヤジギャグでも言えば、おまえは笑ってくれるかな?」
「えぇっ!?」

レ、レグルスさんがオヤジギャグ、ですか!?初対面ですからよく分かりませんでしたけど、レグルスさんのような素敵な方から「オヤジギャグ」という言葉を聞いただけでも信じられない感じです・・・・そのようなことって、むしろお嫌いそうだと勝手に思っていました・・・・ウ、ウーロン茶飲んでない時で良かったかもしれません・・・・

「アルミ缶の中にある蜜柑。」
「ブッ!!キャハハハハーーッ!!ちょっとミザール!タイミング良すぎよ〜!」

ア、アハハハハハ。私は内容やタイミングより、ミザールさんの無表情ぶりの方が笑えるんですけど・・・・ご表情1つ変えられずにオヤジギャグを仰るミザールさんって、ちょっと面白いです・・・・

「おやおや。おまえにネタを持って行かれてしまったね、ミザール。」
「いや・・あんたがオヤジギャグ言うと、数多いあんたのファンが泣くと思った。「そんなのレグルスっぽくないからヤメテー!」とか、「私のレグルスがオヤジギャグ言ったら絶交よ!」とか・・・」

ウッ・・ミ、ミザールさんって、実はとっても面白い方ですか!?クールな印象が強い上にとっても美形な方なので、ギャグとかはお嫌いなのではないかと、レグルスさん同様勝手に思っていたんですけど・・・・と、いうか・・・無表情なのに、女の方の真似がお上手すぎです!こんな感じのイントネーションの女の方って確かにいらっしゃるので、余計に可笑しくて・・・・!

「キャハハハハッ!!確かにあり得る〜、それ〜!!」
「ウフフフフッ。面白いです!」
「フフッ・・ミザール。とてもうけているみたいだよ。もう少し何か言ってみたらどうだい?」
「・・何かって・・何言えばいいんだ?」
「ミザール!もっと女言葉言ってみてよ〜!!あなたのそれ、おかしすぎーーー!!」
「・・レグルス大好き〜。今日は一日私とずっと一緒にいて〜、マイダーリン。愛してるわ〜、レグルス〜。」

ミ、ミザールさん!?ですから、無表情でそんなことを仰らないで下さい!お、可笑しすぎます〜!!と、言うか・・演技お上手すぎです!ミザールさん!
最も・・ホストさんですから色んな女の方を見て来られたのでしょうね。だからこそ演技もお上手なんだと思いますけど・・・・

「ミザール・・・何も私のお客の真似をしなくてもいいだろう?鳥肌が立ってしまったよ・・・・」
「あんたがどうだろうが、ここにいる2人が楽しめればそれでいい。」
「キャハハハハッ!!さすがね、ミザール!最高!!愛してるわ〜、ミザール!」

先輩はすっかり上機嫌になられて、ミザールさんに改めて抱き着かれました。先輩は、ミザールさんのことがお気に入りなんでしょうか?

「・・・それ、今の俺の真似か?俺、レグルスに抱き着いてないぞ?」
「そんなことはしなくていいよ、気持ち悪いから。それより、おまえが私に抱き着いてくれないかな?スピカ。」
「えぇっ!?わ、私が、ですか!?」

レ、レグルスさんに抱き着くなんて!!そんな、いくらホストクラブとは言え・・初対面の方にそんなことをするというのは、ちょっと・・・・

「そうよ〜、スピカ。遠慮はいらないわよ!ほら、あたしなんてこうすれば、レグルスとも腕組んで逆ハーレムよ〜!」

そうしてプレアデス先輩は、それまでミザールさんに抱き着いていたのですけど、もう片方の手をレグルスさんの腕に回されました・・・・キャ〜ッ!レグルスさんとミザールさんの腕に手を回されてて、何だかすごい光景です〜。確かに逆ハーレムですね〜・・・・

「フフッ。もちろん、強要はしないけど・・・おまえなら、いつでも抱き着いてくれていいからね。」
「あ・・はい・・・・」

レグルスさんの笑顔は、とても優しいです。なので私も笑顔を浮かべてお返事させていただきました。えっと、ウーロン茶もうちょっといただきましょうか・・・・

「あぁ、スピカ。ほら、入れるよ。」
「あっ、ありがとうございます!」

わぁ〜っ、なくなる前にすぐに注いで下さるんですね〜。ありがたいです・・・・正直、ちょっと喉が渇いていたので嬉しいかもしれません。
そうして私はウーロン茶を飲ませていただいたのですけど・・・・わ〜っ、もうなくなっちゃいそうです。レグルスさんの方を見ると、レグルスさんはすぐに気付かれたようで、優しい笑顔を浮かべられながら、ウーロン茶のボトルを持ってスタンバイして下さってます。もう1回レグルスさんにウーロン茶を入れていただいて、また少し飲みました。
何だか慣れない所に来て気持ちが高揚してしまっているのと、笑いすぎてしまったことで喉が渇いていたみたいです。こうしている間にプレアデス先輩とミザールさんは世間話で盛り上がっていらっしゃいます。あ・・私も飲んでばかりじゃなくて、レグルスさんとお話しないと変ですよね!

「すみません。先ほどからレグルスさんに注がせてばかりで・・・・」
「フフッ・・仕事だから、気にしなくていいよ。」
「あ、はい・・・・あ、あの。いきなり失礼かもしれませんけど・・・レグルスさんは、今おいくつですか?」

実は気になっていたんです。ミザールさんは自己紹介して下さいましたけど、レグルスさんはして下さいませんでしたから・・・・

「あぁ、私は22だよ。確かプレアと同い年じゃないかな?」
「あっ!!そ、そうなんですか!?」

お、お若いんですね!!私、てっきりミザールさんよりレグルスさんの方が年上なのかとばかり・・・・

「おや?随分驚いているようだね?」
「あ・・そ、その。はい・・ちょっとだけ・・・・」
「どういう意味で驚いたのか気になるけど、敢えて聞かないよ・・・・おまえは、そうだね・・・・プレアの後輩ということは、20歳って所かな?」
「!!」

ど、どうして・・・・どうして、レグルスさんは私の年齢を一発で当てられたのでしょうか?私は驚いて目を見開いてしまいました。レグルスさんは余裕ある微笑を浮かべていらっしゃいます。

「そんなに驚かないで、スピカ。プレアと私が同い年で、おまえを「後輩」だと言って紹介したね。更に、ここに来るのは初めてのことだろう?それなら、今年短大か専門学校を終わったばかりなんじゃないかと思うのは、自然なことなんだよ。」
「あ・・はい。ですけど、私だったら、多分そこまで頭が回らないです・・・・尊敬です、レグルスさん。」
「フフッ・・光栄だね。嬉しいよ、スピカ。」

レグルスさんって・・・何だか、女の方の扱いにとても慣れてらっしゃる感じです。もちろん、ホストさんですから当然ですけど・・・・逆に、レグルスさんが何を考えてらっしゃるのか、全然分かりません・・・・
えっと・・・・レグルスさんには、隙が全く感じられないんです。完全にお仕事とプライベートは分けてらっしゃる感じですね〜・・・・こんな素敵なレグルスさんが、私のような地味な者を相手にするのは、お仕事じゃなければ絶対に嫌がられそうです・・・・わ〜っ。本当にレグルスさんには申し訳ないです。私は、プレアデス先輩みたいにナイスバディで明るい訳でもありませんし・・・・

「・・・スピカ。どうしたんだい?急に暗い顔をしてしまって・・・・」
「えっ?あ、すみません!何でもないです・・・・」
「・・ごめんね。私では、おまえを楽しませてあげられないかな?」

あぁっ!!ち、違います!レグルスさんのせいじゃないんです〜!

「すみません、レグルスさん!違うんです!つい、考え事をしてしまって・・・・」
「考え事?」
「は、はい。すみません!あの・・ところで、レグルスさん。チップみたいなものは、今お渡しして大丈夫ですか?」
「ん?あぁ。おまえの気の向いた時に、いつでも渡してくれて構わないよ。」
「本当ですか?えっと、そしたら・・・・これ、受け取って下さい。」

そうして私は、ちょっとした紙袋にお金を入れて、グーをして差し出して下さったレグルスさんの手にチップの入った袋をお渡ししました。チップと言いましても、色々していただいたレグルスさんへの感謝を込めて、10万ゴールド入れてみたんですけど・・・実は足りなかったりして・・・・


  

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