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「スピカか・・・よろしく。俺はミザール、25歳。趣味は星を見ること、軽いストレッチをすること、寝ること、色々ある・・・・後、何か知りたいことあるか?」 き、急にそんなこと言われても分からないです〜!!ってそういえば、レグルスさんっておいくつなんでしょうか・・・・?ミザールさんが25歳、ということは・・・・ 「そうか・・・・俺こっちにいるから、あんたのこと、そんなに面倒見れないけど・・・・レグルスに何かされたら言えよ?」 な、何って言われましても・・・・メニュー表にあるお飲み物って、これだけですか〜!?わ、私、アルコールはダメで・・・・ 「えっと、すみません。私、お水でいいです。」 レグルスさんが驚いて、私の方を見ました・・・・キャ、キャ〜。そんな見ないで下さい〜!・・何か自分でも、顔が熱くなっているのが分かります・・・・恥ずかしいです〜。 「・・健康的だな、スピカ・・・・」 私は救われたような感じでレグルスさんを見てしまいました。レグルスさんは私と目が合うと、ウインクをして下さったんですけど・・・・カ、カッコ良いです〜!!普通ウインクされると気持ち悪い感じがするんですけど、レグルスさんは違和感なく似合っていて、とっても素敵です〜・・・・ 「あぁ。2本で1000ゴールドかな?」 わぁ〜っ、ウーロン茶2本で1000ゴールドですか〜。さすがホストクラブさん、高いですね〜・・・・ですけどきっと、このような世界では、お飲み物として一番安いんだと思われます。 「ヘルプ呼ぶか・・・・」 そうしてミザールさんはこのテーブルにある電話に手を取られて、お飲み物を持ってくるお手伝いさんを呼んでいらっしゃるようです。それにしましても・・・先ほどからプレアデス先輩、ミザールさんから離れようとなさらずに、ずっとミザールさんの腕に手を回してらっしゃいます。実はこのお2人って、もしかしたらもしかして・・・なんでしょうか? 「あっ、ありがとうございます!レグルスさん。」 そうして皆さんで乾杯をして飲みました。ウゥ〜ッ・・・レグルスさん、私に合わせてウーロン茶飲んで下さってるんですよね?とっても申し訳ない気分です・・・・えっと、こういう所ってチップOKなんですよね?・・後でレグルスさんにチップ渡しましょう・・・・ 「スピカ・・・まだ少し、緊張しているようだね。私がオヤジギャグでも言えば、おまえは笑ってくれるかな?」 レ、レグルスさんがオヤジギャグ、ですか!?初対面ですからよく分かりませんでしたけど、レグルスさんのような素敵な方から「オヤジギャグ」という言葉を聞いただけでも信じられない感じです・・・・そのようなことって、むしろお嫌いそうだと勝手に思っていました・・・・ウ、ウーロン茶飲んでない時で良かったかもしれません・・・・ 「アルミ缶の中にある蜜柑。」 ア、アハハハハハ。私は内容やタイミングより、ミザールさんの無表情ぶりの方が笑えるんですけど・・・・ご表情1つ変えられずにオヤジギャグを仰るミザールさんって、ちょっと面白いです・・・・ 「おやおや。おまえにネタを持って行かれてしまったね、ミザール。」 ウッ・・ミ、ミザールさんって、実はとっても面白い方ですか!?クールな印象が強い上にとっても美形な方なので、ギャグとかはお嫌いなのではないかと、レグルスさん同様勝手に思っていたんですけど・・・・と、いうか・・・無表情なのに、女の方の真似がお上手すぎです!こんな感じのイントネーションの女の方って確かにいらっしゃるので、余計に可笑しくて・・・・! 「キャハハハハッ!!確かにあり得る〜、それ〜!!」 ミ、ミザールさん!?ですから、無表情でそんなことを仰らないで下さい!お、可笑しすぎます〜!!と、言うか・・演技お上手すぎです!ミザールさん! 「ミザール・・・何も私のお客の真似をしなくてもいいだろう?鳥肌が立ってしまったよ・・・・」 先輩はすっかり上機嫌になられて、ミザールさんに改めて抱き着かれました。先輩は、ミザールさんのことがお気に入りなんでしょうか? 「・・・それ、今の俺の真似か?俺、レグルスに抱き着いてないぞ?」 レ、レグルスさんに抱き着くなんて!!そんな、いくらホストクラブとは言え・・初対面の方にそんなことをするというのは、ちょっと・・・・ 「そうよ〜、スピカ。遠慮はいらないわよ!ほら、あたしなんてこうすれば、レグルスとも腕組んで逆ハーレムよ〜!」 そうしてプレアデス先輩は、それまでミザールさんに抱き着いていたのですけど、もう片方の手をレグルスさんの腕に回されました・・・・キャ〜ッ!レグルスさんとミザールさんの腕に手を回されてて、何だかすごい光景です〜。確かに逆ハーレムですね〜・・・・ 「フフッ。もちろん、強要はしないけど・・・おまえなら、いつでも抱き着いてくれていいからね。」 レグルスさんの笑顔は、とても優しいです。なので私も笑顔を浮かべてお返事させていただきました。えっと、ウーロン茶もうちょっといただきましょうか・・・・ 「あぁ、スピカ。ほら、入れるよ。」 わぁ〜っ、なくなる前にすぐに注いで下さるんですね〜。ありがたいです・・・・正直、ちょっと喉が渇いていたので嬉しいかもしれません。 「すみません。先ほどからレグルスさんに注がせてばかりで・・・・」 実は気になっていたんです。ミザールさんは自己紹介して下さいましたけど、レグルスさんはして下さいませんでしたから・・・・ 「あぁ、私は22だよ。確かプレアと同い年じゃないかな?」 お、お若いんですね!!私、てっきりミザールさんよりレグルスさんの方が年上なのかとばかり・・・・ 「おや?随分驚いているようだね?」 ど、どうして・・・・どうして、レグルスさんは私の年齢を一発で当てられたのでしょうか?私は驚いて目を見開いてしまいました。レグルスさんは余裕ある微笑を浮かべていらっしゃいます。 「そんなに驚かないで、スピカ。プレアと私が同い年で、おまえを「後輩」だと言って紹介したね。更に、ここに来るのは初めてのことだろう?それなら、今年短大か専門学校を終わったばかりなんじゃないかと思うのは、自然なことなんだよ。」 レグルスさんって・・・何だか、女の方の扱いにとても慣れてらっしゃる感じです。もちろん、ホストさんですから当然ですけど・・・・逆に、レグルスさんが何を考えてらっしゃるのか、全然分かりません・・・・ 「・・・スピカ。どうしたんだい?急に暗い顔をしてしまって・・・・」 あぁっ!!ち、違います!レグルスさんのせいじゃないんです〜! 「すみません、レグルスさん!違うんです!つい、考え事をしてしまって・・・・」 そうして私は、ちょっとした紙袋にお金を入れて、グーをして差し出して下さったレグルスさんの手にチップの入った袋をお渡ししました。チップと言いましても、色々していただいたレグルスさんへの感謝を込めて、10万ゴールド入れてみたんですけど・・・実は足りなかったりして・・・・ |