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レグルスさんは受け取った袋の中身をチラッと覗かれています・・・・やっぱり足りないとか思われちゃうでしょうか・・・・ 「・・いいのかい?こんなにもらってしまって。」 私が笑顔でそう言ったら、レグルスさんは驚いた表情で私を見つめられました・・・・あの、私。そんな見るような顔してないですから〜・・・・ 「・・ありがとう、スピカ。本当に嬉しいよ・・・・」 レグルスさんはそう仰ると、私に触れないように手を付いて、その顔をこちらに近付けられて・・・って、えっ?私、どうして近付かれてるんですか!?レグルスさんのとっても素敵なお顔をこんな近くで見てしまうと・・・わ、私、ドキドキしてしまいます・・・・! 「あの!レグルスさん!?」 えぇっ!?私、何かしましたか〜!?レ、レグルスさんの色っぽいカッコ良いお顔をこんなに近くで見てしまうと、何も考えられなくなっちゃいます〜!と、いうか・・・もう少しで唇が触れ合っちゃいそうですよ〜!!ダ、ダダ、ダメです!こんな近くでレグルスさんを見ていたら、私、本当に何も出来なくて・・・ど、どうしましょう!? 「あっ、レグルス!またスピカをいじめてるの〜!?」 絶体絶命の大ピンチだったその時に、プレアデス先輩とミザールさんが急遽入ってきて下さったことでレグルスさんはハッとした表情を見せられました。それから目を閉じられたのですけど、すぐに私のことを見て下さいました。 「・・ごめんね、スピカ。怖くなかったかい?」 レグルスさんはそう仰ると、ホッとした感じで優しい笑顔を浮かべて下さって、私から離れて下さったんですけど・・・・あのままいたら、私・・どうなっていたんでしょうか?助かって本当に良かったです・・・・ 「レグルス〜、あなたらしくな〜い。飲んでもそんなことしないのに、どうしちゃったの〜?」 余裕ある格好良い微笑を浮かべてサラッとそんなことを仰らないで下さい〜!!ですけど、普通の方が言うと違和感あるセリフが違和感なく似合うレグルスさんって、やっぱりすごーいです〜・・・・ 「・・・飲んでないのに、か?」 ええぇぇーーーっ!?質問するミザールさんもミザールさんですけど、そんな真に答えないで下さい〜、レグルスさ〜ん! 「ウフフフッ!レグルス、あなたもスピカの可愛さや健気な所に触れたようね!スピカはホンットに真面目で可愛くてイイ子でしょ〜?」 ・・お褒めいただくようなことではないのですが・・・・褒められると、どんなことでも嬉しくなっちゃいます。 「・・いいな、レグルス。俺もスピカと話して、酔ってみたい・・・・」 ミザールさんはそう仰って、プレアデス先輩の肩をポンポンと軽く叩かれました。先輩はそんなミザールさんの腕に手を回して見つめていらっしゃいます。本当にこのお2人、もしかしたらもしかして・・・ですか? 「フフッ・・仲が良いね。まぁ、何だかんだ言って、プレアと私達は付き合いが長いからね〜。」 私はお2人に聞こえないように、声を潜めて、少しだけレグルスさんの耳元に近付きながらそう尋ねてみました。するとレグルスさんはフッと色っぽい微笑を浮かべられました。 「・・・おまえは、昔のプレアを知らないのかな?」 う〜ん。あんまりプライベートなお話は先輩としたことないんですよね〜・・・・ 「・・プレアは、元ホステスだよ。まぁ、男関係で随分色々あったみたいだから、今は一切合財やめて、でもこうして時々私達の所に遊びに来る位かな。私やミザールと会ったのは、4年位前のことなんだよ。」 わぁ〜っ!そうだったんですか〜。全然知らなかったです〜・・・・通りで、先輩が男性に慣れていると噂される訳ですよね・・・・と、いうか。噂は真実だったんですね・・・・ 「そうだったんですか〜。知りませんでした・・・・」 ア、アハハハハ。確かに・・むしろ私が先輩に頼んだんですけど・・・・ 「あ、その・・・・先輩に、相談したんです。男性さんとお話出来る所はないかって・・・・」 アウ〜。こんなこと言って、レグルスさん怒ったりしないでしょうか?言い終わってから何だか不安になってしまいました・・・・ 「そうか。否定せずに、実際にこうして来てくれて嬉しいよ。今日一日楽しんでもらって、また来てもらわないとね。」 レグルスさん・・・・本当に優しくてカッコ良くて、とても魅力的な方です・・・・初めてレグルスさんを見た時からその格好良さに一目惚れしちゃった感じでしたけど・・・・やっぱり私、レグルスさんのことを本当に好きになってしまったみたいです・・・・でもきっと、こんな気持ちはレグルスさんに対して、ご迷惑ですよね・・・・そうですよ!これはレグルスさんにとってお仕事なんですから・・・・いけない。私情と混ぜたらダメですよね・・・・お気持ちだけ、受け取ることにしましょう・・・・ 「あ・・はい。あの、分かりました。ありがとうございます!レグルスさん。」 そうしてレグルスさんは、ヘルプの電話を入れたのですけど・・・・その前にすごく切なそうな表情をなされたのは、どうしてでしょうか・・・・? 「ねぇねぇレグルス〜。ちょっとイイ?」 その時、先輩がレグルスさんの腕にご自分の手を回されてそう仰いました・・・・一瞬羨ましいと思って、思わず嫉妬の目で先輩を見てしまった私は愚か者です・・・・それは、私も・・レグルスさんにしようと思えば、抱き着けるのでしょうけど・・・・どうしても、勇気が出せなくて・・・・本当に、先輩が羨ましいです・・・・ 「ん?おや、どうしたのかな?プレア。」 そうしてチロッと先輩は舌を出されてウインクなさいました。そんな先輩を見て、レグルスさんはフッと余裕ある微笑を浮かべられました。 「あぁ。今日は開店早々にアポを取っていたお客がいたんだけど、確認したらドタキャンされてしまってね〜。だからフリーだったんだよ。」 あ・・先輩が仰っていたお勧めホストさんって、レグルスさんのことだったんですね〜。 「そう!あなたならきっちりスピカの面倒を見てくれそうな気がしたのよ。この子本当に内気だから、レグルスなら大丈夫だと思ったんだけど・・・・スピカ。レグルスといて楽しい?」 ・・私、レグルスさんに一杯ご迷惑おかけしてばかりですよね・・・・もしかしたら、最悪の客とか思われてるかもしれません〜。 「スピカ、突然そんな暗い顔をしないで。おまえが楽しんでいるのに、一緒にいる私が楽しくない訳がないだろう?妙な気は遣わなくていいんだよ?スピカ。」 私はお2人の優しさに胸が痛くなってしまいました。それで、お辞儀をしてそうお礼を述べたんですけど・・・・あら?顔を上げたら、レグルスさんとミザールさんが驚いて私を見てらっしゃいます・・・・えぇ〜っ!?私、そんなに変なことを言ったのでしょうか〜!? 「・・・ミザール。分かっただろう?」 わ、私には全く分からないんですけど〜!! 「ウフフフフッ。あなたってホント、こーゆーお店には珍しいタイプのお客さんよね〜。純粋で汚れてなくて、イイと思うわ〜。そのあなたらしさを、これからも大事にしてね!スピカ!」 そんな。純粋で汚れてない、とは思わないんですけど・・・・ありがとうございます、プレアデス先輩・・・・・ |