レグルスさんは受け取った袋の中身をチラッと覗かれています・・・・やっぱり足りないとか思われちゃうでしょうか・・・・

「・・いいのかい?こんなにもらってしまって。」
「は、はい!あの、こんな私のことでもお相手にして下さっている、感謝の気持ちです。その程度では、まだまだだと思いますけど・・・・」
「そんなことはないよ・・・・ありがとう。おまえはさりげなくこんな大金をくれたけど、このお金の裏には苦労が一杯あっただろう?私が少しでも、その苦労を報われるようにしてあげれるといいんだけどね。」
「そ、そんな・・・・今日こうしてレグルスさんとお会い出来ただけで、私はとても嬉しいです。」

私が笑顔でそう言ったら、レグルスさんは驚いた表情で私を見つめられました・・・・あの、私。そんな見るような顔してないですから〜・・・・

「・・ありがとう、スピカ。本当に嬉しいよ・・・・」

レグルスさんはそう仰ると、私に触れないように手を付いて、その顔をこちらに近付けられて・・・って、えっ?私、どうして近付かれてるんですか!?レグルスさんのとっても素敵なお顔をこんな近くで見てしまうと・・・わ、私、ドキドキしてしまいます・・・・!

「あの!レグルスさん!?」
「・・スピカ・・・・おまえは、タブーを破らせてしまうようなことを、あっさり言ってくれるね・・・・」
「えっ!?あの、私・・・・!」

えぇっ!?私、何かしましたか〜!?レ、レグルスさんの色っぽいカッコ良いお顔をこんなに近くで見てしまうと、何も考えられなくなっちゃいます〜!と、いうか・・・もう少しで唇が触れ合っちゃいそうですよ〜!!ダ、ダダ、ダメです!こんな近くでレグルスさんを見ていたら、私、本当に何も出来なくて・・・ど、どうしましょう!?

「あっ、レグルス!またスピカをいじめてるの〜!?」
「・・・珍しいな、レグルス・・・・」

絶体絶命の大ピンチだったその時に、プレアデス先輩とミザールさんが急遽入ってきて下さったことでレグルスさんはハッとした表情を見せられました。それから目を閉じられたのですけど、すぐに私のことを見て下さいました。

「・・ごめんね、スピカ。怖くなかったかい?」
「えっ!?えっと、一応大丈夫です・・・・」

レグルスさんはそう仰ると、ホッとした感じで優しい笑顔を浮かべて下さって、私から離れて下さったんですけど・・・・あのままいたら、私・・どうなっていたんでしょうか?助かって本当に良かったです・・・・

「レグルス〜、あなたらしくな〜い。飲んでもそんなことしないのに、どうしちゃったの〜?」
「フフッ・・スピカという甘い美酒に、完全に酔いが回ってしまったようだよ。」
「ええぇぇっ!?あの、レグルスさん!?」

余裕ある格好良い微笑を浮かべてサラッとそんなことを仰らないで下さい〜!!ですけど、普通の方が言うと違和感あるセリフが違和感なく似合うレグルスさんって、やっぱりすごーいです〜・・・・

「・・・飲んでないのに、か?」
「そう。見て話しているだけで酔える最高の存在だね、スピカは。フフッ、ウーロン茶で正解だったようだよ。」

ええぇぇーーーっ!?質問するミザールさんもミザールさんですけど、そんな真に答えないで下さい〜、レグルスさ〜ん!

「ウフフフッ!レグルス、あなたもスピカの可愛さや健気な所に触れたようね!スピカはホンットに真面目で可愛くてイイ子でしょ〜?」
「あぁ、そうだね。本当にそう思うよ。」
「そ、そんな・・・・ありがとう、ございます。」

・・お褒めいただくようなことではないのですが・・・・褒められると、どんなことでも嬉しくなっちゃいます。

「・・いいな、レグルス。俺もスピカと話して、酔ってみたい・・・・」
「フフッ・・スピカがそう望むのなら、いいんじゃないかい?」
「ちょっとレグルス〜、あたしのコト忘れてもらっちゃ困るわ〜!ミザール、今日は何としてでも一緒にいてもらうんだからね!」
「分かってる・・・怒るな、プレア。」

ミザールさんはそう仰って、プレアデス先輩の肩をポンポンと軽く叩かれました。先輩はそんなミザールさんの腕に手を回して見つめていらっしゃいます。本当にこのお2人、もしかしたらもしかして・・・ですか?

「フフッ・・仲が良いね。まぁ、何だかんだ言って、プレアと私達は付き合いが長いからね〜。」
「そうなんですか〜・・・・あの、ミザールさんとプレアデス先輩って、お付き合いなさってるんですか?」

私はお2人に聞こえないように、声を潜めて、少しだけレグルスさんの耳元に近付きながらそう尋ねてみました。するとレグルスさんはフッと色っぽい微笑を浮かべられました。

「・・・おまえは、昔のプレアを知らないのかな?」
「あ、はい。聞いたことがないです・・・・」

う〜ん。あんまりプライベートなお話は先輩としたことないんですよね〜・・・・

「・・プレアは、元ホステスだよ。まぁ、男関係で随分色々あったみたいだから、今は一切合財やめて、でもこうして時々私達の所に遊びに来る位かな。私やミザールと会ったのは、4年位前のことなんだよ。」
「えぇっ!?そうなんですか!?」
「あぁ、そうなんだよ。それで、ミザールとプレアは一時期、付き合っていてね・・・・今は完全に別れたんだけど、良き友達となっているようだね。」

わぁ〜っ!そうだったんですか〜。全然知らなかったです〜・・・・通りで、先輩が男性に慣れていると噂される訳ですよね・・・・と、いうか。噂は真実だったんですね・・・・

「そうだったんですか〜。知りませんでした・・・・」
「そうか。それじゃあ、おまえはどうして今日プレアと一緒にここに来たのかな?まさか、無理矢理引っ張って来られた訳ではないだろう?」

ア、アハハハハ。確かに・・むしろ私が先輩に頼んだんですけど・・・・

「あ、その・・・・先輩に、相談したんです。男性さんとお話出来る所はないかって・・・・」
「・・そしたら、ここを紹介したのかい?」
「はい・・・・最初に「ホストクラブ」と聞いた時には驚いてしまったのですけど・・・・先輩に、偏見だけじゃ駄目だと言われて、確かにその通りだと思いました。それで、来てみたんです・・・・」

アウ〜。こんなこと言って、レグルスさん怒ったりしないでしょうか?言い終わってから何だか不安になってしまいました・・・・
ですけど、そんな私の不安をよそに、レグルスさんは優しい微笑みを浮かべて下さいました。

「そうか。否定せずに、実際にこうして来てくれて嬉しいよ。今日一日楽しんでもらって、また来てもらわないとね。」
「あっ、はい。ですけど、お金が大変です・・・・」
「アハハッ、そうだろうね。まぁ、他のホストがどうかは知らないけど、私はあまりお金は要求しないよ。食事代と、チップを少しもらえればそれで十分さ・・・って、これを言うと他のホストの営業妨害になってしまうんだけどね。でも・・また今度来てくれるなら、プレアからじゃなくて、おまえから私を指名してくれると嬉しいね。」

レグルスさん・・・・本当に優しくてカッコ良くて、とても魅力的な方です・・・・初めてレグルスさんを見た時からその格好良さに一目惚れしちゃった感じでしたけど・・・・やっぱり私、レグルスさんのことを本当に好きになってしまったみたいです・・・・でもきっと、こんな気持ちはレグルスさんに対して、ご迷惑ですよね・・・・そうですよ!これはレグルスさんにとってお仕事なんですから・・・・いけない。私情と混ぜたらダメですよね・・・・お気持ちだけ、受け取ることにしましょう・・・・

「あ・・はい。あの、分かりました。ありがとうございます!レグルスさん。」
「スピカ・・・・あぁ、ごめんね。ウーロン茶が足りないかな?ボトル追加するかい?」
「あっ、すみません!レグルスさん。お願いします。」

そうしてレグルスさんは、ヘルプの電話を入れたのですけど・・・・その前にすごく切なそうな表情をなされたのは、どうしてでしょうか・・・・?

「ねぇねぇレグルス〜。ちょっとイイ?」

その時、先輩がレグルスさんの腕にご自分の手を回されてそう仰いました・・・・一瞬羨ましいと思って、思わず嫉妬の目で先輩を見てしまった私は愚か者です・・・・それは、私も・・レグルスさんにしようと思えば、抱き着けるのでしょうけど・・・・どうしても、勇気が出せなくて・・・・本当に、先輩が羨ましいです・・・・

「ん?おや、どうしたのかな?プレア。」
「うん、あのね。昨日あたし、急にあなたに連絡入れたけど・・・もし何か今日の予定あったとしたらキャンセルさせちゃったかなって、今頃気付いて☆」

そうしてチロッと先輩は舌を出されてウインクなさいました。そんな先輩を見て、レグルスさんはフッと余裕ある微笑を浮かべられました。

「あぁ。今日は開店早々にアポを取っていたお客がいたんだけど、確認したらドタキャンされてしまってね〜。だからフリーだったんだよ。」
「そうだったの〜!?マジラッキー!!一応行くだけ行くって連絡は入れといたけど、実際に会うの難しいみたいな話してたから、今日はホントにあなたと会えて良かったわ〜!・・それにね、どうしてもスピカにあなたを超お勧めホストとして紹介しておきたかったのよ!」
「フフッ・・それは光栄だね、プレア。」

あ・・先輩が仰っていたお勧めホストさんって、レグルスさんのことだったんですね〜。

「そう!あなたならきっちりスピカの面倒を見てくれそうな気がしたのよ。この子本当に内気だから、レグルスなら大丈夫だと思ったんだけど・・・・スピカ。レグルスといて楽しい?」
「あ・・はい!私は楽しいんですけど、レグルスさんは・・・・」

・・私、レグルスさんに一杯ご迷惑おかけしてばかりですよね・・・・もしかしたら、最悪の客とか思われてるかもしれません〜。

「スピカ、突然そんな暗い顔をしないで。おまえが楽しんでいるのに、一緒にいる私が楽しくない訳がないだろう?妙な気は遣わなくていいんだよ?スピカ。」
「・・スピカ、俺達のことなら気にするな。あんたが楽しければ、俺たちも楽しい。」
「レグルスさん、ミザールさん・・・・すみません。あの・・本当に、ありがとうございます!」

私はお2人の優しさに胸が痛くなってしまいました。それで、お辞儀をしてそうお礼を述べたんですけど・・・・あら?顔を上げたら、レグルスさんとミザールさんが驚いて私を見てらっしゃいます・・・・えぇ〜っ!?私、そんなに変なことを言ったのでしょうか〜!?

「・・・ミザール。分かっただろう?」
「何がだ?」
「・・私が、スピカに酔ってしまった理由だよ。」
「あぁ・・・今理解した。」

「えぇっ!?」

わ、私には全く分からないんですけど〜!!

「ウフフフフッ。あなたってホント、こーゆーお店には珍しいタイプのお客さんよね〜。純粋で汚れてなくて、イイと思うわ〜。そのあなたらしさを、これからも大事にしてね!スピカ!」
「あっ。は、はい・・・・」

そんな。純粋で汚れてない、とは思わないんですけど・・・・ありがとうございます、プレアデス先輩・・・・・


  

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