それから私達は4人で楽しく過ごしたのですけど・・・・わ〜、気付いたらもう夜中の2時半を過ぎてます〜。初めての私にプレアデス先輩が気遣って下さって、私たちは今日は帰ることに致しました。

「あっ。それじゃ、そろそろ帰りましょ!スピカ。レグルス、ミザール!今日はありがと。ご馳走様!」
「・・・早いな。これから本番なのに・・・・」
「そうだね。でも、初めてなら仕方ないさ。フフッ・・またおいで。スピカ、プレア。」
「あ・・はい!レグルスさん!ミザールさんも、ありがとうございました!ご馳走様です。」

私はそう言って、改めてレグルスさんとミザールさんにお辞儀をしてそう言いました。

「・・気を付けて帰れよ?スピカ、プレア。」
「カウンター前まで送るよ。ミザール、オーナーとマネージャーを呼んできてくれるかな?」
「ん・・・・」

そうしてミザールさんが先に行かれて、私とプレアデス先輩はレグルスさんに案内されて来た時と同じカウンターの方に行きました。ここまで来る間に様々なテーブルの前を通りすぎていったのですけど、色んな方がいらっしゃってるのですね〜。一杯盛り上がっていた感じです・・・・

「それにしても、今日はホントに楽しかったわ〜!スピカがいるとまた楽しさが違うわね〜!ウフフッ。あなたさえよければ、また一緒にここに来ない?スピカ。」
「あ・・はい!むしろ、こちらからお願いします!先輩。」

私は先輩にお辞儀をしてそう言いました。今までホストクラブさんって、あまり良いイメージがなかったのですけど・・・・実際に行ってみて、想像とは全然違ったことを沢山知りました!思っていた以上に楽しい所を教えて下さったプレアデス先輩には感謝で一杯です。

「ウフフッ、さすがね!スピカ。それでこそあたしの可愛い後輩だわ♪」

そうしてプレアデス先輩が私に抱き着いてきました!・・先輩、もしかして少しだけ酔ってらっしゃいます?いえ、嬉しいので良いんですけど・・・・レグルスさんの方をチラリと見ると、レグルスさんは私と目が合った瞬間、すぐに優しい笑顔を浮かべて下さいました。

「仲が良いんだね。妬けるよ。」
「ウフフフッ。どっちによ〜、レグルス。」
「ん?両方に、かな?」
「何よそれ〜、意味ないじゃな〜い!」

そうして私達が3人で笑い合った、その時でした。奥の方からミザールさんがいらしたかと思うと、後からこちらにいらっしゃったのは・・・・キ、キャ〜ッ。何だかとっても偉そうな男性さんと、秘書っぽい格好良い女の方です〜!

「キャーーーッッ!!ラグリア〜、アルビレオ〜!久しぶり〜!!」

プレアデス先輩はすぐに私から離れて、偉そうな男性さんの方に抱き着いてから、女の方とも抱き合ってました。先輩の人脈ってすごーいです〜・・・・

「確かに久しいな、プレア。元気そうで何よりだ。」
「そうね〜、あたし達裏にいるコトの方が多いからね〜。あぁ〜、それでミザールからチョロッと聞いたんだけど〜、こちらが新しいお客さ〜ん?」
「そうよ〜!あたしの可愛い後輩なの!スピカ、悪いけどまた自己紹介してくれないかしら?」
「あ、はい!」

そうして私は、今日3度目となる自己紹介をさせていただきました。私がお辞儀をしてから自己紹介を終えると、偉そうな男性さんがコクンと頷いて下さいました。

「スピカだな、分かった。私はオーナーのラグリアだ。以後この店を贔屓にしてくれると嬉しい・・・よろしく頼む。」
「ンフフ〜、初めましてスピカちゃん!あたしはアルビレオ!このこわ〜いオーナーのマネージャーしてんの!よろしくね〜!ってコトで早速なんだけど〜、帰る前に、スピカちゃんに色々お話しさせてもらうわね!」
「あっ、は、はい!」

な、何だか突然のことでちょっと頭がパニックですけど、お話聞かなきゃです〜。アルビレオさんがカウンターに、何やらぶ厚いノートを広げられながらお話しされました。

「ウチのお店ね〜、今100人以上のホストがいるの。今日は初めてのご来店だからスピカちゃんからのご指名はなかったんだけど、それってこの業界では珍しいパターンなのよ〜。大体初めましてのお客様でも、ホストの噂を聞きつけてきたりする子って多いからさ♪で、今日のお相手は〜・・・・レグルスとミザールか。プレアがご指名したお2人さんだけど、どうだった〜?楽しかった〜?」
「あ、はい!本当に楽しかったです!」
「そっかそっか〜、ありがと♪じゃあ「また遊びに来よう!」とか思っちゃった〜?」
「あ・・はい!お金があれば、是非・・・・」
「アハハハハッ!そっか〜、そうよね〜。ウン、ありがと!そしたらスピカちゃんには、早速会員手続きをしていただきましょ〜!!ってコトで〜、これ書いてもらえるかな〜?このスピカちゃんの個人情報は、今後スピカちゃんがご指名することになるホストだけにしか伝わらないものだし、秘密は厳守だから安心してね♪」
「あ・・はい!分かりました。」

そうしてアルビレオさんから受け取ったのは、会員になる為に必要な事項を記入するものでした。名前を書いて、生年月日を書いて、住所を書いて、電話番号を書いて・・・・あら?「好きなタイプの男性」という欄がありますね〜。こ、これはどう書けば良いのでしょうか?
それまでサラサラと書いていた私だったのですが、そこで手が止まってしまいました。

「フッ・・案の定、か。それは軽いアンケートのようなもので、ホストに求める態度でも構わない。悩むことなく気軽に書けば良い。」

オーナーのラグリアさんが、私の状況を察してそう仰って下さったのですけど・・・・「案の定」ということは、やはり会員になる女の方は大体ここで詰まっちゃうんでしょうね〜・・・・私も例に漏れず、といった感じでしょうか?
う〜ん、う〜ん・・・・分かりました。ここは正直に書いてしまいましょう!私は少し恥ずかしかったのですけど、心の中で決心して書きました。「自分を大切にして下さる優しい方」と・・・・
それから全て書いて、アルビレオさんにお渡ししました。アルビレオさんは私の書いたその紙を元に、レジの隣にあるコンピューターに何か打ち込まれています・・・・これでカードを作るのでしょうか?

「ウフフッ、スピカ!もう少しであなたもここの会員ね!あなたの心が決まってるなら、指名するホストも今の内に考えときなさいよ!」
「あ・・はい。プレアデス先輩。」

私は返事をしてみたものの、考えてみました。今日はレグルスさんとミザールさんしか見なかった上に、プレアデス先輩と全く同じこのお2人を選ぶのも変だと思うんです・・・・あ。ですけどレグルスさんのことはご指名したいですし・・・・どうしましょうか・・・・?

「アハハハハッ。別に指名のコトについてはそんなに急がなくてイイわよ〜?スピカちゅわ〜ん。と言っても、今後スピカちゃんがフリーとして来てもらえるのは2回までね!3回目過ぎたらちゃんとホストの指名してもらうから♪そうじゃないと、ホスト同士にイザコザが耐えなくってさ〜。ほら〜、やっぱり何だかんだ言ってもこの世には男と女しかいないワケで、お客様争奪戦とか、ホスト同士でよくあるコトなのよ〜。」
「わぁ〜っ、そうなんですか〜。」

な、何だか怖いですけど・・・・別に私を巡っての争奪戦なんてある訳ないですし、とっても次元の違うお話だなぁという感じです・・・・


  

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