30 「ヤッホー、スピカ〜!元気〜?」 ということで、仕事が終わったであろう先輩を巻き込んで最後のお仕事をしました。わぁっ、先輩がいらっしゃるだけでこんなに違うものなのですね〜。体力的にも精神的にも負担がとても軽くなった感じです。 「ウフフフッ!あなたと一緒に行くとアトラスもいるんだものね〜!!楽しみだわ〜。」 ウッ、何か変な反応の仕方をしてしまいました。先日アトラスさんと過ごしたことを思い出してしまって・・・・ 「?どうしたの?スピカ。声が上ずってるけど・・・・」 ウッ!!先輩ってどうしてこんなに鋭いんでしょうか? 「えっと・・・・・は、はい・・・」 私は聞こえるか聞こえないか位の小さな返事をしました。ですけど、先輩にはちゃんと私の返事が聞こえていたようです。プレアデス先輩は驚かれたようで、立ち止まって私の肩に手を置かれました。 「ちょっと、大丈夫なの!?あなた。「Shooting Star」に行くのが怖ければ、そう言ってくれていいのよ!?」 それに私・・・襲われたとは言っても、実際そんなにひどいことはされませんでしたし・・・・ウゥッ。アトラスさんに体を許したことが、自分でも未だに信じられないですけど・・・・でもきっと、先輩がご一緒にいて下されば大丈夫です。 「本当!?もし嫌になったら、ちゃんとあたしに言うのよ?いい?」 私がそうお返事をしてから、また先輩とゆっくり歩き出したんですけど・・・先輩が少し難しい表情をされながら言いました。 「・・・ちょっと不安ね。今日はあたしもいるから、出来るだけアトラスとあなたを近付けさせないようにするわ。あっ、それかレグルスに頼んでアフターに付き合ってもらいなさいよ!レグルスなら、きっと全部理解してくれると思うわ。」 あ・・そういえば、そうですよね。お店にはレグルスさんもいらっしゃるんでした・・・ 「はい・・・あの、ですけどレグルスさんはとっても人気がありますから、私の為に時間を割いていただけるかどうか・・・・」 私がそう言うと、プレアデス先輩は「ハァ〜ッ・・・」と大きい溜め息をつかれました。ウッ、先輩に呆れられてしまったのでしょうか?私は不安になって、思わず先輩の顔を覗き込んでしまいました。 「あなたってどこまでも謙虚よね〜。こういう時位、積極的になってイイと思うわよ〜?」 そうして先輩とお話していた内に、「Shooting Star」に到着しました!いつも通り奇麗な電気装飾が、私と先輩を照らして下さってます。 「リウスさん・・・!」 そうなんです、そこにいらっしゃったのはリウスさんだったんです! 「はい、俺はとっても元気です〜!確かお2人とこうして会うのって、2週間ぶり位ですよね?エヘヘッ、久しぶりにお2人に会えて嬉しいです〜!!」 えぇっ!?レグルスさんがいらっしゃらないって、どういうことでしょうか!? 「はぁっ!?・・って、まだ22時なのね〜。レグルス呼んでも大丈夫かしら?」 リウスさんは爽やかなニコニコ笑顔でそう仰って下さいました。それから先輩が携帯電話を片手にレグルスさんにお電話してるみたいなんですけど・・・待っているこの沈黙の時間って、妙に緊張してしまいますよね。私がお電話している訳ではないのですけど、ドキドキしてしまいます。 「あっ、もしもし〜?ヤッホー!今家にいるの?・・・・そうよ〜、来ちゃった♪・・あ、スピカもいるわよ。代わる?」 えぇっ!?どど、どうしてそこで私が出てくるんでしょうか!?私は驚きながらも、先輩が携帯電話を私の方に寄越されたので、ドキドキしながらお電話に出させてもらいました。 「あの、もしもし?」 キャアッ!!本当にレグルスさんですよ〜!!携帯電話を持っていない私なので、自宅以外の電話で話すことに慣れていなくて、とてもドキドキしてしまいます。 「あ、はい!その、すみません!」 と私が言って先輩に携帯電話をお返ししようとしたその時、レグルスさんの一言で私は固まってしまいました。 「フフッ・・駄目だよ、スピカ。もう少し、私に付き合ってくれないと困るんだけどね〜。」 先輩とリウスさんが、驚いて私を見てらっしゃいます〜!!そういえば、先輩にお電話代わるって言ったのに結局代わってないんですから無理もないですよね。ウゥッ、どうしましょうか・・・・ 「今日は、2週間分の埋め合わせをさせてもらうよ?スピカ。一緒に楽しく過ごそうね。」 と私が返事をしたら、間もなくお客さんと同じ出入り口から来られたのがレグルスさんだったんです!!キャーーーッッ!!ま、まさか本当にこんなすぐにいらっしゃるなんて思いませんでした!!私はもちろん、プレアデス先輩とリウスさんも驚いてらっしゃいます! 「フフッ、ちゃんといたね・・・改めていらっしゃい。遅くなってごめんね。」 あぁっ、レグルスさんの格好良い微笑は相変わらず健在ですね!私、一気に身も心もトロトロと溶けていくのを感じます。レグルスさんを見ているだけでこんなに幸せだと感じます・・・・ 「あ、あの・・こんばんは、レグルスさん。」 アハ、アハハハハハ。さすがプレアデス先輩です・・・・ 「フフッ・・話が分かって助かるよ、プレア。どうしてもね・・・今回だけは、スピカをアトラスに譲りたくなかったんだよ。」 えっ?そ、それってどういう意味でしょうか?意味が分からなくて首を傾げていると、プレアデス先輩が少し呆れた感じの表情をなさいました。 「それならどうして店にいないのよ〜?あなたがNo.1なのはよく分かってることだけど・・・・」 えっ?レグルスさんが、体調を・・・!? |