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それから休日の明けた私は、仕事に明け暮れて休日を過ごしてまた仕事をして・・という繰り返しでした。ようやくお給金もいただけて、明日からまた3連休が始まります。今月のお給金が入ってホッとした私の所に来て下さったのはプレアデス先輩でした。

「ヤッホー、スピカ〜!元気〜?」
「あ、プレアデス先輩!はい、元気ですよ〜。」
「ウフフッ!ねぇ?スピカ。給料も入ったことだし、早速「Shooting Star」に行ってパーッと盛り上がらない?」
「は、はい!喜んでご一緒させていただきます!あの、ですけど最後の確認作業をしなければならなくて・・・」
「あら、じゃあ私も協力するわよ?書類はこれだけ?」
「あ、はい、そうです。」

ということで、仕事が終わったであろう先輩を巻き込んで最後のお仕事をしました。わぁっ、先輩がいらっしゃるだけでこんなに違うものなのですね〜。体力的にも精神的にも負担がとても軽くなった感じです。
すぐに最後の確認作業を終えた私と先輩は、一緒に職場を出て「Shooting Star」の方に向かいました。その間、先輩と楽しくお喋りしながら歩いていたんですけど・・・・

「ウフフフッ!あなたと一緒に行くとアトラスもいるんだものね〜!!楽しみだわ〜。」
「!!あ・・は、はい!そうですね・・・・」

ウッ、何か変な反応の仕方をしてしまいました。先日アトラスさんと過ごしたことを思い出してしまって・・・・

「?どうしたの?スピカ。声が上ずってるけど・・・・」
「あっ、その!なな、何でもないです・・・」
「・・もう、あなたってホンットにウソつくの下手よ?アトラスと何かあったの?まさか・・襲われた?」

ウッ!!先輩ってどうしてこんなに鋭いんでしょうか?
あ・・そういえば、レグルスさんがプレアデス先輩は元々ホステスさんだったと仰ってましたよね?事実、先輩は色んな所によく気の付く方ですし・・・・どうやら、先輩に隠し事は出来なさそうです・・・・

「えっと・・・・・は、はい・・・」

私は聞こえるか聞こえないか位の小さな返事をしました。ですけど、先輩にはちゃんと私の返事が聞こえていたようです。プレアデス先輩は驚かれたようで、立ち止まって私の肩に手を置かれました。

「ちょっと、大丈夫なの!?あなた。「Shooting Star」に行くのが怖ければ、そう言ってくれていいのよ!?」
「あ・・大丈夫です。その・・先輩がご一緒にいて下されば、大丈夫ですから。」

それに私・・・襲われたとは言っても、実際そんなにひどいことはされませんでしたし・・・・ウゥッ。アトラスさんに体を許したことが、自分でも未だに信じられないですけど・・・・でもきっと、先輩がご一緒にいて下されば大丈夫です。

「本当!?もし嫌になったら、ちゃんとあたしに言うのよ?いい?」
「はい、分かりました。」

私がそうお返事をしてから、また先輩とゆっくり歩き出したんですけど・・・先輩が少し難しい表情をされながら言いました。

「・・・ちょっと不安ね。今日はあたしもいるから、出来るだけアトラスとあなたを近付けさせないようにするわ。あっ、それかレグルスに頼んでアフターに付き合ってもらいなさいよ!レグルスなら、きっと全部理解してくれると思うわ。」

あ・・そういえば、そうですよね。お店にはレグルスさんもいらっしゃるんでした・・・

「はい・・・あの、ですけどレグルスさんはとっても人気がありますから、私の為に時間を割いていただけるかどうか・・・・」
「んも〜う、あなたってばホントそーゆートコがマメよね。大丈夫よ〜!!何なら、今からレグルスに予約入れても・・って、あなたケータイ持ってないんだったわね。んじゃ、あたしのケータイからかける?」
「あっ、いいんです!その。私は、レグルスさんが見れるだけで嬉しいので・・・・」

私がそう言うと、プレアデス先輩は「ハァ〜ッ・・・」と大きい溜め息をつかれました。ウッ、先輩に呆れられてしまったのでしょうか?私は不安になって、思わず先輩の顔を覗き込んでしまいました。

「あなたってどこまでも謙虚よね〜。こういう時位、積極的になってイイと思うわよ〜?」
「そ、そうですか?ですけど、本当にレグルスさんとはお会い出来るだけで嬉しいので・・・・」
「ウフフッ・・まぁ、そこがあなたの良さであり、悪さかしらね!」

そうして先輩とお話していた内に、「Shooting Star」に到着しました!いつも通り奇麗な電気装飾が、私と先輩を照らして下さってます。
お店もいつも通り、とても煌びやかな装飾で彩られています。私と先輩はカウンターに行って、会員証とも言うべきカードを差し出したのですけど・・・あっ!

「リウスさん・・・!」
「はい!いらっしゃいませ〜!スピカさん、プレアデスさ〜ん!!俺、お2人にお会い出来てとっても嬉しいで〜す!!カードお預かりしますね〜!」
「ウフフッ。リウス〜!!その後元気にしてた〜?」

そうなんです、そこにいらっしゃったのはリウスさんだったんです!
キャ〜。先輩、リウスさんの頭を軽く撫でられてます〜!やっぱり先輩、リウスさんのことが相当お気に入りのようですね〜。

「はい、俺はとっても元気です〜!確かお2人とこうして会うのって、2週間ぶり位ですよね?エヘヘッ、久しぶりにお2人に会えて嬉しいです〜!!」
「そうね〜、あたしも嬉しいわ!リウス!ところで、3人とも大丈夫そうなの?」
「あっ、レグルスさんだけまだお店に来てないんですよ〜。ミザールさんとアトラスさんはいらっしゃるんですけど・・・」

えぇっ!?レグルスさんがいらっしゃらないって、どういうことでしょうか!?

「はぁっ!?・・って、まだ22時なのね〜。レグルス呼んでも大丈夫かしら?」
「はい、多分・・・あっ、オーナーに電話させますか〜?」
「大丈夫、あたしが呼ぶわ。ちょっとここに居座らせてもらっていい?リウス。」
「はい、大丈夫ですよ〜!」

リウスさんは爽やかなニコニコ笑顔でそう仰って下さいました。それから先輩が携帯電話を片手にレグルスさんにお電話してるみたいなんですけど・・・待っているこの沈黙の時間って、妙に緊張してしまいますよね。私がお電話している訳ではないのですけど、ドキドキしてしまいます。
それからお電話がつながったようで、先輩が反応を見せました。

「あっ、もしもし〜?ヤッホー!今家にいるの?・・・・そうよ〜、来ちゃった♪・・あ、スピカもいるわよ。代わる?」

えぇっ!?どど、どうしてそこで私が出てくるんでしょうか!?私は驚きながらも、先輩が携帯電話を私の方に寄越されたので、ドキドキしながらお電話に出させてもらいました。

「あの、もしもし?」
「あぁ、スピカ。悪いね・・・今、店に向かっているから、もう少しだけ待ってもらえるかな?」

キャアッ!!本当にレグルスさんですよ〜!!携帯電話を持っていない私なので、自宅以外の電話で話すことに慣れていなくて、とてもドキドキしてしまいます。
それに・・お声だけでも、レグルスさんって色気があふれてらっしゃいますよね。ついでにレグルスさんのお姿も想像してしまうとつい顔が熱くなってきます・・・

「あ、はい!その、すみません!」
「いいんだよ、気にしないで。それより、今は店のどこにいるのかな?まさかもうテーブルを囲んで一杯してる、なんて言わないよね?」
「は、はい。今は受付のカウンターの方にいます。」
「あぁ、それなら安心したよ。それじゃあ、私が来るまでそこで待っててもらえるかな?」
「はい、分かりました。それではプレアデス先輩にお電話代わりますね。」

と私が言って先輩に携帯電話をお返ししようとしたその時、レグルスさんの一言で私は固まってしまいました。

「フフッ・・駄目だよ、スピカ。もう少し、私に付き合ってくれないと困るんだけどね〜。」
「えっ!?」
「プレアより、おまえの可愛い声を聞いていたいよ。2週間ほどおまえに会えなくて、寂しい思いをしていたんだからね・・・」
「えっ!?・・は、はい・・・・」

先輩とリウスさんが、驚いて私を見てらっしゃいます〜!!そういえば、先輩にお電話代わるって言ったのに結局代わってないんですから無理もないですよね。ウゥッ、どうしましょうか・・・・

「今日は、2週間分の埋め合わせをさせてもらうよ?スピカ。一緒に楽しく過ごそうね。」
「は、はい!レグルスさん・・・」
「良い返事だね。あぁ、今行くよ。ちゃんと待っていてね。」
「あ、はい・・・・」

と私が返事をしたら、間もなくお客さんと同じ出入り口から来られたのがレグルスさんだったんです!!キャーーーッッ!!ま、まさか本当にこんなすぐにいらっしゃるなんて思いませんでした!!私はもちろん、プレアデス先輩とリウスさんも驚いてらっしゃいます!

「フフッ、ちゃんといたね・・・改めていらっしゃい。遅くなってごめんね。」

あぁっ、レグルスさんの格好良い微笑は相変わらず健在ですね!私、一気に身も心もトロトロと溶けていくのを感じます。レグルスさんを見ているだけでこんなに幸せだと感じます・・・・
先輩に携帯電話をお返ししてから、私は改めてレグルスさんにご挨拶しました。

「あ、あの・・こんばんは、レグルスさん。」
「んも〜う、レグルスったら〜。あたしのケータイ料考えてよね!?スピカが「代わる」って言っても代わんないからビックリしちゃったわ。あなたのことだから、また口説いてたんでしょ?」

アハ、アハハハハハ。さすがプレアデス先輩です・・・・

「フフッ・・話が分かって助かるよ、プレア。どうしてもね・・・今回だけは、スピカをアトラスに譲りたくなかったんだよ。」

えっ?そ、それってどういう意味でしょうか?意味が分からなくて首を傾げていると、プレアデス先輩が少し呆れた感じの表情をなさいました。

「それならどうして店にいないのよ〜?あなたがNo.1なのはよく分かってることだけど・・・・」
「・・悪いね。先日から体調を崩していたものだから、ゆっくりしていたんだよ。」

えっ?レグルスさんが、体調を・・・!?


  

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