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「ウソッ!?もしかしたら、無理に来させちゃった!?」

「いや、いいんだよ。スピカと一緒なら、ウーロン茶だけで済むだろう?大丈夫さ。」

う、うぅ〜ん。ちょっとレグルスさんと先輩の会話に入っていけないです〜。ふとリウスさんの方を見てみたら、リウスさんは私と目が合うとすぐに笑顔を見せて下さいました。そして気になってしまって、私はリウスさんに聞いてみました。

「あの・・レグルスさん、体調を崩されていらっしゃったんですか?」
「はい、そうなんですよ〜。1週間位前にお酒飲みすぎちゃったみたいで・・・・本当は、こんなこと言っちゃいけないと思うんですけど・・・裏でずっとお薬飲んで頑張ってたんです。」

そんな。お薬を飲まなければならない程悪いだなんて・・・・!

「そうなんですか!?それじゃあ、今日お店にいらっしゃらなかったのは・・・・」
「ゆっくり来て、あんまりお酒飲まないようにする為だと思います。あっ、でもレグルスさんのようなNo.1ホストさんは、遅く来るのが普通なんですよ!!それでも俺たちのようなホストと変わらない時間に来るレグルスさんを、俺は尊敬してるんです!!やっぱり、そういう努力がレグルスさんのようなイイ男を作り出すと思うんですよ〜!!」

わぁっ、そういうものなんですね〜。確かに・・レグルスさんは見える努力はもちろん、見えない努力も沢山していそうです。だからこそ、年齢よりずっと大人びていて何をするにも余裕があるのでしょうね〜・・・・

「そうですね・・・・あの、レグルスさん大丈夫そうですか?リウスさん。」
「うぅ〜ん。顔色が良くなったので大丈夫だと思いますけど・・・やっぱり、無理だけは出来ないですよね。」
「はい、そうですね・・・・私、レグルスさんが無理をなさらないように見てますね。」

私がそう言うと、リウスさんはパアッと明るい笑顔を浮かべて下さいました。

「はい!是非、お願いします!!無理しているレグルスさんを見るのは、俺たちもつらいですから・・・よろしくお願いします!」

そうして私とリウスさんで笑顔で約束を交わしたら、プレアデス先輩とレグルスさんがこちらにいらっしゃいました。

「ウフフッ、リウスとの話は済んだ?スピカ。」
「あ、はい!すみません。プレアデス先輩、レグルスさん。」
「大丈夫だよ。それより、リウス。何番のテーブルが空いているかな?」
「あっ、はい!今は6番が空いてます!それじゃ、アトラスさんとミザールさんもお呼びしますね〜!」

リウスさんがそう仰るのを聞くと、レグルスさんは頷いて私とプレアデス先輩に着いてくるように言いました。リウスさんが「ごゆっくり楽しんで下さいね〜!」と言うのを背に聞いて、私はプレアデス先輩と一緒にレグルスさんに着いて歩きました。
それからすぐに6番テーブルという所に着いたようです。プレアデス先輩の指示の元、レグルスさんを真ん中にして私とプレアデス先輩が囲む形式になりました。そうして座って落ち着いたと同時に来て下さったのが、ミザールさんとアトラスさんだったんです!
キャーーッ。お2人とも背が高くてカッコ良いですよね〜!お2人の背の高さについ首が上がってしまいます・・・・

「・・いらっしゃい。プレア、スピカ。」
「フッ・・よく来たな、2人とも。邪魔するぜ。」
「ミザールーー!!アトラス〜!!あなた達に会えて、あたし超幸せよ〜!!」

プレアデス先輩は座ったばかりなのに、すぐに立ち上がってミザールさんとアトラスさんに抱き着かれました!プレアデス先輩、とても元気ですよね〜。

「ん・・・スピカ、久しぶり。」
「あ、はい!ミザールさん。お久しぶりです!」
「あっ、ミザール!あなたはあたしの隣よ?アトラスはスピカの隣、でイイわよね?」
「俺は構わんが、おまえはどうだろうなぁ?スピカ。」

ウッ・・アトラスさんのこのニヤッとした微笑みは、明らかに先日のことを意識してらっしゃいますよね!?ウゥッ・・ちょっとだけ怖いですけど、ここはお店ですし、プレアデス先輩とレグルスさんとミザールさんがいらっしゃるので大丈夫ですよね?私はそう信じることにして、コクンと頷いて返事をしました。

「あ、あの。私は構いません・・・・」
「フッ・・残念だったな、レグルス。」
「・・いいさ。スピカがそう言うなら、従わないとね。」

えっ?あの・・レグルスさんとアトラスさんの会話が、とてもつめた〜く凍ってる気がするのは私の気のせいでしょうか?ウゥッ・・ちょっと怖いかもしれないです〜。
それからアトラスさんが私のすぐ隣に座られたんですけど・・・わぁ〜っ。アトラスさんはいつものワイルドな微笑を浮かべて下さってるのに、レグルスさんが怖いです〜!!いつもの色っぽい微笑を見せずに、アトラスさんをとても鋭い視線で見てらっしゃるんですよね〜。ど、どうしてでしょうか・・・・?
プレアデス先輩とミザールさんが盛り上がってるのに、何だかここの空気だけとっても冷たいです〜!!え、えぇ〜っと。こういう場合は、私が何か話題を出した方がいいんでしょうか?うぅ〜ん、ですけどこんな時に限って良い話題が全く思い付かないです〜。
困ってしまって、お2人の顔しか見れなくなってしまいました。ウゥッ、どうしてこんな対照的なんですか?お2人の表情・・・・と思ってたら、アトラスさんが口を開かれました。

「おいおい、どうした?No.1ホストさんよ〜。そんな怖い顔してたら、客が引くぜ?」
「・・・アトラス。おまえという奴は・・・・」
「フッ・・俺とスピカが一緒にいたことが、よほど気に食わなかったようだな?今日はおまえがスピカを好きにすれば良い。」
「そういう問題じゃないだろう!?おまえの噂を聞いてはいたし、ホテル街で見かけたこともあったけど・・・まさか、これほどまでだったとはね・・・・」

キャーーッ!レグルスさんが声を荒げるなんて、初めてのことじゃないですか!?こんなに怒ったレグルスさんを見たのは初めてです・・・・
レグルスさんは、常に色っぽい格好良い微笑で私に優しく接して下さっていただけに、その差がすごくて私は怖くなってしまいました・・・

「フッ・・荒れてるなぁ。所詮おまえもガキってコトだ、レグルス。」
「・・アトラス・・・!」
「俺は良いことだって褒めてるんだぜ〜?レグルス。おまえのそういう熱い表情こそ、おまえの真の姿なんだろうよ。おい、スピカ。」
「はっ、はい!!」

アトラスさんに名前を呼ばれると、一気に姿勢がピシッ!となってしまいます。と同時に妙な緊張感が私を支配して、少しだけ胸が苦しいです。

「レグルスは、知ってるんだぜ?俺とおまえがホテルに行ったことをな・・・・」
「えっ?ええぇぇっ!?あ、あの、えぇ〜っと・・・・」

まさかそんなことを言われると思っていなかった私は、本当に驚いてしまいました!羞恥心で一気に体も顔も熱くなってしまって、申し訳ない思いでレグルスさんを見ることしか出来なくて・・・・それでもレグルスさんは私と目が合うと、いつも通りの微笑を浮かべて下さいました。

「突然のことで驚いただろう?スピカ。アトラスのことだから、抵抗してもかなわなかったんだろうけど・・・大丈夫だったかい?」
「あ・・その、私は!・・はい・・・・」

ウゥッ。律儀に返事してる場合じゃないと分かっていながら、レグルスさんに聞かれたことにしか答えられない自分が恥ずかしいです・・・・!
もっと言うことが他にあるだろうと思いながら、こんな風にしか言えないなんて・・・本当に惨めで、情けないです・・・・

「言っとくが、レグルス。俺はおまえに責められるようなことはしてないぜ?」
「・・何だって?」

キャーーッ!またレグルスさんが一気に怖くなられちゃいました〜!!ウゥッ。ど、どうすれば良いんでしょうか・・・・

「俺は、いつも通りのことをしたまでだ。それが何だ?ヤケ酒で体壊すほど、おまえにとって重要な問題だったか?」

ア、アトラスさん、面白そうにニヤリと笑ってらっしゃいます・・・!対するレグルスさんは、形の良い眉をしかめて怒ってらっしゃいます・・・

「・・アトラス。あまり余計なことは言わない方がいいよ?私も、おまえの弱みを握っているんだからね。」
「ほう、俺に宣戦布告か。面白い・・・おまえが何を知ってるか知らんが、楽しませてくれそうじゃないか。」
「・・・恐らく、おまえが言われたくないのは昔経営していた店のことじゃないかな?違うかい?」

レグルスさんがそう仰ると、それまで不敵に笑っていたアトラスさんがその表情を険しくされました。

「おまえはそういうことに興味ないと思っていたがな・・・・」
「フフッ。スピカの前で話してもいいなら話すけど・・・・」
「やめておけ。くだらない話で時間を費やすのはおまえの性分じゃないだろう?それに、今はまだおまえと対等に張り合う気はない。おまえがスピカを手に入れてからなら、考えなくもないがな。」
「・・アトラス・・・・!」
「ハハハハハハッ!!あまり怒らない方がいいぜ?レグルス。スピカが完全に怖気づいてやがる。おい、大丈夫か?スピカ。」

ハッ!!お2人の見えない熱い火花をゾクゾクと感じてしまって、本当にアトラスさんの言う通り、怖気づいてました・・・・

「え、えっと、大丈夫ですけど・・・・あの、すみません!!」

私は謝ることしか出来ませんでした。お2人がこんな冷たく怖い言い合いをしているのは、紛れもなく私のせいなんですよね・・・・!私はお2人の顔をまともに見ることも出来ずにただ頭を下げて謝りました。
そんな私に、先にお声をかけて下さったのはレグルスさんでした。

「・・スピカ、謝らないで。ごめんね、おまえに怖い思いをさせてしまって・・・お願いだから、顔を上げてくれるかい?」
「・・・レグルスさん・・・・」

私は申し訳ない思いで顔を上げました。そうしたら、レグルスさんが優しい微笑で私を見つめて下さっていて・・私は胸が痛くなってしまいました。

「楽しませてあげるつもりだったのに、本当にごめんね。ほら、アトラスも謝ったらどうだい?」
「ったく、こういった仕切りはおまえにかなわんな・・・・俺は謝る気はない。だが、これ以上レグルスと無駄な争いをする気もないから安心しておけ。それより喉が渇いちまった・・・スピカ、おまえはいつも通りウーロンか?」
「あ、はい。あの、レグルスさんとアトラスさんも、ウーロン茶で大丈夫ですか?」
「私は構わないよ。」
「好きにしろ。おまえから高額をせびる気はない。」

ウッ・・アトラスさんは、よほど私にお金に対しての期待をしてらっしゃらないのでしょうか?今日はお給料日なので、いつもよりは多めに持ってきてるんですけど・・・私としては助かりますからいいですよね。

「は、はい、分かりました!それではウーロン茶、お願いします。」
「了解。今ヘルプを呼ぶからね。」

レグルスさん・・・良かったです。ようやくいつものレグルスさんに戻って下さいました・・・・


  

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