31 う、うぅ〜ん。ちょっとレグルスさんと先輩の会話に入っていけないです〜。ふとリウスさんの方を見てみたら、リウスさんは私と目が合うとすぐに笑顔を見せて下さいました。そして気になってしまって、私はリウスさんに聞いてみました。 「あの・・レグルスさん、体調を崩されていらっしゃったんですか?」 そんな。お薬を飲まなければならない程悪いだなんて・・・・! 「そうなんですか!?それじゃあ、今日お店にいらっしゃらなかったのは・・・・」 わぁっ、そういうものなんですね〜。確かに・・レグルスさんは見える努力はもちろん、見えない努力も沢山していそうです。だからこそ、年齢よりずっと大人びていて何をするにも余裕があるのでしょうね〜・・・・ 「そうですね・・・・あの、レグルスさん大丈夫そうですか?リウスさん。」 私がそう言うと、リウスさんはパアッと明るい笑顔を浮かべて下さいました。 「はい!是非、お願いします!!無理しているレグルスさんを見るのは、俺たちもつらいですから・・・よろしくお願いします!」 そうして私とリウスさんで笑顔で約束を交わしたら、プレアデス先輩とレグルスさんがこちらにいらっしゃいました。 「ウフフッ、リウスとの話は済んだ?スピカ。」 リウスさんがそう仰るのを聞くと、レグルスさんは頷いて私とプレアデス先輩に着いてくるように言いました。リウスさんが「ごゆっくり楽しんで下さいね〜!」と言うのを背に聞いて、私はプレアデス先輩と一緒にレグルスさんに着いて歩きました。 「・・いらっしゃい。プレア、スピカ。」 プレアデス先輩は座ったばかりなのに、すぐに立ち上がってミザールさんとアトラスさんに抱き着かれました!プレアデス先輩、とても元気ですよね〜。 「ん・・・スピカ、久しぶり。」 ウッ・・アトラスさんのこのニヤッとした微笑みは、明らかに先日のことを意識してらっしゃいますよね!?ウゥッ・・ちょっとだけ怖いですけど、ここはお店ですし、プレアデス先輩とレグルスさんとミザールさんがいらっしゃるので大丈夫ですよね?私はそう信じることにして、コクンと頷いて返事をしました。 「あ、あの。私は構いません・・・・」 えっ?あの・・レグルスさんとアトラスさんの会話が、とてもつめた〜く凍ってる気がするのは私の気のせいでしょうか?ウゥッ・・ちょっと怖いかもしれないです〜。 「おいおい、どうした?No.1ホストさんよ〜。そんな怖い顔してたら、客が引くぜ?」 キャーーッ!レグルスさんが声を荒げるなんて、初めてのことじゃないですか!?こんなに怒ったレグルスさんを見たのは初めてです・・・・ 「フッ・・荒れてるなぁ。所詮おまえもガキってコトだ、レグルス。」 アトラスさんに名前を呼ばれると、一気に姿勢がピシッ!となってしまいます。と同時に妙な緊張感が私を支配して、少しだけ胸が苦しいです。 「レグルスは、知ってるんだぜ?俺とおまえがホテルに行ったことをな・・・・」 まさかそんなことを言われると思っていなかった私は、本当に驚いてしまいました!羞恥心で一気に体も顔も熱くなってしまって、申し訳ない思いでレグルスさんを見ることしか出来なくて・・・・それでもレグルスさんは私と目が合うと、いつも通りの微笑を浮かべて下さいました。 「突然のことで驚いただろう?スピカ。アトラスのことだから、抵抗してもかなわなかったんだろうけど・・・大丈夫だったかい?」 ウゥッ。律儀に返事してる場合じゃないと分かっていながら、レグルスさんに聞かれたことにしか答えられない自分が恥ずかしいです・・・・! 「言っとくが、レグルス。俺はおまえに責められるようなことはしてないぜ?」 キャーーッ!またレグルスさんが一気に怖くなられちゃいました〜!!ウゥッ。ど、どうすれば良いんでしょうか・・・・ 「俺は、いつも通りのことをしたまでだ。それが何だ?ヤケ酒で体壊すほど、おまえにとって重要な問題だったか?」 ア、アトラスさん、面白そうにニヤリと笑ってらっしゃいます・・・!対するレグルスさんは、形の良い眉をしかめて怒ってらっしゃいます・・・ 「・・アトラス。あまり余計なことは言わない方がいいよ?私も、おまえの弱みを握っているんだからね。」 レグルスさんがそう仰ると、それまで不敵に笑っていたアトラスさんがその表情を険しくされました。 「おまえはそういうことに興味ないと思っていたがな・・・・」 ハッ!!お2人の見えない熱い火花をゾクゾクと感じてしまって、本当にアトラスさんの言う通り、怖気づいてました・・・・ 「え、えっと、大丈夫ですけど・・・・あの、すみません!!」 私は謝ることしか出来ませんでした。お2人がこんな冷たく怖い言い合いをしているのは、紛れもなく私のせいなんですよね・・・・!私はお2人の顔をまともに見ることも出来ずにただ頭を下げて謝りました。 「・・スピカ、謝らないで。ごめんね、おまえに怖い思いをさせてしまって・・・お願いだから、顔を上げてくれるかい?」 私は申し訳ない思いで顔を上げました。そうしたら、レグルスさんが優しい微笑で私を見つめて下さっていて・・私は胸が痛くなってしまいました。 「楽しませてあげるつもりだったのに、本当にごめんね。ほら、アトラスも謝ったらどうだい?」 ウッ・・アトラスさんは、よほど私にお金に対しての期待をしてらっしゃらないのでしょうか?今日はお給料日なので、いつもよりは多めに持ってきてるんですけど・・・私としては助かりますからいいですよね。 「は、はい、分かりました!それではウーロン茶、お願いします。」 レグルスさん・・・良かったです。ようやくいつものレグルスさんに戻って下さいました・・・・ |