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翌日。お休み1日目です!気付いたらお昼の11時になろうとしていました・・・・いくら1人暮らしで休みとは言え、そろそろ起きないとですよね〜。
う〜ん・・・普段あまり夜中まで起きることをしていなかったので、何だかちょっと体が変ですけど・・・・そういえば、あまり冷蔵庫に物が入っていませんね〜。買い出しに行くついでに、お昼はレストランにでも行きましょうか!あっ、ですけど最近のレストランはファミレスが多いですから、1人で行くのはちょっと気恥ずかしいですよね〜・・・・でも、お昼の食べ物あまりありませんし、どうしましょうか?
ファーストフードは今一なんですよね〜・・・・う〜ん、分かりました!喫茶店で軽くケーキを食べてお昼にしちゃいましょう!それからお買い物をして・・・あっ、ちょっとお洋服も見たいかもです・・・・何はともあれ、私は家を出ることにしました。
どうせですから、「Shooting Star」の近くにあるレストランやスーパーに行きたいですよね!そうです、レグルスさんと会えれば良いなぁ〜、なんて下心がそこにはあるんですけど・・・・こんなお昼時に、まさかお店の近くをウロウロしてるなんてこと・・やっぱりあり得ませんよね・・・・
そういえば。アルビレオさんは昨日・・というか今日、「1度指名したホスト以外とは外で絶対に会ってはいけない」と仰っていましたけど・・・・お店が終わってからホストさんとお客さんが一緒に出歩くことってあるんでしょうか?えぇ〜っと、それってつまり・・デートってことですよね〜?
・・もしも、もしもレグルスさんをご指名することになって私がお願いすれば、レグルスさんとお店が終わってからデート出来ちゃうんですか!?そ、それはとてもラッキーかもしれません!・・って、まだ指名も何もしていない私が言うことじゃないですけど・・・・
やっぱりレグルスさんはご指名したいですよね!ミザールさんももちろん良い方で、とても面白い方だと思いましたけど・・・・プレアデス先輩と今後もご一緒する時に、全く同じ方をご指名というのはやっぱり変でしょうから・・・・そうですね〜。今度1人で行ってみて、私自身が色んなホストさんと会う機会を増やせばいいんですよね!あ、ですけどアルビレオさんは「フリーとしては3回まで」って仰ってましたよね・・・・その間に、良い方が見つかりますように!
そんなことばかり考えている間に、「Shooting Star」のお店があるビルの近くに来ました・・・・下心ミエミエというのは、正しく今の私の状態なんでしょうね〜。レグルスさんがいらっしゃる訳なんてないのに、ついつい足を運ばせてしまった私は、本当にバカです〜・・・・ですけど、それ位レグルスさんの存在が、私の中で一気に大きくなってしまったんです。本当にレグルスさんはとても色っぽくて、格好良くて、スラッとしていて・・・・
あっ、ですけどあれだけ整った容姿の方ですから、お付き合いしている彼女さんがいらっしゃいそうですよね・・・・つい私、暴走してしまいました・・・・きっとレグルスさんの彼女さんは、美人さんなんでしょうね〜・・・・
そんなことを考えながら、ついウットリした気持ちで道路の角を曲がったその次の瞬間のことでした!あら?どこかで見たことのあるお顔ですね〜・・・・って、えぇっ!?
「おや?スピカ?」
「レ、レレレ、レグルスさん!?」
そうなんです!偶然にも、反対側からこちらにいらっしゃったのがレグルスさんだったんです!!因みにこの道路の角を曲がってそのまままっすぐ歩くと「Shooting Star」に着くんですよ!
ま、まさか・・本当にお会い出来るとは思っていませんでした!こんなに下心が一杯働いている時ですから、絶対に無理だろうと思っていただけに・・・・か、感動です〜!
「やぁ、スピカ。偶然だね、こんな所で会えるなんて・・・・元気かい?寝不足はしていないかな?」
「あ・・はい!あの、昨日というか、今日はありがとうございました!」
「アハハッ、そうだね。こちらこそ、ありがとう。」
キャ、キャ〜ッ!昨日というか今日というか、スーツ姿のレグルスさんもとってもカッコ良かったですけど・・・今は今で、黒いセーターと黒いGジャンがとってもよく似合っています〜。金色のアクセサリーも素敵で・・・カ、カッコ良いです〜!本当にどこかのモデルさんにお会い出来たような気分で、ついフラフラになってしまいます・・・・
「あっ、あの。レグルスさんは、今何をしていらっしゃったんですか?」
「ん?私かい?おまえに会えるんじゃないかと思って、こっちの方に来たんだよ。」
「えぇっ!?」
「フフッ。というのは冗談で、本来の目的はこれさ。」
ビ、ビックリしました〜。そうですよね・・・まさかレグルスさんが私に会う為になんて、あり得ないことは分かっているんですけど・・・・期待させるような冗談を言わないで下さい〜、レグルスさん〜・・・・
って、あら?レグルスさんが私に差し出して下さったのは、レグルスさんが手に持っていた袋なんですけど・・・・これは、私の勤務するデパートの中にあるブランド店の・・・・
「あの・・それは、デパートの中にある・・・・」
「そう、おまえの所の売り上げに貢献してきたよ・・・・なんて、実際はどうだか分からないけどね。」
「あ・・私のお仕事は、デパートの中にある全てのお店の売り上げを算出することですから、関わっていることです。あの、ありがとうございます!」
私はそう言ってお辞儀したんですけど・・・・そのブランド店って、確かとってもお値段が高いことで有名なんですよね〜・・・・さすがです、レグルスさん・・・・
「フフッ・・今日の私の買い物は50万ほどだったから、次回計算する際にはよろしくね。」
わぁ〜っ、50万ですか!凡人には考えられません・・・・
「は、はい。分かりました・・・・」
「ところで。おまえはどうしてこっちの方に来たのかな?仕事にしては遅い出勤のような気がするけど。寝坊かい?」
「あっ、ち、違います!私は、あの。3日間出勤した後は、3日間お休みなんです。なので今日はお休みで、食料の買い出しのついでに、外食しようと思いまして・・・・」
「あぁ、そうだったのかい?いい生活だね。」
「はい、そうですね〜。私も、とても恵まれていると思います。」
「フフッ・・休みがある生活は楽だと思うよ、スピカ。これからも大事にしてね。」
「あ、はい!」
あら?ということは、レグルスさんにはお休みの日がないんでしょうか?うぅ〜ん。ホストさんって大変なんですね〜・・・・・
ハッ!!お話が1つまとまってしまったら、変な沈黙が出来ちゃってます〜!な、何かお話しないとですよね!
「あ、あの。レグルスさんは、これからお帰りですか?」
「ん?あぁ、そうだけど・・・・どうしたんだい?デートのお誘いなら、喜んで受けるよ。」
キャ〜ッ・・・・優しい笑顔でそんなことを仰るレグルスさんを見て、私はドキっとしてしまいました。あ、あの・・お言葉に甘えてしまっても、いいんでしょうか?
「あ、あの・・本当に、いいんですか?」
「うん?デートかい?」
「!は、はい・・・・あっ、ですけど!レグルスさんがもしお昼を食べていらっしゃるのなら、私・・・・」
「フフッ、まだ昼食は食べていないよ。安心してごらん。」
わぁ〜っ、ラッキーです〜!こんな形でレグルスさんとお会い出来ただけじゃなくて、デートまでしていただけるなんて!
「本当ですか!?あの、それでしたら・・・・本当にご一緒していただいても、よろしいんですか?」
「フフッ、もちろんだよ。可愛いお姫様と一緒にいることが、何より嬉しいことだからね。」
キャ、キャ〜ッ!とてもキザで歯の浮きそうなセリフだと思うのに、どうしてレグルスさんが仰ると全然違和感を感じないんでしょうか〜。それこそレグルスさんの方がよっぽど王子様みたいです〜。
「あ・・は、はい。そしたらレグルスさんは、王子様ですね!」
キャ〜ッ、自分で言っておきながら恥ずかしいです〜・・・・ですけど、本当にそうですよね!さすがのレグルスさんも、私のその言葉を聞いて驚いてらっしゃったんですけれど・・・すぐに優しい笑顔を浮かべて下さいました。
「これはこれは、嬉しいことを言ってくれるね、姫。私の迎えを待ってくれていたのかな?」
「えぇっ!?え〜っと・・・・!」
「アハハハッ。それじゃあ行こうか、姫。どこのレストランをお望みかな?」
「あっ!え、えぇ〜っと、そうですね〜・・・・お、王子様のお勧めは・・・・」
「ん?私のお勧めでいいのかい?それじゃあ、おいで。こっちだよ。」
「あっ。は、はい!」
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