第6話「夢と現と」

「あの・・方は・・・どこにいらっしゃるんでしょうか・・・・?また・・お会いしたいです・・・・」

回想を一通り終えたスピカは、改めて周りを探し出した。
そう、この男性こそがスピカが恋をしている相手だった。
名前も、身分すらも分からない仮面パーティーで出会った神秘的な、しかし魅力ある男性。彼の「また会いたい、いつか一緒になろう。」という言葉は、スピカの心を確実につかんで離さなかった。

「・・・・もう・・・3年も経ってしまったんですね・・・・・」

その男性を探しながら歩いているスピカは、そう呟いた。
あの時の男性らしい人物は全く見つからない。スピカは、途方にくれたのだった・・・・・・・・




「・・・・・ん・・・・・・」
「フフッ、目覚めたみたいだね。おはよう。」
「!!!わ、私・・・・!」
「いやぁ〜、よく寝ていたね〜。フフッ、寝顔がほんとに可愛いね。見ていて全然飽きなかったよ。」
「!!・・ゆ、夢・・・・・・!?」

そう、スピカは今やっと現実に戻っていた。そして今まで現実っぽかったことが、全て夢だったのだと悟る。
そうだ。確かに考えてみれば、自分は警備員のふりをして今回の事件を起こしたレグルスという男に連れられて・・・・・・・・・・・

「こ、ここは・・どこですか?」
「ん?フフッ、ベッドの中だよ?」
「そうではないです!!!そういう問題ではなくて・・・ここの、場所です!!」

と、スピカは少し怒ってこのレグルスという男に言った。

「あぁ。さぁ、どこだろうねぇ〜?私にもよく分からないんだよ。ただここが、当分私とおまえが一緒に住む所だ、とは言っておこうかな?」
「へぇっ!?」

とんでもないレグルスの回答に、スピカはただ驚くことしか出来なかった。
そういえば彼は、自分を抱いたまま窓から飛び降りた筈。スピカにも、そしてこのレグルスにも、傷らしいあとが全く見つからない。ただ過度の疲れとだるさがあるように感じてはいるのだが・・・・・

「あ、あの、それより・・お聞きしていいですか?あの、確かあなたは・・・私の部屋の窓から飛び降りましたよね?・・何で生きているんですか?私の部屋は、2階にあるのに・・・・・」
「え?あぁ。そんなこと、前もって準備していれば何てことはないんだよ。フフッ、どうやらまだ少し寝ぼけているようだね?いいよ。聞きたいことは、何でも聞いてくれて構わないから。」
「・・・・・・・・・・」

そう言われると、確かにスピカはまだ夢と現実が少しごちゃ混ぜになっていた。
スピカは改めてどうにか冷静になって考えをまとめることにしたのだった。


  

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