第7話「危機」

あれから少し冷静になって考えて、何とか聞きたいことをまとめたスピカはレグルスに声をかけた。

「それではお聞きします。あなたは何が目的であのような手紙を家に差し出したのですか?お金が目当ての泥棒なのでは・・・・・?」
「嫌だね〜。私はこれでも、金には不自由してないんだよ。この高尚な私を、そこえら辺の泥棒と一緒にしないで欲しいね〜。」

と言ってレグルスはスピカにウインクをする。

「あ、あの、そうではなくて・・・それは分かりましたから・・・・それでは結局、あなたの盗んだものは何なのですか?」
「おや?フフッ、分からないのかい?今私の目の前に、こうしていてくれてるのにね〜。」
「へ・・・・・・・・?」

少し間があった。レグルスは先ほどと同様に、ウインクをしてスピカを見つめる。

「えぇっ!?あ、あの・・・えええぇ〜っ!?」

スピカがようやく事態を悟り、驚いたと同時にレグルスは突然スピカをベッドに押し倒した。

「キャッ!!」
「フフッ、そういう天然ボケな所も可愛いね・・・スピカ。」
「!!」
「もう、我慢出来ないよ・・・せっかくこうしておまえという宝を盗んできたのに・・・見ているだけじゃ、意味がないからね・・・・・」

突然名前を呼ばれてスピカは驚いてしまった。
何よりベッドに押し倒されたというこの状態が、危険をもろに感じさせる。
逃げたいと思ってもがいてみたが、レグルスの両手はスピカの両手首を強く握っていて、まるで動けないも同然であった。

「な、なぜ私の名前を・・・・!私、あなたに名前なんて言ってません!」
「フフッ。愛する女性の名前位、分かっているものなんだよ・・・・・」

とレグルスは言って、また唐突にスピカの項に唇を触れた。

「キャッ!!や、嫌です・・・・!!」
「どうして・・・?私はもう、我慢の限界なんだよ・・・・・」
「嫌です・・・!放して下さい・・・・・・!」
「だ〜め。絶対に離さないよ・・・今も、いつまでも・・・・やっと手に入れた、私の宝・・・・・最愛の天使を・・・・」

レグルスはそう言って、ゆっくりとスピカの服を脱がせていった。

「や、嫌です!!やめて下さい・・・・!」
「ダメだよ、やめないよ。」
「どうしてですか・・・・?」
「私が、おまえを愛しているからだよ。」
「・・私は、あなたのことなんて知りません・・・・・」
「私は、おまえを知っているんだよ。ずっと・・愛しているんだよ・・・・・」

レグルスはそう言って、スピカの下着をも脱がせた。完全にスピカは生まれた時の状態をレグルスにさらし出していた。

「嫌です・・・・!!」

完全な恐怖がスピカを支配していた。
こんな訳の分からない男に自分の裸を見られて、唐突に愛の告白をされて。スピカは怖くて目を閉じた。

「ほら、そんなに体をこわばらせないで。怖がることはないよ・・・優しくするからね・・・・・」
「嫌です・・・!いやっ・・・・・・!!」

スピカは、自分の上に覆いかぶさってきたレグルスの肩を押しのけた。

「フフッ、知っているかい?抵抗されると、ますます襲いたくなるものなんだよ?」
「・・抵抗しなければ・・襲わないんですか?」
「アハハハッ。本当におまえは可愛いね。そんな風に質問を返されるとは思わなかったよ。そうだね、私に関して言えば・・・どちらにしろ、おまえを襲ってしまうかな?」

それを聞いたスピカの答えは1つだけだった。

「嫌です!!やめて下さい!!」
「ダメだって言ってるだろう?ほら、そんなに暴れると・・・いずれ鎖で縛ってしまうよ?」
「えっ?」
「縛られたくないなら、おとなしくしててね?それとも・・・そんなに縛られたいのかな?」
「嫌です!!」
「分かった、分かったよ。縛らないから・・・その代わり、おとなしくしててくれないかな?優しくするから。」
「・・・・・・・・・・・・・」

レグルスを初めて見た時から何となく感じていたことだが、彼の言葉には逆らえない何がしかの魔力があるのだ。
何か人をひきつける魅力を彼は持っていた。併せてこの美形なのだから・・・・どこかの貴族なのだろうか。それにしてはスピカは彼のことを全く知らない。
ヴァルロ王国の貴族・王族の人達の名前ならほとんど分かっているスピカだから・・・・ヴァルロ王国の人間でないのは確かであろう。しかしそうだとしても、スピカは有名な王国の王族と、世界的に有名な貴族の名前なら知っている。でも彼の名前は知らない。となると・・・平民なのだろうか?
何にせよスピカは怖かったが、抵抗しても完全に抵抗出来ない何かがあって、結局スピカはレグルスに身を委ねてしまうこととなった・・・・・・・・


  

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