第8話「甘い時間」
「ん・・っ・・!やぁ・・っ・・!」
その日の夜は、スピカにとって非常に長く感じられるものになった。
訳が分からないまま、レグルスという男に連れられてきて自分の体をさらけ出し、弄ばれているのだから。
スピカの体はビクビクとレグルスのやること為すことに敏感に反応した。
「可愛い・・最高だよ・・・ずっと、こうしておまえといたいよ・・・スピカ・・・・」
レグルスは低い声でスピカの耳元で囁いた。と同時にスピカの秘所を指でまさぐる。
そしてレグルスの指は、すぐにスピカの一番敏感な所を発見し、愛撫して、突いて、転がす。
「あっ・・い、やぁ・・っ・・・!あぁっ・・!ん・・・・!」
「フフッ。おまえは感じやすいんだね・・・もう随分濡れてきたよ・・・ほら。もったいないから、舐めた方がいいね。」
「い、いやぁっ!!み、見ないで・・見ないで下さい・・・・!」
だがレグルスはスピカの言うことなど全く聞こえてないといった風情で、スピカのそこを優しく舐めだす。
「い、いやっ・・・!あぁ・・っ・・・!やめ・・て・・・・!」
「フフッ。やめて欲しいのかい?正直になってごらん・・・こんなに濡らしているんだから・・・気持ちいいだろう?」
「ん・・っ・・!それ・・と・・・これでは・・・話が違います・・・・!」
「フフッ。なかなか強情だね、スピカ。そんな所も可愛くて、ますます好きになってしまいそうだよ。」
とレグルスは言って、尚もスピカのそこを舐める。ピチャピチャと淫猥な音を立てながら。
「い、いや・・っ・・・!そん・・な・・・!はぁ・・っ・・!んん・・・・!あぁ・・っ・・・!」
「フフッ。おまえの蜜はとても甘美な味がするね。最高だよ。」
「いやあっ!!本当に・・やめて下さい・・・・・!」
「ダメだよ。それは、私が許さないよ。それにここでやめられたら・・おまえだって嫌だろう?気持ちよさが中途半端で・・ね?」
「ん・・っ・・!それ・・は・・・」
「・・・フフッ、そんなトロンとしたもの欲しそうな目をして・・・もう挿れて欲しいかい?」
「え・・・・・・・・?」
レグルスにそんなことを言われてしまって、スピカを更なる恐怖が貫いた。もうこれ以上の行為に及ぶことは本当に嫌だったし怖かった。
「嫌です!!お願いです!!もうこれ以上・・しないで下さい・・・・!怖いです・・・・!」
スピカはそう言って泣きながら、自然とレグルスに抱き着いた。
「・・・スピカ・・・・・」
レグルスは少し冷静になって、抱きついてきたスピカをそっと抱き締めた。
「私、もう嫌です・・・・!怖いです・・・・!お願いですから・・・家に、帰らせて下さい・・・・・!」
「・・ダメだよ・・・・それだけは出来ない・・・・・・」
「・・どうしてですか・・・・・?」
「やっとおまえを手に入れたのに・・・・家に帰らせるなんて・・・そんなことは出来ないよ。そしたら・・・もう2度とおまえに会えなくなるから・・・・・」
「え・・・・・・・?」
そのレグルスの意味深な発言にスピカは驚いてしまった。
レグルスは、スピカを先ほどよりも強く抱き締めながら口を開いた。
「・・・お願いだから、そんなに怖がらないで。私は、おまえに危害を加えるつもりは一切ないよ。ただおまえと一緒に過ごしたい・・それだけなんだよ・・・・・・」
「・・・・レグルス、さん・・・・・」
スピカは初めて、レグルスの名前を呼んだ。
「・・何だい?」
「あ、えっと・・その・・・・あなたは、何者なんですか?私と一緒にいたいって・・どういうことですか?」
「!・・・・・・・・・・」
そのスピカの質問にレグルスはハッとして、それから複雑な表情をしながら考え込んでいた。
「あ、あの・・・レグルスさん?」
複雑な顔をして考え込むレグルスを見て、スピカは何かとんでもないことを聞いてしまったのかと思いつつ、オドオドしながら尋ねた。
「・・・・言えない、かな・・・・・?」
「へ・・・・・・?」
「私が何者であろうと、関係ないよ。ただおまえを愛し守りたい。それだけでは、いけないのかな?」
「・・・・レグルスさん・・・・・」
「・・・愛に、身分とか何とかは関係ないだろう?ただ私はおまえが好きだよ。とても、愛しているよ・・・・だから、姑息な手段だと分かっていても・・・おまえと一緒にいるには、こうすることしか出来なかった・・・・犯罪者でも構わない。ただ、おまえと一緒にいたいだけなんだよ・・・・・」
「・・・・レグルスさん・・・・・・・・」
レグルスは明らかに一つ一つ丁寧に言葉を選んでスピカに話していた。それがスピカにも分かったから。確かに犯罪者であっても・・・・訴えるとかいう気持ちがスピカには起こらなかったのだった。
「不思議な人だ。」とスピカは改めて思った。この何とも言えない彼の魅力は何なのだろうか。
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