「先生の家」 4

それから泣き疲れたあたしは、本当に身も心も限界だった。何もしたくなくて、完全に心が空っぽ状態。もう流す涙すらない感じ・・・・

あの後、あたしは先生に手を引かれて、例の秘密の場所から抜け出して先生の家にいた。「ストーブで暖まってるように!」と先生に言われた上に、おっきいバスタオルと暖かいココア付きで、あたしは特に視点が定まらない状態でストーブの暖かさに浸って、時々ココアを飲んでいた。
こんなにストーブを暖かいと思ったのは始めてだったし、ココアの暖かさも五臓六腑に染み渡っていく感じ。先生の家の筈なのに、ひどく自分ちにいるみたいに落ち着いていた。
因みに今曽我部先生は、あたしがお風呂に入るための準備をしてくれてる。これもやっぱり、先生があたしに勧めてくれたものだった。「お風呂に入れば暖まるだろうから。」って・・・・
とどのつまり、あたしは相当冷え切ってたみたい。無理もないか・・・この冬だってのに先生の車での行き来しか考えてなかったから、大して厚着じゃなかったんだよね〜。更にあの場所でずっと泣いてたワケだし・・・・ホント、先生が来てくれなかったらどうなってたんだろう。凍傷なってそうだったよね・・・・
ウワッ、そう考えると寒気がする!!あたしはゾワワッと背中を震わせたんだけど、その時先生が隣に来てくれた。

「お風呂の準備が出来たよ!大丈夫?ふーせー君。立ち上がれそう?」
「ン〜・・・今は、先生とこうしていたいかも。」
「ワハハハハッ!そうか、そうか!!ウム、構わないよ!君と一緒にいよう!!」

先生はそう言ってあたしの肩に手を回してくれた。あたしも自然と、先生の肩に顔を置かせてもらった。あぁ・・先生の大きくて暖かい手、大好き・・・肩も暖かいよ〜。
ようやく空っぽだったあたしに、少しずつ人間らしさが戻ってきた。ふと気になって、先生に聞いてみる。

「先生、本当にお風呂お借りしちゃっていいんですか?」
「ウム、もちろんさ!!きっとお風呂で暖まれば、今以上にふーせー君の体は暖かくなると思うよ!」
「・・・でもあたし、着替えないですよ?」
「ウ、ウム!!それはだ!!私のものでよければ着なさい。」

・・先生、あせってる上に少しだけ顔が赤い・・・・?あたしは更に聞いてみた。

「これからお風呂入って家に帰ると、かえって冷える気がするんですけど・・・・」
「そ、そうだね〜!!ウム。泊まっていくかい?」
「・・いいんですか?」
「もちろん!!君なら構わないよ。幸い明日は日曜だし・・・Mr.ふーせー君には、私から電話しておこう!」

エヘヘッ、先生の家にお泊まりか〜・・・・嬉しいかも。今日は色々あったけど、最終的に先生とこうして一緒にいられて本当に良かった・・・・

「はい。ねぇ、せんせ?やっぱり、あたしと先生は一緒に寝るの?」
「ええぇぇっ!?ふ、ふふふ、ふーせー君!?それは〜、どういう意味で言ってるのかな!?」

あれ?何で先生、そんなにあせってるの?あたし、そんな変なこと言ったかな〜?

「えっ?どういう意味って・・・先生は、どう思ってたんですか?」
「・・・ウム、ふーせー君。部屋は余ってるから、今日からそこを君専用の部屋としよう〜。そこにベッドもあるから、今日はそこで寝てね〜。よろしい?」

今度は棒読み口調になった、先生。変なの・・・・

「えぇ〜?先生と一緒に寝ちゃダメなの〜?先生と一緒にいたいのに・・・・」
「ふ、ふーせー君!!君は、男が獣に変わることを知らないのかな〜?」
「えっ?獣?」

よくある狼男とかは満月の夜に変身するんだよね〜?あれ、今日って満月だったっけ?ってその前に!!曽我部先生が狼男なワケないじゃん!!!何真剣に考えてんのよあたし!!
でもそうすると、余計に先生の言ってることの意味が分かんない。獣ってどーゆー意味?

「そうだ〜!!私は夜になると変わってしまう!!故に、君と一緒に寝ることは出来ないワケでぇ〜・・・・」
「・・先生、狼男なの?あれ、フィクションだと思ってた・・・・」
「ウム、狼男になってしまうのだよ!!ガオーーーーッ!!」

あたしは曽我部先生をかなり微妙な視線で見つめてみた。だって狼男とかどう考えたってあり得なさすぎじゃん・・・・

「・・ふーせー君。その微妙に痛い視線で私を見るのはやめてくれないかな〜?」
「だって、先生ってば変なウソつくんだもん。何で一緒に寝ちゃダメなんですか〜?」
「ウム、1つだけ聞こう〜。君は、Mr.ふーせー君と毎日一緒に寝てるの?」

えぇっ!?な、なんで急にお兄ちゃんの話になるの!?

「えっ、お兄ちゃんとですか!?・・・小3位までは一緒に寝てましたけど、それからは全然・・・・」
「ウム。それなら、私も一緒に寝れないね!ワハハハハハッ!!」
「えぇ〜っ、どうしてですか〜。やっぱり先生、あの奇麗な彼女さんと浮気してるんですね?」
「・・ふーせーく〜ん。どうして話をそっちに持っていくんだい・・・・」

ムゥ〜ッ。だって先生、さっきから変なことばっかり言ってるんだもん。不審に思うのは当然じゃ〜ん。

「先生がどんどん変な方向に話持ってくからです!本当の理由教えて下さいよ〜。歯軋りすごいとかですか?」
「いやいや、そうじゃなくてだね〜・・・・ウム、分かった。正直に言おう!!!ふーせー君・・・驚かないで聞いてくれるかい?」
「はい、聞きます!」

良かった〜、ようやく先生の本音が聞ける〜♪何だろう?実はいびきがすごいとか?
でも先生は、そんなあたしの予想をはるかに超えた・・・それどころか、全くあたしの考えていないことを言った。

「私は男で、君は女だ。自然、男と女という生物は性的に求め合うものだね・・・・つまり!私は、君と契りを交わしたいと思ってる・・・・もっとはっきり言うと、君の全てが欲しい。でも・・私は教師で、君は若き女子高生だ。どんなに私が君を欲しいと思っても、それは無理なことであって・・・・」
「え・・・先生。それって、エッチする・・ってことですよね?・・・あたし、先生ならいいですよ?」

あたしは、先生の手に自分の手を乗せてそう言った。そしたら、曽我部先生が驚いてあたしを見ていた。

「ふ、ふーせー君!?そんなあっさりと・・・!!だって君は、したことないだろう!?」
「確かにそうですけど・・・ドラマとかでよく見ますし・・・・」
「あぁっ、ダメだ!!ごめん、ふーせー君!!こんなことを言っておきながら、私は君を汚してしまうのが怖いんだよ・・・・!君が欲しいと思いながら、教師として生徒に手を出したと考えると・・・・!」
「先生、その前に言ったじゃないですか!!先生は男で、あたしは女だって・・・・教師と生徒は、その次です!」

あたしは、先生の上に乗せている手に力を込めてそう言った。すると曽我部先生は、ハッとしたような表情をしてあたしを見つめてくれた。

「・・ふーせー君・・・・」
「あたし、怖いですけど・・・・先生なら、いいです。先生、大好きだから・・・!」
「ふーせー君・・・・でも、本当にいいのかい?初めてが私で・・・・」
「先生じゃないとイヤです!だって先生以外、考えられないもん・・・・!」

あたしはとうとう曽我部先生の腰に手を回した。だって、あたしのこの気持ちは本当だから・・・・曽我部先生となら、あたし何してもイイもん・・・・

「ふーせー君・・・ありがとう!!嬉しいよ・・・しつこいようだけど、本当にいいんだね?」
「はい!先生。あんまりよく分からないですけど、よろしくお願いします!」
「ウ、ウム!いや、君はただ、私のすることに感じてくれればそれで良くて〜・・・って、それより!!ふーせー君、そろそろお風呂に入らないかい?着替えは私のパジャマにしておくから。」
「はい!お風呂場ってどこですか?」
「あぁ、そういえば場所を言ってなかったね!こっちだよ!」


  

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