「進路相談」 1


テストも終わって、夏休み直前!!学校では、この時期から進路相談の第1回目が始まる。
ってゆーか。ってゆーか!!!あたし、ほとんどのテストが今回赤点じゃないんだよ!?これってやっぱり、曽我部先生との勉強が実を結んだ成果かな〜。
自慢出来ないことだけど、赤点取るなら任せてって感じのあたしが、今回は40点台にギリギリ食い込んでるものが多いの!!あの苦手だった数学も、今回は曽我部先生とのお勉強のおかげで50点突破したんだよ!?これって超スゴいと思わない!?
でもでも、肝心の英語の点数が39点・・・・クゥ〜ッ、超惜しい〜!!!後1点だよ!?たったの1点!!!よりによって曽我部先生の英語でコレって・・・今回ほとんどの教科がギリギリ赤点じゃないから、余計にショック・・・・
そういえば・・ね。ほら〜、あたし期末テスト前日に、先生に捨てゼリフ吐いて逃げたじゃん?あれね・・・・翌日、すぐに謝りに行きました。1日家の中で頭冷やして、すっごく反省した・・・・
あたし、曽我部先生にマンツーマンで勉強教えてもらったあの時、完全に有頂天になっちゃったんだよね。それにあたし、嫉妬しやすいのかな〜・・・・何にせよ、もうあんな失態2度と犯せないよ〜。曽我部先生はあの通りの優しい先生だから、笑顔で「いいんだよ、ふーせー君!!気にしないで!それまで通り接してくれれば、先生も君もそれでHappyだから!」って言ってくれたけど・・・・
これから曽我部先生と進路相談だよ!?あたし、うまく話せるかな〜・・・・最も。今回は進路相談第1回目ってコトで、保護者同伴の進路相談なんだ〜。で、あたしの保護者はというとぉ〜・・・・

「・・お兄ちゃん、そんなに本読んでて飽きない?」
「うん、飽きないけど・・・和、今ものすごく運動したいって思ってない?」

アハハハハハ。やっぱりお兄ちゃんにはバレてたか〜。
そう!!あたしは小さい頃からお兄ちゃんと2人暮らしをしている。だからあたしにとっての保護者代わりはお兄ちゃんなんだ〜。
お兄ちゃんの進路相談はもう終わって、その時はちゃんとあたしが保護者の代わりをしたんだよ!!お兄ちゃんは案の定大学への進学を考えてるみたい。お金はないけど、お兄ちゃん天才的に頭がいいから、今も奨学金制度使ってるし、大学に行く時もそうするって言ってた。ウン、お兄ちゃんの頭脳なら問題ないよね!!
因みにあたしも、今は「スポーツ特待生」ってコトで授業料は一切支払ってなかったりして・・・・両親がいなくても、お金がなくても、何だかんだ言ってあたし達双子は色んな能力に恵まれたんだなぁ〜、と思う。そーゆー意味では両親に感謝しないとね!!

「そりゃしたいよ〜!やっとテストも終わったし、この進路相談終わったら即部活行く気満々だし!」
「そっか・・・うん。頑張ってね?和。」
「まっかせといてよ!!・・・って、ヤバッ。声デカかったかな?あたし・・・・」

思わず調子に乗っちゃっておっきい声出しちゃったよ〜。自然とあたしは手で口を覆った。
あたしとお兄ちゃんは今教室前の廊下にある椅子に座って待機している。教室で進路相談している子が終わったらあたしの番だから。
時は既に放課後。皆この時期は進路相談だって分かってるから、部活したり、これが終わったら帰ったり・・・とゆーワケで、静かにしなきゃいけないコトを義務付けられてるから、かなりシーンとしてる。それまであたしとお兄ちゃんも小声でボソボソ話してたんだけど・・・今の声はちょっと大きかったような気がする・・・・

「・・大丈夫だよ、和。きっと・・・」
「うん・・・大丈夫だって、信じとく・・・・」

そこまで話した所で、教室から生徒とお母さんが出てきた。いよいよあたし達の出番だね!!お兄ちゃんが鞄にゴソゴソ本を締まって、あたしは椅子から立ち上がった。最後に曽我部先生とお母さんが挨拶し終えた所で、先生があたし達に手招きしてくれた。

「はぁ〜い!ふーせー君たちお待たせ〜。中に入ってね〜?」
「はい!!失礼します!!」
「お邪魔します・・・・」

教室に入ると、ガラーンとした教室の中央に横向きにセッティングされた机が3台。あそこに座るワケね〜ってコトで、お兄ちゃんと自然に移動していく。
お兄ちゃんとあたしが隣で、曽我部先生があたし達と対面するように座った。曽我部先生の座った机には、成績表やら大学の資料やらその他諸々で一杯になっている。

「保護者役お疲れ様〜、Mr.ふーせー君!!そういえば君の進路相談の時は、Ms.ふーせー君が保護者役したんだって〜?」

わぁっ!!いきなり先生そこから入りますか!!これはきっと、変に緊張させない為なんだろうな〜。さすが曽我部先生!!

『はい、そうで・・・』

うわっ、お兄ちゃんと言葉重なっちゃったよ。お兄ちゃんもそれに気付いたみたい。で、こーゆー場合は暗黙の了解で、あたしが話を続けることになってる。
時々あることなんだよね〜・・・さすが双子と自分でも思う瞬間。

「確かにあたしが保護者役しました!曽我部先生。でも、お兄ちゃんはちゃんと進路が決まっていたので、あたしは聞いてただけだったんですけど・・・・」
「ワハハハハッ!そうか、そうか〜。やっぱりMr.ふーせー君は大学行くの〜?」
「あ・・はい。一応、その予定です・・・・」
「ウム!!君なら間違いなく良い大学に行けるだろうね!!さて、それじゃあMs.ふーせー君!まずは君の希望から聞こうか。大まかでいいから、将来の君の予定図はどんな感じか教えてもらえるかな?」

うわ〜っ、きましたよ〜!!でもでも、あたしもお兄ちゃんのようにちゃんと考えてたもんね♪
ただ・・・曽我部先生の前で話すことに対して、まだちょっと緊張しているのは確かかな。この間のようなことにならないように、努力はしてるけど・・・・

「はい!!この間、バレーの全国大会に部の代表として出たんですけど、その時に何社かの役員の人達に、「バレーで来てもらえないか」って声をかけられて・・・一応は、そういう会社に入って、バレーを続けていきたいなって思ってます。」
「ウム!!素晴らしい!!!!素晴らしいよふーせー君!!!Perfectだね!!!」

わぁっ!!先生、いきなり立ち上がってそんな力説されても・・・・あたしはもちろん、お兄ちゃんも驚いちゃってるよ〜。しかもその「パーフェクト」って言葉が、曽我部先生らしい奇麗な英語発音で余計に圧倒される。

「おっと。そんなに目を見開かないで?ふーせー君たち。先生驚かせちゃったかな〜?ワハハハハ、スマンね〜。あまりにも素晴らしすぎたもので、先生つい感動しちゃったよ〜。ワッハッハッハッハ〜!!!」

先生が座り込みながらそう言った。アハハハッ、でもこの先生の元気な所があたしは大好き!!お兄ちゃんも面白そうに微笑んでる。

「ありがとうございます!先生。」
「フフフフ〜。君なら、ちゃんとそうして自分のあるべき道をちゃんと決めているんじゃないかと思っていたよ。心配することはなさそうだね!!恐らくその会社に入るというのも、スポーツの腕を買われてということで厳しい試験とかを受けることはないだろうから、先生とっても安心してるよ。」
「はい!多分、入社試験はないことを願いたいです・・・・」

常識問題とか超かんべ〜ん!!って感じだからな〜・・・・きっとないと思うけど・・・

「大丈夫さ〜、ふーせー君!!仮にあったとしても、適性検査位だろう。それで君を落とすようなことはしないだろうから、安心してごらん!ただし!!ふーせー君。君は実力はあるけど、そのことで天狗になってしまってはダメだからね?もちろん君は真面目だから自慢するようなことはしてないけど・・・人間というものはね。常に飽くことのない探求をすることが理想なのだよ!!ふーせー君に当てはめれば、バレーを極めることと言っていいね!!基礎があってこそ発展が成り立つ!!今が完成形ではないから、これからもっともっと君には成長していって欲しいな〜、ふーせー君!!そして世界を代表するようなバレー選手になって欲しいよ!!先生応援してるから、頑張ってね?ふーせー君!!」

曽我部先生、ホントにイイこと言う先生だよね〜。あたし、またジーンと感動しちゃった〜。きっとそれは、お兄ちゃんも同じなんだろうな〜。


  

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