「進路相談」 2
「はい!!ありがとうございます、先生!!あたし、一生懸命頑張ります!!勉強は全然ダメですけど、その分沢山バレーで頑張ります!!」 アハハハハハ。分かってはいることだけど、やっぱり曽我部先生にそう言われるのはショックかも・・・・そして成績表返されて2倍にショック。こんな悪い成績見たってね〜・・・・ 「はい・・・テストは、本当に散々でした・・・」 先生にそう言われて、それまで黙っていたお兄ちゃんが少し考えながら喋った。 「・・・俺も異議はないです。妹は昔から本当に活発で、スポーツが大好きだったので・・・自分の好きなことを仕事に出来るのは、最高のことだと思います。」 そういえば・・・1年の時に部活入ってからすぐに、練習がちょっとハードで先生に愚痴こぼしたことあったんだよね〜・・・・曽我部先生、本当に優しくしてくれた。あの時から既に、あたしは曽我部先生に恋をしてたんだなぁ〜って、今ぼんやり思っちゃった。 「はい!ありがとうございます!先生。」 アハハハハハ。いきなり話がそっちにいくんですか、先生・・・・ 「えっ・・・?あっ、あれは駄目でした。理論上では上手くいく筈なんですけど・・・・」 うわ〜っ、何かワケ分かんない話してるよ〜!!ってゆーか、あたしの進路相談の筈なのに、どうして先生とお兄ちゃんで化学部の話してんの〜!? 「あぁっ!!悪いね、Ms.ふーせー君!!いや〜、予定時間より早く終わってしまったものだから、つい雑談してしまったよ〜。」 かる〜くお兄ちゃんに嫉妬してます。前みたいに自分の思ってることそのまま出すのは抑えてるけど・・・・因みに本当の気持ちは「曽我部先生嫌い!!」って叫んでダッシュしたいです。 「あぁっ!ごめん、ふーせー君!!今度は君とお喋りしよう、そうしよう!!!だから、もう少しだけここにいてもらっていいかい?」 ?・・・曽我部先生、どうしてそんなに慌ててんの?よく分かんないけど、まぁ、先生とお喋り出来るならいいや。 「はい、構いませんけど・・・お喋りって、何話すんですか?」 ええぇぇっ!?まっ、まさか、いきなりそんな風に発展するとは思わなかったよ〜!!どど、どうしよ〜!!これって、何って答えるべき〜!? 「な、内緒です!!そういう先生はどうなんですか?」 ム〜ッ、言われると思った〜。 「そうですか〜。ところで先生、学校の女子生徒から告白されたこと多いって聞いたんですけど、本当ですか?」 な、何か・・いつになく曽我部先生、力入ってるな〜。実は付き合ってる子いるんじゃないの・・・・? 「そうですか?なぁ〜んかアヤしいですよ〜?せんせぇ〜。」 アハハハハハ。出た、先生のウソ泣き。いつも通り大げさなジェスチャーだな〜・・・・ 「先生・・子供じゃないんですから・・・・」 先生はそう言うと、青筋を立てて頭を抱えていた。 「・・あの、先生。俺は誤解してません。先生が女子たちから告白されていることは有名ですけど・・・・」 先生、やっぱり自分でモテモテなこと、認めてるんだね・・・・でも本当に先生カッコ良いし、優しいし・・・・無理ないかも。 「先生・・・生徒のこと、嫌いですか?」 あたし、不安になってきた・・・・思わず本音出ちゃったよ。でもきっと、先生には悟られてないと思いたい・・・・ 「何を言う!!Ms.ふーせー君!!私は全ての生徒を愛しているよ!!永久不滅の愛さ!!!でもね、好きだ惚れたは違うだろう?いや、もちろん嬉しいさ!!!嬉しいけどね!!ウム・・まぁ、その。色々複雑なのだよ・・・・」 うぅ〜ん、そっか〜。でも良かったかも・・・取り敢えず、先生が「嬉しい」と思ってくれてるなら。 「そうですか〜、分かりました。」 先生がそう言って突然立ち上がったから、あたしとお兄ちゃんも自然と立ち上がることになった。何だか進路相談ってゆーより、後半は先生とその手の話が出来て楽しかったなぁ〜。 「はい!ありがとうございました!!先生。」 そうしてあたしとお兄ちゃんは教室を出て、曽我部先生に見送られた。それからすぐに待ってた次の親子たちが入って行ったんだけど・・・・実は後半の会話、丸聞こえだったんじゃない?相変わらず放課後の廊下、静かすぎるから・・・・ 「じゃあ、和。部活頑張って。俺は先に帰るから。」 そうしてお兄ちゃんが帰っていく。あたしも早く部活に行かなきゃ!!一杯体うごかしたーーーい!!ってコトで、久々の本格的な部活にいつもとは違ったドキドキを感じながら、あたしは体育館に駆け出したのでした♪ END. |