「修学旅行」 2 「そ、そうだね〜。私は、Ms.ふーせー君の判断に任せるよ!君が麗しい女子バレー部諸君と一緒にいたいならそれで構わないし、先生とMr.ふーせー君の所に来てくれてもいいよ。君はどっちがいいのかな?」 先生が、優しい笑顔であたしにそう言ってくれた。さすが先生、もう冷静さを取り戻してる。 「先生。あたし、先生と一緒に行ってもいいですか?お兄ちゃんも、いいよね?」 たったこれだけのことなのに、言うことは思ったより勇気が必要だった。先生に断られたらどうしようって思ったのと、バレー部の皆が見守ってたから・・・・ 「ウム、Ms.ふーせー君!先生は構わないよ!!大歓迎さ!!!君が来れば、Mr.ふーせー君もそれほど緊張せずに済む!!そうだろう?ふーせー君!」 先生が確認するように絵里たちにそう聞いた。すると絵里や優は満面笑顔で「はいっ!」って返事してた。あたしはちょっと恨みがましい気持ちで絵里たちを見たんだけど・・・・こうして先生と一緒に行動出来るのって、むしろ絵里たちのおかげなんだよね・・・・今度、お礼に何か作って持ってこうっと。 「・・本当に良かったのかい?Ms.ふーせー君。せっかくの楽しい修学旅行を、私と一緒にだなんて・・・・」 あぁっ、お兄ちゃん!そんな真剣に謝らなくても〜。半分冗談だったのに・・・・ってゆーか、素で「先生と一緒にいたいんです!」なんて言えないから、ついお兄ちゃんのことを話題に出しちゃったんだけど・・・・きっと、お兄ちゃんなら分かってるよね?あたしのそーゆー気持ち・・・ 「なぁ〜に、謝ることはないさ〜、Mr.ふーせー君!それにね、先生は君たちと一緒にいることがとても嬉しいんだよ!君たちは我が学園期待の星だからね!さて、残り見てないのは2グループかな?全グループを確認次第、楽しく遊ぼうじゃないか!それじゃ、ふーせー君たち。もう少しだけ先生のお仕事に付き合ってね〜?よろしい?」 その後奈良にいた全グループを30分足らずで発見したあたし達は大阪に移動して、先生の奢りでたこ焼きとお好み焼きをご馳走になっていた。うぅ〜ん!さすが「食いだおれ」の街・大阪!!どれもこれもおいしいよ〜!! 「先生、すみません。奢っていただいてしまって・・・・」 んも〜うマジでこのたこ焼き絶品なんだけど!!今までマヨネーズのたこ焼きって食べたことないんだけど、一気にハマっちゃった!! 「おぉっ!どれどれ。それじゃあいただこうか!」 そうして先生と一緒にたこ焼きを食べる。ウゥ〜ン!先生と同じものを食べて、こうして隣に一緒にいられるなんて超絶幸せ〜!!今は絵里たちに感謝すらしちゃうよ〜。まさか先生と一緒に行動出来るなんて思ってなかったから、2倍に嬉しい♪ 「ウム!!確かに美味しいね!!!あれ?Mr.ふーせー君はたこ焼きいいの?」 そうなんだよね〜。実はあたし達双子はたこが大の苦手なのです。あたしもたこ焼き以外のたこは食べたいと思わないな〜。お刺身とか絶対ダメだし!!お兄ちゃんは昔からたこ焼きのたこもダメなんだよね〜・・・ 「えぇっ!?でも、Ms.ふーせー君はOKなんだろう?」 エヘヘヘッ。やっぱり奢ってもらえるのって嬉しいよね!それが先生なら尚更だよ〜。 「そ、そうかい?君たちは本当に優しいんだね・・・・ウム!!先生もっと奢りたくなっちゃったよ〜。他に食べたいものはあるかい?Ms.ふーせー君!」 しまった!!!あ、あたしってば本音出しすぎ!!!あたしは自然と手で口を覆ったんだけど、すぐに取り繕った。 「えっと!!食べれるなら、もう1回このたこ焼きが食べたいです!!先生。」 えっ?いいの!? 「はい!お供しま〜す!」 そうしてお兄ちゃんに軽く手を振って、あたしは曽我部先生に着いて歩いた。ウワーン!曽我部先生とこうして一緒に歩くことが出来るなんて、超絶幸せだよ〜!!こうして先生と2人っきりで歩くなんて、滅多にないことだもんね! 「・・・ねぇ、Ms.ふーせー君。」 ギックゥーーーーッッ!!!こ、これって、どうするべき!?素直になろうかな〜?それともやっぱり、ウソをついた方がイイのかな〜?うぅ〜ん・・・お兄ちゃんもいないし、どうしよう〜!!! 「はい。言いました・・・・」 えっ・・・?そ、それって・・どういう意味!?あたしが驚いて先生を見ると、先生は満面優しい笑顔であたしを見てくれた。 「は、はい。先生・・・・」 せ、先生、笑ってごまかしてるけど・・・心なしか、少し顔が赤い・・・・?多分、あたしも顔が熱いからきっと赤いと思うんだけど・・・先生も、だなんて考えると、本当にドキドキしちゃう・・・・! 「あの、先生。前からお聞きしたかったんですけど、先生には・・・今、好きな人とかいるんですか?」 先生、慌ててる・・・ってことは、やっぱり誰か好きな人がいるのかな?そしてそれは、間違いなくあたしの知らない人なんだろうな〜・・・・ 「いえ、何となく!先生は、美人な人がお好きなんだろうなぁ〜、とか色々想像しちゃいます!」 !そうなんだぁ〜・・・・これって、先生の本音だよね?ウソついてるようには見えないから・・・・ 「そうなんですか〜。素敵ですね!」 うわぁ〜っ。先生、半分冗談で言ってるっぽいけど、半分本気っぽそうで怖いよ〜・・・・ウゥッ、墓穴掘ったかも。どう答えるべきかな〜・・・・やっぱり、素直になった方がいいかな? 「えっと・・・取り敢えず、好きな人はいます。」 そりゃ〜、出来るならしたいけどさ〜!!!・・・出来る訳ないじゃん。目の前にいる先生なんだよ・・・・? 「はい。まだ、出来ないです・・・・」 ウッ・・丁度この時、それまで待っていたあたし達の番になっちゃった。先生がたこ焼き屋さんにそう言ってお金を払っている。 |