「お前はいい子だな」

いやぁ〜、すっかり紅葉が奇麗な季節になったね〜。我が星光学園の校庭の木々も、色とりどりに染まっているよ。

おぉっ、そうだ!!今日はこの書類をまとめてしまえば時間が空くから、化学研究に没頭出来るじゃないか!!!いや〜、前から気になっていたんだよ〜。促進酸化法での有機塩素化合物分解なんだけど・・・・
えっ?よく分かんないって?フッフッフ〜、要はだ!!ゴミが増えれば有機塩素化合物・つまりダイオキシン等が増えるワケで〜、非常によろしくないことだと言えるね。それらの早急なる分解措置方法として注目しているのが促進酸化法という訳さ!!
あぁ〜、久しぶりに部活に行ける!!楽しみだね〜!自分の好きなことが出来るとなると、私は仕事が速いのさ!パパパッと書類をまとめた私は、部活動に精を出すべく準備をしたんだが・・・・

「うぅ〜ん。こんなに一度に持ち込むと危険かな〜・・・・」

鞄にもまとめられなくて、扱いに難のある物質を両手に2つずつ、計4つ持った。人にぶつからないように歩かないといけないね!
私は職員室を出て、そのまま部室である理科室の方に歩き出した。このまま誰も私に声をかけないでくれ、頼む!!!そう強く願ったのだけど、どうやら天までには届かなかったようだ・・・・

「曽我部先生〜!こんにちは〜!!」
「どわぁーーーっっ!!ふ、ふーせー君!?」
「?はい、そうですけど・・・・すみません、先生。驚かせちゃいました?」

あぁっ!!本当に驚いてしまったよ。でも、君なら話は別だね!!そう、そこにいたのは私が密かに想いを寄せているMs.ふーせー君だった。
おや?時は既に放課後。ふーせー君は女子バレー部の要だし、実際に体育着を着ているからどうしてここにいるのか謎なんだけど・・・・もしかして、誰か他の先生に用事だったのかな?

「ワハハハッ!大丈夫さ、ふーせー君!!それよりどうしたの?誰か先生にご用事?」
「はい!今日は金曜日なので、須山先生がいらっしゃってないかなぁ、と思って・・・・」

須山先生・・・・?あぁ、確か非常勤講師で、体育の先生だったかな?部活を見てもらおうという訳か!
うぅ〜ん。須山先生は講師の先生だから、若くて爽やかな好青年という記憶があったな〜。私は専門外だから話をしたことはあまりないけど、前に女子生徒諸君が黄色い声を上げていたたような・・・・
ウム!!あくまでふーせー君は、須山先生を部活に呼びに来ただけだよね!!決して須山先生のファンや追っかけとかは・・してないよね?

「須山先生か〜・・・ごめんね、ふーせー君。先生は見かけてないよ。」
「そうですか〜、分かりました!それより曽我部先生。何持ってらっしゃるんですか?」

ウッ!!こ、これは何というべきかな〜。それなりに危険な物質ばかりなんだけど、ふーせー君には物質名言っても分からないだろうし・・・・

「ワハハハハッ!部活の研究に必要なものさ!!」
「そうなんですか〜。あの、よろしければお手伝いしますか?先生、とても持ちにくそうに持ってらっしゃるので・・・・」

おぉっ、何と嬉しい申し出だ!!この物質はなかなか危険なんだけど・・・・まぁ、持ってもらうだけなら何とかなるか。理科室まですぐそこだし・・・・

「いいのかい?ふーせー君、須山先生に用があるんだろう?」
「いいんです!急ぎの用じゃないですし、お手伝いさせて下さい!」

あぁ〜、ふーせー君!!君はいい子だね!!私は感動だよ!君にそう言ってもらえるだけで、こんなに嬉しく暖かい気持ちが広がっていく・・・・そして、私はますます君から目が離せなくなってしまうんだよ・・・・

「ありがとう、ふーせー君!!それじゃあ、半分持ってくれるかい?」
「はい!」

そうして私はふーせー君に指の端で持っていたものを手渡したんだけど、その後しっかり「危険物質だから、扱いに気を付けて。」と注意した。ふーせー君は「はい!」と良い返事をしてくれて、そのまま一緒に理科室まで運んでもらった。
ガラガラと理科室の扉を開けると、そこにはポツンと1人Mr.ふーせー君がいて、自ら目標を掲げていた実験の真っ最中だった。

「あ・・先生、こんにちは。それに、和・・・!?」

ふーせー君はさすがにMs.ふーせー君の姿を見て驚いたようだね。実験の手を止めて、Ms.ふーせー君を見ていたよ。

「エヘヘッ。ヤッホー♪お兄ちゃん!」
「やぁ、ここで会うのは久しぶりだね!Mr.ふーせー君!!実験は順調?」
「あ・・はい。今の所は、何とか・・・・それより、和?どうしたの?」
「ん?あたしは、曽我部先生のお手伝い!!それじゃあ曽我部先生、失礼しました!お兄ちゃんもまたね〜!」

そうしてMs.ふーせー君は荷物を机に置いてくれた後、しっかりお辞儀をしてから扉の方に行った。そんなふーせー君に、私は声をかけた。

「ウム!ありがとう、Ms.ふーせー君!!先生感謝で一杯だよ!今度ポッキー奢るからね〜!」
「ヤッター!!ありがとうございま〜す!!それでは!」

Ms.ふーせー君は本当に嬉しそうな笑顔を浮かべてくれたよ!!それから手を振ってMs.ふーせー君と別れた。
うぅ〜ん、本当にMs.ふーせー君はいい子だな〜。あの太陽のような眩しい笑顔は、私の胸の中にしっかり刻まれたよ・・・・

「Ms.ふーせー君も君も、本当にいい子達だよね!!先生、君たちが本当に大好きだよ!!」
「・・・先生。ありがとうございます・・・嬉しいです。」

つい、口をついて私は自然とそう言ってしまったんだけど・・・・Mr.ふーせー君は、私のこのMs.ふーせー君への気持ちを分かってくれているからね。あれからかなり精神的に楽になったよ!
やはりどんなことであれ、気持ちを我慢するのは良くないことだと思うね〜。話を聞いてくれる人がいるというのは本当に良いことだ!ウム!!

「ワハハハハ〜ッ!!私も、君にそう言ってもらえて嬉しいよ!ハァ・・・・でも、肝心のMs.ふーせー君が私をどう思っているかは分からないからね〜・・・・」
「・・・先生・・・」
「あぁっ、ごめん!!何でもないよ、Mr.ふーせー君!!さて!私も久々に自分の研究に打ち込めそうだよ!!今日はお互いに、良い結果が出せると良いね〜!!ふーせー君!!」
「・・はい、先生。」

いかん!つい、Mr.ふーせー君に本音を漏らしてしまったよ!!いや、まぁ・・ふーせー君は分かってるから良いのだけど、教師が生徒の前でこんな姿を見せるのは、さすがにいけないよね!!
でも・・気になって仕方がないよ、Ms.ふーせー君。君が私のことをどう想っているんだろうと・・・・君のその気持ちに触れてみたいけど、まだ怖いかな。
あぁっ!!でも最近、特に私の中でMs.ふーせー君への想いが止まらなくなっているのも事実でね〜・・・・教師としてどうかと思うけど、君にこの想いを打ち明けられたらと、そう思うよ・・・
Ms.ふーせー君!!私は自分を衒うことのない、バレーに打ち込む真っ直ぐな君が大好きだよ!!最高に、いい子だね・・・・そんな君が、誰よりも愛しいよ。

 

END.


  

PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル