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P-63キングコブラはアメリカはベル社が生んだ戦闘機であります。ミッドシップエンジン配置や、大口径機関砲のプロペラ軸内配置といった、ユニークな前作(…そして戦闘機としては本国では歓迎されなかった不運な機)P-39エアラコブラの後継機になります。 ベルはエアラコブラの方式に余程こだわりがあったと見て、今作でもミッドシップエンジンと37ミリ砲を装備しましたが、それに加えて翼形状を変え、ラジエーター配置を変え、コクピット位置を若干前進させて下方視界を広げています。 このようにベル社の気合いと技術へのこだわりを感じさせるキングコブラですが…実際性能はかなりよくなったのですが…アメリカにはすでに液冷の傑作機P-51ムスタング、空冷の傑作機P-47サンダーボルトといった、強力すぎるライバルが大量生産の段階に入っていたのでした…(つД`;) 結局正式採用適ったP-63でしたが、前作と同じ運命をたどり生産機の殆どはソビエトに供与され、アメリカ本国に少数のこされた機体は有人の標的機という、戦闘機としてはかなり不名誉な気がする余生を送りました。 コブラシリーズの「牙」37ミリ機関砲はかなり評価が別れるところで、初速が遅くて弾道特性が悪いといわれたり、連射するとコクピットに一酸化炭素が充満する危険もあったようですが、ソ連空軍パイロットに言わせれば地上攻撃にも使える威力の大きい、有用な武器だった。なんて評価にもなったりします。機体の評価も国によって極端で、なかなか興味深いところです。 |
キットは東欧メーカーのトコモデルから出た奴です。エアラコブラの金型流用かと思いきや寸法の微妙な違いなどがしっかり再現されてたりする、なかなか頑張ってるキットです。 パーツもなかなか綺麗だったので安心して組み始めましたが…よく見るとすべてのパーツが肉厚でした('A`)おかげで合いはかなり悪いです。主翼はそのままだと超ゴツくなっちゃうので内側から削って薄くしてやりましょう。 マーキングは大戦後のインドシナ紛争に投入されたフランス軍の機体にしました。 当初はスピットファイヤを投入したようですが、高温多湿の環境に馴染めずリタイヤした為この機に出番が回ってきたようです。 空中戦を考えなくていい、大火力をフルに生かせた戦場だったおかげか機体の評判はかなり良かったようですが、結局損耗に耐えられず1年程でF8ベアキャットと交代し、名前の元となったキングコブラの生息する東南アジアで短い生涯を終えたのでした。 |
20年後…世界初の本格戦闘ヘリ、ロッキードAH-56シャイアンの失敗を受けて、急遽作られた「モデル209」 ヘリのメーカーとして大成したベル社が生み出したその機のまたの名は「コブラ」 ベル社の雪辱は後にAH-1コブラとして世界中を席巻する、この攻撃ヘリで初めて果たせたのかもしれませんね。 |