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第121話

「どうしたの大ちゃん。君は神様になれるんだよ。」
 北島が言う。加嶋は、
「大輔君。お兄ちゃんたちはね……。」
「僕は神様なんかになりたくないよぉ。」
 大ちゃんは泣きながら部屋を飛びだした。追おうとした川田をベア教授が止めた。
「待ち給え。」
「どうして止めるんですか。」
「相手はまだ子供なんだ。いきなり連れてきて『神様になれ』と言っても納得
 できるわけがない。」
「じゃ、どうすれば……。」
「ゆっくり状況を説明するんだ。」
「そんな余裕なんかあるのか?」
 川田が言う。ベア教授は、
「だが、今はそれしかない、あのような精神状態では、遺跡に入れるという
 保証はない。」


 その頃、ジョーカーン星のダイちゃんと福田と部長たちは、防衛軍の戦車に
囲まれていた。
「直ちに破壊行為を止めなさい。さもない……」

-ドッカーン、ドッカーン-

 石本は戦車隊からの通告が終らないうちに戦車を踏み潰し始めた。体重をかけて
思いっきり石本は足を踏み降ろすと、戦車は石本の足の下で次々と爆発した。」
「やった〜、おもしローい。」
 すると福田も、
「俺様にもやらせろ。」
 が、部長と飯田は気が進まない。するとダイちゃんは、
「どうしたの、こんなのさっさとやっつけちゃいなよ。師匠の言うことが
 聞けないの?」


 その状況はリアルタイムで宇宙に向けて放送されていた。ベア教授の研究室の
あるエリアのロビーにあるテレビでも、その映像が流れていた。回りで見ていた
人たちは、
「また巨人か、一体宇宙はどうなるんだろう。」
「まさか巨人たちに征服されるんじゃ……。」
「宇宙の人間たちがこの宇宙船に追いやられる事にはならないだろうな。」
 そこへやってきた大ちゃんもその映像を見ていた。
(あれは、もしかして相撲部のお兄ちゃん?そうかお兄ちゃんたちは悪い人に
巨人にされて操れて……それに僕に助けて欲しいって……お兄ちゃんたちを
助けるには……)


「しかし弱ったな。すぐにでもあの子を遺跡に連れていきたいのだが……。」
 ウェイトが言ったとき、大ちゃんが研究室へ戻ってきた。
「僕がんばるよ。悪い人に操られているお兄ちゃんたちを助ける。」
 ベア教授は、
「わかった、今すぐ宇宙船を準備しなさい。」
 ウェイトは、
「ここじゃないんですか?」
「あの遺跡は特別でな。通称『神の星』と呼ばれるところにある。」 

第122話

宇宙船の準備ができるまで、ベア教授の話を聞いていた。
「神の星というのは通称で、ほんとの名はわからないんだ。1000年以上前に滅んだ星でね。
 神の力を人工的に作り上げるほどの文明だったにもかかわらず、どういうわけか
 滅んでしまったんだ。」
川田が聞いた。
「この超巨大宇宙船の中の遺跡は関係ないんですか?」
「いや、この超巨大宇宙船の遺跡が神の星の遺跡を復活させるための鍵なんだ。
 つまり、この超巨大宇宙船で神の星の遺跡を操作して扉を開けないと
 中に入れないというわけだ。私が残って遺跡を復活させるから、
 君たちはそのすきに中に入るんだ。遺跡に入れば、廊下をまっすぐ進めば
 神の間という部屋があるはずだ。その部屋に大輔君が入ることができれば、
 この作戦が成功ということだ。」
太田が言った。
「なんかややこしいけど、俺達はとにかく神の星の遺跡に入って、大ちゃんを
 神の間まで連れて行けばいいんですね?」
「まあ、そういうことだ。」
そこに隊員の1人が入ってきて言った。
「宇宙船の準備ができました。すぐにでも出発できるそうです。」
ウェイトが言った。
「よし、それじゃあ出発しよう。ベア教授は、ここを頼みましたよ。」
「了解。」
植田先生と部員達と大ちゃんは、ウェイトといっしょに宇宙船に乗り込んだ。
ウェイトが大ちゃんに言った。
「もういちど確認しておくが、ほんとうに神になる覚悟があるんだね?」
すると大ちゃんが恥ずかしそうに、
「うん、お兄ちゃん達を助けられるなら何にでもなるよ。」
そして宇宙船は神の星に向かって発射された。 

第123話

 ウェイトと大ちゃんと部員たちが「神の星」へ向かって出発したとき、
松永はまだカッターのお仕置きフルコースを受けていた。カッターは、
「俺様のお仕置きにこれだけ耐えたやつは初めてだ。」
 別に松永が超人的な忍耐力を持っていたのではなく、彼を小さくした
薬のおかげだった。宝田教授にしゃべると更に小さくなる薬を飲まされ、
その効果は後で解除されたが、小さくする薬のあらゆる衝撃に耐えるという
もう一つの効果のおかげで、死ぬどころかけが一つする事はなかった。しかし
苦痛だけはシカーリ味わう事になるため、松永はもうフラフラだった。
「こうなったら特別コースをやるしかないな……。」
 カッターは松永に言った。松永は思った。
(勘弁してクレー。早く誰か助けに来てくれないと……)


「ここが『神の星』だ。」
 ウェイトが言った。すると部員の北島が、
「あの〜。ほんとにここですか?」
 宇宙船は既に目的の星に到着し、地上の建物の形が確認できる高度まで
降りてきていた。
「1000年以上前に滅んだ星のはずなのに、街があるんですけど……。」
 川田も質問する。ウェイトは、
「実はこの星は最近、遺跡めぐりのための観光開発がされたんだが、それは
 一部調査済みの安全な場所だけだ。君たちが行く場所はもちろん一般の
 観光客は入れない。」
 ウェイトがそう言ったとき、ベア教授から通信が入った。」
『こちらの作業は完了した。まもなく目的の遺跡への入口が現れるはずだ。』
 宇宙船は街の上空を離れ、海上へ向かった。しばらく海上を進むと、
小さな島が見えた。島と言うより小さな岩の塊に見える。宇宙船はその上空で
旋回を始めた。そのとき、島が浮かび上がり徐々にその下の部分が海中から姿を現し始めた。
「あ……あれは……。」
 海中から姿を現したのは高さ100メートルを超えるであろう巨大な石像だった。 

第124話

ウェイトが言った。
「たぶんこれは神を象徴する石像だろう。神の間がある遺跡はここに間違いなさそうだな。」
宇宙船は石像の足元に着陸した。
石像の両足の間に、遺跡の中に通じる入り口があった。
「よし、中に入ろう。」
ウェイトを先頭にして、全員遺跡に入っていった。
中は超巨大宇宙船の遺跡と同じような壁画が壁中に描かれていた。
そして、ベア教授の言っていたとおり廊下のつきあたりにそれらしい部屋があった。
太田が言った。
「ここが神の間か・・・」
壁に扉のような模様があるが、開けられるようにはなっていなかった。
ウェイトが大ちゃんの手を握って言った。
「行くか行かないかの決断は君に任せる。覚悟はできているか?」
大ちゃんは、
「うん、僕やってみるよ。」
ウェイトは大ちゃんを扉の模様の壁の前に立たせた。
「大輔君、壁に向かってゆっくり歩いてごらん。壁の向こうに行きたいと願いながら。」
大ちゃんはウェイトに言われたとおり、壁に向かって歩き出した。
すると大ちゃんは壁に波紋をつくりながら透き通っていった。
部員達は、
「すげー、映画みたいだ。」
「まさか壁を透けていくとは・・・」
「ほんとに大ちゃんしか通れないのかな?」
北島が試しに大ちゃんと同じように壁の方に歩いてみた。

ゴチンッ!

「いってー、やっぱダメか。」
「それより、中の大ちゃんは大丈夫かな?」
大ちゃんが入った神の間には、中央に光り輝く水晶玉のようなものが置かれた
台座があるだけで、他にはなにもなかった。
「この玉が神の力なのかなぁ?」
大ちゃんは恐る恐る玉に触れてみた。

ゴオオオオオオ・・・・・

「うわあああ・・・・」
玉は突然ものすごい光を発しだした。
(なんか、体の中にいっぱい入ってくるみたいだ。体がパンクしそう・・・)

外ではウェイトや部員達が大ちゃんが出てくるのを待っている。
「まだかなー?」
「中で迷ってるんじゃないだろうな?」
すると扉の模様の壁に波紋ができ、大ちゃんが出てきた。
「おおー。大ちゃんが出てきたぞ。」
川田が大ちゃんに言った。
「それで、神の力は手に入れられたの?」
すると大ちゃんは、
「うん、すごいよ。体中から力が溢れ出てる感じ。」
太田が大ちゃんに近づき、体に触れようとした。

「待つんだっ!! まだ大輔君に触れてはだめだ。 みんなも大ちゃんから少し離れて。」

ウェイトが突然叫んだ。
太田は仕方なく大ちゃんから離れて言った。
「どうしたんですか? 大ちゃんにふれちゃいけないってどういうことですか?」
ウェイトが言った。
「大輔君はまだ神の力をまったくコントロールできていない。溢れ出る力を体内に
 落ちつかせられるようにコントロールできないと、触れたもの全てを破壊してしまうんだ。」
大ちゃんが心配そうに言った。
「力を落ちつかせるって、どうすればいいんですか?」
「それは・・・私にも・・・」
すると太田が、
「深呼吸でもしてみたらどうだ?」
「うん。」
大ちゃんは目をつぶり、深呼吸をしはじめた。
北島が言った。
「なんか、だんだん大ちゃんが大きくなってるような・・・」

ゴゴゴゴゴ・・・・・

ウェイトが言った。
「まずい、みんな急いで遺跡の外に出るんだ!!」
部員達は大急ぎで遺跡のそとに走り出た。

ゴゴゴゴゴ・・・バキバキ・・・ガッシャーーーン・・・ズズーーン

100メートルを超える石像は崩れ、かわりに巨大化した大ちゃんが現れた。
「だ・・・大ちゃんが巨大化した・・・」
ウェイトが言った。
「体のサイズを自由にかえるのも、神の力の1つなんだ。」

「ふ〜、そろそろいいかな?」
大ちゃんは深呼吸をやめて、目を開けた。
「あれ?いつの間にか外に出てる。みんなはどこいったんだろ?・・・ん?
 わあああ、服がなくなってる。」
大ちゃんは目をつぶっていたために、自分が巨大化したことに気付いてなかった。
もちろん自分の足元で部員達が叫んでいることも気付かない。
「おーい、大ちゃーん。」
「大ちゃーん、もとにもどるんだー。」 

第125話

「みんなー、どこいったのー、おーい、お兄ちゃん達〜」
 大ちゃんは大声でみんなを呼んだ。巨大化した状態で言ったものだから
下にいるウェイトたちにとってはものすごい大音量だった。
(凄い声だ)
(みんな耳をふさいでる)
(何か言っているようだけどまったく聞こえない)
 大ちゃんは周りを見まわしたが誰もいない。というかいるにはいたのだが
自分の足元にいるのに気付かない。大ちゃんは、
「そうだ、もう一度深呼吸してみよう。」

 大ちゃんの足もとのウェイト達は、
「やれやれ」
「ちょっと待て、また巨大化し始めたぞ。」
 そう、大ちゃんは再び巨大化を始めたのだ。


 ここウェイト達のいる所から離れた同じ星の観光開発がされているエリア。
「なんか向こうのほうから何か声のような物が聞こえたぞ。」
 観光客の一人が声の聞こえたほうをむくと、
「あっあれは何だ。」
「巨人だ〜。巨人がこの星にも現れたぞ〜。」
 観光客達は騒ぎ出した。


 再び巨大化を始めた大ちゃんは考えた。
(そうだ、みんながいなくなったって寂しがっているときじゃない。僕は神様の力を
手にいれたんだ。お兄ちゃん達を助けるために。操られていたお兄ちゃん達の所へ
行かなきゃ。)
 大ちゃんがそう思ったとき、大ちゃんの姿は消えた。

「おい、巨大化した後は消えたぞ。どうなっているんだ。」
 植田先生はウェイトに尋ねた。ウェイトは、
「恐らく、テレポートしたのでしょう。」
「もしかしてこれも神の力とか言うやつか?」
 川田が言うとウェイトは頷いた。


 その頃、ジョーカーン星にいたダイちゃんと福田と部長たち……。防衛軍の攻撃を
ものともせず、ダイちゃんにいわれるまま街を破壊しつづけていた。石本と福田は面白がって
次々と戦車や戦闘機を破壊しているが、部長と飯田は気が進まない。
「ちょっと君達2人、なんかやる気無いみたいだけど。」
 そのときである、大ちゃんがテレポートしてきた。サイズはそのときは部長たちと
同じになっていた。大ちゃんは、
「あれ?ここは?」
 大ちゃんは回りを見まわした。
「あっお兄ちゃん達。」
 部長は、
「も、もしかして……なんでここに?しかも俺達と同じサイズに。」 

第126話

石本も大ちゃんに気付いて近づいてきた。
「あっ、やっぱり大ちゃんだっ! どうしたの? そうか、大ちゃんもあの薬を飲んじゃったんだね。」
薬のことなんて知らない大ちゃんは首をふった。
「僕、薬なんて飲んでないよ。僕、お兄ちゃん達を助けるためにね・・・」
石本は大ちゃんの話を最後まで聞かずに、
「お兄ちゃん達ね、あそこにいる子の弟子にされちゃってね、街を破壊しなきゃいけないんだ。」
うれしそうに話し続ける石本を部長が突き飛ばした。
「石本、お前はちょっと黙ってろ!」
部長は大ちゃんをダイちゃんに見えないようにビルの影に連れていった。
「大ちゃん、どうやって巨大化したの?」
「えっ?巨大化? そんなのしてないよ。」
「俺達は薬を飲んで巨大化したんだ。 今の大ちゃんも巨大じゃないか。」
「そういえば、まわりの建物がすごく小さい。これ、作り物じゃなかったんだ。神の力で
 大きくなったのかなぁ?」
「神の力?」
大ちゃんは、遺跡のことや神の力のことを部長に話した。

「そんなことがあったのか・・・。だが、あそこにいるダイちゃんには俺達が束になっても
 勝てないんだ。助けに来てくれた気持ちはうれしいけど、大ちゃんは帰った方がいいよ。」
神の力のすべてを知らない部長には、大ちゃんが強くなったとは思えなかったのだ。
大ちゃんは、
「僕も戦うよ。そのために来たんだもん。」


その頃、ついさっきまで大ちゃんの足元にいた部員達は、
「大ちゃん、テレポートでどこに行ったんだろうね?」
川田がウェイトに言った。
「ウェイトさん、ずっと気になってたんですが、神の力で本当にダイちゃんに勝てるんですか?」
ウェイトが言った。
「どういうことだね? 君も目の前で神の力を見ただろう。」
川田が、
「ええ、すごいことはわかります。でも相手のダイちゃんも無限に近い巨大化ができるんでしょ?
 相打ちになってしまわないですか?」
するとウェイトは、
「確かに相手のダイちゃんも巨大化すれば、大輔君と互角に戦う力があるだろう。だが、
 ダイちゃんは巨大化できる能力以外は普通の人間だ。」
「何か勝つ方法があるんですか?」
「ああ。神の力の1つに、宇宙空間でも生きていられる能力があるんだ。相手のダイちゃんは
 宇宙空間に出てしまうほど巨大化するときは、息を止めていないといけない。つまり、
 長時間星より大きくなっていられないということだ。」
太田が言った。
「それなら勝てそうだけど、大ちゃん自分の力を知らないまま行っちゃったよ。大丈夫かな・・」
みんなも「確かにそれは言えてる・・・」というような顔でウェイトを見た。
ウェイトは、
「と、とにかくここにいても情報を得られない。ベア教授のところにもどろう。」
大ちゃんのことが少し心配だったが、仕方なくみんな宇宙船に乗り込んだ。 

第127話

 こちらはダイちゃんと大ちゃんと部長たちのいるジョーカーン星である。
大ちゃんと部長たちが話しているところに、ダイちゃんがやってきた。
「おい、お前ら誰と話しているんだ?なんだこいつ?」
 ダイちゃんと大ちゃんは目があった。
「ちょっと待って、この子は……。」
 ダイちゃんは、
「君も僕の弟子になりたいの?」
 大ちゃんは、
「う……うん……。」

 実は部長はダイちゃんが来る前に、ダイちゃんにこう言っていた。
「大輔くん、気持ちはわかるけど……そうだ。しばらくお兄ちゃん達といっしょに
 ついてこないか。本当に戦うと言うんだったら相手のことをよく知っておいた
 ほうがいいと思うよ。」

 ダイちゃんは大ちゃんを見て、
「フーン、君が一番将来性がありそうだね。この星にもとうちゃんはいないみたいだし、
 そろそろ出発しようか。」
 こうしてダイちゃんと部長たちは大ちゃんを加え、ジョーカーン星を後にした。


 その頃、ウェイト達は再びベア教授に会うため、超巨大宇宙船へ向かっていた。だが、
ベア教授は研究室を出て居住区内のよく行く店で昼食を取っていた。
「ベア教授、お久しぶりです。まさかこんな所でお会いできるとは思いませんでしたな。」
「だれだ?」
 ベア教授が振り向くと、そこにはメンダルワーイのボスと宝田教授がいた。ベア教授は、
「お前は、宝田教授と……。どうやってここへ来た。」
 宝田教授は、
「巨人騒ぎで避難した住民としてここにしばらくいることにしましてね。教授にちょっと
 手伝ってもらいたい事もあるんですよ。」
「お前達には協力などしない。話すことも無い。」
 宝田教授は、
「そうですか。では気が変わったらいつでも尋ねてきてくださいよ。」
 メンダルワーイのボスと宝田教授は席を立った。

「教授はいつもこの店で食事を摂るんだ。」
 ウェイト達は、教授のいる店の前にきていた。 

第128話

そしてその頃松永は・・・
「ぐへへへ〜。どうだ?俺のお仕置きフルコースは。」
カッターのお仕置きがまだ続いていた。
松永は心の中で
(きっと助けに来てくれる)と信じながらお仕置きに耐えていた。
カッターが、回りで見ている小人に言った。
「次のお仕置きするから、誰かロープをもってこい。」
「はい。今すぐお持ちします。」
小人は大急ぎでロープを用意した。
「これでよろしいでしょうか・・・?」
「ああ、ごくろうさん。」
カッターはロープを受け取った。
ロープといっても、カッターから見れば糸なのだが。
するとカッターは、仰向けに寝ころんだ。
「よーし、こびとども。そいつを連れて3人ほど腹に登ってこい。」
「はい。」
こびとはカッターに言われた通り、いやがる松永を無理矢理ひっぱって体に登って行った。
こびと3人は腹の頂上に到着すると、松永を取り囲んでカッターに言った。
「巨人様、連れてきました。」
するとカッターは、さっき受け取ったロープ(糸)をそのこびとに渡して言った。
「そいつをそのロープで俺のチンコの根元に縛れ。」
「はい、畏まりましたっ!」
こびと達は松永を連れてチンコの方に向かった。
こびとは、てきぱきと松永をチンコに縛り上げた。
「巨人様、用意ができましたー。」
「そうか、じゃあお前らは用済だ。」
カッターは3人を手で払った。
3人はものすごい力で飛ばされて地面に落ちた。
その後、しばらくして救急車で運ばれていった。
カッターが言った。
「ぐへ〜、これがどういうお仕置きかわかるか?」
松永は黙っていた。
カッターが、
「教えてやろう。こういうことだ。」
と言って、こびとを一匹摘まみ上げた。
「きょ・・巨人様、何をなさるんですか?」
「お前はそこにしがみついてろ。」
カッターはそのこびとをチンコの先にしがみつかせた。
こびとは落ちないように必死でしがみつく。
その微妙な刺激が、カッターのチンコに快感をあたえる。
すると根元にしばられている松永が苦しみだした。
カッターのチンコが勃起していくにつれて、ロープが体にくい込んでくるのだ。
「ぎゃあああ・・・・ほどいてくれー!体がちぎれそうだ。」
カッターは、
「泣くなよ、まだまだこれからだぞ。完全に勃起したらこんなんじゃすまないぞ。」 

第129話

「うぎゃぁぁぁぁぁ!!!」
 松永は苦しさのあまりものすごい叫び声を上げた。カッターのチンコは更に勃起、
松永の体にロープは更に食い込んでいき、松永の体はカッターのチンコに
沈み込んでいく。やがて松永は声すら出なくなった。カッターは、
「なんだもうおしまいか。これからだぜ。」
 一方、カッターのチンコの先のこびとは、
「うわっ!」
 足を滑らせ、尿道に片足を突っ込んでしまった。何とかそこからこびとは
脱出しようとするがうまく行かない、それがカッターに更なる刺激を与える。
カッターは、
「へへへ、最高だぜ、こんな刺激……。」
 カッターのチンコは更に勃起、松永の苦しみはとんでもない物になっていた。
松永は思った、
(このままでは死んでしまう。誰か助けてくれ。もう待てない……。頼む……誰か……。)
 そのころ、カッターのチンコの先のこびとは、足もとの異変を感じた。こびとは、
その穴から脱出しようと必死にもがいた、それが決定打となった。

-どっぴゅーん-

 カッターのチンコの先のこびとは、上空に消え、行方不明になった。精液だけが
遥か上空から戻ってきて、回りのこびとの家の屋根に穴をあけた。

-ぷっちーん-

 実はカッターの精液が発射されたその瞬間、松永を縛っていたロープは切れ、
その反動で松永の体は弾き飛ばされたのだ。

-すぽっ-

 松永は一瞬自分の身に何が起こったのかわからなかった。自分を縛り付けている
痛みは無くなったが、回りは真っ暗で自由が利かない。松永は、
(なんなんだここは?)
 実は弾き飛ばされた松永は、カッターの鼻の穴にはまり込んでしまったのだった。 

第130話

「くそっ、ロープが切れたのか。しかも鼻の穴まで飛んでくるとはなぁ。よし、今出してやるぜ。」
カッターは松永が入り込んだ鼻の穴の反対側を指でふさいだ。

「ふんっ!!」

カッターがおもいきり鼻息を噴射すると、松永が弾丸のように吹き飛ばされた。

ズガアアアン・・・

飛ばされた松永は、民家をいくつも貫いてようやく止まった。
「うう・・・生きてるのが信じられないくらい痛てえ・・・」
松永は全身の痛みで動くこともできなかった。
カッターが回りのこびと達に言った。
「なにをぼけーっと見ているっ! まだお仕置きは終わってないんだ。さっさとあいつをここに連れてこい。」
「は、はい」
こびと達は崩れた民家の中から松永を見つけて、カッターの前まで運んできた。
でも松永は痛みで動けず、ただ倒れているだけだった。
「おいおい、まだぶっ倒れるには早いぞ。お仕置きは終わってないんだからな。」
カッターはそう言うと、松永が倒れている上空に尻をもってきた。
「次のお仕置きは、密室毒ガスお仕置きだ。へへへ・・・」

ズムッ!

カッターは、松永の上に肛門がくるように座った。
「それじゃ、毒ガスおならを噴出させるぞー。」

ぶおおおおおーーー!!


その頃宝田教授とボスは、避難者にまぎれてマンションの1室にいた。
ボスが言った。
「さっきのベア教授というやつは、ほんとに来るんだろうな?宇宙パトロールに
 協力してるようなやつだぞ。私達の所へ来るとは思えんが。」
すると宝田教授が、
「大丈夫ですよ。やつには私だけが知っている秘密があるんです。ボスはあいつを見て、
 どう思いました?」
「いや、ただすごく大柄な男だったが。」
「そうですよ。あいつはだんだん元のサイズに戻りはじめてるんです。」
「元のサイズ? いったいどういうことだ?」
宝田教授は、ボスと会う前のことを話しはじめた。
「私が縮小薬の研究のために、いろいろな星を巡っていたときのことです。
ある荒れ果てた無人星でベア教授と出会ったんです。
そのときのあいつのサイズは、今の約100倍の大きさだったんです。
どこかの巨人の住む星から個人宇宙船で飛び立ち、その星で漂流してしまったんです。
私はベア教授にこう言ったんです、私の研究に協力するなら助けてやろう、と。
そして私はベア教授に研究中の縮小薬を飲ませたんです。
その頃の薬は未完成でしたからね、もうそろそろ効果が切れてしまうんですよ。
つまり、私達のところに来て完成した薬をもらわないと、やつはいつ巨大化してもおかしくない。」
「なるほど、そういうことか。今の立場上、巨大化するわけにはいかんだろうからな。」 

第131話

 一方、ちょっとややこしいが宇宙船でジョーカーン星を後にしたダイちゃんと
大ちゃんと福田と部長達は、次の星に到着した。ダイちゃんは、
「早く降りてよ。次の星についたよ。」
 みんなが降りると、そこはカラフルな建物があちこちある星だった。大ちゃんは、
「なんだろう、楽しそうな所だなぁ。」
 すると石本が、
「ほんとだ、ここを一つずつ潰してぃったら……。」
 そう言おうとする石本を部長と飯田が両側から止める。ダイちゃんは、
「この星なら知っているよ。一昨年とうちゃんに連れてきてもらったセントラック星だ。
 遊園地や温泉とか遊ぶ所が一杯ある星だよ。」


「困ったな。ベア教授は急用ができたとかで店を出たそうだ。研究室にも
 戻っていないようだし、連絡も取れない。」
 ウェイトは言った。すると川田は、
「結構大柄だから、店を出たのなら俺達にもわかるはずなんだけど。」
 ウェイトは、
「店の裏口から逃げるように出ていったそうだ。」
「うーん、今思いだしたんだけど僕達が店に入ろうとしたときに出てきた人、
 誰かに似ていたような……。」
 太田が言った。先に店に入ったウェイトが戻ってきた。川田は、
「そうか、さっきの人……宝田教授かも……。」
 みんなはまさかと言うような目つきで川田を見た。植田先生は、
「ええっ、宝田教授だって?」
「変装していたみたいだったけど。間違い無い。」
 川田は言う。ウェイトは、
「他人の空似と言うことは無いのか?」
 植田先生は、
「川田は、新入部員と顔と名前をすぐに覚えるからな。」
 ウェイトは、
「彼がこの宇宙船に戻ってきていたとして……。何をする……。そうか……。」
 ウェイトは更に話す。
「ベア教授は何か宝田教授に弱みを握られているのかもしれない。川田の見た人物や
 ベア教授の不審な行動も説明がつく。」
 川田は、
「もし俺が見たのが宝田教授だったとしても、俺達はどうすれば……。」
 そのときである。
「皆さん、お困りのようね。」
 声のしたほうをみんなが振り向くと、見知らぬ人物が立っていた。ウェイトは、
「サンドさん。なぜここに……。」 

第132話

その頃、松永はおならの爆発音とともに気を失っていた。
10分ぐらいして、ようやく気が付いた。
「う・・・うん? ここは・・・。」
松永は、カッターの腹の上で寝かされていた。
カッターも寝ている。
さすが怠け者だけあって、豪快に昼寝をしている。
松永は思った。
(今なら逃げられるかも・・・)
だが、その考えは一瞬で取り消された。
腹の上から下を見ると、飽きもせずにこびと達がカッターの回りを囲んで見守っているのだ。
そのこびとの1人が、松永が起き上がってるのを見つけた。
「あっ!あいつが起き上がってるぞ。巨人様に知らせないと。」
こびとは急いでカッターの耳もとに駆け寄って言った。
「巨人様、巨人様ー。あの男が起きましたよ。お仕置きの続きをお願いします。」
こびとはカッターが起きるまで叫び続けた。
するとカッターは眠そうに目を開き、こびとを睨みつけて言った。
「うるせーぞ、チビっ! 俺は昼寝の邪魔されんのが一番嫌いなんだ。今度起こしたら
 ぶっ潰すからな。それと、めしの用意はまだなのか?起きたときにできてなかったら、
 全員ぶっ潰すからな。」
松永は、お仕置きが中断されたのには安心したが
ここから逃げられないことには変わりない。
(はやく誰か助けにきてくれ〜)


そして、セントラック星に着いたダイちゃん達は・・・
部長がダイちゃんに言った。
「こんな星にはお父さん来てないんじゃないかな? 破壊しないでおこうか?」
するとダイちゃんは、
「あたりまえだよ。楽しい星は残しておかないともったいないだろ。」
石本が言った。
「えー、潰さないの? どうせ僕達には小さすぎるし、潰したいのにー。」
ダイちゃんが言った。
「師匠が潰さないって言ったら潰さないの! じゃあ僕はちょっと遊んでくるから、お前達は宇宙船で待ってろ。」
そう言うと、1人だけ元のサイズにもどって遊園地に行ってしまった。
飯田が言った。
「どうする?」
すると部長が、
「今がチャンスかもしれない。今のダイちゃんなら、俺達で捕まえられるだろ?」
「でもなぁ、失敗したらどうするんだ? あのダイちゃんのことだから、なにするかわからないぞ。」 

第133話

「そんなー、ずーっと待ってるなんて退屈だよ〜。」
 石本が言う。するとさらに上から、
「いいかげんにしろ、俺様だって……。」
 上のほうから超巨大福田の声がする。そうこうしているうちに下のほうから何か声がする。

「うわぁぁぁー、巨人だぁぁぁ!」
「この星にも巨人が……。」
 足元のほうでこびとたちが叫んでいる。たまたま近くを通りかかったらしい。

 飯田が、
「おい、見つかったぞ。」
 部長も、
「隠れる所も無いし、見つかってもしょうがないな。」
 石本がうれしそうに、
「ねーねー、つぶしちゃおうか?しかたないよね。」
 すると大ちゃんが、
「だめだよ、そんなことしちゃ。」
「じゃあ、一体どうすれば……。また攻撃されるかもしれない。これじゃダイちゃんを
 探すどころじゃなくなる。」
 部長が言うと、
「僕は神の力で大きくなったんなら、逆にもとの大きさに戻る事も、きっと
 お兄ちゃん達や大きなおじさんも元の大きさに戻せるかもしれない。」
 ダイちゃんは心の中で念じた。
(神様……そうか僕が神様だったっけ。とにかく僕とお兄ちゃんたちが元の大きさに
戻れますように……)

-ぴかあっ-

 辺りはまぶしい光に包まれた。しばらくすると、
「やったぁぁっ!もとのサイズだ。元に戻ってるぞ。」
 飯田の声がする。どうやらここは森の中というか公園のような所らしい。同じように
もとのサイズに戻った部長は、きょとんとしている。石本と福田はちょっと不満そうな
顔をしている。大ちゃんは、
「そうだ、服が無いとね。」
 再び大ちゃんが念じると部長たちと福田、もちろん大ちゃんにも服が現れた。
大ちゃんは、
「これで探しに行けるね。」

 遠くのほうで声がしている。
「巨人です。確かに見たんです。」
「夢でも見たんじゃないかね。」

 大ちゃんと部長たちと福田はダイちゃんを探しに遊園地のほうへと向かった。
しかし福田は、
(あのガキ、凄い力を持っているな……うまく利用すればもう一度巨人に、いや
世界どころか宇宙も思いどうりに支配出来るかも……) 

第134話

松永の方は、まだカッターの腹の上で何もできずにいた。
カッターは相変わらず豪快に昼寝をしている。
すると、下の方からいい匂いがしてきた。
「そうか、こいつのために食料を運んでいるのか・・・」
その量は半端じゃなく大量で、カッターのまわりにどんどん運び込まれる。
大都市の1日分の食料がすべてカッターのまわりに集まっているようだった。
カッターも、食べ物の匂いに気付いて目を覚ました。
「うほっ、うまそうな匂いじゃねーか。」
カッターは松永が腹の上にいることを忘れ、勢いよく体を起こした。
「うわあああ。」
松永はその反動で飛ばされて、食料の山に埋もれてしまった。
「ヤバい、早く脱出しないと俺まで食われてしまう。」
カッターはものすごいペースで、山のような食料を口に放り込みはじめた。
「うん、なかなかうまいぞ。」
ムシャムシャ・・・ガツガツ 

第135話

「うわあっっっ!」
 だが松永は食料の山に生き埋めになってしまう。
「大変だ。動けない。助けてくれぇぇ。」
 松永は体が半分埋まり、身動きが取れなくなってしまった。もちろん回りの
こびとと言うか住人たちは巨人様に反抗し、お仕置き中である松永を助けるわけが無い。
「な、なんだ?」
 そのときである。松永の頭上が突然暗くなったかと思うと真上をカッターの手が
覆い隠す。松永は、
「うわぁぁぁ。もうだめだぁぁぁ!!」
 が、カッターは、食料の山に埋もれている松永を見つけた。
「貴様、お仕置き中のくせに俺様の食料を盗み食いしようとするなんて、
 いい度胸じゃないか。」
 松永は、
「そんなことするか〜。」
 だが、回りのこびとと言うか住人たちは、
「この後に及んでなんてことを言うんだ。」
「巨人様の食料を盗み食いするなんて許せない。」
 松永は、
「ちょっと待て、お前ら見てただろ〜。」
 それでも、回りのこびとと言うか住人たちは、
「言い訳するなんて往生際が悪いぞ。」
「なんてやつだ。」
 カッターは、食料の山の中から松永を摘み上げ、
「俺様の食事の邪魔をするなんて許せねぇ。こうなったらスーパーウルトラ
 お仕置きスペシャルバージョンXだ〜。」
 松永は、
「何なんだそれは〜。」
 回りのこびとと言うか住人たちは、
「巨人様、すばらしいネーミングセンスにございます。」
 そう言って一斉に拍手した。カッターは、
「おい、ちびども、これから俺様の言うものをすぐに準備しろ、俺様の食事が済む前にな。」
「「「「はいっ、かしこまりましたー。」」」」
 回りのこびとと言うか住人たちは、一斉に返事した。 

第136話

カッターが住人達に用意させた物は、巨大なタンクに入れた大量のミネラルウォーターだった。
その大量のミネラルウォーターが準備されてる間に
カッターはものすごい量あった食料をぺロリと食べてしまった。
カッターにしてみれば、いつもどうり普通に食事しただけなのだが
住人や松永からみれば、自分の体の何倍もある量の食料が一瞬で消えていくという
信じられない光景だった。
「おっ、準備できたみてぇだな。そんじゃ、スーパーウルトラお仕置きスペシャルバージョンXをはじめるか。」
カッターは、摘んだ松永を顔に近付けて言った。
「何されるかわかるか?」
松永は何をされるかなんて考えたくもなかった。
だがそんな気持ちとは逆に、いろいろ悪いことを想像してしまう。
(いったい何する気なんだ? 用意されたのは水だから、俺を溺れ殺す気なのか? それとも・・・)
松永が黙っているとカッターが、
「何するのか教えてやろう。こうするんだ!」
と言って、松永を巨大な口に放り込んで舌の上に乗せた。
「ま、俺の栄養として吸収されないようにがんばって脱出してくれや。じゃ、生きて出られたらまた後でな。」
カッターは用意されたミネラルウォーター入のタンクを口の前に持ってきた。
「ちょ、ちょっと待ってくれ! 俺を飲み込む気か!? たっ、たすけてくれーー!!」
松永の叫びは届くことなく、口の中に大量の水が流し込まれた。
「うわあああああ・・・・・」

ゴクン・・ゴクン・・

松永は大量の水といっしょに胃に流し込まれた。
松永を飲み込んだカッターは、
「ぷはー。 腹がふくれたらまた眠くなってきたなー。」
そしてまた昼寝をするために寝転がった。
「おいちびども。もし俺が寝てる間にあいつが出てきたら捕まえておけよ。まぁ、そう簡単に出られるわけねぇけどな。」
「はい!了解しました。巨人様は安心してお休み下さい。」
カッターは再び眠りはじめた。 

第137話

「やばいっ、このままでは消化されてしまう。いやそうならないまでも……。」
 カッターに飲みこまれた松永は、食事中の人にとっては恐ろしい想像をした。
「こままじゃいずれやつのうんちと……。おぇぇぇぇっ!!」
 松永は、胃の中で必死でその壁をどんどんたたき続けた。が、松永がいくら
必死になったところで壁は柔らかく全て吸収されてまう。もちろん効果など
あるわけもなく松永はその場でへたり込んでしまった。そのときである。
「うわっ、なんだ!?」
 松永の体は大きく持ち上げられた。
「消化活動が始まってしまったぁぁぁ!!」
 カッターの胃は動き始め、松永はその中の食べ物いっしょにもみくちゃに
されるのだった。


 そのころ、サンドに案内され、ウェイトと植田先生と部員達は、ある部屋にいた。
そこは何かの研究室のようだった。植田先生は、
「あんなに美人なのにサンドさんがロボットだったなんて……。」
 川田は、
「先生、今はそんなこと言っている場合じゃないでしょう。」
 植田先生は、
「す、すまん……。」
 ウェイトは、
「確かに今は手詰まり状態だ。松永君のいる場所はわかったが、おいそれと
 助けに行けない。ベア教授とも連絡が取れないし神の力を手に入れた大輔君も
 ダイちゃんとジョーカーン星で目撃されたのが最後だ。」
 サンドは、
「古代人は神の力を得たが、それを全宇宙に知らしめるために、あらゆるサイズになる
 方法も開発していた。宇宙にはさまざまなサイズの住人が存在するわ。」
 ウェイトは、
「なるほど、宝田教授は超古代文明遺跡から集めた情報を元に小さくなる薬を開発した。」
 サンドは、
「薬を作れるのは宝田教授だけじゃないわ。ここにはあらゆる超古代文明遺跡情報を
 見ることができる。そしてその情報を基に作られたのがこの薬よ。すでに動物実験は
 成功しているわ。」
 ウェイトは、
「なるほど、この薬で小さくなれば松永を助けに行くことができるかもしれない。」
 川田は、
「でもなんか俺たちのところにあった薬とは色が違うような……。」


 一方、大ちゃんの力で久しぶりに何とかもとのサイズに戻り、これも大ちゃんの力で
服も出してもらった大ちゃんと部長たちと福田は巨大遊園地のあるセントラック星で
客に混じってダイちゃんを探していた。飯田は、
「ダイちゃんはまさか俺たちが元のサイズになって探しているなんて思わないだろうな。」
 石本は、
「歩きつかれたよー。巨人のままで探したほうが楽なのにー。」
 部長は、
「巨人のままで探したら大騒ぎになってダイちゃんを探すどころじゃなくなるだろ。
 大輔君もそう思うだろ、あれ?」
 実は大ちゃんは福田に手を引かれ、部長たちから離れたところにいた。大ちゃんは、
「おじさん、僕に話したいことって何なの?」
 福田は思った。
(チャンスがきた。このガキの力を利用しまくってやる……) 

第138話

福田は、妙にニヤついた顔で言った。
「大ちゃんだったっけ? 俺と手を組んで俺の言うとおりにすれば、君の欲しいもの全部手に入るぞ。」
「そんな勝手なことできないよ。僕はお兄ちゃん達を助けるために来たんだもん。」
「なら、俺だけ巨人にもどしてくれ。」
「ダメだよ・・・」
部長達は突然いなくなった大ちゃんを呼んでいた。
「大ちゃん、大ちゃーん。」
すると、少しはなれた木の後ろから大ちゃんが出てきて部長達のところへやってきた。
手には何かを持っている。
部長が言った。
「大ちゃん、俺達とはぐれちゃダメだよ。」
大ちゃんは手に持ってるものを見せて言った。
「あのね、このおじさんが僕といっしょに悪いことしようとしてたんだ。だから・・・」
大ちゃんの手に乗っているのは、小さくされた福田だった。
「これ、大ちゃんがやったの?」
「うん」
それを見て目を光らせている人物が1人いた。
それは石本。
石本は、
「それ僕にちょうだいっ!!」
そう言って大ちゃんから福田を奪い取った。
福田は、石本の丸い手に握られて顔だけ出ている状態にされている。
「よくも僕のことを空に放り投げたり足で踏みつぶそうとしたりしてくれたねー。」
福田は握られたまま震えている。
石本は、
「まだ名前聞いてなかったな。名前は?」
「ふ・・・ふ・・福田と言います・・」
「福田・・じゃあ福ちゃんだね。 今までのお返しをたっぷりしてやるからな。」
「ひいいーー」
すると部長が、
「おい石本。そういうことは後にしろ。今はそんなことしてる場合じゃないだろ。行くぞ。」
「はーい」
石本は福田を、ポケットじゃなくパンツの中にしまいこんだ。 

第139話

「うぎゃー、たすけてくれー」
 自分よりも巨大化したダイちゃんににらまれたときも怖かったが、今現在の恐怖は
それを遥かにしのいでいた。石本のパンツの中で福田は叫んだが、石本は無視をした。
福田はその直後パンツの中で暴れたが、それが石本のチンコを刺激する。石本は、
(あ、なんか気持ちよくなってきたナー)
「うげっ、苦しい!」
 大きくなるチンコに石本のパンツの中で福田は押さえつけられてしまう。
石本のパンツがトランクスなら何とかなったのだが、ブリーフだったので
逃げ場がない。福田は必死で石本のチンコを押し返そうとした。


「問題は、誰がこの薬を飲んで、松永を助けに行くかだな。」
 川田が言った。ここはウェイトと植田先生と部員達が、サンドに案内されてやってきた
部屋、彼らの目の前にあるのは、小さくなる薬だと言う。そのとき、すこし前に
部屋を出たウェイトが戻ってきた。植田先生は、
「ウェイトさん、どこへいってたんですか?」
 ウェイトは、
「大変な事になった。無人探査機からの情報をチェックしていたが、松永君が
 飲み込まれてしまったようだ。」
 部員たちは騒ぎ出した。
「松永のやつ、大丈夫か?」
「飲みこまれたやつの話は聞いた事ないぞ。」
「逆に好都合じゃない。」
 サンドはそう言って部屋にある装置を操作した。


 その頃、松永を飲みこんだまま寝てしまったカッターの回りを取り囲んでいた
こびとたちは、異変に気づいた。
「巨人様の様子がおかしい。透き通ってきたみたいだ。」
「いや、光っているようにも見える。」
 次の瞬間、カッターの姿は消えた。こびとたちは、驚いていたがしばらくして、
「さすが巨人様。自ら奇跡を起こされた。」
「宇宙の何処かへ旅立たれたのだ。」
 感動の余り涙を流していた。


 サンドとウェイトと植田先生と部員たちのいる部屋に、カッターが転送されてきた。
本人は爆睡していて、自分がどうなったかも気付いていない。サンドは、
「この男のおなかの中に松永君はいるはずよ。」 

第140話

植田先生が言った。
「早くこいつの腹を開いて松永を助けてやってくれ。」
するとサンドは、
「それはできないわ。ここには開腹する設備もないし、医師免許を持ったものもいない。」
「こいつは犯罪者なんだぞ! どんな方法だっていいじゃないか。」
「いくら犯罪者でも、勝手にそんなことをすれば後で問題になるわ。」
「じゃあ、どうすれば・・・」
北島が言った。
「近くに病院はないんですか? 病院でやってもらえば問題ないってことですよねー?」
するとウェイトが首を振って言った。
「たしかに病院なら問題はないが、小さくなった松永君を外部の者に見られるのはマズイ。」
サンドも、
「そうね、薬のことは宇宙パトロール内だけのトップシークレットだからね。」
太田が半笑いで言った。
「じゃあ松永は、こいつがうんちするまで出てこれないんですね。」
するとウェイトが、
「それは松永君がかわいそすぎるだろう。それに、うんちに閉じ込められて窒息してしまう危険性もある。」
「じゃあいったいどうすればいいんですか?」
みんな黙り込んで、カッターのいびきだけが響いていた。
サンドが言った。
「1つだけ方法があるわ。この薬で小さくなって松永君に直接小型転送機を届けるの。そうすれば、
問題なく松永君を助けられるわ。」
ウェイトも、
「そうだな、いまのところその方法しかないな。」
植田先生が、
「誰が飲むんですか?」
植田先生は、自分がいきますと言いたいところだが
実際小さくなることには抵抗があるのだった。
するとウェイトが、
「小さくなると極端に体力が落ちますからねー。もとのサイズでも力が強い人がいいですね。」
北島が太田の肩に手を置いて言った。
「なら、太田に決まりだな。相撲部の中で一番力あるもんな。」
「ええ、俺ぇ?」
植田先生が、
「太田、行ってくれるか?」
断りたかった太田だが、先生に真剣な顔で言われて思わず返事してしまった。
「は・・はい」
さっそく太田の前に薬が用意された。
太田は仕方なく、渡された薬を飲んだ。

「うわあああ・・・」

まわりのものがどんどん巨大化していくように見える。
太田は自分の着ていた服の中に埋もれてしまった。
体の縮小が止まり、服のボタンの隙間から外にでると
さっきまで同じサイズだった部員や先生に覗き込まれていた。
北島が言った。
「なんか、中途半端にでかいな。」
「そうだな。だいたい4cmぐらいだな。松永が約1cmだから、約4倍の大きさだな。」
するとサンドが、
「やっぱり材料が完全じゃなかったみたいね。でもこれだけ縮めば大丈夫よ、口には入るわ。」
太田は、大口開けて寝ているカッターの口元に運ばれた。
太田が言った。
「松永助けたら、すぐにもとに戻して下さいよ!」
するとサンドは申し訳なさそうな顔で、
「ごめんね太田君。大きくする薬の研究は、まだ進んでないのよ。宝田教授を捕まえることができれば、
薬も手に入るとおもうんだけど。」
「そ・・・そういうことは先に言っといてくれよー!」


その頃ダイちゃんは、遊園地の人気アトラクションの「ウルトラコースター」の行列に並んでいた。
その日のセントラック星はちょうど休日で、客の人数がすごく多かったのだ。
どのアトラクションもながーい行列を作っていた。
(なんでこの僕がこんなやつらの後ろにならばなきゃならないの。ムカツクー。)
いつものダイちゃんなら、怒りで巨大化するところだが
楽しい遊園地を壊すわけにいかないので我慢していたのだ。
ダイちゃんは前の客の背中を叩いて振り向かせた。
「ねえねえおじさん、踏みつぶされたくなかったら僕に順番ゆずってよ。」
すると客は、
「坊や、おもしろいこと言うねー。でも順番は守らないといけないよ。」 
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