その後 -裏1-




――抱いて

小さく微かにそう聞こえた。

その言葉に彼の中で欲望の雄が弾ける。
瞬間彼女を横抱きにかかえて寝室へ足早に向かった。
彼女は小さく声をあげたがおとなしく彼の首に腕をまわし顔を彼の肩に埋めている。
耳まで真っ赤になっているのが肌に伝わる体温でわかった。
(かわいい!)

今まで彼女から誘うような事は一切なかった。
とまどいながら彼を受け入れるといった程度だ。
たまに好いていてくれてるだろうと思えるような仕草があるだけで
彼は満足だった。

今日はっきりと自分を求めてくれている。初めて。
嬉しさに舞い上がる自分が滑稽だとも思うが本当に嬉しいのだからしょうがない。
寝室のドアを蹴り飛ばしベットに向かうか 一瞬考えたが彼はバスルームに向かった。
一緒に入ろうと用意していたのを思い出したのだ。

(思い切り愛してやる)
彼の征服欲が頭をもたげる。

奥のドアも蹴り飛ばしパウダールームの明かりが明るくなるのも待たずバスタブのある扉をあけて
彼は靴だけ履き棄てると服のまま中に入る。
ほんのりと淡い照明に白い霧の粒が浮き上がり湿った空気が身体を包む。
泡を立てる小さなプールのようなジャグジーバスに彼女を抱いたまま飛び込んだ。

「きゃっ!」
目を瞑っていた彼女はいきなりぬるい湯に身体を沈められて声を上げる。

かまわず彼は一角にある半身浴できる浅い腰掛ける場所に彼女を座らせると
張り付いた服を胸元から広げ2の腕まで一気にあらわにした。

唇をふさぎそのまま白い膨らみを揉みしだく。
舌で咥内を犯しながら
手際よく淡いオレンジの共布が濡れて朱にかわったベルトをはずした。
彼女の白い胸を隠す布は剥ぎ取り中途半端にはだかれた服が彼女の腕を拘束して
彼は艶かしい肌を久々に堪能する。
膨らみの先にある湯の湿度に鮮やかさを増した飾りを指で摘み摩り、
手の中で形を変える膨らみを思う存分弄ぶ。
「ぁっ…」
耐えられず彼女は首を仰け反りその白い喉元に魅せられ
彼は唇でつい強く吸い付いてしまった。
しかし今日の彼女は彼の行為をまったく拒否しない。
艦にいる時は人目を気にして跡をつける事を固く禁じたのに。

気をよくして彼は首筋から鎖骨から至る所に跡を残す。
そして片手を湯の中にある彼女の下腹部へと忍ばせた。
泡立つ中にある布は皮膚に張り付いてその部分の形をよけい指にかんじさせる。
ぬめりをもった布の横から指を差し入れると
そこは水の感触とは違う絡みつく粘液が迎え入れた。
彼は深く中指を突きたてゆっくりとかき乱す。
「――ぁっっ」
荒くなりつつある呼吸に掠れた声がまざる。
(善がる声が聞きたい。)
胸の飾りを軽く甘噛み、飾りを丹念に舌で嘗め回した。
「ぁっんんんっ
煽られて指の動きが荒くなる。
秘苑に沈む指は柔らかな肉壁にそって反りだしてくるボタンを親指で摩る
「――んんっ――はぁっ」
背中を反らせくぐもった声で彼女は答える。
見ると唇を噛み、声を耐えているようにみえた。
飾りから唇をはなし耳元で彼は囁く。
「ここには俺しかいないよ。」
そうして頬から啄ばむようにキスをして唇へたどりつくと
彼女の唇を舌でこじ開けた。
彼女は拒むことなく自らの舌を彼に絡める。
(本当に今日は積極的だな)
あまりに素直な反応に今までの事が嘘みたいに思える。
彼は胸と秘苑の愛撫は忘れずに長く深いキスを交わす。
合わす隙間から彼女の甘い声が漏れた。

彼女が彼の張り付いたセーターの下から恐る恐る彼の肌に触ってくる。
筋肉の形を確かめるように細い指が脇から胸へ。
またも彼女らしからぬ行為に彼は胸が躍る。
だがそれ以上になると動きがにぶった。
よくよく見ると彼女の肘の辺りまでさらけだした服は
腕を縛り付けていたようでうまく動かせない。
彼は気がつきあわててようやく彼女の身体にまとわりつく服を脱がせた。

濡れた服をバスから投げ捨て白いシナヤカナ身体に沢山のキスを落とす。
(すっげー嬉しい)彼女が求めてくれる事に有頂天になった。
そして唇をそのまま下腹部に滑らす。
ジャグジーの細かな泡が彼女のビロードの肌触りに余計拍車をかけた。

片方の腕で彼女の膝を折り抱え柔肌に舌を這わし存分に味わうと
彼は大きく息を吸い込みそのまま泡の中に頭を沈める。
彼女の秘苑に達すると舌を窪みに沿わせ息を吹き込んだ。
「――ぁあっ――」
それでなくても敏感になっている彼女の秘部は卑猥に蠢く柔らかな舌の感触に
悦楽を引き出される。
尖った舌が彼女の秘苑をなぞり深く潜んでいたスイッチを吸いだしていく。

濡れる金色の髪をかき抱きしばらく彼女はその波に飲まれていたが
あまりに長い間水の中で蠢く舌にふと快楽より心配が先立った。
「ディアッカ…ディア」
彼女が彼の頭を持ち上げようとすると彼はしょうがなくといった感じで
水面から顔を上げる。

ほっとした彼女の前で軽く首を振る彼の前髪が
泡をはじいて光の粒がいくつも飛ぶのが見えた。
(綺麗…)うっとりと彼女は彼に見惚れ
今まで自分を官能に引き込み続けた唇に奥底に潜んだ雌が疼く。
前髪を両手で撫で上げる様が色っぽい。

彼女はぎこちなく彼のセーターをまくしあげ脇に手をはべらす。
彼は彼女の意を察し重くなったセーターを脱ぎ捨てた。
あらわになった霧の中に浮かび上がる褐色の肌は艶をおびて
若く精悍な体つきをよけい官能的にみせる。

自分とは違う筋肉のついた身体に彼女は自分からキスをした。
彼の乳首を唇に含みその周りに舌を這わす。
細い指で濡れた彼のベルトをはずし
ぼたんをはずしてジップを下げた。
彼の下肢そのままの形に水の中で布は張り付いている。
「自分でぬぐよ」彼は彼女の手をやんわり避けて水のなかで脱いだ。
彼女は深く息を吸って勇気を溜める。
(こんな風にせがむのはもう2度とできないから)

脱ぎ捨てた彼が彼女を腕に抱きかかえると
彼の耳元に唇を寄せて掠れた声で彼女は囁いた。
「…もう…きて」

彼が息を詰める。
少し訝しげに彼女を見るのが判った。
彼女は構わず彼の唇に自分の唇を重ねる。
自ら舌を差し出し彼を誘った。

彼はその誘惑に勝てず首に巻きついた非力な腕の彼女の上に覆いかぶさると
己の楔を彼女にあてがい一気に深く貫いた。
「ぁあっ――…」
湯であたたまった彼女の中は暖かくそしていつもよりねっとりと絡みつくように感じる。
水面ぎりぎりの位置まで彼女の身体を引き上げ湯の抵抗がなくなると
彼女も腰をゆらりと動かす。

一度箍がはずれればあとは彼の思い通りにしかできない。
深く貫いた楔をまたぎりぎりまで引き抜き深くを繰り返す。
抽挿するほかに角度を変えグラインドさせた。
「あっ…ぁ…はぁっ…ああ!」
いつにもましてせつない彼女の喘ぎ声が霧深い室内に響く。

その声に彼はよけい煽られて腰の動きを早めた。
合い反する動きは余計淫棒に絡む肉壁の柔らかな締め付けとなり彼を追い詰める。
彼は自分のペースを取り戻す為もっと律動を早めた。
彼女が先にいってしまえばもう一度ゆっくりと愛撫しながら味わえると。

「ぁあっ…ディ…ァ…ぁっん――」
突き上げる角度をある一点に絞る。
何度も重ねてきた行為に彼女の上り詰めるポイントを彼は知っていた。
深く突き刺し擦れる度に弱く脆い部分が愉悦を高める。
「――も…だ…め…――ぁっ…」

一際甲高く鳴くと埋め込んだ場所がきゅうきゅうに彼を締め付る。
そしてぬるい湯とは違った生暖かな感触が彼自身包んだ。
律動を緩めゆっくりとしていくと彼女の身体が水の中に脱力してゆらゆらと浮かぶ。
艦にいた時は声を殺して、人前で隠していた全てをされけだしたように
彼女は快楽に心を投げ出して彼を全身で欲し、今自分の腕の中で悦楽を噛み占めている。

(やっと手に入れた。)
彼女は心に潜む男の影に彼との繋がりにはいつもセーブをかけていた。
全てさらけ出す事があまりなかった彼女に
彼の中でただ傷を舐めるだけだった気持ちに物足りなさを混ぜていく。
悦楽の頂点に達した時だけ空白になる心に
自分だけを住まわせたいと願うようになったのはいつからだろう。
自分がこんな感情を持つなんて。
だけどこんなに自分を欲してくれるならそれで十分だ。
白い肌をはむように彼女の胸をまんべんなく愛撫して
してやったりと彼はほくそ笑む。

がふと心の中に引っかかる何かに気がつく。
(らしくない。)彼が好きな彼女の性格に反する行動が彼に不安要素を感じさせた。
(何かあるのか?)
いや何もない。そう思い込んで腰の動きをゆるりと再開する。

ピクりと彼女の身体も反応する。過敏になった部分にまた愉悦を送り込まれ
目を瞑り切なげに睫を震わせて彼の動きに苦しそうに嬌声を零す。
ほどなく彼は背中に腕を回し力が抜けた体を抱きかかえ膝の上に座らせた。
彼を咥えこむそこに思い切り楔を突き刺す。
湧き上がる不安を全て打ち消すように意識を集中させ律動を早め彼は熱を吐き出した。
背にしがみ付く指が永遠であるようにと願いながら。



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次を書く為読んでてへんてこなので多少修正。
次はベットでねっとり編。


(H15.11.5)(11.14修正)


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