LOST CHILD

ブランドたまソフト 発売日2006.3.24
初回限定版8800円 
ハードPC ディスク数DVD1枚
OSWin98/2000/XP ジャンルACADG
原画長浜めぐみ
凪良
 シナリオ枯草純
音楽細井聡
埼玉最終兵器
kt2
 
音声フルボイス ボーカル曲あり

ストーリー
「レイリア……名を語るにもおぞましいが、我々を新たな高みへと導くのは彼等以外にありえん」

その男、草薙幹夫は呟くようにそう語る。

・地方都市南甲。
7年前、後に「大災害」と呼ばれる大地震によって多くの犠牲者と共に壊滅したこの街は、巨大企業クサナギの包括的復興処置により、 僅か2年で奇跡的な復興を遂げる。
以後、事実上クサナギの支配下で急速に近代的な発展を続ける南甲にかつての面影はなく、雲に届かんばかりに高く聳え立つクサナギ本社ビルが、この街の象徴として鎮座していた。
「大災害」直後の南甲には、低温化現象や地震など、その他様々な異変が起こり続けていたが、最も顕著にその異様性を現していたのが、局地的な低気圧である。大災害後の南甲には幾層にも重なる雨雲が常に停滞し、絶え間なく雨を降り注ぎ決して止む事は無かった。
諸々の異変が落ち着き、7年を過ぎた今でさえ雨は降り止むことを知らない。
それはまるで、この街の有り様に嘆き悲しむ涙のようにも思えた。
その狼狽を聞きながらも、この街は新たなる変化を求め、その姿を徐々に変えていくこととなる。

そして、西暦2024年。
この街は新たな脅威に遭遇する。マガツカミと呼ばれる正体不明の存在、人のなせる業か、あるいは猛獣の類か、夜な夜な頻発する殺人事件は人々を恐怖に震撼させていた。まるでヒトの原型をとどめおらず、喰い散らかしたかのような惨殺死体と、殺人現場に残された奇妙な痕跡、そしてその現場を目撃したという証言。
あるものは「空を飛ぶ化け物」と称し、またあるものは「大男のような人間」と言った。そのどれもが現実味を帯びておらず、それらの事件解決の糸口を掴むものでも無い。ただ怪しげな噂だけが人々の間を駆け抜けていった。

物語の主人公、時任将路はこの街で平凡な生活を送っていた。この街に住んで生活をしているという以外に特別これといった特徴もない学生だ。 降り止まぬ雨が変わらないように彼の人生も変らず続いていくように見えたが、ある日の夕刻それは根底から変化していくのであった。 全くの偶然から、マガツカミと遭遇し襲われる将路。あわや殺されるというところを、謎の少女の登場によりその命を救われるが、同時に「自らを生かすため」と、バインドという契約行為を結ばされる。その瞬間、彼らの命は一体化し、アーミット・ケルベルスとして再生する。
真紅の光を、まるでローブのように纏った漆黒の身体と、巨大な左腕、仰々しい爪が化け物達を屠りながら次々と殲滅させた。
獣を思わせる身のこなしで降り立ち、闇の中に劈く程の雄たけびを轟かせた。
それは新たな命の産声……そして、永遠に続く慟哭だった。

金色の瞳を持つ少女「藍」。彼女と否応なしにバインドさせられた将路は、日常が刻々とひび割れていくことを実感していく。
レイリアという、限りなく人間に近い姿を模しながらも人間ではない存在と、異形化する彼の左腕。
飛躍的に向上した心肺能力・聴力・視力。頭を締めつけられるような頭痛、たびたび耳を襲う幻聴、不可解な夢……。
そして、夜な夜な繰り返される怪物との戦い。

そして、将路達の日常は誰しも予想をしなかった形で崩壊していくのだった。
絡み合う陰謀と思惑の河に流されながら、将路と藍は死と罪に彩られた路を歩み続けざるをえなくなる。
失い、傷つき果てた末に、2人は縛された運命を切り離すことが出来るのか……?

キャラクター名私的お気に入り度声優属性
時任将路■■■■■■■■ 8/10鈴村健一 主人公・正統派
■■■■■■ 6/10生天目仁美 綾波系
小崎秀克■■■■■■ 6/10諏訪部順一強気・無愛想
小崎由良■■■■■■■■ 9/10神田理江正統派
■■■■■■ 7/10折笠愛美人
真島颱斗■■■■■■ 7/10檜山修之熱血・友人
■■■■■■ 7/10伊藤静強気・ショート
安藤文弥■■■ 3/10甲斐田ゆき ショタ
安藤霧子■■■■■ 5/10伊藤美紀無口
大野清■■ 2/10山崎たくみ 眼鏡・敵
■■■■■■■■ 9/10緑川光漢・正統派
■■■■■■■■ 9/10こおろぎさとみロリ
草薙幹夫■■■■■ 5/10中田譲治紳士・敵
時任桃子■■■■■■ 7/10深井春花母親
玉城陽子■■■■■■ 7/10海原エレナ眼鏡っ娘・教師・女医

主要搭載システム
BGM及びボーカル曲
●オートメッセージ
●スキップ(既読判定あり)
●バックログ
●バックログ中の音声
●クイックセーブ
●サブエピソード(クリアー後)
●CG鑑賞
●シーン鑑賞
●バトル回想
●BGM約70曲
●OP歌
 魂の慟哭
 MW
●ED歌
 月の眼の少年
 MW
●挿入歌
 この世の果て
 MW
●挿入歌
 百の想い
 MW
雑感
個人的名曲
 修正ファイルは必ず当てましょう。色々機能が追加されています。クリアー後に出されて泣きたくなりました。

 オートメッセージ中に音声が飛ばされるのがとても悲しかったのですが、これは修正ファイルが出て改善されたらしいです。
 全体的に使い難い印象がありました。右クリックでメニューを出すのが面倒です。前作のように画面上にメニューを出しておいて欲しかったところ。と言うか前と同じで良かったのに……。
 また、音楽が良いだけに音楽鑑賞モードが無かったのは大変残念。サントラ販売を見込んでのことでしょうけど……。
 音楽鑑賞モードが無いので曲名と曲数が分かりません。ですが、かなり音楽は良いです。躍動感溢れるロックでクールな曲ばかり。また、ボーカル曲も格好良いです。

●魂の慟哭
もしらば
(C)たまソフト
変身してヒーローになれ!
あれから4年


 このゲームもなぁ……。

 と言うことでロストチャイルド略してロスチャでございます。世界ノ全テが割と好きだったので、このゲームには期待していたんですよ。パッと見た感じでは世界観がサイバーパンク調で、前作とはまったく違う印象だったにもかかわらず、期待させるだけのパワーがあの頃のたまソフトにはあったんです。これがロストチャイルドの製作が発表された2003年の話。
 ところが、2004年8月19日に同年10月29日の発売が決定したかと思うと同10月13日には早々と延期が決定。続いて次の延期告知が同年12月1日に。発売予定だった2005年春は何事も無く過ぎ去り暫らく時が流れます。そして開発陣が逃げたのかと噂がたち始めた2005年11月25日、2006年3月24日の発売がようやく決定……と言うか最早誰も期日通りの発売なんて信じていないわけです

「今回もどうせ延期だろ」

 誰もがそう思った2006年、ついに奇跡が起こる。2年の時を経て3月24日、ロストチャイルドはついに発売されたのだ!


ヒーローになりたかった人達へ


 開始前メニュー画面の時点で既に、このゲームは美少女ゲーム度0と言う雰囲気を醸し出しております。サイバーな画面にパンクでロックな音楽が凄まじく格好良く、厭が応にもテンションが高まるのが感じられ、OPムービーでそれは最高潮に。このアニメーションムービーがまた格好良い。初っ端からバトルスーツに身を包んだ連中が出てきて、スーパーメトロイドの様相を呈し始めます。歌もやはり凄まじい。最早自分がギャルゲーを買ったかどうかも疑わしく思えてくるパワーを秘めたOPだと思います。

 キャラクター。ややクセがある絵なのですが、基本的には素直に可愛かったり美人に見えます。ただ、レイリアの顔が怖く感じなくもない。特にメインヒロインの藍。わざとなんでしょうけどもね。性格は各キャラ立っていたと思いますが、「ヒーローになりたかった人達へ」とキャッチコピーを打っている割には主人公がいまいちピリッとせずにヒーローには見えませんでした。

 ボイス。主人公も含め男性キャラにもボイスが付いています。そのどれもが秀逸。男性ボイスが良いと思えるのは久々です(特に柘植/笑)。勿論、ヒロインの声も良いですよ。特に藍。無愛想な最初の頃と成長して感情が現れていく後半のギャップを少しずつ表せています。

 グラフィック。背景は草薙なので丁寧です。イベントCGの塗りは少し独特で全体的にぼかしがかかったような感じですが基本的に丁寧。枚数もパターンは含めなければ150枚近く。立ち絵もそこそこのパターンがあります。

 ゲーム性。一話ずつ進んでいき、一話終了毎に挿入歌とOPが流れる続き物アニメ方式。基本的にワンプレイで完結する一本道シナリオです。選択肢は難しくなく、特にエンディングに影響は無い気がします(少なくとも私はメインヒロインである藍ではなく由良寄りの選択をしましたが普通にエンディングを迎えました)。注目すべきは戦闘パート。戦闘行動と回避行動の二つのパターンを行うだけの至ってシンプルなもの。行動時にゲージが現れてゲージ内をメーターが動き始めます。ゲージ内の特定の部位でクリックあるいはキーを押下し、動いているメーターを止めることが出来れば成功し出来なければ失敗。これだけ。最初の内は良いのですが、後半になると最早作業でしかなくなり飽きてきます。難易度設定も出来るのですが、基本的にメーターの速度が速くなり止めなくてはならない範囲が狭くなることによって判定が厳しくなるだけ。もう一工夫欲しかったですね。

 演出。効果音は申し分ありませんが、画像効果は目立つような目新しいものはありませんでした。。ムービーは歌と合致したアニメーションをつくってきたので合格点を出せます。戦闘パートのキャラのカットインも格好良かったです。ただ、戦闘パートで3Dで表されているアーミットやマガツカミが2Dの通常パートの絵よりちゃちに感じられた様な気も。全部2Dでも良かったのではないかとも感じました。少し細かい注文ですけどね(^^;

 Hシーン。概して短いので実用性には堪えませんが、レイリアと人間の互いの存在を認め合う、確認し合うと言う意味が伝わってはくるので必要性はありましょう。萌え要素はあまりなく、特殊なシチュエーションもありません。また、陵辱系のシーンがほとんど無かったのは少し意外でした(一部あるのですが)。

 テキスト。思ったよりクセが無く読みやすい文章です。ギャグも笑えるところは笑えますし、シリアスに決めるところは決めます。戦闘などにおいて勢いが足りずに冷静すぎるきらいはあるのですが、キャラの感情描写についてはしっかり書けていると思います。ゲーム内時間もプレイ時間も長目ですが、何とか飽きさせない文章は及第点を与えて良いかと。

 シナリオ。本作には多くの人物が登場するのですが、これらの人物ほとんどにスポットを当てながらシナリオを進行させていったのは良かったと思います。ザッピングを駆使して視点を常に変え続けたので、主人公に感情移入出来なくなる点は問題でしたが、シナリオを楽しませると言う点においては成功しています。ただ、独自の世界観をつかっていることによって、ややもするとゲーム全体が世界観の説明に終始している感もありました。もう少し主人公を中心としたバランスをとってプレイヤーをただの「読み手」にしない工夫が必要だったかもしれません。また、構造が大掛かり過ぎて消化し切れていない部分もありました。シナリオを読ませたいであろうゲームでこれは頂けない。近未来世界に哲学を持ち込んだ設定は面白かったですし、バトル主体で終わらなかったのも評価したいと思いますけれどもね。


総合得点■■■■■■ 70/100
おすすめ度■■■■■■  7/10
ボイス■■■■■■■■■■ 10/10
シナリオ■■■■■■■■  8/10
テキスト■■■■■■■■  8/10
キャラクター1■■■■■■  7/10
キャラクター2■■■■■■■■  8/10
音楽■■■■■■■■  8/10
演出■■■■■■■■  8/10
システム1■■■■■  5/10
システム2■■■■■■  7/10
Hシーン1  0/5
Hシーン2■■■■■■  3/5
グラフィック1■■■■■■■■  4/5
グラフィック2■■■■■■■■  4/5
孤独を背負う者たちへ


 本作のテーマは、孤独とその反意語である愛です。
 人間はお互いを完璧に分かり合うことは出来ません。価値観の相違は生まれて当然ですし、逆に全員が同じ思考回路を持っていたらこれ程不気味なことはありません。自分で考え行動し成長するからこそ人間は人間足りえるのです。その価値観が違いすぎて許せなくなってしまった時に喧嘩や戦争が起きるのです。
 しかし一方で、人間は自分が好意を持っている対象に対しては少しでもその人のことを知りたいと思うもの。完璧に理解することは不可能でも、少しでも相手のことを分かることが出来るように努力します。ここに「愛」があるのです。
 ロストチャイルドにおける人間とレイリアとの関係は、恐れながらも近付き離れ、離れては近付くと言うお互いを理解するために努力する過程そのものです。これは特別なことではありません。あらゆる人々が毎日毎日経験していることなのです。
 本作に登場する人物は様々な形で孤独を背負って生きています。しかしながら同時に、彼らは決して孤独ではありません。彼らの周りにはいつだって誰かがいるのです。そのことに気付き、愛を忘れなかった者が、南甲と言う何かが欠けた世界で生きることに終止符を打ち、真の現実世界に到達出来るのでしょう。

 我々人間は確かに一人です。しかし、絶望することはありません。一人であることこそ人間の証なのですから。もしそれを孤独と思った時は、ふと振り返ってみれば良いでしょう。いつだって我々は一人では無いことに気付くことが出来ます。傷ついても良い。人と触れ合おうと言う「愛」の欠片が心の中に残っているなら、我々は決して孤独ではありません。

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