レコンキスタ

 

コットンソフト
(C)コットンソフト




 ねこねこソフトが復活したので最新作「そらいろ」を買おうかなーと思ってゲーム屋に寄ったんですが、帰ってみると何故か一昨年の作品が手元に(汗)
 見た感じとして目的のソフトより面白そうだったのですから仕方ないですよね。これだからゲーム屋に行くのは怖いです。
 ちなみにパッケージはこんな感じ。

 

 伝奇系の臭いが漂うダークな構成ですね。こういうのは経験上、良作か地雷かどっちかのパターンです。
 まあ、コットンソフトは、ねこねこソフトのスタッフが作ったメーカーなので、後者はないと信じたいのですが。
 そんなわけで、2年前のゲームではありますが、レコンキスタのプレイ記を始めます。



第一回


 容量は1.78GB。多くも少なくもありません。
 少し進めましたが、どうやらOPムービーはないようです。
 このゲームの特徴になると思いますが、主人公が教師と生徒の2人いて、両方の視点を変えながら進めていくことになります。
 ただ、EVEや街のように任意のタイミングで視点を切り替えられるわけではありません。
 適当なタイミングで切り替え画面が出て、どちらの主人公で進めるかを選択するだけです。

 
 切り替え画面はこんな感じ。

 ここで片方を選択しても、その後でもう一方の話が始まるようなので、事実上視点切り替え画面はあまり意味がないかも。
 どうせならEver17のように、選択した片方の視点だけでルートが進行する方が面白い気もしますけどね。
 まあ、ザッピングをセールスポイントにしているわけではないので、これ以上文句をつけるつもりはありません。

 ゲームの舞台となるのは、過疎化が進む海上のニュータウンです。
 時代設定は現代よりやや未来といったところでしょうか。
 両主人公が通う学園を中心に活動することになりますが、私好みの閉鎖性の強そうな特殊ステージであります。
 過疎と聞くとダムに沈む村や合併が決まった高校など、田舎の風景を想像してしまいますが、ニュータウンというところが新鮮ですね。
 そんな街に出没する「首狩り女」を追う……というアンバランスなようでいながら微妙にマッチしている感覚がグッド。
 まだまだ序盤なんでゆったり進行していますが、少なくとも駄作にはならなそうな予感がします。



第二回


 進めていったらオープニングムービーありました。担当は神月社氏。
 いつも思うことですが、この人のムービーは綺麗でインパクトあるけど中身が空っぽだなぁ……と。
 どのゲームでもひたすらイベントCGを繋ぎ合わせてキャラクターの人物紹介に終始しております。
 歌や曲とカット割をバッチリ合わせるのは良いんですが、ひたすらCGを見せまくるだけで風情が無いんですよね。
 店頭デモじゃないんだから本編で出るCGを見せるだけではなく、ムービーにも独自の内容を持たせても罰は当たらないと思うのですが。
 まあムービー挿入のタイミングはかなり良かったです。ショッキングなシーンの直後に配置したのは演出的に正解だと思います。

 そんなわけで唐突ですがヒロインファーストインプレッションッ!


 ◆秋月暮葉……セーラー服の首狩り女

「この皮膚が損なわれようともこの身をもって私は神を仰ぎ見るであろう」とかいっていきなり首を刎ね始める女
 本作の最重要人物と思われますが、存在自体が超謎です。
 この世の生物なのか、はたまた亡霊なのか……ミステリアスな雰囲気がたまりません。
 ところで謎の文句はググってみたところ、聖書「ヨブ記」のクライマックスに出てくる一節なんだとか。
 タイトルもキリスト国家の再征服運動「レコンキスタ」(世界史の授業を思い出しますね)ですし、宗教絡みの内容になりそうな予感。
 宗教は使い方次第でゲームを良作にも駄作にもしますが、さて……。コットンソフトスタッフの腕並拝見といきましょう。


 ◆槙野もみじ……ロリ担当の愛娘

 人の家庭に首突っ込むのはあれですが、幾ら死んだからといって娘に嫁さんの名前付けるのはどうかと思いますが……。
 そんな倒錯した主人公の期待を一身に背負ったロリっ子です。勿論、18歳以上のはずです。
 まあ、Hシーンがあるかはかなり怪しいので、そっち方面は期待しない方が良いかもしれません。
 印象としては、素直で可愛くて北都南です。
 しかし、エロゲーで主人公が教師になるとロクなことにならないのは何でなんでしょうねぇ……。


 ◆羽鳥真帆子……ポンコツ幼なじみ

 ブランドが変わってもポンコツは健在でした。
 おっとり天然系幼なじみはアイデンティティみたいなものだから、今更なくすわけにはいきませんよね、はい。
 ていうか日和さんですよね、はい。


 ◆吉森麻咲……クラスメート兼隣人の元気っ子

 今のところ、元気っ子というイメージしかありません。
 一番存在感があるはずなのにあまりにテンプレ元気っ子過ぎて、さっぱり存在感がないという不遇な存在。
 パッケージ裏にエロCGがあるので、攻略対象ではあるようですが……。
 ん? その理論でいうと、もみじは攻略対象にならないのですが……。これってどういうこと?


 ◆春日井詩奈……ポンコツ大好き! ツンデレの後輩ちゃん

 水色の髪が異常ということを除けば、これまた良く分からん子です。
 ん? その理論でいうと、オレンジ髪の麻咲やピンク髪の真帆子の立場は……。これってどういうこと?<知らん


 そんな感じでヒロインは5人います。
 順番に首を狩られていく……というサバイバルな展開になるのか?
 はたまた犯人を追い詰めていくサスペンスな展開になるのか?
 どちらも外れでしょうが、一周目は無難なところで麻咲辺りから狙ってみましょうか。



第三回


 意外とあっさり暮葉の正体が分かってしまい興醒め……と思いきや

 

 思いっ切り癒されとる自分がここにいたりします(^^;
 最近流行(?)のクールデレってヤツですかね、これは。
 無表情な外見とは異なり、とかく優しい暮葉に男やもめの槙野がはまってしまうのも止むを得ないところでしょう。
 もう麻咲なんてどうでもいいです。
 わいは暮葉がおったらそれでええねんっ!

 ……と叫びつつ、

 

 娘と逆ソープごっこに耽る槙野に乾杯を捧げたいと思います。



第四回


 

 もみじをとるか、暮葉をとるか……それが問題だ……

 片方をとれば片方に待つのは、あるいは死。
 しかし、両方をとるわけにもいかず……。
 2人一緒じゃダメですか!?<懐かしのフレーズ

 しかし、どちらかを選べというのなら!
 涙を呑んでここはもみじをとらざるを得ないでしょう!
 そう、私には槙野のとるべき行動が手に取るように分かるのです。
 何故なら彼と同じく私も一児の父なのですから……。



第五回


 もみじエンド……を迎えることができたのですが……

 
 ぇええええええーっ!!

 エピローグに突入した辺りで、欠伸しながらエンターキー連打してたんですけど、飛び起きちゃいましたよ。
 一応グッドエンドっぽいけど、なんすかこれっ!?
 なんか銀色とか朱とはまったく違うタイプの怖さを感じます。
 こういうこと出来るスタッフがいたんですねぇ……。
 途中で犯人明かしちゃうので「ひぐらし」的な不気味さはないですが、こういうホラーもありですな。
 テンポも良いし面白いので、すぐ分岐でロードして暮葉エンド狙ってきます。



第六回


 

 ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

 ワシの真帆子に手を出すとは……マジ許すマジ……!
 こうなったらワシの自慢のサテライトキャノンでニュータウンもろとも木っ端微塵にしてくれるワ……!

 2周目、暮葉エンドを狙ったんですが、分岐の先がもみじベストエンドで、暮葉ルートではありませんでした。
 そこで続いて三沢ルート(OP後主人公2人でルートが分かれるようです)に入ったのですが、これが酷い。
 幼なじみの真帆子が攫われたかと思うと、そこで行われる悪逆非道の数々……犯人に殺意を覚えずにはいられません。
 この異常な犯人に対する怒りは3daysをプレイしたときに匹敵します。
 しかも、暴行を受けている合間に主人公との回想シーンを挟むものだからなおタチが悪い。
 いやー、中々きますわ。というかこれ絶対わざと嫌がらせしてますよね?
 プレイヤーの煽り方の上手さに感心してしまいましたよ。
 それにしても本当にサバイバルな展開になってしまうとは……。これ以上見るのは辛いけれど、進めなければ。




第七回


「皆殺しだ―っ!!!!
 どいつもこいつも
 ぶっ殺してやるーっ!!」


 チャーチャーチャー チャチャチャチャチャ チャーチャーチャ〜(<暴れん坊将軍のテーマでお楽しみ下さい)

 ……と、そんな感じでハラワタが煮えくり返っております。
 いやー、ホントにこりゃサテライトキャノンものです。
 何この悪意の塊は? 普通そこまでいきなり手の平返しますか?
 こうなった以上、最早誰もあてにすることは出来ません。

 

 この笑顔を守るため、僕は一体何が出来るのだろう……



第八回


 真帆子編クリアー。

 色々あったけれど、ハッピーエンドと信じたいです。
 最後の「おにいちゃん」は狙いすぎだしやると思ってたけど、あの笑顔を見る限りは 元通りということで。
 どうやら他の奴らも悔い改めたようで、何とかドドリアさん的な激情も収まってきました。
 終わりよければ……といったところでしょうか。

 それにしても、わざわざ年上にした意味あるんですかね?
 この設定なくたって十分やっていけるでしょうし、あまり役に立っていない気が。
 同学年だって「おにいちゃん」と呼ばせない理由にはなりますよ。
 せっかくの幼なじみなんだから、同い年の方がシンクロ率高いはず……とこれは私の根拠のない主張。
 年上だからこそ支えられるだけではなく支えたいという思いが強いという考え方も出来なくはないですが。

 それと話は変わりますが、やっぱりねこねこソフトは「アイテム」の使い方が上手いですね〜。
 銀色、みずいろ、朱……とこのメーカーはアイテムに強烈な思い入れを持たせることが好きでしたが、本作でも健在でした。
 こういうのはやはり幼なじみと絡ませると良く効きます。
 付き合いが長いからこそ、それと関係する物体にも思い入れが宿るわけで。分かってますね〜。

 次回は麻咲攻略予定。



第九回


 

 ギブ、ギブ! タップタップ!


 危険な光景ですが麻咲編クリアー。
 ノーマークだったんですが、意外と面白かったです。ちなみに槙野ルートです。
 御覧頂いてる麻咲も凄いといえば凄いのですが、それよりも牧師どれだけ超人なんだと。
 ひとりで街を壊滅に追い込むとかアンタはゴルゴ13ですか?
 アルカイダもびっくりの超一級のテロリストですわ。恐れ入りました。

 で感想なんですが、恋愛ストーリーとして見るとかなり無理があると言わざるを得ないでしょう。
 2週間前に会ったばかりで、一日にそう長い時間接しない相手にそこまで夢中になれるのは明らかにおかしいです。
 途中で死んだ奥さんである紅葉との昔話が出てきたり、流れは結構面白いんですよ。
 槙野の本が麻咲に影響を与えているというのも、紅葉の回想シーンから良い感じで繋がっていると思います。
 でも、それだけで槙野×麻咲というカップリング成立に持っていくには弱い
 それに麻咲のトラウマを解消出来るほど槙野は役に立っていません
 どうせなら槙野が作者であることを麻咲が知っていたという設定にすべきだったでしょうね。
 それならリアルタイムでは役立たずでも、過去の実績で、麻咲に無条件の好意を寄せられていることに納得出来ますので。

 そんな感じで苦言を呈しつつも、期待以上には面白かったので良しとします。
 次回、詩奈攻略予定。



第十回


 詩奈編クリアー。

 し、信也せんぱぁああーいっ!?

 槙野とは対称的に大活躍の信也でしたが、壮絶なラストに全米が泣きました。
 どんなラストかって? 一言で言うなればメガザルでしょうか。
 真帆子編とはまた別の形のエンディングですが、これはこれで格好良いのでカタルシスを得る人も多そうです。
 途中まであまりにグダグダな展開だったのでどうしようかと思いましたよ。
 普通、敵と同居しますか? 辻褄合わせのためとはいえ、緊迫感がなさすぎます。
 それとこれは別問題ですが、誤字脱字の嵐は何とかして欲しかったですね。テキストとボイスが一致しないこともしばしばでしたし。
 他のシナリオは特に目立たなかったので、詩奈編だけ校正が間に合わなかったってことかしら。

 そして今回、狂気の極みに達したサイコ牧師。彼を見ているとこの人を思い出します。

 

 懐かしの毒電波男月島兄。もう彼もすっかり過去の人ですね。

 さて、これで主なヒロインはクリアーしたわけですが、実はこれは序章に過ぎなかったようで、第2章が出現しました。
 ここまでプレイ時間は、前半の共通ルートをスキップして一人頭6時間前後というところ。
 つまり25時間は楽に越えているわけで。これからまた何か始まるのか……な、長い。
 しかも、チャプターセレクトの画面を見ると2章の下にまだ空白があるし……。
 というわけで、プレイ記はまだまだ続きます。



第十一回


 2章クリアー。

 この章は上月や牧師の過去編でした。
 詩奈編でハァハァしてる牧師を見て「コイツ完全に狂ってる」と思ってたんですが、過去編を見て納得。
 こんな妹がいたらサイコにもなるわ……
 もう可愛いわエロいわで。ここまでどれもHシーンは無きに等しいものでしたが、妹だけは及第点。


 兄「ただいまー」

 妹「おかえりなさい、兄さん。夕飯を作って待ってました」

 兄「いつもありがとう」

 妹「いいえ。私は兄さんが元気で頑張ってもらえるように、やれることをやっているだけです……(ぽっ)」

 兄「ハハハ、僕は良い妹を持ったなあ。そうだ。今日はそんなお前にプレゼントを買ってきたんだよ」

 妹「えっ本当!? お兄ちゃん大好き! ペロペロペロクチュクチュクチュ


 ……って感じでギャップが酷いことになってますが、まあこの辺は何でもアリかなと。
 特に目新しい発見はなかったし、特段面白い内容でもありませんでしたが、妹だけは見れて良かったです。
 ということで、恐らく最終章であろう第3章が現れたので、早速プレイしようと思います。



最終回


 3章クリアー。これでコンプリートです。

 なんというジジイゲー
 サブキャラだったはずの爺さんが完全に2人の主人公を食ってしまっています。
 まあ3章も2章に引き続きジジイと牧師が主人公なので、事実上このゲームは主人公4人体制なんでしょうね。
 4章もストーリーの流れは基本的に同じなのに、視点を変えるだけでここまで飽きないものになるとはちょっと意外でした。


 総評

 死者復活の儀式を通して、死生観を表現しようとしているゲーム。
 最終的に本編では「魂は心の中に生きる」といって復活を否定しているように見えます。
 しかしそれでは当たり前すぎるし、ちょっとやり方が中途半端かなと。
 反魂の法のように条件付ならそう思えるかもしれませんが、条件なしのザオリクが使えるなら皆使うんじゃないかなあ。
 それに復活した人間側から否定的なコメントがなかったのも気になります。
 そうです。実はこのゲーム、復活の是非については留保しているのです。
 本編中、何かを取り戻すためなら人間何だってやるんだという狂気の場面が何度も現れました。
 牧師だけではありません。麻咲・真帆子・詩奈……この3人は牧師に勝るとも劣らない狂気を見せています。
 加えて、もみじは「魂は心の中に生きる」と言っていますが、3名はそれに同意しているわけではないのです。
 これは死者の復活と人間の奥底に潜む狂気を暗に肯定していることを示しています。
 作中では反魂樹は燃やされてしまいましたが、このような事件が今後も起こらないとは限りません。
 何故なら人間の狂気もまた延々と受け継がれていくからです。
 魂と共に人の心の中に……。




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