今はそっとしておいて。
今のあたしは、ヒビの入ったガラス玉。















    華〜触らないで、あたしの心に。〜













急に、ガラリと教室のドアが開いた。
ビクッとあたし達は反応して、ドアの方を見る。
「あ・・・・」
、こんな所にいたんか・・・」
息をきらした忍足が、そこにはいた。
なんでここがばれたのか、そればかりあたしは考えていた。
「・・・なんで鳳がいるんや?」
「えっと・・・・。」
床に座るあたしとオオトリ君の所まで忍足はやってきた。
あたしは顔を上げる事ができなくて、真下を見る。
オオトリ君は忍足に目をやったり、俯くあたしを気にしたり。
困ったようにあたしと忍足との間でオロオロする。
「質問に答えや、鳳。」
「・・・・忍足には関係ない。」
手をグッと握って、振り絞って出た言葉は忍足を拒絶するモノだった。
「せやかて、お前等初対面やろ?」
「・・・・だから?」
「だからて・・・?」
忍足が屈んであたしの顔を覗きこもうとする。
伸びてきた手を、あたしは咄嗟にはたく。
「っ!?」
「・・・・さわん、ないでっ!」
「・・・・・・忍足先輩。」
「・・なんや」
「先輩達に何があったか俺はわかりませんが、今の所はそっと
しておいてあげた方がいいと思います・・・。」
「・・・・・そーやな。」
「すいません。俺なんかがでしゃばっちゃって・・・。」
「いや、鳳があってるわ。今は。」
「・・・すいません。」
「・・・・・・鳳。」
「はい?」
の事、頼んでもえぇか?」
「はい・・・。」
「・・・、悪かったわ・・・・。先教室戻ってるで?」
「・・・・・・」
そう言って、忍足は教室から出て行った。
それと同時に、授業終了のチャイムが鳴る。
「・・・・お昼ですね。」
時計を見てオオトリ君が言った。
「お昼ご飯にしましょうか?」
「・・・・・・・うん。」
それしか言えなかった。
あたしの事庇ってくれた彼に、
本当は今お礼を言わなきゃいけないはず。
でも何も言えない。
言葉がでない。
今何か言おうとすれば、泣き言しかでなさそうで、
そうすればまたあたしは泣いてしまう。
もうこれ以上、オオトリ君に迷惑かけられない・・・。
「お昼買ってきますから、ここにいてください。」
「あ、お金・・・。」
「いいですよ。奢らせて下さい。」
「・・・ごめんね、ありがとう。」
「いいえ。」
オオトリ君は、静かにドアを閉めた。
誰もいない空間に、1人残される。
本当は教室に行けばお弁当がある。
でも教室に行けば、忍足に会うっていう事で・・・・。
今は何も話せそうにない。
自業自得のはずなのに、誰かの所為にしなきゃ生きていけない
自分に嫌気がさす。












体育座りをして顔を埋める。
開いた窓からはささやかに風を流し、カーテンがなびく。
独りにしてほしい思いと、独りにしないでという気持ちが入り
混じる。
なんともいえない空間。
作ったのは自分。
それが余計に悲しくなる。
さらに身体をちぢこませた時、教室のドアが開いた。











「オオトリ君・・・・?」
「・・・・・・・よぉ。」




  


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どこまで続くのこの華は・・・・。
聞くなって感じですよね。
でも長太郎がでてきたっていうことは終りに近づいてるってこ
となんです。
ちゃんが長太郎の事を『オオトリ君』と呼んでいるのは、
『鳳』という漢字がわからないから。
2005.1.9 片桐茜



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