次の日の朝、学校に着くと校門の前で目を腫らしたに会った。 華〜決意〜 「....よぅ。」 「......おはよう。」 「「....」」 沈黙が流れた。 お互い言いたい事があっても言えずに、ただ俯いたまま。 「あの、さ。」 沈黙をやぶったのはあいつの方で、俺の目をまっすぐみて言った。 「と、付き合うんだって?」 「.....」 「昨日、嬉しそうに報告されたから。...で、あんたに言っておきたいことがあるの。」 悲しそうな目で、俺に何を訴えかけるのか。 俺に、どうしろというのか。 「....大事に、してやって。」 「..は?」 「跡部になら、任せられるから。この2年間で、見た目とか噂とは全然違う人だってこと、ちゃんとわかったから。」 この2年間。 あいつが俺のことを外見じゃなく、ちゃんと中身を見てくれていたように、俺だってお前の事をみていたし、他の女とはまたちがう気持ちで、みていたのに....。 全然この気持ちは、お前まで届いていなかったのか...? 「それじゃ、朝練頑張ってね。」 行ってしまおうとしているの腕を俺は無意識の内に掴んでいた。 「....なに?」 「...そんな事言うためにわざわざ待ってたのかよ。」 「そう、だけど。」 「..他に言う事ねぇのかよ。」 「他に、って...。」 「本当に、お前はいいのかよ...」 「なに、が。」 「俺が、と付き合っていいのかよ?」 この言葉を言った瞬間、が泣くのかと思うような表情をした。 掴んでいた腕に力がこもって、俺の手が振り払われる。 「あたしには、関係ない!」 俯いて、俺の目をみないで少し涙声で言う。 「が、決めた事だから...。」 俺が掴んでいたところをもう一方の手で擦る。 そんなに強く掴んだつもりはなかったが、の腕には薄く痕が残っていた。 「跡部が....決めたことだからっ...!!」 言った瞬間俺の顔をみて、本当につらそうに、悲しそうに、俺をみたは校舎の方へと走っていった。 追いつこうと思えば、追いつけた。 掴んでいようと思えば、掴んでいられた。 言い返そうと思えば、何だって言い返せた...。 それでも何もしなかった俺は、何を考えていたのだろうか。 俺はに、何を言わせたかったのか。 “跡部が....決めたことだからっ...!!” 俺が、決めた事...? あいつが、にどういう言葉で報告されたのかはわからない。 でもそれであいつはあいつなりの答えをだして、今日わざわざ校門の前で待っていたんだ。 妹を、大事にしろと。 好きでもない奴を、俺は大事にすることができるのか。 だが、に、大事にしろと言われたのだから......。 俺にとって、大事な、大切な奴に言われたのだから....! 大事にしてみよう。 俺の、精一杯の気持ちで....。 ← 華 → ---------------------------------------------------------- 短い・・・?ってかいいかげん終わる兆しをみせましょうよ! 自分!なんかダラダラと長続きしちゃってますよ〜(泣) ということで、もうちょっとだけ続きます!(たぶん) お付き合いください☆ 2005.12.5 片桐茜 |