虎王くんは私の腰を抱いたままで少し前に進んだ。すぐ後ろはベッドなので私は行き詰まり腰を掛ける体勢になる。私の腕を首からぶら下げたまま、腰を持たれて軽々と身体が浮く。そのまま後ろへと運ばれる。 横たわるのに十分な位置へくると上から覆い被さってきた。でもまだジーンズは履いたままだ。自分1人で裸なのを痛感させられていたたまれなくなる。こんなに恥ずかしい思いをしたのは初めてじゃないだろうか。 肘で上半身の体重を支え、唇は私の首筋を這う。右手がまた胸を掴んでやわやわと揉みしだく。 「ぅ‥‥ん‥」 背中に手を回してもちょうど肩幅の一番広いところで回りきらない。それよりも二の腕に触れてそのクッキリとした筋肉に痺れる。肩の付け根から大きく盛り上がった筋肉は、肘の手前でいったん締まる。そのまま沿って動かせばまた肘より先に硬い筋肉が付いている。 このごつごつした腕が堪らなかった。私も力こぶが出ちゃうと心配していたけど、そんなのはやっぱり所詮女のものだと鼻で笑われている気がする。けれどそれがなんとも心地いい。 首から唇は少しずつ移動してくる。鎖骨を舐め、胸の頂点にたどり着いた。 先端を口に含まれ、身体が弓ぞりになった。 「ぁんっ‥」 片方は鷲掴みにされ荒っぽく揉まれ、もう片方は繊細に丁寧に舌がその形をなぞる。 両方からくる違う刺激に身体は震えっぱなしだ。 「ひく‥っ‥、あ‥ん‥、ひっ‥う‥んんっ」 だっ、ダメ‥。胸だけでもどうにかなりそうなほどの刺激に思わず逃げ出したくなる。 体中で製造される熱を吐き出した息に乗せ、逃がす。それでも追いつかない分を頭を振って逃す。 それでもとうとう逃しきれなくなって、お願いする。 「やっ‥止め‥て‥、あんっ‥も、や‥」 「なんだ、止めて欲しいのか」 「ちっ‥違‥」 「そうだよなぁ、こんなに気持ちよさそうなのに、止めたら惜しいだろ」 「でっ‥でも、そこは‥も‥ヤ」 まだ手は先端を摘んでいて、ずっとくにくにと磨り潰されているのだ。もう堪らない。胸だけでこんなに感じるなんて思わなかった。 けれど私の足の間に入ってる虎王くんの足は、未だデニムの硬い生地に包まれたままだ。 興奮と勢いに任せて前のボタンを外そうと頑張ってみる。 すると虎王くんはそれにすぐに気が付いた。 「なんだ、俺の裸が見たいのか。も結構好きなんだな」 「そっ、そんなことない‥もん」 自分がもの凄い淫乱のように言われて、顔が一瞬で燃え上がった。恥ずかしくて消え入りたくなる。 「ふ〜ん、見たくないのか?」 他の女は見たがるぞ、と言いながら私を意地の悪い笑顔で見つめている。 ほんとにもう、意地悪なんだから。彼は私の反応で遊んでいるのだ。悔しいくらいに余裕がある。そして私の口から見たいと言わせたいのだ。 でも‥でも‥どんなにはしたないと思われても、ここで怯んだりしたら勿体ない。 「みっ見たい。見せて‥欲しい」 「素直だな。思ったことは口に出して言わないと損をするばかりだぞ」 それは‥今までの私の行動のことを言っているのだろうか。企画に行きたいと言え、真弓が嫌いだと言え、好きな男には好きと言え、と? 「特にこんなベッド上で恥ずかしがっていても仕方ないだろう。どうせやることは一つなんだ。自分がどうしたら一番気持ちいいかってのは言わないと男には分からないぞ。大抵の男は女が悦べば満足する。ま、そうじゃない男もいるが、自分だけがやったらいい奴とは別れた方が正解だな。性格が出てるからな」 セックスの仕方にすり替えられてしまったけど、彼の言葉は心に刺さる。でも痛い刺さり方ではなく、ツボを刺してくれて活性化する感じだから不思議。 次から頑張ろうと思えるのだ。 一講釈たれると膝立ちのままで苦戦したジーンズのボタンをあっさりとはずす。ファスナーを下ろして見えたのは、黒のビキニだった。 いったんベッドから降りてジーンズを脱いだ。下着のモデルのような身体に小さな布切れが一枚だけ張り付いて、セクシーすぎる。 そのままその一枚も脱ぎ捨てた。 股間にぶら下がる一物は凄く大きくてびっくりする。これだけのことをこなしてきて、まだぶら下がっていることにも驚きが隠せない。 ほんとにマジで19歳なの? 「そろそろ入れて欲しいか」 「うっ‥うん‥欲しい、あなた‥が、欲しい」 やるという項目には反応したのか、それとも自分でコントロールできるというのか、ようやく彼のモノは上を向きかける。ただ、大きさが変わらないところを見れば、さっきも多少は反応していたのだと分かって安堵した。 虎王くんは私の両足を割ってベッドに片膝を乗せた。素っ裸で両足を開いたらどうなるかなんて誰が考えたって結果は明らかで。思わず足を縮めて抵抗してしまった。両足を揃えて膝を曲げる。体操座りの形で上半身を寝かせたみたいになる。 それを見てニヤリとしたかと思ったら、膝に手を当て、真横に開かれた。 「やっやだっ」 突然そこが開かれて焦る。 「やだじゃないだろう。やろうってときに。開かないで入るならそれを俺に教えてくれ」 閉じようとしてしまう足から必死で力を抜く。どうやっても羞恥心というものが働いて難しい。 「ほら、自分で持て」 じっ自分で足を広げてそこを見せるの? そんな‥初めての人にそんなことしなきゃいけないの。おまけに外はまだ明るくて、窓のカーテンは開いたままで。虎王くんの目の前にそんなところまで晒さないといけないのだろうか。 泣きそうになって彼を見た。するとクイッと顎をしゃくった。それはちゃんしないと何もしてやらないぞ、って合図だった。 うっく‥。お願いする身としてはどんなに卑猥なポーズを晒しても、恥ずかしい目にあっても頑張るしかない。 虎王くんに開かれた足を自ら持って、一番はしたない姿になる。そこへ虎王くんは手を伸ばしてきた。 割れ目に沿って指を軽く滑らせると、その先の敏感なところまで到達する。 「あっ‥ああ‥‥く‥ふん‥」 それだけで中から蜜が溢れてくるのが分かる。先端まで触られて顎が仰け反った。 虎王くんは私が指一本で翻弄されていることなど何とも思ってないのか、片手でコンドームのパッケージを持つと口に銜えた。そしてそれをビッと噛みきる。中から出てきた薄いゴムを取り出すと、口に残ったパッケージをペッと吐き出した。そして片手で器用に装着してしまった‥。 私はそれを物欲しそうにパックリと口を開いて待っているのだ。なんていやらしいんだろう。こんなの自分じゃない、なんて頭の中ではその姿を拒否してみる。 けど、心の中では彼と一つになりたがってる自分もいる。 「行くぞ」 そう言われて頷いた。 先端が割れ目を撫でる。馴染ませるように‥。 少し焦らされて、それからゆっくりと侵入してきた。 受け入れるための準備は万端だったはずなのに、そこはまるで初めての子のようにメリッと裂けた気がした。 あまりの大きさに緊張する。こんなの動かされたら壊れてしまう‥。 怖さで一杯になって何もしてないのに息が上がる。もう‥一つになれたことだけでいい。 虎王くんはガチガチになったことが分かったのか、私を見ていつもの笑みを浮かべた。 「大丈夫、よかったって言わせてやる」 今までと打って変わって、凄く優しく言われて一気に緊張が解けた。 あの顔で優しくされたら誰でもふぬけになると思う。それくらいふにゃりとしてしまった。 そこへ奥まで収めたモノが引き抜かれ、最大の距離を取ると最奥まで突き進んだ。多少手加減してると分かっていても凄い。 なっ、なに‥、この衝撃。 断末魔の小動物のようなか細い悲鳴を上げてしまう。 その悲鳴を聞いても虎王くんは動きを止めない。ほどほどのスピードを保ったまま動き続ける。 奥まで収まった時には必ず声が上がってしまう。息は吸う間もなく吐き出してしまう。苦しい、息苦しくて、吸う回数を増やす。 けれどお腹側を擦られ続けて段々そこがよくなってきた。 ああっ、なんて言ったらいいんだろう。きゅ〜んって子宮が絞られるような、膣が勝手に動き出して細長くなるような、そんな変な感じなのに、それがイイのだ。 あの大きさで圧力が最大限掛かる。その圧力のままでいい所を擦られて感じないわけがない。 両手を着いて動いていた虎王くんは私の様子でいいと判断したのか、片手で一番敏感な部分を摘んできた。皮の上から力強く擦られて腰が引ける。 「ひっ‥イイっ‥あ、ああっ‥んん」 中からはどんどん蜜が溢れてくる。 頭がおかしくなるくらい悲鳴を上げた。でもそれはまだ準備でしかなく。 「これからが本番だ。行くぞ」 そう宣言すると本気で動き出した。 「あああっ‥はぁんんっ」 もう、大げさだと思っていたAV女優のような声しか出ない。本気でセックスしたらほんとにあんな声が出ちゃうんだ。演技だとばかり思っていてご免なさい。 大きいモノは子宮の入口までしっかり届く。 それが肉体が当たってようやく止まる勢いで攻めてくる。突出した部分は最奥まで刺激を運んでくれる。たまんない。こんなの食らったら他のセックスなんて子供の遊びに思えてしまう。 片手だときつかったのか、両手を着いたらその激しさはもっと増す。 そんなのダメ。もう耐えられない。こんな苦しくて喉が潰れそうになる刺激はきつすぎる。 ああっ、あああっ、も‥もう‥んんんっ。 どうかなりそう、と思ったときに虎王くんは再度敏感な所を摘んで擦った。 ひゅっ‥っと息を吸う音が頭に響き、一瞬身体が止まった気がした。 そのあと中からズズ〜ンと快感が爆発した。 重い、重いオーガズム。ビクビクなんてものじゃなく、ガクガク、ドクドク、といったらピッタリくる。 重低音の痺れが身体中に広がった。 もう‥死んじゃうかも。 自分のことで手一杯だったら虎王くんも中で弾けていた。 長い痙攣でもの凄い疲労がドッと身体を襲う。でもそれは単純に疲労というわけじゃなく、気持ちのいい満足感が伴う筋肉の弛緩。 自分の足も解放して、羞恥心も無くなって裸のままで両手両足投げ出した。 そこへ虎王くんが被さってくる。体重を肘に乗せてはいるがそれ以外は全部私にかかってくる。 こんなに重い。重くて大きくて抜け出せれない。それがあまりにも心地いい。 この男のものになったことが堪らなく気持ちいいのだ。 私の顔を見ながら髪を撫でる。本当に整った顔。この顔が間近に見れてそれだけで幸せなのに、こうして抱いてもらえて天まで昇りそう。 おまけにこんなセックスしてもらったら、一生忘れられないと思う。 「あの、ありがと」 「それは何に対しての礼だ」 「えと、抱いてくれて‥かな」 「それは礼を言う必要はないぞ。男なんてどっかで抜かないといられないからな」 でも虎王くんは無理に私なんて抱かなくても、若くて綺麗で可愛い子が回りにいっぱいいるのに。 自分をそこら辺にいる男と一緒にしている所が凄い。凄く自信過剰でナルシストでタカビーなのかと思っていたけど、そうじゃないんだろうか。 もう一度軽く口付けられて、本気でいつ死んでもいいと思ったのだった。 |