休日の過ごし方4

 このライブハウスはそこそこ大きくて、最大収容人数は200人。普段は折りたたみのイスが並んでるらしいけど、ヘビメタとかパンクとかのバンド演奏の時は何もない。ステージよりも少し下がっているホールにギッシリ詰め込まれる。その時の人数が200人らしい。
 そして今回は俺たちも頑張ってチケットを売ったかいがあって、満員御礼だった。

 ホールへはステージの両横と、一番後ろになる正面に1つある入り口と、3箇所しか入る所がない。ステージ横の入り口はホールと同じ高さだったが、後ろの入り口はホールより腰の位置くらい高かった。


 控え室から一番近い、ステージ横の入り口からホールへ入って人に紛れると、狼帝に追いつけなくなった。頭1つ分高い身長は見失うことはなかったけれど、上から見下ろされると人は道を空けてくれるので彼はドンドン進んでいく。並な身長の俺は断りを入れないと通らせてもらえないのだ。
 しかも前の方には中学の同窓生が沢山いた。みんなに呼び止められて、後ろへ行った狼帝の所まで中々辿り着けない。しまった、こんなことなら後ろの入り口から入ったらよかった。

 必死で追いついたときには演奏が始まるところだった。
 200人入ってるホールが暗くなり、ギュイーンとエレキの音が鳴り響いた。そして省吾が叫ぶように歌いだした。

 虎王先輩達は正面の入り口の真ん前にいた。妙に背が高い4人組でこんなに人がいても目立つ。ドアの真正面は踊り場になっていて手すりが付いており、その踊り場から左右両方ともが階段になっていた。

 先輩は人混みを避け、手すりから少しはみ出たコンクリに立ったまま腰掛けていた。人混みを避けてと言っても、通学電車よりはマシってくらいには混んでいたのだけれど。
 狼帝と鷹神はその両横に手すりにもたれて立ち、龍将は3人の前でリズムをとる。俺は龍将の横まで来ると狼帝の前に立った。狼帝は前を見つめ、俺と視線を合わさない。仕方なく俺も前を向いた。背中に狼帝の一部が触れるくらいそばにいるのに、とても遠くへ行った気がする。

 あらためてホールを見渡す。中学の同窓生は前を埋め、中くらいはバンドのファンと思われる人たちがいた。そして後ろの方はヘビメタが好きな人たちなんだろうか。皮のジャンパーやベストを着て真っ黒で決めた集団だった。

 省吾はヘビメタのバンドのボーカルであり、メインのギターなのだ。掠れた声はシャウトするのに格好良く、ギターはメチャクチャ上手い。どうしてそんなに早く指が動かせるのかと不思議なくらい早弾きが出来るのだ。何度かライブは見たけれど、やっぱりすごく格好いい。

 挨拶もなしに始まった演奏が一曲終わった。俺は狼帝が怒っていることを忘れ、その曲に興奮して片手を振り上げ、「省吾ーっ」と叫んでいた。


 すると背中からまた抱き締められた。でも今度は狼帝だって分かってる。省吾がバンドのメンバーを紹介しだして、少し静かになった所で狼帝は低い声で言った。

「そんなに省吾がいいのか」

 虎王先輩のように両手を重ねて抱くんじゃなくて、左手は脇を押さえ、右手は腰を抱く。左右に引き裂かれそうなくらいとても強く。
「なっ‥、だって狼帝だって省吾のバンド好きだって言ってたじゃないか」
 声の感じでまだ怒ってるのは分かるんだけど、顔が見れないことにはニッコリの技も使えない。

「一生懸命チケット売って、ライブには必ず顔出して、まるで追っかけみたいに省吾の後を追って、おまけにキスまでして。省吾に惚れてるみたいだぞ」
「キッ‥キスは違うけど、あとは友達なら当然のことをしただけだろ。だいたい狼帝にだって友達じゃないか。俺が知らない狼帝の好きな子まで知ってるんだから」
「ならキスしたのはどうしてだ」
「突然されたんだからしょうがないじゃん」
「省吾がキス魔だって分かってただろう」
「だっだけど‥」
「俺のキスは避けたくせに」
「だっ‥だって‥」
「冬哉はこっちでしか応えられないってことか」
 腰を抱いていた狼帝の手はズボンの中に入り込み、あっさりと俺のペニスを掴んだ。

「やっ‥ヤダって」
 何とかして逃げようと足掻いたけれど、狼帝の手がヤワヤワとペニスを揉みしだくと動けなくなる。また今日はストリート系のポケットが一杯付いたブカブカのズボンをはいていたので、狼帝が手を突っ込んでも余裕があったのだ。
「ヤダじゃないだろう。冬哉はキスよりもこれが好きなんだろう?」

 そんなに俺とキスしたかった‥のかな。それともそれはただの言いがかりってやつで、狼帝は虎王先輩のやったことがしたかったのだろうか。
 虎王先輩に映画館の前で公衆の面前でされたことを思い出したら、一瞬で身体が熱くなった。狼帝に掴まれている所も硬くなる。
「やっぱりそうか‥」
「ちっ違うって」
 狼帝の問いかけに身体で答えてしまって焦るが、前のことを思い出したなんて言ったらもっと好き者だと思われてしまう。

 勝手に納得した狼帝は残る左手でベルトを外しにかかった。俺は慌てて両手で押さえる。すると狼帝は龍将を呼んだ。
「なんだ、狼ちゃんってば一人で美味しそうなことして」
「冬哉の手が邪魔。素直になれないらしい」
「ふ〜ん、俺が押さえる? それともこっちがいい?」
 龍将は自分の腰にぶら下がっていたアクセサリー代わりの手錠を、俺の目の前でちらつかせた。

 腰の刺激で昂揚しているにも関わらず、さっと顔が青ざめる。思った通りにそれまで眠っていた虎が目覚めてしまった。
「冬哉は当然こっちが好きだよなあ」
 狼帝の左側にいた虎王先輩は、龍将から手錠を取ると俺の左手を掴む。

「先輩っ、そんなのしたくない」
 次の曲が始まって俺の声がかき消される。そして左手に手錠がかけられた。鷹神も俺たちの動きに気が付いてわざわざ狼帝の右側にやってきた。ベルトを押さえていた右手もとられ、背中側に回される。

「嫌だ、ヤダってば」
 逃げだそうとした俺と狼帝の間に隙間ができる。もちろんモノは掴まれたままだったけど。その隙間を通して右手が先輩に渡った。ついに俺は背中側で手錠によって拘束されてしまったのだった。

「これで冬哉も素直になれるだろ」
 先輩がそう言うと俺の前の龍将がベルトを外す。
「止めてっ。こんな所でイヤ」
「こんなになってるくせに何言ってるんだ」
 狼帝が俺自身を強く擦る。
 う‥ん。快感が走り、首が仰け反る。
 次に下を向いたときには俺のズボンとトランクスは足首に絡んでいた。

 ホールの中は凄い熱気で暑かったけど、お尻と股間がスースーする。前にも横にも手を伸ばせば簡単に触れる所に沢山の人がいるのに。俺はこんな所で下半身を剥き出しにしているのだ。
「や‥、お願いだから」
 泣きそうになって懇願しても誰の耳にも届かない。俺は狼帝に抱き締められて、前を扱かれて身体を震わすしかないのだ。

 そこからは流れ作業のようにして龍将に先っぽにゴムを付けられた。鷹神は俺の右足を持ち上げる。足首に絡んでいたズボンと下着が抜ける。ご丁寧に靴と靴下も取られてしまった。右足が終わると今度は左足だ。虎王先輩にやっぱり靴と靴下を取られる。ズボンと下着は龍将が拾って、後ろの手すりの根元に括られた。そこへ靴と靴下も揃えて置かれた。

「もうヤダ、どうしてこんな酷いことするの」
「酷いと思うならなぜこんなに元気なんだ?」
 狼帝がずっと擦ってるんだもん。萎えてなんていくわけないじゃないか。
 そう思ってもそれだけじゃないことは自分が一番よく分かってる。羞恥心は俺をよりいっそう煽るのだ。どうして誰かに見られたら死ぬほど恥ずかしいと思うのに、こんなに俺の下半身は興奮してしまうのか。頭と身体は別のものだって思い知らされてしまう。泣きたいくらいに恥ずかしいのに!


 3曲目に入ると同時に鷹神に右足を引き上げられた。膝で折り畳んだ足を胸の位置で抱えられる。こっ股間が丸見えになっちゃう。
 前にいる誰か一人でも振り返ったら全てを見られるような気がした。
 実際は真ん前には龍将が立っているし、こんなに近いと顔しか見えないのだけれど。それでも衆人の中で股間をさらけ出して興奮してる変態は俺しかいないのだ。

「冬哉‥、気持ちいいのか。どんどん硬くなっていくぞ」
 俺のモノを掴んでる狼帝にそう囁かれた。恥ずかしさが上回っているのに、そんなこと聞かれても困る。

「きっ気持ち良くなんか無い。恥ずかしくてどうかなりそう」
 片足で立つ俺の股間を龍将が触りだした。
「冬哉さんが一番気持ちのいいことしてあげるからね」

 最近の龍将は前立腺マッサージに凝っていた。中だけを刺激しても先から押し出されてくるのが面白くてしょうがないらしい。

「やっ‥止めて‥」
 身体を捩ってみるけど狼帝に抱き締められていてどうにもならない。龍将は指にジェルを付けると俺の下の口にも塗る。そしてそのままグッと押すと指はあっさりと俺の中に入ってきた。

「ぁんんっ‥」
 身体への衝撃はそんなにないけど、その行為をされた精神への衝撃が大きい。俺は奥歯を噛み締めて我慢する。
 ほぼ同時に鷹神も胸へ手を這わせてきた。もう既に尖っている所を摘まれる。

「‥っくぅ‥」
 鷹神は下から差し入れた手とは違う方の手で長Tシャツの裾を捲ろうとした。
「やだっ、や‥止め‥て」
 Tシャツの裾が腰までを覆っているので、まだ隠されている気がしているのに、胸までさらけ出されたら裸でいることを世間に証明しているようで。もう立っていられないほど恥ずかしさが襲うだろう。肘を使ってなんとかそれを阻止する。でも全神経をそちらへ向けるのは至難の業だ。だってこれだけ快感に晒されているのに‥。

 それを観察していた虎王先輩が俺のあごに手をかけて、無理やり左を向かされる。俺は足を広げながら少し斜めになる。
「冬哉は本当に気持ち良さそうな顔をする。みんなに見られるのがそんなに嬉しいのか」

 中に入り込んだ龍将の指に前立腺はコリコリと引っ掻かれていた。胸を摘んだ鷹神の指に乳首はクリクリと捏ね繰り回されていた。ペニスを掴んだ狼帝の手に俺のモノはシコシコと扱かれていた。
 しかもそれは全部いつ人に見られてもおかしくない場所でされているのだ。恥ずかしさで心臓が千切れそうになって、頭が沸騰しているのに、身体も思いっ切り興奮している。

「うっ‥嬉しい‥わけな‥い」
 俺の返事をニヤリとして聞くと虎王先輩は残る手で尻を撫で、後ろから俺の中に指を入れた。

「んっ‥や‥」
 龍将が前から中を弄り、先輩が後ろから中を弄る。2人が弄ると言うことは連動してない不規則な動きでよりいっそう昂ってしまう。

「あ、ああっ、ダッダメ‥イっちゃう‥」
 先輩に見られながら、俺はこんな場所でついに1回目を出してしまった。
 そう、この4人にかかってこんなイタズラ程度で済むわけがなく。
 俺はこれからどうなってしまうのかという不安と期待とでクラクラしながら、ゴムの中に液を吐き出していた。

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