快楽のいばら街道 8


スタッフ 「これで終了ですか?」
写真家 北岡 「ああ、今日の撮影はこれで終わりだ。聡もご苦労さん。今日は特にいい仕事が出来た。明日からは晴れてる限りは外で撮影する。お前らいつものように聡を洗ってやれ。以上」
 また俺はいつもの様に風呂で好き勝手される。もう勃つことはないと思える程搾り取られるのに、1日の欲求不満をぶつける様に吐き出してしまうのに、次の日になるとちゃんと勃ち上がって頂点を目指す。なんて俺のこの身体はいやらしいのだろうか。それでも羞恥心がなくなる訳じゃない。外はもう勘弁して欲しかった。
写真家 北岡 「今日も外だ」
 なのに北岡さんは平然と言い放つと外へ出て行く。初めはいろんな所で拘束されてることが多かったが、そのうち普通のポーズを要求してくるようになってきた。あのきつい攻めは変わらないままに自力でポーズを保つ。これほど難しいことはなかった。そして上手くいかないと何度でも撮り直しをさせられた。
スタッフ 「今日もすごいですね。恥ずかしくないんですか? そんなに先っぽ濡らしちゃって」
 恥ずかしいに決まっている! それに快感を追いながらポーズを自ら取らなくては成らないのがものすごく辛い。同じ辛さなら拘束されているほうがより激しい快感だけを感じる事が出来る分イイ。嫌なのにどこか心の奥深いところで望んでしまう。
写真家 北岡 「聡、何遍も同じことを言わすな。苦しそうな顔してどうする! もっと力を抜け」
 いつも北岡さんはそう言った。でもこれが苦しくて辛い、以外に何と言えばいいのか。俺には分からない。
 毎日毎日我慢して、極限まで追いつめられて、そして羞恥心と快楽を嫌と言うほど味合わされた。
写真家 北岡 「馬鹿野郎! 仮にも一時はもてはやされたアイドルだろう! 干されている間にプロ根性を無くしちまったのか? AV女優のほうがまだマシだぞ、甘えるんじゃない!」
 北岡さんに今まで多少厳しい命令口調をされたことはあったが、ここまで仕事だと怒鳴られた事は無かった。ほんの一瞬ではあったが身体中を苛んでいた快楽をすっかり忘れてしまった。そのくらいショックだったが、すぐにまた激しい波に飲み込まれてしまった。
写真家 北岡 「仕方ないな…、おい、確かリングがあったな?聡がイけないように根元をリングでおさえてやれ。そうすりゃもうちょっとマシなポーズも出来るだろう。イかないように我慢しなくてもイけないからな、思いきり快感に浸って最高のスチールに仕上げられるだろう?」
 北岡さんは苦しい顔をさせないため押さえて止めると言うことはまずしない。それでも時折聞き分けのない子供を叱るように、物理的に解放できないようにもした。
 しかしこれをすると撮影が延びる。イく瞬間を撮るのが本来の目的なのに、スタッフがリングを取ってる間に射精してしまい再影することになるからだ。
スタッフ 「聡さん、ほんと毎日気持ち良さそうですね。それだけ快感だけを味わえるなんて羨ましいですよ」
 いつもスタッフはそう言った。羨ましいのならいつでも替わってやる! そう言いかけて‥でも写真集が売れ、元のようにスターになることを望んでいるのは自分なのだと気付かされる。俺はこの過酷な撮影を耐え切らなくてはならないのだ。
 あと‥あと半月、頑張ろう。そう自分を励ました。

 しかしイく所というのはどうしてこんなに恥ずかしいのだろうか。人の見てる前で、今自分は気持ちがいいのです、と証明する。こんなに恥ずかしいことはない。どれだけたっても慣れることはなかった。
 普通なら言われなくてもその瞬間を人に見せないために耐えるだろう。でもここではそれさえも乗り越えてしまうほど我慢させられる。慣れないがイってしまうのだった。慣れないままに撮影は順調にいっていた。
 そして最後の撮影をするために俺は期日ギリギリの4日間、禁欲を強いられた。寝る時も自分でモノを触れないように後ろ手に拘束された。禁欲と言ってもただ射精しないだけじゃない。いつでも勃ち上がって汁を垂れ流してる状態でだ。
スタッフ 「さすがに聡さんも辛そうですね」
 スタッフもそう言って同情してくれるほどそれは過酷だった。俺は手を拘束された裸のままで一室に放置された。そしてスタッフが1時間おきに射精する寸前まで高めに来る。もう出るってところで部屋から出て行ってしまうのだ。そして落ち着いた頃にまたやってくる。さじ加減は絶妙だった。
写真家 北岡 「聡、耐えて耐えて‥耐え抜けよ。そのあとの解放する時を夢みて」
 我慢するのも辛いが、今まではどうしても我慢が出来なくなった時が撮影時で、そして射精することを許されたのだ。それがどんなにギリギリまで高まっても、自分でイこうと思っても、その最中に刺激が突然なくなる。我慢なんてしてないのに!
 これが‥こんなに辛いなんて。4日目には来るスタッフに自ら腰を擦り付けてしまうくらい性欲だけに支配されていた。
写真家 北岡 「調子はどうだ? 今日はいよいよ最後の撮りだ。写真集も今日のこの撮影を最後のページに持ってくるつもりだ。だから気合い入れて頑張れよ。上手くいかない時はまた4日我慢するところからやり直しだ」
「いっ嫌‥」
 それだけは勘弁して欲しかった。4日と気軽に言うが俺には倍にも3倍にも感じられた。苦しくて辛いまま、このまま永遠に閉じこめられるのではないかと思ったくらいに。でも早く撮影を初めて欲しかった。
 早く、早く、イけるなら何でもする、俺にもそんな気合いが入る。
写真家 北岡 「このテーマは『野獣』だ」
 そして北岡さんは俺に獣になれと言った。俺はまた庭に連れてこられると四つん這いにさせられ、手首足首に銀の鎖を繋がれた。それは鉄杭と繋がっておりその場で地中に埋められた。俺は地面にしっかりと縫い止められてしまったのだ。スタッフが尻にシッポの付いたバイブを埋め込んだ。
 ああ、それで中を擦って欲しい。
写真家 北岡 「聡、そんなもの欲しそうな顔をするんじゃない。野獣だぞ? お前の中で逆巻いている快楽の渦に相手を引きずり込んでやろうと言うケダモノになるんだよ」
「あ…あう…くぅ…。む…無理…」
 もう我慢の限界なのに、北岡さんの要求する野獣のイメージなんて考えられない。始まる前は気合もあったが、バイブのスイッチが入るとそれどころでは無くなってしまう。今までの勃ちっぱなしにはキツイ刺激だ。
写真家 北岡 「無理なものか。いいか? その淫靡で極上の聡の身体を思いきりこの俺に貪ってほしいと強気で迫って見せろ。俺に仕事を放棄させるくらいの最高の顔を見せてみろ。聡という蟻地獄に俺を引きずり込んでみろ!」
 シッポを付けられると北岡さんはまず後ろから全身を撮影した。
 そんな真後ろから写されたらシッポが何処に挿してあるか丸分かりなのに‥。
 それでも少し開いて止められている脚は閉じることも出来なかった。そして腹にくっつくようにして勃ち上がってるペニスが隠れるギリギリの斜めからも撮る。
スタッフ 「付け替えますからね。今度は尾の部分に針金が入ってます」
 そう言ってバイブは差し替えられる。事務的な往復が気持ち良くて、もっと欲しくて上擦った声が出る。すると今度は芯の入ったシッポをペニスに絡めてきた。一番欲しいところが触られてぞくりとした。綺麗にシッポで隠されると今度は前からと、横からと全身を撮る。
 早く、お願い‥もう焦らさないで。
写真家 北岡 「これで準備完了だ」
 北岡さんは俺の真横から動かない。ここからは全て横顔のアップを撮るらしい。そうしてバイブのスイッチが入れられたのだった。
 前立腺が振動した瞬間身体中に電気が走った。腰から背中を通って顔までが弓なりになる。
写真家 北岡 「おい、聡。10分は我慢しろよ。すぐにイってしまったら4日前からやり直しだ」
 瞬間に出るばっかりだったモノをグッと堪えた。地獄と呼ぶに相応しいあの恐怖が蘇ったからだ。すんでの所で止めた身体で野獣だの、ケダモノだのと言われても聞けるはずがなかった。
「あああっ‥、あああ‥」
 もう外だと言うことも忘れて声を出すしかなかった。
写真家 北岡 「いいぞ、その調子だ。4日間禁欲した甲斐があったな。お前は野生の本能だけで性を貪るんだ。現実を忘れろ。身体は性感帯しかないと思え。性の獣になるんだ」
 振動するバイブが俺を責め続ける。ああっ、どれだけ我慢してもひっきりなしに訪れる激流が俺を襲う。もう‥もうダメだ。俺は身体を丸め尻を締め必死で耐えた。
写真家 北岡 「さすがに限界っぽいな。ちゃんと射精させろよ。瞬間を撮るんだからな」
スタッフ 「聡さん、勿体ないから漏らさないで下さいよ。ところてんで押し出すのは止めて下さいね。ちゃんと扱いてあげますから」
 中から勝手に押し出されるのだ。俺がコントロールできるモノじゃない。それでもようやくとペニスが掴まれると軽く、ほんとに物足りないくらいに軽く扱かれた。でもそんな少しの刺激でも充分だった。
「はぅん‥、ぁあっ‥」
 頭がカーッと熱くなり身体中が解放を悦ぶ。ああ、気持ちが良すぎる‥。
写真家 北岡 「イイ! 聡いいぞっ」
 北岡さんの押すシャッターの音だけが俺の耳に入ってくる。雑音は一切聞こえなかった。外の日差しも気にならなかった。4日も待ち続けたこの解放。死ぬほど気持ちが良かった。俺は獣になって吠え、何度でも身体を震わせた。羞恥心というものが一切無くなったのだ。
写真家 北岡 「ああ、聡。今のお前は最高だ。ゾクゾクする。顔を見てるだけでイけそうだ‥」
 俺はこの達した瞬間に野獣になった。
 何度やっても慣れなかった衆人の中で射精すると言うことにも何の抵抗もなかった。ただ、ただひたすらに快感を追い求めていた。
「もっと、もっと‥。もっと!!」
写真家 北岡 「そうだ。もっと求めろ、性の快楽がすべてなんだ。そのまだ物足りないまなざしも最高だぞ? さあ、お前の中のケモノが目を覚ましたんだ、本能のままに感じつづけろ!」
効果音 「カシャ・・・カシャ・・・・」
スタッフ 「じゃあ、今度は聡さん用の特注バイブで作った尻尾に替えますから、楽しみにしていてくださいね?」


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