俺は決して淫乱じゃない。ましてや自分から抱いて欲しいとか、中を弄って欲しいとか思ったことなどないのだ。 これだって撮影だから我慢してるだけで、そうじゃなかったら別にこんな奴らの言いなりになんて絶対ならないのだ。 完璧に腰を浮き上がらせて、足の付け根に筋を浮かせて、腹筋がボコボコに見えるくらい力を入れて、イくのを堪える。 「イくっ‥イ‥くっ‥から」 「まったくしょうがないですねぇ。そんなにイくイくって言わなくても。はしたないとか、情けないとか思わないんですか?」 そうやって俺のプライドを傷つけつつ、言葉で俺を嬲るのだ。分かっていても言われるともの凄く悔しい。 それでもその悔しさを打ち負かしてしまうほど、射精を堪えることは辛いのだ。 「聡さんは情けなくてもイける方がいいんですね」 そうしてようやく俺のモノから手を離した。ストップウォッチを止める。 「今日は6分13秒です。漏らすのが好きな聡さんにしては頑張りましたね」 それから10秒を数える。 ああ、早く扱いて。それじゃないと収まってしまうような気がして。10秒が永遠のように長く感じられる。 それでも我慢を重ねて溜まったモノは、たった一回の摩擦によって噴射した。 「あああっ‥、んんっ‥、ぅんん‥」 はぁっ、はぁっ、はぁっ‥。気持ち良くて堪らない。これ、この感覚が味わいたくて一日中腰を揺らしてしまうのだ。この朝と撮影の場とでしかイけることの出来ない俺は、解放中はスタッフが見ていることを忘れてしまう。 「聡さん、こんなにみんなが見てる前で一人だけイっちゃって」 「よくイけるよなぁ。俺だったら恥ずかしくて萎えるぜ」 「でも芸能人なんてみんな似たようなもんだろ」 「そうか見せることが商売だしな」 「いやらしい姿見られてここまで興奮するのは聡さんくらいかもしれないけどな」 ミーティングは俺がイく瞬間は中断される。そしてスタッフが好き勝手に噂話を始めるのだ。 俺はその前で何度も何度も白濁した液体を吐き出すのだった。 もう少し‥もうほんのちょっとだけ‥、射精してるこの瞬間をもっと味わっていたくて、腰が自然と揺れる。身体は緊張と弛緩を繰り返し、俺は再度の緊張を自ら起こす。無理やりにでも力を入れて残りがないように吐き出したいのだ。 なのにスタッフは俺の根元を掴んで止めた。 「あ‥あああっ」 「聡さん、あなたの精液は限られてるんですからね。これ以上は出さないで下さい。撮影に響きます」 酷い、こんな酷いことが同じ男なのによくできるな。 充分な満足を得てこそ、仕事にだって活気が入るというもの。こんなおしっこを全部出し切れなかったような残尿感があってはスッキリしない。 それでも一度止められたら、二度はイけないのだ。 グズグズと射精感の残る身体を今度は点検する。 「昨日とほんの少しでも違う所があれば報告するように」 ミーティングが終了していても、していなくてもスタッフが順番に俺のそばへ来る。そして身体中に指を這わす。 もちろんあそこの中にだって侵入してくる。前立腺を弾きながら、乳首やペニスだって弄られる。 「ここの反応どう?」 「昨日もこんな感じだった?」 ビクビクと身体を揺らすと、それが同じ反応だったか再度確かめる。 あ‥ああっ‥。 そっそんなの同じ反応に決まってるだろう。 「ちょっと反応が悪いんじゃない?」 「どれ」 違う指や、違うスタッフがやってきて、また同じ所を弾く。 ああっ‥。イけないと分かっていて高められるのは辛すぎる。 その間の俺はまるでオモチャのようだ。 「やっ‥やめ‥ろ。俺‥は、いつも‥と‥同‥じ‥‥だ」 何度も同じだと訴える。その度に同じ返答が返ってくる。 「聡さんが同じだと思っていても、自分じゃ分からないことだってあるでしょう。ほらその証拠に‥」 そう言ってどこかをきつめに弄り、その反応を見て昨日とはこんな風に違うとか説明し出すのだ。 「ああ、ほんとだ。今日は中の反応がちょっとよくないみたいだな」 「ほら、昨日まではここをこうすると鈴口がヒクついたのに」 はぅ‥、中だけじゃなく同時にペニスだって弄られてるのだ。前立腺を嬲られたその時は他の指が裏筋を擦っていて、神経全部がそちらへ集中できてなくて、どっちへ反応していいか身体が分からないほどビクビク震え続けていた。 「こっちもよくないみたい」 胸を潰していたスタッフも反応が悪いと言い出した。そこだって感じてるけど、下の方が刺激がきついんだからしかたないだろう。 「も‥やめて‥くれ」 息も絶え絶えになって頼んでも、オモチャの俺には感情がないと思っているのか、誰も答えてはくれない。 「‥ぅく‥」 「どうだ、お前どう思う」 「う〜ん、俺も良くないと思う」 こっこんなに反応しているのに何が一体良くないのか。 スタッフは入れ替わり立ち替わり、今日は悪いと伝言していく。 その間中俺は股をおっぴろげたままで点検され続ける。胸もペニスも中も全てをいっぺんに嬲られているのに、我慢できるわけがない。 「あ‥んん‥イッ‥イく‥、イ‥きたい」 「まったく聡さんはだらしないですね。さっきイったばかりでしょう」 さっきだって途中で止められた。 「それなのにまたイきたいなんて。今は体調の点検してるだけですよ。ほんとに漏らしっぱなしなんだから。少しは我慢して下さいよ」 こんなに我慢しているのに。漏らしっぱなしなんて、一日に2〜3回しかイかせてくれないじゃないか。 スタッフはため息をついて、俺のペニスにリングを嵌めた。 「あああっ!」 俺の腰はその苦しさに跳ねる。 「いやだっ‥、やめ‥っ、‥イか‥せて」 「だから撮影の時まで取っておかないとだめでしょう。仕事だってほんとに分かってるんですか。自分一人が気持ちいいだけじゃ仕事はこなせれないんですよ」 こっこんなの仕事じゃない‥。 そう訴えたくても今の俺は我慢するしかない。感情を無視されても、わずかに残ったほんの少しのプライドをも踏みにじられても、こいつらの言うことを聞くしかないのだった。 「さて、全体的見ても少し不調なので、充分に興奮させる必要がありますね」 これ以上どうやったら興奮できるというのか。 「今日は‥‥、4人程いきますか」 「イヤだ、止めてくれ」 4人もやられたらそれこそ気が狂いそうになる。当然だがその間はリングを嵌められたままで、俺はずっとイかせてもらえない。しかも4人終わった後に北岡さんがやりにくるのだ。 そんなに相手をしていたら、俺の身体の方が参ってしまう。壊れてしまってもいいのか。 だが俺の身体はそれを全て受け入れてしまうのだ。しかもみんな無理はしない。俺がずっと快感の波を漂えるよう、ハードなことは避け、時間を掛けるようにしている。 肛門の括約筋は伸ばされ、前立腺を緩く叩き続けられる。イきっぱなしに近いような極限の状態に1時間以上置かれるのだ。 こんなことを毎日続けられたらこの撮影が終わるとき、一体俺はどうなっているのだろう。 「ほら、聡。もっとイイ顔して」 そっそんな‥。顔なんて作れない。 「これだけみんなが協力しているのだから、お前も努力しろ。せっかく実地で訓練してるんだから、その間中一人で快感に浸るんじゃなくて、どうしたらもっと色気のある顔が出来るか、自分なりに考えてやってみろ」 俺の真上にはちゃんと鏡がセットしてある。足を引っかけられている両スタンドから固定されているのだ。 こっこんな‥顔は見たくない。男の俺が色気なんて‥。流し目くらいはくれてやる、ファンにはいつも。だがこんなイきたいばっかりの時の色気なんてどうやって作ったらいいのか。 北岡さんは4人ものスタッフに突かれまくった俺に、自身を突き立てた。 もうすっかり解されたソコはただ北岡さんに絡み付く。 もっと、もっと、欲しい。 でも止められたモノが苦しい。 もう喘ぎしか出ない俺に、北岡さんは一突きするたびにいい顔をしろと言った。 「ああっ‥ムリ‥だ」 「無理じゃないだろう。ミィーティングの頃よりはいい顔になってきた。毎朝のことなのに聡はここまで体調をもってくるのに時間が掛かるな。プロなら自分の中でカッチリ切り替えて、与えられる快感を悦ぶだけじゃなくそれを表現しろ」 何を表現するというのか。ただ犯られてるだけの俺が。 苦しいとしか表現できない。 イかせてくれとしか言えない。 もっと欲しいとしか叫べない。 |