快楽のいばら街道 14


 スタッフの休憩室が一部屋用意されていた。そこにはジム器具が2台ほど有り、俺はそこで筋トレをやらされた。当然裸のままで。
 服を着るとそのラインが残ると言ってローブやガウンしか羽織らせてもらえなかったのだが、それすら邪魔になると言って取られてしまった。
 常にスタッフは数人が休憩に来ていた。テレビや大きなソファーがあるそこは中々にくつろげる空間だった。アスレチックをやるスタッフもいたのだが、俺が行くとみんなが注目し、悪戯をしかける。

 ただの腹筋や背筋をしているときですら酷いものだった。
 床に5センチほどの厚みと弾力があるマットが引かれ、俺はそこで腹筋をするよう言われた。仰向けに寝て、足を曲げる。すかさずスタッフが出てくると、その足を開かれる。腹筋をするのに、なにをやらされるかと思えば、後ろにバイブを銜え込ませられた。
「やっ止めろ」
「だってなにか楽しみがないとつまらないでしょう」

 下が触れないのをいいことに、好き勝手するスタッフ。こんな所でも嬲られないとメニューがこなせれないのだ。
 諦めて上半身を動かし始める。頭が上がった時点でスタッフはスイッチを入れた。
「ああっ」
「ほら聡さん。そこで何秒か止まって下さい。出来れば息を吐きながらがいいです。力を入れたら下のモノもずっと美味しくなりますよ」

 どんなに力を入れても凹むことのない硬い異物。それを銜えたまま腹筋するだけでもかなり辛いのに、一番力が入ってるときに振動させられて、言われる通り倍に感じる。
 10秒を数えられて身体を床に降ろすとそれは止められた。それを何度も繰り返す。
「ね、言った通り美味しいでしょう」

 先端から熱いモノが沸き上がる。先走りが腹に溜まり腹筋を動かすたびにそれは筋目に沿って広がっていく。
「くっ‥うん‥。ぬっ抜いて‥」
 腹に力を入れれば、尻にもその力が掛かる。普段よりも締まらないそこはとても苦しい。ましてや力を入れた状態で振動させられた日には大きい声で喘ぐしかないのだ。

 それでも中からの振動でイきたくなってくる。そうでなくても毎日朝から晩まで我慢してるのだ。
「いっイかせて」
「もう、聡さんって朝からイかせて、としか言ってないですよ。本当に淫乱なんですね。今は筋トレしてるんですよ」

 そんなこと言われても、イきたいものはイきたいのだ。
「う〜ん、それじゃ励みになるように50回毎に10回扱いてあげましょう。それなら頑張れるでしょう? 聡さん、イくことだけが楽しみみたいですから」
 みんなに監視され、押さえつけられて、俺は辛い単純な腹筋をこなしていった。

 50回を数えるとスタッフの一人がゆっくりと扱きだした。もっと、もっとキビキビと動かして欲しい。そんなゆっくりじゃイけやしない。
 もっと強い刺激が欲しくて腰を浮かせた頃には10回は終わっている。
「ああっ、もっと‥頼むから」
 腰を揺らして頼んでも誰も聞いてはくれない。

「また50回したら扱いてあげますよ」
 こいつら‥死ぬほど意地悪だ。
 そうやってただイける事を目指して俺は何回も腹筋をした。
 しかし50回を終えると前の興奮が少し冷めている。もちろん後ろにはバイブが入りっぱなしなので、萎えることはない。だから余計に苦しい。

 イきたくて堪らない。
 何も見えなくなるほど。
 もうプライドなんてかけらも残されてなかった。
 俺は必死で次の刺激を求めて腹筋をし、そして懇願した。
 スタッフはイけないくらいに調整をして扱く。それがまたもっと欲しくなる。繰り返しているうちに相当な回数をこなしていた。

 やるのは腹筋ばかりではない。背筋も同じだ。扱いは腹筋よりもっと酷いかもしれない。
 バイブは変わらずに抜いてもらえないままうつぶせになる。スタッフに足を押さえられて上体を反らす。やはり同じように力を入れてるときに振動が来る。
「ぅああっ‥」
 俺は上体を反らしながら喘いでしまう。身体が持ち上がった状態でまた10秒留め置かれる。

 背筋はエビ反りになるので、尻に差し込まれているバイブを前立腺に押し付けることになる。それはもう声を上げずにはいられないほど感じてしまう。
 50回を数えると反らした状態で前にいるスタッフが胸の突起を摘む。辛くても元に戻れない。そのうち頭の後ろで組んだ両手の肘を後ろへ引っ張られる。

 足はきっちり閉じたまま、しっかり銜え込んだバイブを抜き差しされるのだ。
 もう狂ったように喘いでしまう。
 それだけじゃない。先端だけ見えたペニスの鈴口を潰すように弄られる。乳首もペニスも好きなようにされて、苦しいままの格好で、それでもイかせてとしか言えないのだ。

 イかせてもらえないのに、スタッフの言いなりになってしまうほど、俺は射精することに必死になっていた。それくらいにイく寸前で嬲られるのは辛いことだった。

 辛く地味な腹筋背筋が終わると、今度はスクワットだ。20キロのバーベルを肩に乗せ、上半身は真っ直ぐのまま足だけを曲げて上下する。
 肩幅に開いた足はブロックの上に乗せられていた。一体何をするのか。

 と思っていたら後ろからスタッフの一人が突っ込んできた。
「聡さん見てたら堪らなくって。このまま俺をイかせて下さい。ついでに聡さんのも握ってあげますよ」
 自分で上下して中のスタッフのモノを扱き、握られたモノも扱くと言うわけだ。
 移動の距離なんてほんの10センチ強。それでもイかせるほど動こうと思ったら、かなりの速度で動く必要がある。

 それはそのまま自分がイけるかどうかなので、どれくらいのスピードを出したらいいのかは分かる。だが、手を動かすのとは訳が違うのだ。
 大勢のスタッフが見てる前で男のモノを銜え込んで、裸で腰を振る。どれだけ淫らか‥考えると気が狂ってしまう。
 しかしイかせて欲しいばかりの俺には、今の自分を省みることは出来ず、ひたすらに上下運動を続けるのだった。

 もちろんジム器具も使って運動はさせられた。そんなふうに常に筋トレを強いられたおかげで「野獣」の撮影をする頃には、かなり筋肉が目立つ引き締まった体付きが出来上がていた。


 撮影が始まって7日目。今日は初めて外で撮影が行われた。室内でも充分に恥ずかしかったことを屋外でやらされる。
 どんなに広くても室内は室内だ。ちゃんと壁と天井があって、一つの囲まれた空間になっている。
 それが外。どこまで行ってもその先は続き、誰が通ってもおかしくない場所。そして絶対に全裸では出ない所だ。

 それを裸に剥かれて、なおかつ嬲られ、射精させられる。俺は快楽に浸っている瞬間を世間晒しているのだ。
 どれだけ恥ずかしかったか。しかも俺は一応世間には名前も顔も売れているのだ。誰かに見つかったら、聡はあんなことをして悦んでいると思われるだろう。
 恥ずかしいのは撮影だけじゃなかった。俺は陰毛を剃られ、性器から肛門まで丸見えになってしまったのだ。

 スタッフは陰嚢を持ち上げて、ほくろがあったとか言ってチェックする。俺の袋もペニスも触りたい放題。
 どれだけ嫌だと言ってもまるで頭でも撫でるように、亀頭を撫でられる。挨拶のキスをするみたいに、そこに付いてる小さな口に舌を這わされる。
 もういつでもどんなときでも感じるしかないのだ。

 俺のペニスは一日中勃ちっぱなしだ。休まる時を知らない。すなわちそれは俺の欲求が満たされるときがないと言うことだ。
 いつでも俺はイきたくて仕方なかった。

 北岡さんはこの外の撮影が調子がいいと踏んだのか、これからはずっと外でやると宣言した。

 撮影が始まるまでの休憩時間、野獣のテーマのためにももう少し黒くなっておいた方がいいだろう、と言われた。
 そう、それは日焼けをしろと言うことで、日焼けサロンなどの密室で焼くのではなく、この外でそのまま焼けと言うことだった。
 俺は素っ裸のまま張り付けにされた。

 庭園と呼んでもいい広さの庭に、テレビスタジオの照明が吊り下げてあるような骨組みが組まれていた。
 そこへ大の字になるよう、手首足首を縛られ引っ張られ、自分では何一つ身体に触れることも隠すことも出来ないようにされたのだ。
「均一に日焼けできるように」
 そう言われて。




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