あの‥死ぬほどの苦しみ、辛さ、男なら二度と味わいたくはないだろう。止められたまま中だけで絶頂に犯され続けるのだ。そんな苦しみに置かれるのは絶対にもうイヤだった。 叫ぶ俺の唇を藤原さんは人差し指で撫でる。 この口で言えと言っているのか。 少しパニックを起こしたまま、俺は藤原さんのなすがままになっていた。 「ん‥く‥、あなた‥のが‥欲し‥かった」 「アキラ、偉いぞ。存分に味わわせてやろう」 「ちが‥、イ‥かせて」 「それは君がもう少し楽しんでからにしようか」 藤原さんはリングを外してくれないまま、腰の動きを早める。そして俺のモノも一緒に扱きだした。 「あああっ‥やっ‥ああっ‥ぅああっ‥」 突かれるたびにあの感覚が蘇る。それは痛みでも純粋な苦しみでもなく、快楽が伴う痛みのような苦しみ。快感がきつすぎて気持ちがいいとかのレベルを超えてしまっていた。 定期的に突かれて、とうとう中だけで絶頂に達してしまった。 「わ‥んんんっ‥く‥うんんっ」 身体中で痙攣し、どこもかもが力が入って収縮する。 そこへ全身を貫くような衝撃が加わって、耐えられない。 「あぅっ‥助‥け‥、んんんっ‥ダ‥メ」 達した快感は波のように繰り返し繰り返し襲ってくる。その度に身体中から絞るように勝手に力が入る。それだけでも充分キツイのに、まだ藤原さんのモノが出入りするのだ。 「ああっ‥おね‥が‥い‥。くぅ‥」 どれだけその状態でいたのか分からない。俺にはもの凄く長時間に思えたのだが、藤原さんの方が動き詰めでそんなに保つかどうかが疑問だった。普通に考えたら5分ほどのことだったのだろうか。 藤原さんが達するとようやく俺もリングを外され、イかせてもらえたのだ。 それはもう幸せと言ってもいいくらいに気持ちいいもので、誰が見ていても見られていても構わない、と思ってしまった。 恥も外聞もなく本気でイった姿を晒してしまって、終わった後に羞恥に染まる。そんな俺を見て藤原さんはこう言った。 「アキラ、君はまだ私のことを教授だと思ってないようだね。明日もそんな調子なら少し練習するよ。いいね」 まだ完璧に教授のままで藤原さんは薄い笑いを浮かべた。俺はそれを見て背筋が寒くなった。 先ほどのシーンがムチャクチャになったような気がしたんだけど、何故か監督はご機嫌だった。俺の手首には手錠の痕が赤くくっきりと残っていた。 「聡、藤原もお前の身体の虜にしてやったか。お前はまさかあれくらいで本当に気持ちが良かった訳じゃないだろうな」 磯谷は俺の手首を撫でながら、反対の手で股間を触る。元ストーカーの磯谷は歪んではいるのだが、俺のことを激愛している。少しでも俺が気に入った相手とか、関係を持った相手には激しく嫉妬するのだ。 そして勝手に嫉妬して俺の身体まで点検するのが常だった。 その日の俺のシーンはそれだけなので磯谷の自宅へ連れて帰られた。俺はこいつがマネージャーになってからと言うもの、ほとんど自分の家に帰らせてもらえない。多少は反抗してみるが、一番最初に再度頂上を目指すと決意してしまった。あいつは足さえ開いていれば、俺をまたトップに返り咲かせてやると言い切ったのだ。 疑わしかったが今の俺は少しずつでも昔に戻りつつある。街を歩いていればそれなりに声も掛かるようになった。車に乗っていればそこら辺から指をさされるくらいにはなった。やはりこいつのおかげかと思うとむげには出来ない。 帰るそうそう俺を裸に剥いた。 「この身体だ。本当は藤原の方がお前に参ってたんじゃないのか。お前も満更でも無い顔をしていたな」 俺の一番敏感な所を弄りながら問いつめる。 「っ‥んん‥。お前が‥変な‥モノを‥入れておく‥からだろう」 磯谷がローターなんかを突っ込んでおくから大変な目にあったのだ。 「あれのおかげで藤原も食いついたんだろ。お前がアイツに溺れるのは許さんが、アイツはお前に溺れるようこれからも色仕掛けで行く。お前はトップに返り咲きたいなら俺の言う通りにすればいいんだ。そしてこうして俺にだけ足を開いていたらいい」 磯谷は最後は呟くように言うと、俺のモノを銜えた。 「ぁ‥う‥っ」 熱い中に放り込まれて中心はもっと熱くなる。もう俺のどこがどういう風に感じるかまで知り尽くしてる舌は、鈴口の縦目に沿って往復していたかと思えば、カリが合わさった部分を擦るように刺激する。 ああっ、ダメ。気持ち良すぎてこのまま身体が溶けていきそうだ。だけど中からの刺激が一緒じゃないともう物足りないのだ。 「んんっ‥中‥も、頼む‥から」 磯谷は俺のモノを銜えたままでニヤッとした。そして俺の希望通り下の口に指が滑り込んできた。 その指は待っていた所に待っていた刺激をくれる。 「はぁっ‥ん、んふ‥んん」 満足感に鼻からふぬけたような息が漏れる。このままイけれたら死ぬほど幸せかもしれない。そんな感じで快感だけを追うことに必死になる。 もう少しでイける‥。と言う所まで高められると、相変わらず嫌な奴の磯谷は口を離した。 「ああっ‥、や‥止め‥ないで」 俺はその続きが欲しくて、そのままイきたくて仕方がない。 中の指で一番いい所を押し上げながら、ニヤリと笑う。 「イきたかったらどうするんだ」 もの凄く悔しいのだが、今の俺にはなんにも力がないのだ。こいつの言いなりになるしかない。 仕方なく両手で自分の足を持って広げた。秘所を磯谷の前で晒け出す。しかも自分で誘ってるかのように開くのだ。これほど恥ずかしいことはない。 「フフン、ほんとにお前は淫乱なんだな。自分でこんな姿になってまでそこに男のモノが銜えたいのか」 こんな身体にしたのはお前のくせに‥。けど、欲しくて堪らないのは事実なので俺は足を広げたままで動けない。 磯谷は満足げに微笑むと俺の中に入ってきた。太く大きなモノは下の口いっぱいになる。入るだけで感じる訳じゃないんだが、その先へ進んで前立腺を擦り上げられると堪らなくなる。何度も何度でも往復して、そこをずっとこすって欲しくなるのだ。 磯谷は俺に覆い被さるように身体を重ねると、顎を押さえ唇まで合わせてくる。粘着質な音が響き、俺の濡れている穴は全てこいつに塞がれる。 上の口を犯しながら、腰を振ることも忘れない。さっきから寸前で止められて苦しかった所も、腰と一緒に動く腹に擦られて刺激が送られる。 んんっ、もっと、沢山擦って欲しい。俺は自分の足を持ちながら腰を上に突き出した。しかし腰を突き出してしまうとペニスが腹から離れ、一番欲しい刺激が無くなってしまう。中を取るか‥外を取るか‥。 俺の腰はフラフラと彷徨い、動くたびに磯谷を締め付ける。 口を合わせている余裕が無くなって、磯谷はスパートを掛けた。 パンパンと肉の当たる音が大きくなり、その雰囲気だけでも絶頂へ導いてくれる。俺は耐えられなくなって、片足を放棄すると自分で自分のモノを扱いた。 中から突かれ、外は欲しいように自分で工夫して得られる。 ダメだ‥。これが一番気持ちいい‥。 同じ達するでも中からの刺激があると、その瞬間の衝撃が全然違う。ただイった‥と言うのと、爆発した‥というのくらいの違いがあるのだ。 そして俺は爆発した。これ以上はないと言う快感を得て、身体は何度も何度も緊張と弛緩を繰り返す。 「はぁぅっ‥、んんっ‥、あああっ‥」 あまりの気持ち良さにとろけてしまいそうだった。 「ほら、どうするんだ?」 磯谷に嫌みのように請求されても言うしかなかった。 「もう‥一回‥、イか‥せて」 「イイ子だ」 磯谷は俺がこうして縋り付くことが非常に嬉しいようで、お願いするまで放置プレイを楽しんだりする。けどこちらが下手にさえ出ていれば俺が望んだことを全て叶えてくれる。貯蔵が無くなるまでイかないといられなくなった身体が満足するまでイかせてもらえて、この日も快感の心地よい疲れをグッタリするほど味わいながら眠りについた。 次の日は朝早くから俺が出るシーンの撮りだった。昨日の藤原さんが少し怖くて遠巻きにしていたのだが、向こうは俺を見つけるとすぐに寄ってきた。 「アキラ‥、今日は少しきついかもしれないが頑張ろうな」 いきなりのアキラに驚いた。しかしベテランの藤原さんの方から挨拶してくれたのだ。まだまだヒヨッコの俺は恐縮してしまう。下の者から出向くのが当然なのだから。 本日のシーンはソファの上での絡み。話しの中ではしっかりやってる所だ。こういう話しなのに絡みのシーンは意外に少ない。台本に出てくるのはこことあとはマル秘と書かれた、まだ決まってないシーンだけだった。 また俺は一人裸にされて後ろ手に手錠を掛けられる。下半身をシーツで隠し、ソファに座らされた。 その前には磯谷が俺の下の穴を、潤滑剤で丁寧に解していた。そんなことをするから藤原さんが興味を引かれて俺の中に入ってきたりするんだ、と何度も喚いたのだが聞いてもらえず、散々中を弄られて熱く疼いていた。しかし今日はローターなどは突っ込まれず、その分マシかと思って警戒心は薄らいでいた。 座って待っているとすぐに藤原さんが隣へ腰掛けた。藤原さんの姿は地位がある人が休日にする少しラフな感じ。スラックスに白いシャツに薄手のセーターを着るんじゃなくて肩に引っ掛けていた。こういう姿も若々しくて決まっている。もちろんスーツも格好いいんだが。 俺は裸なので藤原さんのセーターが身体に当たって少しチクチクする。それがよりいっそう自分が裸なのを認識させる。どうしても羞恥心が迫り上がる。 そんな俺に藤原さんは腕を回す。片手は胸をまさぐり、もう一方の手はあっさりとシーツの中に入ってきた。 そこでリハが開始となった。 |