完璧な男 −8−



結局そうやって5日が過ぎた。

自然に振舞う敦彦が不自然で、終始樹は落ち着かなかったが中々話を切り出すタイミングも見つからなかった。
敦彦は樹が真剣な顔をして話そうとするとすぐに話をそらしてしまうし、しつこく言おうとすると黙り込んでしまう。
そんなきまずい雰囲気の中で敦彦の嫌がる話をする勇気は樹にはなかった。




だが今日は違った。
昼は邑井と遊びに出かけていて、偶然敦彦に会ってしまったのだ。
夜帰ると敦彦は不機嫌で、沈黙のまま夕飯を食べた。
何も言わずに順番に風呂に入り、やはり何も言わずに布団に入った。
このまま結局邑井の誤解も解けないのかと、樹は諦めかけていた。

だが、布団に入って一時間くらいしてからだろうか。
敦彦がふと口を開いた。

「樹はさ、やっぱり今でも男の方が好きなわけ?」

いきなり確信をつかれて慌てたが、その声に軽蔑の色がないと信じ、樹も今がチャンスだと正直に頷いた。

「うん。」
「そうか。」
「うん。」
「で?」
「え?」
「今はあいつと付き合ってる・・・んだよな・・・?」

気まずそうに敦彦が聞く。
やはり誤解されているのだ。

「違うよ!!」
「え・・・?」
「だから・・・邑井はそんなんじゃないんだ」

「じゃあ、この間のはなんなんだ?」

しばらくの沈黙の後、敦彦が怒りを滲ませた声を出す。
この間とは恐らく樹が痴漢にあったあの朝のことだろう。
どう説明したものかと悩んでいると、敦彦が声を荒げた。

「お前、付き合ってもない男とああいうことしてるって事か!?」
「ちがっ」
「どう違うんだよ!!俺はこの目で見たんだぞ!!」

敦彦はベッドから飛び起きると電気をつけ、樹の目の前に座り睨み付けた。
樹ももそもそと起き上がり、敦彦の正面に座った。

「だからあれは誤解って言うか・・・。第一邑井は俺とは違うから。」
「どういう意味だ?」
「邑井はその・・・ゲイじゃないし。」
「え・・・・・・?」
「邑井はゲイじゃないんだ」

きっぱり言い切り樹はほっと溜息をついた。
これでひとまず、敦彦の邑井への誤解が解けたと思ったのだ。
だが、何を勘違いしたのか敦彦は更に怒りもあらわに樹の肩を掴んだ。

「じゃあ、あいつはゲイでもないのに、お前を・・・・・!!」
「あっちゃん・・・?」
「くそっ!!そりゃ俺もゲイじゃねぇけど・・・!!」

掴まれている肩にどんどん力が加わりあまりの痛みに樹は敦彦の手を払った。

「樹・・・。なんだよ。そんなにあいつの方がいいのかよ!?」
「だから邑井はそんなんじゃなくて・・・。それに邑井付き合ってる子いるって言ってた。」
「・・・・・・じゃあ、アイツは付き合ってるやつがいるのにお前を・・・・・・・・。」

なぜそういう風になるのだろうか。
どこまでいっても勘違いする敦彦に樹も必死に言い募った。

「本当にそういうんじゃないんだよ!!邑井はそんなやつじゃない。すごくいいやつだよ?」




だがこれは逆効果だった。
敦彦が目を据わらせて樹をにらみ付けた。
「あいつをそんなに庇うわけか・・・。そうだよな、樹はあいつの方が一緒にいて安心するんだったな」
あの売り言葉に買い言葉のセリフを敦彦は覚えていたのだ。
更に詰め寄ろうと手を伸ばしてきた敦彦が知らない人間のように見えて樹は「いやだ」と叫び手を振り払った。
敦彦が目を見開く。
「そんなに・・・。そんなに俺のこと嫌いなわけ?ならもういい。もう、こんなに嫌われてるんならいい。もう樹にどう思われてもいい!!」






逃げるまもなく布団に押し倒され、それに気付いた時には既にパジャマのボタンを乱暴に引きちぎられていた。
「あっちゃん・・・・・・・・・!!」
突然の出来事に怯える樹に敦彦が何度も舌打ちをする。
「くそっ、なんで・・・・・・・、」
言いながら敦彦が樹の口を自分のそれで塞いだ。

荒々しく口の中を蹂躙され、樹は訴えるように敦彦の目を見る。
だがお互いに目をあけたままなのに、敦彦は樹と目を合わせようとしなかった。
視線を僅かにずらし、樹を押さえつけて、キスと呼ぶには荒々しすぎるそれを続けた。
敦彦の手は樹の肌蹴けられた胸元をさまよい、胸の突起でぴたりと止まった。
荒々しいキスとは対照的に手はゆっくりと、確かめるように突起を撫で回す。
やっと樹の口を解放した敦彦はそのまま顔を下ろしていき、胸の突起をぺろりと舐める。

やっと口が解放され樹はいやだ、やめてと叫ぶが敦彦は止まらなかった。
暴れようとしても上から力を掛けられればもぞもぞと動くことしか出来ない。
「あっちゃん・・・!!やめてよ・・・・」
その言葉を完全に無視して樹のパジャマのズボンを下着と共にずり下ろすと、ぎゅっと樹のモノを握られた。
「どうせ、あいつにもやらせてるんだ・・・・・、俺にもやらせろよ」
「あっちゃ・・・・・」

「黙ってろ」
言うなり起き上がった敦彦がぐいっと樹の腰を持ち上げた。
座った敦彦の肩に足を引っ掛けるように担がれる。
そうなると逆立ちのようになって、樹の全てが丸見えになる。
「あっちゃん・・・・・・・・・・!!」
樹は悲鳴を上げたが敦彦はそれをたしなめるように樹の後孔に舌を這わせた。

「ひっ」
舌の感触が伝わり、樹は暴れようとするが、そうすると樹のモノを握り締めてくる。
そうすると恐怖感が広がり抵抗らしい抵抗ができなくなる。
樹の太ももをしっかりと掴み敦彦は熱心に樹の後孔を嘗め回した。
恐る恐るというようにゆっくり敦彦の舌が中に入ってきたとき樹は今度こそ泣き叫んだ。
「いやだあ・・・・・・・っ!!あっちゃ・・・ねが・・・・・やめてっ・・・・!!」







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