腐った林檎たち 14
ぴちゃぴちゃと厭らしい音がエドの身体を刺激していく。
ロイはユノー将軍のモノを一心不乱でしゃぶっているのでどんな表情をしているのかは見ることが出来ない。
エドは四つん這いになって二人に躾けられているロイの後方に回り、菊門を攻め続けていた。
「んっ、ふぅんん…」
エドの舌がロイの中にねじ込まれる度、身体をくねらせ官能的な喘ぎ声をあげる。
散々男達の欲望を咥え込んだのか、ひくつく肉壁はエドを誘っているかの様に赤く熟れていた。
「もういい、マスタング。離せ…」
渋みのある声でロイの奉仕を制すると、ロイはズルリと咥えていた肉棒を吐き出した。
虚ろな表情でユノーの次なる命令を待つロイに、エドは顔を曇らせた。
本当に…なんでも命令通りに動く人形に成り果てたのか…?
ユノーはまだ脈打っている自身を二、三回擦ると、その先をロイに向けた。
ビュッ!!
ロイの顔目掛けてユノーが白濁の液を飛ばす。
ロイは眼を閉じることもず、頬や唇にこびり付いた精液を舌で舐め取った。
その姿があまりにも淫猥で、出したばかりのユノーも、自身がズキンと疼いてくる。
「ククク…仕上げは上々だな…この前までの威勢はどこへやら。」
ロイの頬についている精液を指で絡め取り、ロイの唇に押し当てる。
その指を丹念に舐め、目の前にいる主人の苦汁を自分の身体の中へと取り込んでいった。
「さぁ、エドワード君。君もマスタングに何か命令したまえ。何でもその通りにするぞ?」
くすくす笑いながらロイを髪を掴み、蔑むように唾を吐きかける。
ぴちゃっと頬に唾が飛ぶが、嫌な顔一つせずユノーを見つめ続ける。
趣味悪いな…このおっさん。権力者にありがちなタイプだな。
自分より下の者を蔑む差別意識の強い自惚れ屋。
大佐が一番嫌うタイプだ。
大総統もこんな面も見せるが、それは実力を伴っての本当の自信からくる。
実力もない役立たずが、自分の地位だけをひけらかして威張っているだけ…
きっと大佐は物凄く抵抗したんだろうな。
身体のあちこちに痣がある。それに薬で言う事を聞かせるなんて。
だったらこんな奴等の思う壺にならず、大佐を連れて逃げればいい。
分かっている。分かっているけど…
「大佐…」
ベッドに放り投げられた様に横たわるロイを見て、エドの下半身がドクンと疼いてくる。
あぁ…もうどうでもいい…
この欲望を埋められるなら大佐と共にどこへでも落ちてみるか…
ロイの身体を仰向けにさせ、身体の中心で自己主張しているロイ自身にそっと唇を落とす。
ピクンと身体を震わせ、小さく喘ぐロイを見てると、その反応が悩ましくてもっと見たくなってくる。
エドがロイ自身を手で弄びながら首筋に吸い付き、舌でなぞっていくと、その脇からユノーが同じ様に
ロイの身体を舌で犯していった。
薬が効いているせいもあるだろうが…ロイの身体はいまや全身が性感帯の様で、
少しの刺激だけで簡単にイってしまいそうだった。
「まだ。まだイかないでよ。ちゃんと俺のを咥え込んでからじゃなきゃ駄目。」
ギュッとロイ自身の根元を掴むと、両足を抱え猛った肉棒を押し付ける。
ズブズブと挿入されていくのをロイは歓喜を持って迎え入れた。
「あっぁあああああ!」
散々焦らされたロイは既に限界が来ており、挿れられたショックで欲望を開放させてしまった。
エドが握り締めていたのも役に立たないくらい、激しい勢いで吐精する。
その白い液はエドの腹を汚し、胸の乳首を執拗に攻めていたユノーの顔にも飛び散らせた。
「貴様っ!この私の顔を汚しおって!躾が足りないようだな!」
ロイの髪を掴んで身体を起こさせ、欲情して紅潮している頬をぱしっと叩いた。
しなやかな黒髪が反動で揺れ、汗が飛び散っていく。
その行為ですら快楽に変えてしまっているのか、ロイは恍惚とした表情でユノーの躾を受けていた。
「ふーん…叩かれて感じちゃってるの…?随分変な性癖を持ってたんだ。大佐って。」
ロイの顔を覗き込見ながらそう吐き捨てると、腰を掴んで更に奥まで咥え込ませた。
「んっあああっ、はぁああ…」
シーツを握り締めてエド自身を身体全体で感じ取る。
キュウッと肉壁を締め付け、エドの背中に腕を回し自分に密着させた。
「ンッ…ふぅ…もう最高!あんたの中…暖かいよ…凄く暖かい。」
腰を激しく前後し、最奥の一番感じるポイントを絶妙なタイミングで突き上げる。
ロイは見境なく喘ぎ、求め、夢中でエドの背中に爪を立てた。
その痛みすら忘れてしまう程暖かくて…
すぐ傍にいる人の事なんかもう目に入らない…
俺は今この人を抱いているんだ…
欲しくて欲しくて堪らなかった愛しい人を抱いているんだ…
「何でも言う事を聞くんだよね…だったら俺の名前を呼んで…大佐。」
小刻みに痙攣しているロイにそっと口付けして、汗で濡れた黒髪をかき上げる。
いつものような「鋼の」じゃなく、ちゃんと俺の名前を呼んで…
その漆黒の瞳の中に俺を映し出して…
「はぁ…ああっ…」
大佐…?
「それは無理な命令だ。エドワード君。」
すぐ脇からユノーが手を差し出し、ロイの頬をすっと撫でる。
エドを見つめていたロイがその頬の刺激でエドから目線を反らし、ユノーの方に眼を向けた。
「マスタングは今真っ白な状態だ。自分が誰に抱かれているかよく分かっておらん。」
「自分に触れるものすべてに奉仕するよう躾けているからね。君とは分からずに喘いでいるんだ。」
唇を弄ぶユノーの指をロイは舌でゆっくりと舐め、ユノーは指についたロイの唾液を頬に擦り付けた。
「来なさい、マスタング。今度は私の番だ。」
そう命令され、ロイは自分の中でまだ脈打っているエド自身を自らズルリと引き抜き、ユノーの方へ這い蹲って移動する。
胡坐を描いて座っているユノーに、向かい合わせに跨いで腰を下ろす。
自らその入り口を押し開き、ユノーの身体の中心で起立している陰茎をズブズブと押し入れていく。
身体を反らし、低く喘ぎながらゆっくりと腰を下ろしていく。
ユノーがロイの腰を掴み、グッと勢いをつけてユノー自身をすべて咥え込ませた。
「さぁ、私を満足させて見なさい。自ら動いて…ね。」
にやりと笑いながらロイの髪を優しくなでる。
さらりとした黒髪は誰もがその手触りに驚嘆した。
絹の様な肌さわりに艶のあるしなやかな黒髪。
「軍の仕事に邪魔だ」と常に短くカットされているが、女のように長く伸ばしたらさぞかし美しいだろうに…
その髪に魅了された上官達は皆、そう妄想を膨らませるのだった。
指に絡ませればはらりとすり落ち、激しく突き上げればその動きにあわせて振り乱れる。
男にしておくのは勿体無いほどの妖艶さ…
いや、男だからこそ、その怪しげな色香に魅了されるのかもしれない。
大総統でさえなびかせる事の出来なかったこの黒豹を、今自分が思うままに這い蹲らせている。
ユノーは心からその優越感に酔いしれていた。
「…やっぱりやめた…」
ポツリと呟いたエドに、ユノーが一瞬眼を向ける。
片腕の少年が拳を握り締めてユノーと繋がっているロイを見据えている。
「どうかしたのかね?エドワード君。」
「あんたに名前なんか呼ばれたくないね。」
呼んで欲しい人は俺の事をわからない…
俺が欲しかった人はもっと自信に溢れていた。
もっと…もっと俺を見てくれていた…
大佐を好きにしていいと言う誘惑は確かに魅力的だけど…
「やっぱりやめた。大佐を連れてここから出て行く。」
構えの体制をとり、ユノーの眼をキッと睨みつける。
ユノーもロイも微動だにせず、ただエドの行動を見つめているだけ。
フッと笑ったようにも見えて、エドの怒りが爆発する。
「大佐を放せ!この人は俺のもんだ!」
揺れるベッドの上でユノーに殴りかかる。何故かユノーは避けようともしない。
馬鹿なやつ。避けられないのかよ。やっぱり役立たず…
ガシッ!!
「なっ…」
ユノーの目の前まで伸ばされた左手の手首を白い手が掴み取る。
そのままぎりっとねじ伏せ、後方に払いのけた。
「大佐…?どうして…」
エドの顔に困惑の色が隠せない。自分を助けようとするその手を払いのけるなんて…
「ククク…わはははは!そうだ!これで仕上げは完璧だ!」
繋がったままのユノーが高らかに笑い、ロイの肩を抱き寄せた。
「訳が分からないと言うような表情をしているね。命令通りに動くだけでは駄目なのだよ。」
「主人たるこの私を命がけで守るようにならないとな。」
ロイの肩越しから勝ち誇った様に笑いながらエドを見据えていた。
ロイは無表情でユノーの身体に身を預けている。
そう…あのサイファンと名乗った中尉と同じ表情で…
「そんな…そんな…大佐!俺が分からない?大佐!」
「無駄だ。今のマスタングはこの私しか分からない。大佐が欲しかったら私の命令に従う事だ。」
ロイの耳元にユノーがそっと囁く。
ロイは静かに頷き、自ら結合部分を引き抜いてゆらりとエドの方へ近づいていった。
「大佐…嫌だ!来ないで!」
振りかざした左手をガシッと掴み取るとそのままベッドに押し倒す。
エドの唇を吸い、首筋に舌を這わせ、胸を弄り、そしてすっかり萎えてしまっているエド自身に唇を這わせていった。
「やっ、ああっ…ンン…」
ビクンと身体を震わせて、ロイの愛撫にエドの体も徐々に反応していく。
ある程度の太さと硬さを維持できた時、ロイはエドの上に跨り自ら秘所にエドのモノをあてがいそのまま腰を下ろしていった。
「んっああっ、やっ、だ…大佐…」
言葉とは裏腹にエドの上で腰を振りその快楽を引き出そうとしているロイを潤んだ瞳で見つめ始める。
あぁっ…大…佐…いいよ…凄くいい…
このまま何度か抱けば、俺の事思い出してくれる…?
俺の名前を呼びながら俺を感じてくれる…?
「マスタング大佐…俺を見てよ…」
ロイに向って差し出された左手を、ロイは取る事もなくただエドの上で腰を揺らす。
エドの頬に涙が零れているのを見ても、ロイは表情を変えず絶頂へと導いていく。
二人ほぼ同時に甲高い声をあげ頂点へと達した姿を見て、ユノーは満足げに笑っていた。
金色の子猫も私の手に落ちた。さぁ、あとはその日を待つだけ。
待っていろ…ブラッドレイ。必ず貴様を大総統に地位から引き摺り下ろしてやる。
4日後の軍事演習…その日が貴様の最期の日だ。
本来私がなるべきだった大総統の地位。
それを取り戻すのだ。
To be continues.