腐った林檎たち  22









        エド…





        エドワード…









        視線を外さず、その名を呟く。



        脳天を突き刺すような官能的な喘ぎ声を上げても、潤んだ瞳はエドに向けられる…







        「大佐…俺の事判るの…俺の名前…覚えてるの…?」





        よろよろとベッドに近づき、ロイに触れようと手を伸ばそうとする。



        大佐…大佐…大佐…







       







        「何だ…今度は本物か。こやつ、さっきからこの部屋に入って来る者皆にその名で呼ぶのだよ。」

        「…今…なんて…」



        エドは呆然としながらロイを弄ぶ将軍に目を向けた。



        「聞こえなかったか?マスタングは今ここにいる者全員に同じ名前で呼んだのだよ。」





        エドワードとね。





        突き上げて、胸を弄り、自身を擦りあげて淫らに喘ぐ。

        甲高い声をあげながらわしらを受け入れ、全身に精液を塗りたくられている。



        「その度にお前の名前を叫びながら悶えているのだよ。クク…わしら全員をお前と思っているらしい。」

        「東方司令部にいた時、君はそんなに良かったのかね?お前を思い出しては絶頂に達しているよ。」





        ロイの顎をグイッと自分に引き寄せ、半開きの口に舌を割り込ませ口内を犯す。

        ぴちゃぴちゃとわざと音を立ててエドの反応を愉しんでいる。



        ロイは嫌がる事もなく、夢中で将軍達の舌に貪り食っていた。











        「…俺はここに来るまで一度たりとも大佐を抱いてないよ…」

        薬で訳判らなくなった大佐を抱いたのが初めてだ…





        SEXはおろか、キスだってした事ない。抱きしめた事も、抱きしめられた事だってない。





        なのに俺を思い出して何であんたはイけるんだ…

        俺は何もしていないのに…





        「そうか、では大佐は余程君が好きだったようだな。薬の副作用でもある幻覚で、抱く者すべて君に見えるようだ。」

        ロイの腰に深々と己を突き刺している将軍が鼻で笑いながらそう告げた。







        好き…??俺の事が…?そんな馬鹿な…



        俺の顔を見ては文句ばかり言ってたし…

        「好きだ!」といっても鼻で笑って馬鹿にしてたし…

        意を決して押し倒しても思いっきり抵抗して挙句の果てには焔で吹き飛ばしたし…







        そんな大佐が俺を好き!?幻覚で俺を見る程俺の事を好きだった…?







        「そんなの…今更…意味ないよ…」



        薬で壊れたあんたからそんな告白されたって…





        「そうだな。今はお前の事など何も判っておらん。目の前の快楽と、命令に忠実なだけの人形だ。」

        ロイを後ろから犯していた将軍は、ロイの腰を持ち、前後に揺さぶり奥へと己を誘導させる。

        ロイの左側にいた将軍はロイ自身に熱心に舌をはわし、先から溢れる白濁の液を舐め取っていた。



        膝立ち状態のロイの胸を更にもう一人の将軍が弄っていた。

        ぷっくりと立ち上がっている乳首に歯を立て執拗に攻め立てる。





        その度にロイは痙攣を繰り返し、悲鳴に近い喘ぎ声を発し、夢中で三方からの愛撫に悶えていた。





        後ろをせめていた将軍が、ブルッと身体を痙攣させると、そのままロイの中に何度か目の精を吐き出す。

        つっ、と太ももに溢れ出した精液が流れ出し、それがとても官能的だ…





        はぁ、はぁと荒い息をつきながらそれでもロイはエドから視線を反らそうとしなかった。





        エド…





        そう言いながらエドに向って手を伸ばす…









        「………俺の事…わかんないくせに…」







        エドワード…







        「正常だった時は俺を拒んでいたくせに…」







        「何で今頃俺を求めるんだよ!遅すぎるよ!」







        何でこんなにも俺はあんたが好きなんだよ!

        お蔭で俺はここから逃げられない…







        あんたから逃げられない…









        「鋼の。お前も加わるか?大佐の口はまだ空いているぞ?」

        ロイの頬を掴み、無理やり口を開かせる。

        精液のこびり付いた顔はそれこそ扇情的で、口からはみ出ている赤い舌はエドのモノを欲して蠢いている。





        「……いいよ。させて貰う。本物の俺はここだって事大佐に判らせてやる!」



        



        いつか元に戻った時…忘れたなんて言わせないように…

        あんたの身体に刻み込む…





        エドはベッドに登ると、スボンのチャックを下ろし、己を取り出した。

        そしてロイの頭を掴むとその口に自身をあてがい、舐めろと命令する。



        ロイは静かに眼を閉じ、先端を優しく口付けをすると丁寧に舌を這わしていった。

        





        それはまるで愛しい者にその想いを示すかの様に、優しく…愛情を込めて…



        明らかに他の将軍とは違う行動だが、エドにはそれがわからない。





        「ちんたら舐めてんじゃねーよ!さっさと咥えなよ!」

        ぐぐっと口の中に押し込み、前後に腰を動かしロイに押し付ける。

        むせ返りそうになりながら口の中いっぱいに広がったエドの欲望を懸命に奉仕する。



        何でそんなに必死になって…



        触れる者すべてに奉仕しろと命令を受けている…そう言ってたな…





        俺と判ってそんなに夢中になってるの…?

        それとも命令だから…?

        

        「出すよ。ちゃんと飲み込めよ…」

        一滴も垂らすんじゃねーぞ!俺のすべてあんたの中に取り込めよ!



        



        ゴボッ…

        「んっ、く…んん…」





        吐き出されたエドの精液をロイはゴクンと飲み干した。

        が、僅かに飲みきれなかったのか、口恥からとろっと白い筋が零れ落ちた。





        「溢したな!全部飲み込めって言ったのに!」

        ロイの髪を掴んでぐっと引っ張りあげる。ロイは苦痛で一瞬顔を歪めた。



        それでもエドの顔を見るとたちまち優しく微笑を浮かべる…

        



        それがエドをイライラさせる要因となっているのだが、当然ロイは分からない。









        「俺の命令を聞けなかった罰。将軍だけじゃなく、俺のも味わいな。」

        将軍のモノを未だ深々と咥え込んでいるロイの秘所につっと指をはわしていく。

        ロイはピクンと震え、潤んだ瞳でエドをじっと見つめていた。





        「何俺を誘ってんだよ!この淫乱!」



        グッと指を膣内に押入れ、そこを広げて隙間を作ると、そのままエド自身も挿入させた。







        「ひぅ、あぁああああ!!」

      

        ビクビクと身体を痙攣させ、二人分の欲望を受け入れる。

        すべてを咥え込ませ、エドはロイの胸に舌を這わせた。





        「動けよ…俺の事好きなんだろ…?命令には忠実なんだろ?将軍と俺を満足させろ。」



        後ろで突き刺していた将軍も低い喘ぎ声を上げながらロイに自身を押し込んでいく。

        前ではエドがロイの腰を掴み上下に落として肉壁を擦りあげていく。





        「あぁはああっ…エドワード!!あぁああ!」









        俺の名前を呼ぶな…







        「いっあぁぁあ…エド!!」







        俺を見て笑うな…















        何があっても俺はあんたを見捨てない…













        たとえ元に戻らなくても…俺はあんたから逃げはしない…







        明日の軍事演習で、どんな結果になろうとも…













        俺はあなたの傍から離れない…















        心から愛しているから…











        To be continues.





  
   






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