ゲームを征する者 15
4:40 ぐちゅりと卑猥な音が、兵士達の脳内を否応無しに刺激していく。 いつも、陰で馬鹿にしていた小さな錬金術師… その彼が、自分達の上官を組み敷き、猛り狂った肉の棒をその中へと押し込んでいく。 ロイが恐らく屈辱の表情で歪んでいるだろうと期待でその顔を眼に映す。 白い胸に頭をうずめる少年の肩を、ロイは愛しそうに抱きしめ、全身でエドを迎え入れる。 その表情は穏やかで、幸せに満ちていた。 「はぅっ!!あっあああ」 全てを咥えこみ、エドの物でいっぱいになった時、エドはロイの顔をドアの方へと向かせた。 ロイの瞳に、大勢の兵士達の視線を感じる。 驚きと羞恥心でロイの顔が歪むかとハボックが眼を細めた。 「!!!」 そこに居る全ての者が驚愕し、そしてその顔に魅了されていく。 ロイはドアにいる者に向って、今まで見せた事のないような顔で笑ったのだ。 その顔は欲情からではなく… 諦めからではなく… 心から愛している人と結ばれるその喜びを表した笑顔だった。 「なんて顔して笑うんですか…大佐…」 「あの笑顔は…私の前ですら決して見せない。そう、あの鋼の少年のみが見ることが出来る…」 だから、自分達は決してエドには敵わない。 他の人たちでは、あの笑顔は決して出させる事は出来ないだろう… 軽く口付けを交わすと、エドは腰を使いロイを激しく突き上げた。 時折優しく、そして激しく… ロイの中の肉襞とエドのモノとが擦れあい、ロイに狂わんばかりの快楽を引き出させる。 「あっ、あっ!エド!!」 突き上げられる度に、汗が珠の様に飛び散り、しなやかな黒髪が動きにあわせて振り乱れる。 自分達もあんな風に大佐を抱いてみたい。 数人の兵士が無謀な事を思ったのか、エドとロイのいる方へと歩み寄っていった。 「よせ!お前らじゃ相手にならん!!」 ハボックが慌てて制したが、欲望に眼がくらんだ兵士達には聞こえなかった。 ふらふらと近づく兵士に、エドが気がつきそちらを向いた。 「何…?大佐を抱きたいの…?」 「駄目だよ。この人は俺の物だ。誰一人として触れさせない。」 「そうだね…この人のこんな表情を出せるんなら、考えてもいいけど…」 にやりと笑うと、仰向けに貫かれていたロイをうつ伏せに反転させる。 そして、体を起こさせると、そのまま後ろからロイを激しく突き上げた。 「ひっあああ!やぁあっ!」 「片腕だから、支えるのがちょっと辛いけど…」 すかさずブラッドレイがエドの傍らに近づき、膝立ちのロイを片手で支える。 もう片方をエドの失われた腕の肩に置き、エドの姿勢を楽にさせた。 「ありがとう!このまま傍にいてくれる?」 「勿論だ。大佐は私が支えてあげるから、君は好きに動くといい。」 エドとブラッドレイは、軽くキスを交わすと、腰の動きを再開した。 エドの左手が、ロイ自身を掴み擦りあげる。 すでに先走りでトロトロになっており、少しの刺激でロイはビクビクと体を痙攣させ、 エドの愛撫に敏感に反応した。 「大佐…気持ちいい…?俺として、気持ちいい?」 眼を閉じ、迫り来る快楽の耐えながら、エドの質問に答えず頷く。 「お願い…ちゃんと言ってよ…」 ぐいっと腰を押し付け、ロイの最奥を突き上げる。 「ひあああっ!んっん!」 左手の動きも止めない。絶えず刺激を与え続ける。 「俺として気持ちいい…?」 「いい!エド!いいから!!」 もっと!もっと私を激しく抱いてくれ! 「大佐…愛してるよ…心から愛してる…」 エドの動きが早くなり、同時にロイの痙攣も大きくなっていく。 「はぁ!ああ!エド!!!」 「はぁっ!大佐…俺もう!!」 ぐっとロイの腰を引くよせ、中をかき乱すように突き上げた。 左手の動きは早くなり、ロイ自身も大きく脈をうち始めている。 「んっああああっあ」 「うっ、んん!はぁっ…」 同時に甲高い声を上げ、ロイは背中を大きく反り返して絶頂に達した。 黒髪が振り乱れ、顔から白い汗が飛び散る。 そしてロイの中心の先から、白濁の液が解き放たれる… その姿があまりにも綺麗で… その姿があまりにも淫靡で… その姿は、自分達では決して見ることは出来ないと誰もが察していた。 あぁ…こんな顔は…俺には到底出せませんや…あんたに完敗っすよ…鋼の大将… そして、エドがロイの中へと吐射する。 ロイはそのままブラックアウトしてしまい、ゆらりと体が倒れこんだ。 ブラッドレイがさっと手を出し、倒れていくロイを抱きかかえた。 その時… サァァァァ 窓から朝日が差し込み、ロイとエドを優しく照らす。 紫外線を浴びた首輪は、たちまち溶け出し、エドの首からぽとりと落ちた。 同じく、ロイの首輪も床に落ち、ブラッドレイがそれを拾い上げた。 朝日は奥まで差し込んでいき、ハボックや兵士達の首輪と次々と溶かしていく。 部屋中に朝の光が差し込んできた時、エドがドアに向ってにこやかに笑い、こう言った。 「ゲームオーバー。祭は終了だね…」 屈託のない笑顔を見せる少年に、そこに居る誰もが『敵わない』と肩を落とした。 ロイ・マスタングはエドワード・エルリックの物。 全ての者が認めた瞬間だった。 To be continues.