背負うべき罪   8





        錬成陣が当たり一面に書かれた床で、ロイがちょこんと横たわっている。







        俺はあいつに馬乗り状態になり、シャツのボタンを一つ一つ外していく。

        ロイも手を伸ばし、俺のボタンを外そうとする。



        下の方だけ届き、上の方は届かない。







        ロイが身を起こして俺のシャツに手をかけようとするから、両肩を押さえてまた押し倒す。



        きょとんとしているロイの顔が可愛くて…その額に思わずキスをしてしまう。

        目尻や鼻筋にキスの嵐を浴びせていたら、いつの間にかシャツのボタンを外されていたよ。



        無理やりシャツを肘まで脱がされ、俺の胸にロイの手が撫で回す。





        「くっ、くすぐったいよ、ロイ…」

        「お前はいいよな…体ががっしりしていて…俺は幾ら頑張っても筋肉が付かないできゃしゃなままだ。」

        

        そのきゃしゃで白く、透き通るような肌を持ってるから、色ボケ将校どもに狙われるんだ。

        だが俺はロイがそうであって良かったよ…





        「お前がアームストロング少佐のようだったら、あんな噂立つ事もなかっただろうな。」

        「…止めろ…想像しちゃったじゃないか…」





        一瞬の沈黙の後…俺達は顔を見合わせて高らかに笑った。





        久しぶりに見る、ロイの笑い顔と笑い声。

        すべてを諦めたような冷たい笑顔なんかじゃなく、暖かい心からの笑顔…



        「そのきゃしゃな身体に痕付けるぞ…」

        そう言ってロイのすでにはだけてある胸に唇を落とした。



        強く擦っては白い肌に紅い印を付けていく。

        その度にロイは小さく震え、俺の髪に指を絡ませながら見事に反応を返していった。

        まるで全身が性感帯のように…



        触れる所すべてで敏感に感じ、喘ぐ声は次第に淫らになっていく。





        その声を聞くだけで、頭の中が痺れていく。

        闇に落ちてからは更にその美しさに磨きがかかったと言うか…



        色っぽくなったよ…本当に…

        あの男が毎日弄んでいるのかと思うと…悔しくて…

 

        頭を振って意識を現実に戻す。

        ロイを腕の中に抱いておいて、あいつの事を考えるな。





        ズボンのチャックを外し、腰を浮かせてするりと剥ぎ取っていく。

        ロイも俺のズボンに手をかけていた。



        「何だ…もうすっかり出来上がっているじゃないか…」

        情けない事に、もう随分前から俺の分身は意識を持っていた。

        所詮、俺も色ボケ将校の一人なんだ。そりゃそうだろ…



        こんな上等なご馳走を前にして男が起たなきゃそれはもう枯れているんだ。





        苦笑いをしていると、ロイが体を起こし、俺自身を優しく口に含んでいった。

        

        膝立ち状態の俺は、いきなりの行為に思わず前かがみになってしまう。





        「っ、ロイっ、ちょ…」

        クチュクチュと音を立て、舌を使って俺の意識を飛ばしていく。

        絶妙の舌捌きは俺を満足させるどころか、更に貪欲にさせていた。





        もっと、もっと快楽を…

        お前をめちゃくちゃにしたい…



        ロイに対するどす黒い想い…これが闇か…





        ロイの頭を抱え、口元が見えるように髪をかき上げた。

        俺のを咥え、唾液と先走りでロイの顎に白い筋が伝っている。



        やばい…もう限界を迎えそうだ…俺はこんなに忍耐なかったか…?



        「ゴメン、ロイ、出すぞ!」

        ロイの頭を押さえ、腰を押し付け、さらに奥へと咥えさせる。

        むせ返りながらも、それを出すことが出来すロイの顔が苦渋の表情に変わっていく。



        幸せそうな笑顔より、こっちの顔の方が綺麗に見えてしまうのは闇のせいか…?



 

        ゴボッ…

        大量の精液がロイの口内を汚していく。

        残らず飲み干そうとして、飲みきれず、口端から白い液が零れ流れていった。



        ゲホッゲホッとむせ返し、大きく咳をしているロイの顎を掴み、俺のほうを向かせる。



        マース…?とちょっと不安そうに小さく笑い、俺の顔を見続けている。





        優しくロイの髪をかき上げ、頬を撫でると、気持ちよさそうに眼を閉じる。

        俺に安心しきっている顔だな…複雑だ…



        俺の中で闇と親友の名が戦っているようだ。



        親友のように優しく抱くか…

        闇のように犯すか…







        







        ロイ…俺は闇へは落ちない…

        共に落ちずにお前の光になろう…











        「ふぁああ、んん…」

        ロイ自身を掴んで擦り、先から溢れでる蜜を秘所へと擦り付ける。

        指を入れると、それだけで身体を反らしてビクビクと痙攣させた。



        一本、二本と増やす度に、身をよじってよがり、甘い喘ぎ声を漏らす。

        

        くちゅくちゅと中でかき回せば、たちまち蜜が湧き出し、肉壁が俺の指に喰らい付いてきた。





        「はっ、んん、マース、は、やく…」

        迫り来る快楽に耐えられなくなったのか、俺を求めて足を絡ませ懇願する。







        闇に染まったお前は、性に対してどんどん貪欲になっていく…

        





        出したばかりの俺の分身は、いつの間にかしっかり頭を持ち上げて、

        いつでもあいつの中へ入ろうとヒクついていた。



        両足を抱えロイの中心へと前進する。





        「ひぁあああああ、マース!マース!」



        俺の名を叫びながら、ロイは腰を淫らに振り更に奥へと誘導する。

        根元までぐっと押し込むと、それだけでロイは白濁の液を吐きだしてしまった。





        「あっ、ああ、マース…」

        「挿れただけでイっちゃったのか?男冥利につきるね〜」



        笑いながら俺は腰を動かす事を止めなかった。

        イったばかりだから、ロイの身体は更に敏感に反応している。





        浅い所をつつけばロイの中がきゅっと締まり、俺の欲望を更に刺激する。

        そのまま奥へと突き上げると堪らずロイが悲鳴をあげる。

        俺がする事すべてに過剰なまでに反応してくれる…





        闇へと落ちて、その快楽を共に味わおうと思ったが…

        俺はやはり「親友」という名の足枷をはめよう。





        一緒に這い上がった方がいいのか、上から手を差し伸べた方がいいのか…

        今は分からない…







        お前が闇に染まっていくなら、俺は光になってお前を照らそう。







        腰を動かしながら、指をロイ自信にはわし、先から溢れる蜜を絡め取る。

        親指と人差し指で軽くつまむと、ビクッと身体が震え、さらに蜜を溢れさせた。

        萎えていたはずのロイ自身は勢いをすでに取り戻し、再び限界を迎えようとヒクヒクと震えている。



        突き上げながら、ロイが一際反応した所を攻め立てる。



       

        「あぁ、はぁあああっ」

        ロイの腰がガタガタ言い出した。二度目の限界が近いのか…

        両足を広げ、パンと腰を打ち付ける。



        「ひっんん、はぁあああ!!」

        一際高い喘ぎ声を上げ背中を大きく反らし、床に爪を立てて俺の攻めに耐えている。





        床の錬成陣が、ロイの汗と精液とで滲んでいく…



        そのまま洗い流してしまえばいい…忌まわしい禁忌の印など…





        「あ〜もう限界…そろそろいいかな。」

        「はっ、ああ、マース…」

        ロイの腕を掴み身体を起こさせ、背中を抱えて向かい合うような姿勢をとる。





        身体の支えをなくすと、自分の重みでズブズブと俺自身を咥え込んでいく。



 

        「やあああっ、マース!!もう駄目!!」

        「もうちょっと!ロイ、一緒にいこう。」





        ロイの身体を持ち上げては俺の上に落とす。

        俺の首に腕を回し、しがみ付きながら荒く息をついている。

        その呼吸が段々速くなってきた。限界を迎えようとしているんだ。





        「あ、あ、マース…、はっ、ああああああ」



        髪を振り乱しながら大きく身体を反らし、脳内が狂ってしまうんではないかと思うような甘美な声を上げ…

        ロイは今まで見たこと無いくらい綺麗で、美しい姿を俺に見せてくれた。





        そのままずるずると力が抜け、俺の上にずしりと沈む。





        その衝撃で俺のも限界を超え、ロイの中へと射精した。











        ぐったりと寄りかかるロイ…

        あいつがいつもどんな風にロイを抱くのか…何となく分かる気がする。





        傷つけあいながら…恐らく、お互いを傷つけあいながら愛し合っているんだろう。

        だったら俺はロイを優しく包み込んでやるさ。







        あいつの事など気にしなくてもいい。ロイが傷ついたら、俺がそれを舐めてやる。





        ロイが望まない限り、俺からはロイを抱かない。

        俺はロイを理解してあげればそれでいいんだ。





        信じて、理解して、常に下にいてロイの為に命をかけよう。















        だがこれではロイは救えないんだと悟ったのは…金髪の少年と出会ってからだ…



  







        

        To be continues.





  
   




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