腐った林檎たち 37
「来い!マスタング!貴様がわしにした事を償わせてやる!」
荒々しくロイの腕を掴むと、引きずる様にベッドへ連れて行く。
どさっと放り投げられ、ロイはベッドの上にグランに背を向ける様に倒れこんだ。
ガシッと頭を押さえつけられ、尻を高く掲げるような格好になる。
「貴様が育ててくれたお陰でこちらの準備は万端だ。お前の方はどうだ?ん?」
ぐりっと親指で双丘を押し開けば、こちらもすでに濡れそぼっている。
ひくひくと収縮していかにも誘っていうるようで淫靡だ。
グランはごくりと唾を飲み込み、己をそこにあてがった。
「うっあああああ!!」
慣らす事もなく一気に最奥へ突き上げる。
その痛みと衝撃にロイはシーツを握り締め、身体をしならせ悶え始めた。
ロイが身体をくねらせる度にロイの中が収縮し、グラン自身への刺激がより一層増していく。
その度にグランはイキそうになるのを必死で我慢していた。
なんだ?こいつは…これではそこいらの高級娼婦より淫乱じゃないか…
ロイのその絶妙なテクニックに半ば呆れながらもその魅力に取り付かれていく。
出世の道を断念されてでもこの男を自分だけ物にしたい…
そういう衝動に駆られていく。
「んっあああああ…」
ロイがより一層の声を上げると、途端に肉壁がキュゥゥと締め付けた。
腰を持ち上げ出し入れを激しく続けていたグランは、その快楽に耐え切れずロイの中に思わず射精してしまった。
ゴボッゴボッと大量の液が押し込まれていく。
ずるりとグランが抜き去ると、入りきらなかった精液がたらりと流れ出し、ロイの太腿を白く犯していく。
荒く息を付きながらロイはグランの方を振り返り、そのままグランの首に腕を回した。
驚くグランをよそに、自らその熟れた唇を合わせていく。
「んっふっんん…」
卓越された舌業でグランの口内をかき乱す。
途端に萎えていたグランの分身は元気を取り戻していった。
「まだ…まだ…足りません…閣下…」
耳元で囁くように怪しく誘う。
グランはブラッドレイの言葉を思い出していた。
『乱暴に扱っても構わんよ。大佐はそれが好みらしい。』
「成る程。貴様は乱暴にされた方が燃えるのだな。」
ロイの顎を手荒に掴みぐっと自分の方に向かせる。
その眼は喜んでいる様にも見えた。
グランは右手に錬成陣付きのグローブをはめ、床にその手を置く。
バリバリと青白い光が放ち、その中心からグロテスクな物が取り出された。
「貴様のような淫乱な猫にわしのモノを何度も与えるのは勿体無い。」
そう言い放つとロイをうつ伏せに押さえつけ、いまだグランが放った精液を流し続けているそこに
今錬成した物をぐりぐりと押し込んでいった。
「っはぁあああ…」
びくびくと痙攣しながらそれを奥深くまで受け入れる。
それはグランの陰茎を正確に模った自慢の作品。
丁寧に中にはモーターが内蔵され、ロイが動くたびに振動でそれは中で異質な動きをした。
「ふぁっ、んんぅ…」
「いいだろう??これを入れると娼婦どもは皆快感に打ちひしがれるのだよ。」
ロイが少しでも動けば、中でそれは反応する。
その度に全身に快感が走り、否応なしに身体をよじる。
その動きにまた反応し、そしてロイは終わる事のない快楽の連鎖に苛まれていた。
あっ、あぁぁ!!
大きく背を反らし、ロイは中に咥え込んだまま絶頂に達し、シーツの上に白い液をほとばしる。
だが中の物はその動きに更に反応しロイに刺激を与えていた。
イったばかりなのにまた新たな快感が身体中を支配していく。
ロイは小刻みに痙攣し、ベッドの上でグランを見上げ、訴える様に擦り寄っていった。
だがグランは荒々しくロイの髪を掴み、ぐっと自分の目線に引き寄せる。
「何だ…その眼は。わしに媚を売ろうったって訊かんぞ!」
許しを請うならこれを咥えてわしを満足させてみろ!
前髪をガシッと掴み、ロイの顔を自分の股間に持っていった。
目の前には赤黒く肥大したグロテスクな肉棒。
ロイは震えながらそれに手を添え、舌を這わす。
根元から先端へなぞる様に舐め、亀頭に到達するとつぅっと吸い付いた。
その軽い刺激が何ともいえない様な快楽を生み出し、たちまちグランの先から透明な液が流れ出した。
それを絡め取る様に舌を使い、そしてすべてを咥え込んだ。
喉奥に到達するほど、グランの物は大きい。
奉仕するだけでも咽てしまいそうになる。
だがグランは腰を前後に動かし、更に奥底まで押し込んでいった。
「ぐっふぅんん!」
あまりの苦しさにロイの目尻から涙が零れ落ちていく。
グランが腰を打ち付ける度にロイの中で蠢いているもう一つのグラン自身が反応しロイを攻め立てる。
前後からの刺激にロイの眉間は歪み、うっすらと汗も滲み出ていた。
そのうちグランの動きは早くなり、口内の肉棒は更に肥大して行き脈も打ち始めた。
「出すぞ、全部飲み干すのだ。」
ぐっと前髪を掴み、その口の中に白濁の液を流し込む。
ゴボッとむせ返し、ロイはすべてを飲み干す事は出来ず、口端から溢れさせてしまった。
「全部飲めと命令したろうが!!」
パァンと頬を殴り、その反動でロイはベッドにうつ伏せに倒れこむ。
その衝撃はロイの中で執拗な攻めを生み出していた。
「ハァ、ハァ…」
荒く息を付きながらゆっくりと身体を起こす。
僅かでも身体が動けば中の物はぐちゃと動き、それに反応したロイの肉壁がそれを締め上げる。
それがロイを狂わせる程の快感を与えていく。
悶え苦しむその姿に、グランはまた股間が熱くなっていくのを感じ取った。
「どうやら一つでは足りない様だな。玩具と本物と、どちらを貴様はお好みか?」
ロイを仰向けに倒し、両足首を掴んで左右にぐっ開かせる。
身体の中心では中の物が蠢く度に、嬉しそうにプルプル震え、透明な蜜を流し続けている。
グランはもう一つのグラン自身を咥え込んでいる孔に指をはわし、ぐぃっとそこを広げた。
そして再び頭をもたげている己を何の前触れもなく挿入した。
「ひっああああ!!ンッああああ…」
その衝撃でロイの孔はピッと裂け、トロトロの蜜と共に紅い物も入り混じっていく。
それが円滑財の代わりにもなり、グラン本身を更に奥まで咥え込んでいった。
本物の肉棒と偽者の肉棒が擦り合わされ、グランにも例え様のない快感を生み出していた。
ロイの腰を掴み、太腿を押し広げグランは腰を前後に動かし抽挿を繰り返す。
突き上げられ、揺さぶられ、ロイの中の二つの棒がそれぞれ違う動きをする。
ロイは身体中を支配している快楽に酔いしれ、恥じらいもなく声を張り上げていた。
その声はあまりにも淫猥で、流石のグランも耳を塞ぎたくなるくらいだった…
永遠に続くかと思われたグランの陵辱も、流石に精力が尽きたのかロイの中からずるりと己を抜き取った。
支えを失ったロイはどさりとベッドに倒れこみ、ぐったりと身体を沈ませる。
「これくらいで勘弁してやろう。マスタング大佐。これからも軍や上官に忠誠を誓うんだな。」
脱ぎ散らかした服を拾い集め、身なりを調える。
その顔は満面の笑みで覆われ、一目で満足した表情だと分かる。
散々弄んでやったわ。さぞかし疲れてぐったりしている事だろう。
そう思い振り返ってロイを見る。
「なっ…??」
ベッドの上でゆっくりと身体を起こし、よろよろと自分に近づいてくる!?
その眼は虚ろで、焦点がはっきりしていない。
そしてグランの傍まで来るとそのまま跪き、ズボンのベルトを外しにかっかった。
「なっ、貴様!まだやり足りないというのか!?」
冗談じゃない!これ以上こやつの色香に付き合わされては身が持たない!
纏わり着くロイを殴りつけ自分から引き離す。
「もう終わりだ!わしとて忙しい身なのだぞ!貴様の快楽なんぞにそうそう付き合っていられるか!!」
床に這いつくばっているロイを侮蔑の目で見下す。
ふん、淫乱な猫め!そんなに疼くなら一人で処理でもしていろ!
ぺっと唾を吐きかけ、そのまま部屋を出ようと扉に手をかけた。
「うっあっああああああ!!!」
いきなり狂ったような声を上げ、ロイがグランに襲いかっかった。
「わっ、な、何をする大佐!わしに逆らうか!離せ!!」
軍服にしがみ付き、首に手を回そうとするロイを引き離そうと、必死で払いのける。
だがこれがロイの力なのか?と思える程強靭で、たちまちグランの軍服は引きちぎられていく。
そのままグランは床に倒され、馬乗りになったロイがグランの首に手を廻した。
必死で抵抗するがロイの手はびくともしない。
『殺される!?』
死の恐怖が頭をよぎった時…
「止めろ!マスタング!!」
ロイの背後からブラッドレイが押さえ込み、グランの首を絞めていたその手を外しにかかった。
絞めようとする力と、離そうとする力が攻防を繰り広げる。
一瞬ロイの力が弱まりグランの首から離れていった。
「グラン!早くしろ!」
「はっ、はい!!」
グランはロイを払いのけ、ドアの方へ後ずさった。
ハァハァと息を付き、肺に空気を送り込み一息入れる。
そしてブラッドレイとロイの方を見ると、今度はロイがブラッドレイに襲いかかっていた。
「ああああ!!わああああ!!」
「落ち着け!!薬はもうない!お前が快楽に打ち勝たねば元に戻れぬのだ!!」
部屋中にあの悲鳴がこだまする。一体何がおきているのだ…?
グランは目の前で繰り広げられている光景にただ立ち尽くすだけだった。
ロイはまだ暴れ、ブラッドレイの服はもうずたずたに切り裂かれていた。
「ヒューズ!!ヒューズ!!手伝ってくれ!!」
ブラッドレイの叫びに部屋の更に奥にいたヒューズが飛び出してきた。
「ロイ!!落ち着け!今与えてやるから!」
暴れるロイの頭を押さえつけ、その唇を奪うように重ねる。
舌を絡ませ、貪り食らう様なキスをかわすと、ロイは次第に落ち着いていった。
長いキスを終えて唇を離した時にはすっかり大人しくなり、ヒューズの首に腕を回し、
もっととせがむような眼で見つめていた。
「まだまだ足りないのか…ロイ…どうしたらお前の身体の疼きは解消されるんだ…」
そう言うと、ヒューズはロイを抱きかかえ、ベッドに連れて行きその首筋に唇を落としていった。
「大丈夫か…中佐…」
「大丈夫な訳ないっすよ。今日はもう打ち止め。睡眠薬で眠らせます。閣下が平気なら閣下にお願いしたいですが?」
「いや、流石の私もこう連日連夜では身体が持たん。それにもう私達では効かないらしい。」
あっけに取られているグランをよそに、秘書官が睡眠薬入りの注射を持ってきた。
ブラッドレイはそれを受け取るとロイの傍に近づき、ロイ自身を弄っているヒューズの隣に立つ。
「さぁ、マスタング、腕を出しなさい…」
ロイは注射器を見るや否や眼が輝きだし、ヒューズに抱きついていたその腕をブラッドレイに差し出した。
恐らく…あの薬と間違えているのだろう…
「眠れ…マスタング…快楽と共に深い眠りにつくがいい…」
すべての液体をロイの身体に流し込み、ロイの眼をそっと手で覆い隠す。
荒く肩で息をしていたその呼吸が次第に静かになり、ブラッドレイが手を取った時ロイは安らかな寝息を立てていた。
「眠ったか…」
「…のようですね…」
ヒューズとブラッドレイがほぼ同時に深いため息をつくと、そっとベッドから離れていった。
「閣下!?今のマスタング大佐は一体!?」
「…それで?お前は満足したのかね?」
「あ、はっ、まぁ…」
「ではこの件は終わりだ。下がってよろしい。」
グランの呆然としている事などお構いなしに、ブラッドレイはソファに座りコーヒーを秘書官に頼んだ。
ヒューズも後から続き、同じ様にソァにどかっと座り込んだ。
ブラッドレイはヒューズにもコーヒーを持ってこさせ、二人はまるで友人同士の様に互いの労を労っていた。
グランにしてみれば面白くはない。
自分は『将軍』の地位にあり、中佐であるヒューズに比べればブラッドレイに近い位置にある。
だがブラッドレイは自分を無視し、格下の士官とプライベートに近い時間を過ごしている!?
「閣下!?これは一体どういうことですか!ヒューズ中佐!順を追って説明せよ!!」
「あ〜すみません、将軍閣下。これは国家機密でして。」
「悪い事は言いません。他言無用の方がご自身の出世のためですよ。」
しれっと言い放つヒューズにグランはカッとなり、背後からヒューズの襟元を掴み取る。
「グラン!私は下がってよろしいといった筈だ。」
「しかし閣下!!」
「これ以上逆らうなら反逆罪で捕らえるぞ!」
隻眼の眼がグランを射抜く。
グランはその恐怖で何も言えずに、逃げる様にその場を立ち去っていった。
「…グラン准将でも駄目…でしたか…」
「あの男のサディスト的なSEXなら少しは…と思ったのだがな…」
長い沈黙が部屋中を包み込む…
それを破ったのはブラッドレイの一言。
「ハボック少尉を呼んで来い。」
「閣下!?出来れば直属の部下にロイの今の姿は見せたくないのですが…」
「そうも言っていられんだろう…我々も限界に近いし、マスタングもそうだ。飲まず食わず、栄養剤だけで1週間、
快楽を求め続けていては…」
いずれ…最悪の結果を生み出してしまう…
ヒューズは暫く考え、そして意を決したように口を開いた。
「ではもう一人…これも出来ることなら会わせたくなかったんですが…」
「良かろう…連れてきなさい…」
鋼の意志を持つ少年を…
はっ!とヒューズは座ったまま敬礼をかざし、疲れた笑顔を見せながらコーヒーを飲み干した。
To be continues.