腐った林檎たち 41
広い部屋の中にポツンとあるキングサイズのベッド。
5つの人影がその上で蠢いている。
中心にいるその人物を、4人の人間がありったけの愛情で愛撫していた。
仰向けのロイをまずエドが貫いている。
抽挿を繰り返し、その反動で揺れるロイの陰茎をハボックが手を添えながら咥えている。
ロイの左手を握り締めながらヒューズが胸の突起を執拗に攻める。
思わず喘ぎ声をあげようとした時、ブラッドレイの逞しい男根がその口に押し込まれた。
エドがグンと突き上げれば、ロイの身体がビクンと震える。
ハボックが先端のくびれに舌を這わせればその快感に右手でシーツを握り締める。
ヒューズが首筋や胸の突起を舌で転がしていくと、握られた左手を強く握り返す。
そしてブラッドレイはしなやかな黒髪をかき分けながら、己をロイの喉奥へと押し込んでいく。
ロイはその漆黒の瞳に涙を浮かべながら4方から与えられる快楽に酔いしれていた。
それはグランや今まで与えられたどの快楽よりも刺激的で、満ち足りている。
あの屋敷で今の様に大勢に組み敷かれたが、それとはまた違う満足感がロイの中を駆け巡っていた。
「んっ…」
最初に頂点を迎えたのはブラッドレイだった。
ロイの口の中に己の遺伝子を放出する。
ロイはそれを恍惚の眼を向けながら残さず飲みほした。
「うっ、マジもうイきそう!!」
両足を抱えながら動きが早くなるエドに、ロイの膣内が収縮して応える。
その締め付けに堪らずエドはロイの中へと吐精した。
中に出された刺激と、ハボックの舌使いの上手さでロイもそろそろ限界が近づいてきている。
「あぁ、待ちなさい。もう少し我慢して貰おうか…」
そう言うと、ブラッドレイはシャツの切れ端を掴みロイの陰茎の根元に縛り付けた。
ぎゅっときつく結び付けられ、ロイが涙目で訴える。
「やっああ…閣下…」
「簡単にイッてしまったら私たちの愛情を受け入れられないよ?」
イク寸前だったので、ロイ自身ははちきれんばかりに肥大してドクンと脈打っていた。
ハボックが愛しそうにその筋を指でなぞっていく。
「んっああああ…」
「あぁ、凄いっすね。俺達の愛情にこんなに反応してくれている。」
つつっと力を少し入れるだけでビクビクとそれ自身も震え、透明な液がハボックの指に絡みつく。
「あぁ、もう我慢できない。大将!俺と変わってください!」
「いいよ。俺は大佐とキスをしたい。」
ずるっとロイの中から己を抜き取ると、時を置かずにハボックがいきり起つ物を挿入した。
はぁっ!!と悲鳴をあげようとしたその唇を、エドのそれが塞ぐ。
ほろ苦いその味にエドが貪り喰う様に絡みつく。
「俺を見て…大佐。俺の名前を呼びながらキスして。」
「エド…」
両手をエドの首に回しながら互いの舌を絡めあう。
ぴちゃぴちゃと音を立てながら伝えられなかった想いを流し込む。
下腹部の方ではヒューズがロイの上に馬乗りになりロイ自身と自分自身を擦り合わせていた。
ハボックが突き上げるとヒューズの陰茎とロイのそれとが擦りあわされ、互いに心地よい刺激を与える。
「んっ、いいよ、ロイ。とてもいい気持ちだ。お前はどうだ?」
エドとの長いキスを終え、ようやく唇を離すと潤んだ瞳でヒューズ日背中を見つめていた。
「ヒューズがああ聞いている。ちゃんと答えなさい。」
しなやかな髪をなでながらブラッドレイがロイに答えを促す。
「んっあああ!ヒューズ!イイ!!凄く…」
いいと言う前にブラッドレイに再び唇を塞がれた。
ロイの中でハボックがドクンと大きくなり、動きが一瞬止まったかと思うとドクドクと白濁の液を放出させた。
エドの汁とハボックの汁とが合わさり、ロイの秘部から溢れ出た精がシーツを汚していく。
ハボックが抜き去った後を惜しむかの様にロイのそこはヒクヒクしてまた誰かを誘っている
「俺もロイの中で達したい。ロイ、後ろを向け。」
ロイの上から降りると、ヒューズはロイを膝立ちさせ、後ろからぐっと貫いた。
「んっああアッああ!!ヒューズ!!」
「俺の事好きだったんだってな。どうして結婚前に言ってくれなかったんだよ。」
そうしたらお前を死ぬまで手放さなかったのに。
ロイの眼から涙が一粒零れ落ちた。
ヒューズはロイにとって初恋の人だった。初めて触れたいと思った人間だった。
親友として傍にいて、共に笑い、共に戦い、そして共に野望を誓い合った。
だがヒューズは決してロイに触れようとはしなかった。
いや、触れられなかった…触れてはいけないと自分に言い聞かせてきた。
触れてしまったら絶対離せなくなると確信していたから。
この想いは上を目指すロイにとって重荷になると思っていたから…
「愛していた…いや、今でも愛してる…ロイ…もっと早くお前を抱けば良かった…」
こんな状況になって初めてお前の気持ちを知ったなんてな…
だが今はお前を俺以上に愛してくれる者がいる。
俺のお前への想いはそいつに託そう。
ロイの腰を掴んで上下に落とす。
二人分の精液でぐちゃぐちゃのそこは難なくヒューズを迎え入れていた。
上から落とされる度に、ヒューズ自身の先端がロイの最奥のポイントを突く。
「はぁああ!!!んん!!」
身体を反らし悶えてもロイはイク事は出来ない。
その苦しさに思わず首を振って訴える。
ヒクヒクと震えているロイの陰茎に、今度はエドがそっとキスをした。
「イきたいの…?駄目だよ。俺以外で感じてイっちゃ許さない。」
「エド…もう…」
「まだまだ。私もお前の下の口の中に出していない。」
エドの横からブラッドレイがそっと手を出し、エドの指と一緒にロイ自身をなでていく。
その刺激にきゅっと肉壁を締め上げ、堪らずヒューズはロイの中にすべてを吐き出した。
ドクドクと注がれる感覚にロイは息を荒くして身悶える。
ヒューズが己を抜くと大量の精液が溢れ出し、ロイの太腿を伝っていった。
その光景がとてつもなく淫猥で…
傍にいた4人全員の喉がなる…
ブラッドレイがロイの顎を掴みそのまま自分に引き寄せた。
「おいで、マスタング。私の上に座りなさい。」
優しく諭すように囁き、それとは反対にぐっと強引に腰を引き寄せる。
ロイは自らブラッドレイ自身を秘所に導き、そのまま腰を静かに下ろした。
「ふっんん!!ああああ…」
「何を身悶える…?3人分の液で私の物は容易に受け入れているぞ?」
クスクス笑いながらロイの腰を掴み、そのまま一気に下に下ろす。
「ひっあああんん!!」
「マスタング、これは等価交換だ。私は君の罪を不問に付した。」
その代価を今ここで払って貰う…
「はっああ…閣下…」
「しっかり奉仕しなさい…それが私とお前を繋げる唯一つの理由。」
所詮は相容れぬ存在。私の愛情など…お前には不要なのかもしれん…
それでも…
私はお前を愛しているよ…マスタング…
いつか私の命が果てるなら…それはお前の手であって欲しい…
ロイはブラッドレイの首に腕をまわしながら腰を揺らし、その求めに応じていく。
その背中にハボックが擦り寄ってきて背後からロイ自身をぎゅっと掴んだ。
「やっああ!ハボ…」
ロイの耳の後ろを舌で舐めながらそのまま上下に擦りあげる。
その刺激にロイは既に絶頂を迎えていたが、根元の戒めによってそれは達成できないでいる。
「ふっああ!!ハボ…取って!!イかせて!」
「駄目です…言ったでしょ?イク時は一番愛している人と行かなくちゃ…」
それが俺じゃない事ぐらい判ってます。
それでも俺はあんたが好きです…
報われないと判ってても…あなたが好きです…
「大佐が…こっちに来たその日から…俺はあんたに一目惚れしたんです…」
その想いは日に日に強まり…
あんたの後ろを何処までも着いていくと決心した…
「少し強引だったけど初めてキスした時は天にも昇る気持ちだったんですよ。」
「アッ…はっぁ…ハボック…私は…」
「判ってます…大佐が俺をそういう目で見てなかった事。」
「大事な部下…そういう位置づけでしか見てなかった事…」
それでも…時折見せてくれたその笑顔の為なら俺は何でも出来た。
しょうがない、そんな諦めの顔しながらキスをしてくれる、その為に命を懸けた。
「大佐…愛してます…一方的な想いだけど…愛してます…」
ロイの眼からまた涙が零れ落ちる。
それは快楽からか…悲しみからか…
それとも喜びからか…
その間もブラッドレイはロイの腰を上下に落とし、自身は既に高まりの頂点に達していた。
ロイは自らブラッドレイに近づきその唇を合わせる。
歯列を割り、舌を進入させ吸い付くように絡めあう。
「うっ…はぁああ!」
低い呻き声を上げながら腰を振り、快楽のポイントへとブラッドレイ自身を導いていく。
だがロイはイク事は出来ず、抑えきれない精を垂れ流しながらフルフルと震えているだけ…
ハボックはそれを背後から絡め取り、ロイ自身に擦りつけそのままロイの全身に塗っていく。
「んっはっ!!」
ブラッドレイがロイの腰を抱き寄せ、動きを一瞬止める。
次の瞬間、ドクンと大量の精液がまたロイの中に注がれた。
「はっはぁあああ…閣下…」
「これで代価は貰った…マスタング。今後私に遠慮する事はない。」
構わず上を目指すがいい…私が今いるこの場所に…
私を引きずり降ろし、その地位を奪うがいい…
ロイはブラッドレイの頬に手を添え、そっとキスを交わした。
情事の時でも決して見せなかった笑顔をブラッドレイに向け、ロイはブラッドレイ自身を抜き去った。
蓋の無くなった秘部からはひっきりなしに白濁の液が流れ出ている。
それが両の太腿を伝い、白くこびり付いていた。
「大佐…綺麗です…その姿、本当に綺麗…」
ベッドの脇でロイの痴態をじっと見続けていたアルが思わず声をかける。
ロイはビクッと身体を震わせ、その声の方に眼を向けた。
無機質の鎧の眼が光り、自分を見ているのを感じる…
陰茎を咥え、受け入れよがり狂う姿を余す所なく見られていた…
そう頭の中で考えるだけで感じてしまう…
「へぇ…アルに見られてるだけで感じちゃうの…?」
意地悪く言いながらエドが近寄り、体中の精液を撫で回す。
そのまま下腹部へと手を伸ばし、根元の戒めを指で弾く。
「あっ…んんっ…」
「イきたい…?こんなに腫れあがって…でももうちょっと待って。イクなら一緒に…」
エドは震えながら耐えているロイをそっと横たえ、優しく口付けた。
そのまま深い口付けへと変わっていく。
「んっふうぅ…んん…」
舌を絡め取り合いながらエドはロイの片足をぐっと引き上げた。
左手で太腿をなぞり、未だ液を垂れ流し続けている秘所へ指を這わす。
充分な湿りがある分、エドの指を難なく受け入れるそこは指が蠢くたびきゅっと収縮した。
「やっ…エ…ド…早く…」
早く…私の中に…お前ともう一度一つになりたい…
いつからだったか…お前に恋している自分に気がついたのは…
真っ直ぐな眼で私を見るお前のその金色の瞳がたまらなく好きだった…
「好きだ」と言われた時は飛び上がって叫びたくなる程嬉しかったのだよ…
人目を憚らず押し倒してきたのには流石に焦ったが…
それでも…私はお前にキスして欲しいと願っていた…
抱いて欲しいと心で訴えていた…
「お前の名前を呼びたかった…エドワード…」
そうしたら…その瞳は永遠に私の物になるかもしれないと…
エド…エドワード…
何度でも呼ぶよ…それでお前が喜んでくれるなら…
私がもっと素直に感情をお前に向けていたら…
お前はこんなに苦しまなくてもすんだのに…
「大佐!愛してる!」
「私もだ…エド…」
その言葉を聞くと、エドは満面の笑みを浮かべロイの中へと前進した。
「はっあああああ!!!」
「すご…大佐の中凄いグチュグチュ…めちゃくちゃ気持ちいい…」
夢中になって出し入れを繰り返したいると、ロイの両脇にヒューズとハボックが近寄ってきた。
腕を伸ばし、ロイの身体中を撫で回す。
ブラッドレイはロイの頭の上に陣取り、その髪を優しくなでる。
アルがゆっくり近寄り、エドの背後からロイをじっと見つめていた。
「さぁ、ロイ…自分を解放しろ…皆で見守ってやるから…」
ヒューズとハボックが優しく手を添え、ロイ自身の根元の戒めを解いていく。
するりと紐が外され、すかさずエドが最奥を突き上げた。
「ひっあああああ!!」
「大佐っ!!あぁぁ!!」
ガクンと身体中が痙攣し、ロイは今までの想いをぶちまけるかの様に大量の精を放出させた。
ほぼ同時にエドもロイの中で果て、若い汁を吐精する。
ハァハァと息を弾ませながら、ロイのまぶたは段々重くなっていった。
「エド…傍に…眼が覚めたら夢だなんて事がないよう…私の傍に…」
「いるよ…ずっとずっと…あんたの傍にいる…」
「大丈夫…皆で見守っていてやる。だから眠れ。ロイ。今は何も考えず…」
ヒューズがそっと頬にキスを落とすと、今度はハボックが反対側の頬にキスを落とす。
ブラッドレイはその額に同じくキスを落とし、3人はエドの方に眼を向けた。
エドは優しく微笑むと、ロイの唇にキスを落とし、そのままロイの横に添い寝をする。
ロイはエドを抱きしめ、深い眠りに落ちていった。
その寝顔はロイが保護されてから初めて見せる安らぎに満ちた寝顔だった。
To be continues.