ゲームを征する者〜Second stage〜 10
月が真上から光を照らすようになった頃。
ゲームは進み、人数も絞り込まれてきていた。
「エドの試合が終わればベスト4がきまるな。」
「俺と、キンブリーと、グリエルと、後はエドの大将ですかね。」
ザクッ!と言う肉を切り裂く音と共に、大男が腕を押さえてのたうち回る。
「安心しろよ。皮一枚で繋がっているから。」
医療系を得意とする錬金術師なら腕、繋がるかもな。
クスクス笑いながら右手の剣に着いた血を舐め、腕を元の機会鎧の姿に戻す。
「うわぁぁ!!は、早く!!早く腕を繋げてくれ〜〜」
そう喚きながら男は係りの者に抱えられ、控え室へと去っていった。
「勝負あり。エドワード、よくやった。褒美はいるかね?」
にっこり笑ってブラッドレイの傍に近づくと、ロイの方にちらりと眼を向け、そのままブラッドレイに抱きついた。
「おやおや?愛しい彼に触れなくて良いのか?」
「うん。後の楽しみに取っておく。それより俺をイかせて。」
さっきから興奮しっぱなしでもう苦しいよ…
エドはブラッドレイの首に抱きつき、その唇を自分のそれで塞いだ。
すぐ傍でうな垂れたままの自分の恋人に聞かせる様に、深く、烈しく舌を絡ませあう。
ブラッドレイは苦笑しながらもエドのズボンのベルトを外し、その中に手を滑り込ませて行った。
「はっああっ…大総統…」
「随分と我慢していたようだ。ほら、もうはちきれんばかりに成長しているよ…」
クチュクチュと擦れる音をワザとらしくさせてロイに聞かせる。
ロイの肩は小刻みに震えていた。
嫉妬の為…?ほら、お前の恋人が怒りで肩を震わせているぞ?
ブラッドレイはエドを膝に抱え、両足を開かせその可愛らしい下半身を見せ付ける。
耳元に息を吹きかけながら、エド自身を擦りあげ刺激を与えいていく。
「やっあぁぁ!」
「マスタングよ、聞こえるかね?お前の恋人は中々良い声で鳴く。」
もっと鳴かせてやりたいが、この後の試合に差し障るからな。
はっはっと息遣いが荒くなり、限界が近づいている。
エドの背中がグッとしなった時、ブラッドレイはその手を止め、エドを抱え立ち上がった。
寸前で止められて、エドはあから様に不満げな表情を浮かべている。
ブラッドレイはクスッと笑いながらゆっくりとロイの方に近づいていった。
両足を抱える格好でロイの眼の前にエド自身を晒す。
ロイは何をしなければいけないのか瞬時に理解し、怒りでブラッドレイを睨みつけた。
「最後は恋人の口でイかせてやるといい。」
にやりと笑ってロイを見下ろすと、エドはブラッドレイの腕にすがりながら、ロイに懇願する。
「大佐…イかせて…早く…」
唇を噛み締めながらも、ロイは向けられたエド自身にそっと口付けをした。
ジャラリを鎖の音を響かせ、身を乗り出しエドに奉仕を続ける。
ブラッドレイのモノとは一回りほど小さいエドのモノにロイは夢中で舐めまわした。
「はっああ!!いい!いいよ!凄く!」
エドが身体をしならせ反応すると、ロイも今までにない興奮を覚える。
まるでブラッドレイとロイの二人でエドを犯しているような錯覚に見舞われた。
エド!エド!!!
裏筋を丹念に舐め、括れに舌先で突き、全体を咥内に包み込む。
エドが身体をビクッと震わせると、ロイの咥内でドクンと脈を打つ。
その直後、ロイの中に白濁の液を注ぎ込んだ。
ロイは残さず飲み干し、ズルリと抜き出した時のその表情は恍惚として潤んだ瞳でエドを見つめていた。
エドは荒い息の中ロイを見下ろし、ブラッドレイに負けず劣らず黒い微笑を浮かべていた。
ロイの傍に近づきわななくその唇にそっと触れる…
「エド…」
「あんたは俺の物。自分の身体に刻み付けろ。」
俺の吐息を…俺の鼓動を…
グッと髪を掴み、乱暴に唇を塞ぎ執拗な程に舌を絡めあう。
糸を引くほど唾液を注ぎ込み、エドはようやくロイを開放した。
「エド!これ以上こんな無意味なゲームはするな…」
私が好きなのはお前だという事が分からないのか…
「あん?まだわかんないの?それを証明する為にゲームをしてるんじゃないか。」
それにこんな気分が高揚するのは久しぶり。
大佐を賭けてと言うのがもっと俺を興奮させる。
「必ず勝って俺の所有物だという事を見せつけてやる。」
俺の事好きなら俺が勝つ様祈ってろ。
色んな男が放った精液で白くこびり付いた頬をエドは舌で大きく舐める。
その残骸をぺっと吐き出した後、ロイを突き放し、ブラッドレイの腕の中に飛び込んでいった。
「あーすっきりした。ね、早く次の試合を開始してよ。」
乱れた服を整え、ブラッドレイに擦り寄り甘えるポーズをとる。
ブラッドレイは目を細め、可愛い子猫を見る様な眼で肩を抱き寄せた。
「少し休憩を置かなくて良いのかね?」
「さっきの試合は全然手応えなかったし…すぐ試合でも大丈夫。」
そうか。と小さく笑いながら、エドと共にVIP席に向かい、箱を取り出した。
残るは4つ…誰が対戦となるのか…
取り出した一つ目の名札は…
「キンブリー、お前だ。」
名を呼ばれ、ゆっくりと観客席から立ち上がる。
不敵な笑いを浮かべ、中央の闘技場に足を進めて行った。
そしてその対戦相手は…
取り出した名札に、ブラッドレイが一瞬表情を曇らせた。
隣でにやついているエドの髪をそっと撫でる。
「…?何…?」
「お前だ。エドワード。」
その言葉に驚きの表情を浮かべ…そしてキンブリー同様不敵な笑いを浮かべた。
「それはいいや。ちょうどあいつを一発殴ってやりたかったんだ。」
俺の大佐に向かって『ペット』などと言ったあの最低な奴…
「エド!ダメだ!棄権しろ!」
「は?何言ってんの?誰が棄権なんかするもんか。」
エドは右手を剣の形に錬成し、ロイの頬にぴたっと付けた。
「俺のこと好きなら勝つように祈ってろって言っただろ…」
それともキンブリーに勝って貰いたいのか、あんた。
そして昔の様にご主人様に可愛がって貰いたいのかよ…
左手で髪の毛をグッと掴み、喉元に剣先を突きつける。
本気でキンブリーに勝って欲しいなんて言ったらその喉掻っ切ってやる…
ロイは眼を細め、エドに諭す様に静かに語りかける。
「キ…キンブリーは…両手の平に錬成陣の刺青がある…両手を着かれれば身体の中の硫黄を爆発物に錬成し、
身体ごと吹っ飛ばす。」
両手に触れない事だ…それか両手首を切り落とせ…
「勝て…エド…必ず勝って私を安心させてくれ…」
キンブリーに私を与えないでくれ…
一筋の涙がロイの漆黒の瞳から零れ落ちる。
エドは先程の笑みとは全く違う、柔らかい微笑でその涙にそっと口付けを落とした。
「大丈夫。俺があんたを守ってやるから。」
だから待ってて。もうすぐ開放させるから。
どちらともなく唇を合わせ、互いの意識を確かめ合う。
そしてエドは颯爽と翻し、闘技場へと降りて行った。
「やれやれ。見せ付けてくれましたね。」
「うるせー!てめぇの存在が大佐を苦しめるなら、俺が抹消してやる!」
キンブリーとエドは互いの間合いを取り、臨戦体勢に入った。
「ゲーム開始!」
ブラッドレイの一言で、戦いの火蓋は切って落とされた…
To be continues.