牙が赤く染まる時  7


        「出ろ、マスタング。」


        鉄格子の向こう側から、威圧的な声が響き渡った。

        ロイはゆっくりと身体を起こし、気だるい腰をさすりながら声の主へと眼を向けた。


        小太りの看守長が鍵束をぐるぐる回しながらにやついている。
        周りには数人の看守が銃を構えてロイに狙いをつけていた。

        「おやおや、随分と厳重な警備だな。この黒猫がそんなに危険なのか?」
        ロイと同じベッドの上で寝ていたテロリスト、クワンがロイの身体を撫で回しながら自分に引き寄せる。

        顔を捻らせその唇を奪うと、ロイは躊躇う事無くその求めに応じ舌を絡ませた。

        ぴちゃぴちゃと音を立てて吸い付くその行為に、看守達の喉がごくりと鳴る。


        「けっ、たった一日ですっかりこいつらの言い成りかよ。国家錬金術師も地に落ちたもんだな。」
        侮蔑の言葉を投げ捨て、看守長は檻の鍵を開けた。


        「出ろ。閣下がお呼びだ。」
        「大総統自らこいつに尋問か〜?随分と優遇されてるね〜ロイちゃん。」
        「一体何をやらかしたんだ〜?クク。まぁ、無事にここから出られると思うなよ。」

        テロリスト達がまた数人群がり、ロイの身体を舐めまわしていく。
        ロイはあられもない格好で看守達に凌辱されていくのを晒さねばならなかった。


        「やめろ!そんな時間はないぞ!」
        「野暮な事言いっこなしだぜ?朝の一発やる時間ぐらいくれよ。」
        「そうだぜ!長年こんな野暮ったい奴等と同室で俺達飢えてるんだ。」
        「こんな可愛い子猫を放り込まれちゃ、下半身に悪いぜ!」

        ロイはそんな屈辱的なやりとりも虚ろな瞳で聞いていた。


        独房ではなく5人のテロリストがいる共同房の中に入れられたロイは、まさに狼の群れの中に
        放り込まれた羊同様だった。
      
        挨拶と言わんばかりに一晩中凌辱され、朝になりボロボロの状態で食堂室に行けば、そこでも慰み者となる。
        「朝食の代わりにこれを食えよ」と何人もの男根を押し込まれ、白濁の液を飲まされる。
        
        皆凶悪な事件を犯した者で、「焔の錬金術師」の名は犯罪者達の間では知れ渡っていた。
        クールで優秀な軍の狗。自分達を捕え、情け容赦なく刑務所に入れた張本人。


        それが今自分達の舌で喘ぎ、イキリ起った物を喰わえ込み、淫らに腰を振って涙を流しながら懇願する。


        もっと…と。



        凶悪犯が入れられている棟には50人ほどの囚人がいる。
        その殆どがロイを弄び、白濁の液を塗りつけた。

        監視をしている看守達は見て見ぬ振り。
        そういう命令でも出ているのかと思えるほど、彼らのするがままにさせていた。

        「死なせるなよ。」そう言い放ち、腕を組んで視姦する。

        一通り食事が終わり、ロイはようやく開放された。
        気だるい身体を引きずるようにテーブルにすがりつき、僅かに残ったパンと水を口にする。

        屈辱的ではあるが、まずは生きる事が先決。
        歯を食いしばり、身体に生き残る希望を流し込む。      

        一度信じると決めた以上、何が何でも黙秘を貫く。

        拳を握り締め、これから繰り広げられるであろう尋問に耐える精神を強めていった。


        ほぼ全裸に近い状態のロイを引きずりながら再び共同房の中へと押し込むと、待ってましたとばかりに
        テロリスト達が群がっていった。

        特にリーダー格のクワンがロイに異様な程の執着心を抱いていた。

 
        逮捕の際、弟を殺された経緯もあるが、犯す度に美しく輝くその瞳にドンドンのめり込んでいった。

        「その瞳をめちゃくちゃにしてやりたい。」  
        そういう嗜虐心が沸々と湧き出て行く。

        画してロイは丸一日、休む間もなく囚人達に犯され続けていたのだった。



        「どうせ大総統閣下も尋問と称してこいつを犯すんだろ?だったら突っ込み易い様に湿らせてやるよ。」
        そう言うと、クワンはロイを四つん這いにさせ、そのまま後孔に己を突き刺した。


        「んっぁああ!!」
        ズンと最奥に突き上げられると、ロイは堪らず腰を揺らして喘ぐ。
        恍惚としたその表情に、看守達の姿勢が前屈みになっていた。

        小刻みに痙攣しながらロイの腰を掴みピストン運動を繰り返す。
        
        「ん、んんん!!」
        ビクンと身体を震わせ、ロイの中で大きくなっていくクワン自身がぶるぶると震えだす。
        と、同時に中に熱い物が注がれ、全てを出しつくすとロイの中から己を引き抜いた。


        「はっああ…」
        「ほらよ、用意は出来た。いっぱい遊んで貰うんだな。」
        ぐったりと崩れかかっているロイの肩を掴むと、ぐいっと持ち上げ、待機していた看守達に放り出した。

        「おい、俺のシャツ持ってこい。」
        奥にいた仲間にそう言うと、大きめのシャツを持ってこさせた。


        「これでも着せな。ま、どうせすぐ脱がされるんだろうけどな。」
        ビリビリに破かれていくその様もまた嗜虐心をそそられるんだよな。

        クスクス笑いながらシャツを看守長に放り投げると、クワンは自分のベットにゴロリと寝転んでしまった。


        足に力が入らないロイを両脇から支え、シャツを羽織わせる。
        シャツはかなり大きく、下半身まですっぽりと隠れ、また襟口も大きく、そこから肩を少し覗かせていた。

        その姿が妙に色っぽく、看守達の鼓動が更に高鳴っていく。

        看守長が鍵束をロイの顎にかけ、グイッと顔を持ち上げる。

        「てめぇはどうしようもない淫乱猫だな。」
        侮蔑の表情と言葉で蔑んでも、ロイは表情一つ変えず、逆に小さく微笑んでいた。

        小物が何を騒ごうと、自分の知った事ではない。
        私が恐れるのはただ一人。

        これから受けるその尋問に、全ての神経を集中させる。


        大総統閣下は何故あのコードを欲しがるのか…
        テロリストの情報なら自分よりも諜報部の方がずっと情報を握っている。

        あのコードと暗号文が何を意味しているのか。


        ハボックが何処まで関与しているのか。


        引きずられるように連れて来られたその場所は、囚人達が自由時間に寛ぐ広場だった


        「やぁ、マスタング。たった一日で随分とやつれたな。」
        その広場の中央で、隻眼の悪魔は薄笑いを浮かべて待っていた。

        「大総統閣下におかれましてはご機嫌麗しく…」
        「そうかね?まぁ君とこれから最高の時間を過ごせそうだからね。」

        嫌味も通じないほど今の状況を楽しんでいるブラッドレイに、ロイはキッと睨みつけた。

        両手の手錠を外されたかと思ったら、周りに張り巡らされている鉄格子に今度は括られた。
        ブラッドレイに背を向ける形で繋がれ、そしてその鉄格子の向こうには囚人達が興味本位で集まってきていた。

        これではまるで公開尋問だ…
        そう呟くが、ここで異を唱えても聞き入れてくれる筈もない。

        ガタン、と椅子が動く音がして、コツコツと靴の音が響き渡る。
        背後からブラッドレイの気配をヒシヒシと感じ、思わず身震いしてしまう。


        「どうした…?身体が震えておるぞ…?」
        耳元で囁かれるその吐息に、ロイはゾクリと背筋が凍る。
        自分を散々犯したクワン達テロリストや、看守長などとは比べ物にならない威圧感を全身に受け、
        ロイは堪らず眼を閉じた。

        「私は独房に入れよと命じたのだが…共同房に入れられてしまったのだな。」
        首筋から身体の線を撫でるように腕が這わされ、ロイの息遣いも荒くなっていく。

        「あそこは猛者どもばかりだからな。この細い腕が折られはしないかと心配していたぞ?」
 
        クスクスと笑いながら手錠で繋がれた腕に静かに触れていった。
        そのまま腕の付け根に指が這わされ、ロイはくすぐったさに首を小さく振る。

 
        バリッ!!


        いきなり首のところからシャツが引き裂かれ、体中に所有印をつけられた白い背中が露になっていった。

        「ほぉ…大分可愛がられたようだな。」
        赤い跡を指で一つずつなぞり、凌辱の跡を思い起こさせる。
        ロイは唇を噛み締めながらも、その屈辱に耐えていた。

        指が双丘の中へと進入した時、ロイは思わず身をよじって逃げようとした。
        がしっと腰をつかまれ、動く事を拒否される。


        「何を逃げようとしておる。ほぉ、成る程。既に犯された後だったと言うわけか。」

        後孔に挿入し、中から溢れ出る精液を指で掻き回した。
        既に濡れている秘部は難なくブラッドレイの指を受け入れ、奥まで導いていく。
        容易に3本まで入れると、中でバラバラな動きを始め、ロイの顔に苦痛の表情を浮かばせた。


        「あっああ…」
        「いい声で鳴く。相変わらずだ。お前を失うのは惜しいのだ、マスタングよ。」

        何…を言って…?

        「お前が持っているテロリストの情報、あれは後5日で全くの価値のない物となる。」


        首筋に唇をつけ、感じる部分を強く吸い付く。


        「お前の接触したテロリストの名前…お前は知っていたのか?」


        破れた間から腕を回し、既に立っている乳首をぎゅっと摘む。

    
        「アイザック・ボーグ。テロ集団「赤い牙」の幹部の一人…」


        その言葉を聞いた途端、ロイの瞳がカッと開く。



        赤い牙…?まさか…


        「そうだ。神出鬼没でその実態すらわからないテロ集団。いや、反政府組織と呼んでもよいかもしれんな。」
        「そのアジトも、組織の内容も全く解っておらん。最近になってこのアイザック・ボーグと言う名の男が
         関与している事がわかったのだが。掴んだ情報はそれだけなのだよ。」


        不意にロイ自身の手を伸ばし、だらりと萎えているそれをきゅっと掴み擦りあげる。
        いきなりの刺激に、ロイが思わず身体をしならせ甘い喘ぎ声を上げてしまった。

        「無線コードはアジトの座標、暗号文は連絡を取る際の合言葉。だがこれは月毎に変わってしまうのだ。」
        「月毎にアジトも変える。お蔭でその場所を掴んでも蛻の殻と言うのが殆どだった。」
        
        きゅっきゅっと擦りあげ、耳元に息を吹きかけると、ロイ自身がたちまち大きく頭を持ち上げた。
        ロイの腰の辺りに硬いものが押し付けられている。

        ブラッドレイはズボンのジッパーを下げ、太く逞しく育った己を取り出した。

        「ようやくそこまで掴んだ時、アイザックがお前に接触した事がわかってな。
         あのアイザックがお前に挨拶だけで終わるとは思えんのだよ。」

        告げられた筈だ。コードと暗号文を…そして仲間になれと…



        ロイの腰を掴むと、ブラッドレイは一気に前に進み、ロイの中に黒い凶器を突き入れた。


        「うぁあああ!!」
        「んっ、締りが悪いな。大分突っ込まれたか…」
        ジャラジャラと手錠の音を鳴らせ、ブラッドレイはロイに激しく突き上げた。
        
        ずっずっと音を立てて挿抽を繰り返すと、ロイは構わず広場に響き渡る程の喘ぎ声を上げ始めた。

        その声があまりにも淫猥で、見物に来ていた囚人どもが、人目を憚らずに前に手を突っ込み慰め始めたのだった。


        「お前の部下が関わっているらしいと内通者から垂れ込みがあり、グランに命じて部屋を捜索させるべく派遣したら、
        そこにお前が居たと言う訳だ。」


        運がなかったな。グランはお前を疎んじておる。ここぞとばかりに捕え、拘束し、拷問を浴びせた。


        「はっ、わ、たしは何も…」
        「言ったであろう?あと5日で月が変わる。そうすればお前の情報は意味のないものになってしまうぞ?」
        
        腰を掴み、グンと自分に引き寄せ、ロイの際奥に己を突き刺していく。
        ビクンと身体をしならせ、ブラッドレイの胸に後頭部を擦り付ける。

        意味のない物になれば、自分がこの拷問を受ける意味すらなくなるのではないのか…
        ではあと5日、この拷問を耐え抜けば…


        ロイの考えている事が読めているのか、ブラッドレイはロイ自身を掴み上げ、更に腰を激しく打ちつけながら囁いた。



        「価値のない情報を持った囚人に用はない。マスタング。」

        この言葉の意味が判るか…?


        
        一気に奥まで突き上げると、ロイは悲鳴に似た喘ぎ声を上げながらブラッドレイの手の中で果てた。
        同時にゴボッとブラッドレイは己の欲望を中に注ぎ込んだ。



        ガクッと力なく気を失うと、ブラッドレイは何事も無かったかのように己を引き抜き、衣服を整える。
        太腿にたらりと白い筋が流れ出す。その光景が囚人たちの欲望を更に引き立てていった。



        「マスタングは独房へと移しますか?」
        「いや、今のままで構わんよ。あやつがどれだけこの屈辱的な空間に耐えられるのかそれも見てみたい。」
        あやつの精神がどれ程のものか試してみるのもまた一興。


        己の命を賭けてまで、部下を庇う事が出来るかな…?



        手錠に吊るされる様な格好でぐったりしているロイを見て、ブラッドレイは心から楽しそうに微笑んでいた。




        「ロイ・マスタング、月が替わる5日後に国家反逆の罪で銃殺刑を行う」と言う通達が
        軍部全域に送られたのはそれからすぐだった。




        To be continues.

     




裏小説TOPに戻る Back Next    



テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル