緑色の恋心   9




太陽も真上を通り過ぎる頃。


私は一人地下室での調査を続けていた。

錬金術の構築。基礎。そして応用。
ルカー博士の錬金術の研究すべてがこの書庫に収められていた。

そして…あのキメラの基礎も。
あれは、昨日今日作られたキメラではない。


長い間時間をかけ、その材料を継ぎ足して作り上げた合成植物。
それに使われていたのは人間の体液。

唾液…汗…血…精液…

多くの人間の体液を注ぎ込み、あそこまで成長した。

そして最後の材料は鋼のだったのか…?
体液だけではなく、身体その物を継ぎ足したのか。

だからあのキメラは意思を持ち、ただ一言だが話す事も出来るのか。


多くの人間がかかわったキメラ。
エドだけを復活させる事など出来るだろうか…

「もう少し調べればきっと出口が見えると思うのだが…」
博士が自分の研究の真髄をそう簡単に書き記すとは思えない。
この膨大な書庫のどこかに、暗号として隠されている可能性はある。


だが、今まで調べてきた基礎と応用があれば、答えを導く事も出来るかもしれない。



シュル…


一本の蔦が階段下に現れた。

「エド?どうした。ここには入ってこなかったのに。」
微笑みながら側に寄ろうとした時、蔦が勢いよく引っ込んでいった。

「エド!?」
「ギィィィィィ!!!」

聞いた事のないような悲鳴にも似た音が天井から鳴り響く。
何だ!?何があった!?

私は大急ぎで階段を駆け上がり、エドのいる部屋へと向かった。


「!?エド!」
「マスタング大佐、今までどこに居たのだ!」

グラン准将がエドの前に立ちはだかり、その背後で准将の部下達がエドを押さえつけていた。

「将軍閣下!?これは一体!彼を離して下さい!」
「彼?何を言っている。これはただのキメラではないか。」
大きな布袋を被せ、蔦が出てくる根の部分を紐で巻きつけ、出せないようにしていた。

エドも抵抗したのか、数人の部下の軍服が切り裂かれていた。


「今日で3日目だ。どうだ、何か判ったか。」
「将軍閣下の方はいかがですか?博士は見つかったのですか?」
「ふん、今捜索中だ。」
「こちらもまだ調査中です、閣下。」

売り言葉に買い言葉だ。
あんたがこの研究を人の為に使うとは思えない。

出来る限り…阻止せねば。


最悪でもエドだけはこいつに渡してはならない。


「約束だ。このキメラは我らが預かるぞ。」
「お待ちを。もう少しでこのキメラの事が判るのです。もう少し時間を…」
「駄目だ。我らとて遊んでいるわけではない。大総統閣下もこの任務成功を心待ちにしておいでなのだ。」

大総統の名を出して牽制するつもりか。
ならば…致し方あるまい。


「あの部屋に地下に続く階段があります。」
「何だと!?」
「地下室があり、そこに多くの蔵書が隠されておりました。博士もそこから逃げたと思われます。」
「何故それを早く言わん!マスタング!」

グラン准将が目配せをして、数人の部下をあの錬成陣のある部屋へと行かせる。
足音に驚いたのか、エドが大きく動き、抵抗し始めた。

「エド…大丈夫だ。私はここにいる。お前に何もさせはしない。」
拘束されているエドにそっと触れ、落ち着かせる。
蔦を出そうとしているのか、縄が大きく膨らんでいた。

「エド…落ち着いてくれ。ここで騒ぎを起こしたらもう私も助けられなくなる。」
私は袋の下から見える幹に手を添え、額を着けて抱きしめた。

エドは落ち着いてくれたのか、動きが小さくなり、大人しくなっていく。


「グラン将軍閣下!地下に確かに研究資料がありました!」
「これらを解析すれば博士の研究が判ると思います!」

数冊持って来た資料をグラン准将に渡す。
それを見たグラン准将はにやりと笑い、それらを他の部下に手渡した。

「よし、これで当初の目標はほぼ達成したな。あとは博士その者を捕らえるだけだ。」
「おい、このキメラを運び出せ!」

部下にそう命令すると、エドを担ぎ上げようと数人の部下が取り囲む。


「グラン准将!お待ちを!何か成果を挙げれば彼は私が引き取っても良いとおっしゃったではありませんか!」
「それにあの研究資料だけでも十分軍が求める治療薬は作れると思われます!」
「確かにな。だがこの資料を分析、解読するには時間が掛かる。このキメラを解剖すれば一発だ。」
「薬が早く出来れば出来るほど、我が軍の犠牲者を少なく出来るのではないかね?」

違う。それは奇麗事だ!
本当は薬が早くできれば、もっと戦果をあげる事が出来る、そう言いたいのだろう。


「では…どうすれば私に彼を頂けるので…」
「そうだな。まずは誠意を見せろ。貴重な研究資料だ。並半端なものでは納得はしないぞ。」
グラン准将はエドの横にある机の椅子にどっしりと腰掛けた。

そして私に目配せをする。
やる事は一つ。等価交換だ…


私はグラン准将の前に跪き、両足に割って入る。
ズボンのチャックを下げ、中から男根を取り出す。

先端にキスを落とし、そのまま肉棒を舌でなぞっていく。
たちまち大きく肥大していく陰茎を、私は眼を閉じ咥え込んだ。

「ふっぐんん…」
「ふん、部下達の目の前で平然とやってのける。淫乱な猫め。」

私の髪を掴み、喉奥へと押し込んでいく。
右手を添え、それを受け入れ、丁寧に奉仕する。

舌で括れを突く度にドクンと脈打ち大きくなる。
先端を吸い取るように舐めると、グラン准将の表情が恍惚に歪んでいく。

グラン准将は部下達を下がらせようとはしない。
見せ付けて、優越感に浸る。
「国家錬金術師」で「イシュバール内戦の英雄マスタング大佐」をねじ伏せるほどの権力を持つグラン准将。

それを誇示する為に、目の前で私を犯す。


「いくぞ、口を開けろ。」

頭を掴み固定し、ぶるっと痙攣すると、熱いものが放たれた。
多めの精液は飲みきれずに、口端から零れ落ちる。

顔をしかめながらそれをごくんと飲み干す。

何人かの部下達が前を抑えている。
若い輩には刺激が強すぎたか…青いな。まだまだ。

ゴホゴホいいながら口元を拭っていると、グラン准将が私の髪を掴みあげる。

「いっあ…」
「まさかあれで終わりなどと思ってはおるまいな。」

にやりと笑うその顔は、欲で歪んだ亡者そのもの。
それでも星が一つ多いだけで、私は黙って軍服に手をかける。


そうやって過ごしてきた。
出世の為。この国のあり方を変える為。形振り構わず生きてきた。


それが心苦しいと思うようになったのは、エドに出会ってから…
あの金色の瞳で見つめられると、今までの行為がすべて後ろめたく感じてしまう。


エドの側に居たい。エドに側にいて欲しい。
それが例えどんな姿になっていようとも、私はお前の側にいたい。


出世の為でもなく。何の為でもなく。
私はお前の為に喜んでこの身を悪魔に奉げよう。


一枚、一枚と服を脱いでいく。
まるでストリップを披露するかのように。

一糸纏わぬ姿で立ち尽くす。
周りの部下達がごくりと喉を鳴らしている。
グラン准将は私を引き寄せ、その唇を塞いだ。

ぴちゃぴちゃとわざと音を立て、部下達に見える様に舌を絡ませていく。
腰に回した手は、私の陰茎へと滑らせていく。

くちゅりと音を立て、しな垂れているそれを揉み解す。

「ふっああんん…」
舌を受け入れながら、前への刺激に思わず声を出してしまう。
その声が効いたのか、部下の一人が我慢できなくなりズボンの前に手を入れて慰め始めた。


「貴様らもこの淫乱な猫を抱きたいのか?まぁ、お前たちにとって「大佐」という地位の者は遠い存在だろう。」
この猫に触れられるのは大総統閣下を始めとするごく一部の人間だけ。


何を言ってる。
私に触れていいのはエドワードだけだ。
後は我慢してやっているだけなのに何を勘違いしているんだ、この男は。

そう頭の中で毒づいていると、不意にグラン准将が私の身体を反転し、四つん這いにさせる。
床に這い蹲るような格好で私は部下達の視線を一身に浴びていた。


「構わん。わしが許す。日ごろの諸君らの働きへのご褒美だ。」
好きに犯せ。存分にな。

グラン准将からの思いがけない言葉に、部下たちは一瞬戸惑い、しかしゆっくりと近づいてきた。

「ほ、本当に宜しいのですか…?」
「構わんと言っておるだろうが。わしの気が変わらん内に犯れ。」

その最後の言葉が部下達の私に対する畏怖の念を取り払ってしまった。


5人の部下達が一斉に私に群がっていく。
唇を吸い、舌を絡め、乳首を弄び、陰茎をむさぼり、そして後孔にまで舌を這わせていく。

5箇所からの刺激に耐えられるはずもなく。
私の陰茎はたちまち元気に起ちあがっていく。

すっかり濡れた後孔に、一人は何の躊躇もなく自身の陰茎を押し込んできた。

「うぁああっ!」
「ああ、堪らんです!閣下!」
「自分はいつも閣下を羨んでおりました!私もマスタング大佐を抱いてみたくて…」
「自分もであります!ほら、大佐、自分の舐めて下さい。」
「閣下にしたように丁寧に奉仕して下さいよ。」
厭らしい目つきで、大きく肥大したモノを私の口元に押し付ける。

私は口を開け、下士官のモノを咥え舌を使って奉仕した。

裏筋を舐め、袋にも舌を這わす。
部下達は恍惚とした表情で、私の行為を眺めていた。

「どうだ、マスタング。下士官如きに犯される気分は。」

最悪に決まっているだろうが。
そう訴えたところであの男や部下達を悦ばすだけ。

私は沈黙を守り、眼を閉じ、行為に集中した。


背後から犯していた一人がもう限界に来たのだろう。
腰を強くひきつけ、小刻みに震えだす。

「ううっあ…」
小さく呻きながら、私の中に熱い液体を注ぎ込んだ。

同時に口を犯していた一人も私の顔を掴み、無理やり咥内から引きずり出す。
来る!と思った瞬間に、白い液体が私の顔を汚していった。

荒い息をつく暇もなく、残った三人が私の身体を反転させる。

一人が私の足を抱え、薄笑いをしながら前進する。
びくんと身体を震わせながらそれを受け入れると、今度は両脇から腕が伸びてきた。

「ほら、もうびんびんに起ってますぜ?」
「将軍閣下の言われるように淫乱なんですね、大佐。」
二つの手が私の陰茎を掴み、上下に擦り合わせていく。

「いやっああ…」
「いや?そんな訳ないでしょう。こんなに濡れて。こんなに大きくして。」
「俺も皆みたいに奉仕して下さいよ。大佐。」
これ見よがしに階級で呼ぶ。
本来なら軽々しく話す事など出来ない階級の差なのに。


「マスタング、ちゃんと部下達を労え。でなければこのキメラは渡さんぞ。」
くすくす笑いながらグラン准将は視姦する。

腰を打ちつけ挿抽を繰り返す。自分だけ気持ちよければいい行為。
上司が上司なだけに部下もテクニックも何もない。私はこれじゃ痛いだけだ。

身体中を弄る手つきも、愛情も何もない。相手の事など考えず、己の快楽だけを追い求める。
最低だな…全く。

さっさと終わればいい…そう頭の中で考えていた時。


「大佐!大佐!いらっしゃるんですか!」
「…!?中尉…!」

ホークアイ中尉!何故ここに!?

「ほぉ。お前の部下も来たか。どうするか?開けて招きいれようか?」
グラン准将が顎をくいっと動かし、それを見た部下の一人が玄関の方に足を向けた。


「お、お待ちを!准将閣下!」
「何を焦っておる?お前は人に見られた方が燃えるのではないのか?」
「だったらわしの部下より直属の部下の方がより一層淫らに善がるのではないか?」

にやりと笑いながら、部下に「行け」と指示を出す。

冗談じゃない!ハボックならまだしも、彼女にこんな姿を見せられるわけない!
身体を起こして逃げようとしても、4人の腕が私の身体を押さえつけ逃げる事など出来なかった。

まだ私と繋がっている部下の一人は、くすくす笑いながら再び腰を打ちつける。
もう一人は私の顔を捻らせ、己の男根を口の中に押し込んできた。


前後から犯される。こんな姿を彼女に見られてしまうのか…


半ば諦め状態の私の足に、何かがふっと触れてきた。

エド…?お前か…?

シュルシュルと一本だけ抜け出せた蔦が、私の足に絡みつく。
すまない…君を助けるための行為だ。だから大人しく…


オォォォ!!!


うねり声にも似た音で、エドが大きく揺れだした。
流石のグラン准将も驚き、辺りを見回している。


「な、何だ!今の音は!」
「将軍閣下!キメラが!」
「縄が切れそうです!」

その言葉が最後まで聞く前に、エドに巻き付けられた縄はプチプチと切れていった。

すべての縄が切れた瞬間、蔦が一斉に現れ、一部は玄関に、一部は私を犯していた部下に向かってきた。

「うわっ!何だよ!止めろ!」
「離せ!貴様!」
私に挿れていた部下は引き剥がされ、他の部下達も蔦が巻きつき締め上げていた。

私はすぐに上着を羽織い、玄関の方に目を向けた。
蔦は玄関に向かっていた部下を拘束し、また机や椅子を持ち出し玄関の前に固めて封鎖してしまった。


「エド!?やめろ!」
「何だ!これは!マスタングどういう事だ!」
蔦は増える一方で、窓という窓に絡みついていく。
これでは中に入る事も出る事も出来ないぞ…

「くっ!この化け物め!」
グラン准将が手に錬成陣を描いた甲冑をはめる。
両手を合わせ、床に拳を叩きつけた!いけない!


「エド!!」

私が叫ぶと同時に、床に亀裂が走り、そのままエドに向かって走る。
亀裂はエドの幹にそのまま走り、エドを真っ二つに引き裂いた。


「エド!!!」
オォォォンン

うねり声と共にすべての蔦がしな垂れ、部下達や窓を開放させた。

幹はぐったりと倒れ、葉も揺れる事を止めていた。


「エド!エド!」

私はうなだれるエドを支え必死に話しかけていた。
だがエドはぴくりともせず、そのまま私の腕の中で動かなかった。




  
To be continues.

     




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